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  • 逆鱗はいずこ

    逆鱗はいずこ

    筆者どのは墨絵に興味があるのだろうか? だが画力はやはり今一つだな……。

    雰囲気だけならそれっぽいが、顔の部分などもう少し濃淡を分ければ良い気がするが(全部同じ濃さだしな)。

    それに題目としながら逆鱗らしきものは見当たらないな、せっかくだからそういうのも描き加えれば良いと思ったのだが。

    確かにそれっぽいのないね。

    筆者もすこーし思ったみたい。

    じつは逆鱗についてのトリビアをここにのっけてるんだけど、絵を先に描いていたからその話は後付けになったらしいよ。

    というワケで、そのトリビアもオマケに見ていって頂ければ幸いです。

    ドラゴン、怒りのスイッチ

    カエデとコチョンからフリがあったとおり、タイトルにもある逆鱗についてですが、中国の伝説では81枚あるとされるウロコの内一枚だけノドもとあたりに逆向きに生えた、30センチメートルほどのウロコと伝えられています。



    そしてこの逆鱗に触れると龍がブチキレるらしいです。




    龍にとって大変ナイーブな部位なんでしょう。




    ところで、その逆鱗の伝説についてですが、出どころは中国の思想書・韓非子(かんぴし)のようです。




    この書は20巻55編にわたり、その中の説難(ぜいなん)という一説に逆鱗のことがくわしく記されています。




    とはいえ原文や書き下し文ではほぼ意味が分からず、現代語訳を参考にしながら、自分なりに解釈したものが次のものになります(大きなまちがいはないと思います、おそらく……)。

    竜は恐ろしい生き物だが、一方で従順な面があり、上手く手なずけるとその背に乗れるほどになる。

    ただ、竜のノド元には一尺ほどのウロコが逆さまに生えていて、この「逆鱗」にうかつに触れると、竜が怒ってしまうため、
    触れてしまった者は死を覚悟しなければならないといわれている。

    同じく国を治める君主の心の中にも逆鱗が存在している。

    君主を説得したい時は、その逆鱗に触れないよう心がけて話が出来れば、成功へと近づくだろう。

    ここまでですが、20巻中のごく一部の内容なので、非常に短い一説となっています。




    君主=龍として見た場合のたとえ話のようなものですが、だいたいこのような内容文がその書物に書かれているということです(興味があれば韓非子で調べてみて下さい)。




    さらに慣用句の「逆鱗に触れる」とはその話が由来とされています。人が怒ったまたは人を怒らせてしまった時に聞くような表現です。




    なお逆鱗に触れるは目上の人に対し使われるのが正しい用法です。それも普段はおだやかなのに怒ると一気に別人になる、そんなギャップの持ち主に対して使われるのがしっくりきます。




    ここをご覧の方、逆鱗に触れたらヤバそうな人が身近には居ますか?




    めったに怒らない、そういう人ほどいざプッツンすると恐ろしいものです。




    常に怒っているような、いつもイライラしているような、普段からそういう風に感情むき出しな人よりは、はるかにおっかないと思うんですが果たして……。

    了。

  • トカゲやカメは爬虫類。それはそうと「爬虫」ってなに?(一部ワニの映像もあり、苦手な方は閲覧注意!)

    トカゲやカメは爬虫類。それはそうと「爬虫」ってなに?(一部ワニの映像もあり、苦手な方は閲覧注意!)

    脊椎(せきつい)動物はおおまかに5つの種に分類されている。




    魚類・両生類・爬虫類・鳥類・そして我々人類が属する哺乳類。




    なお脊椎動物とは背骨がある動物のことで、反対に無脊椎動物の生物で分かりやすいものでは、タコやイカなどがそれにあたる。




    話を戻して脊椎動物中の爬虫類とは、トカゲやヘビなどが属する分類。




    そして突然だが、この爬虫類のの字、専用漢字なのか爬虫類の文字以外で使われているのを見たことがない。

    確かにいきなりだな。

    爬虫類そのものではなく、文字の方に注目したということか。

    いわれてみれば「爬」って、あんま見ない字だけどね。

    爬虫類以外に使われることってあるのかな?

    なおここでは少し脱線して、凶悪なワニの話なども含んでいる(目次からそれぞれ飛ばれたし)。




    ところで研究の進歩とともに生物分類法も変わるため、魚類や爬虫類といった名称の使い方も現在適切でないかもしれないが、便宜上ここでは従来の分類名を使用し表記している。

    まず爬とは

    photo of black and brown lizard on gray pavement
    Photo by John Hanusek Photography on Unsplash

    爬とは這う(はう)這って進む、もしくは掻く(かく)ひっかくなどの意味を持つ字。



    ヘビ・トカゲなど、とっさに思い付く爬虫類は確かに地をはって生きているので、爪という字が入っていることから、ひっかくという意味を持つのも納得。

    元の意味から考えても、這って進む特徴を持つヘビが、この字のイメージにもピッタリだね。

    「地をはう大蛇・ヨルムンガンド」

    うーん、厨二臭が利いてていい感じだね!

    虫じゃないのに「爬虫」とはこれいかに

    「虫」の部分について、字そのものがヘビの形を元にして造られたという説がある。




    くわしくは象形文字から「虫」の字が出来上がったということ、そうこんな感じで。

    情報を元にして字の移り変わりをざっくり描いてみたが、最初の方は確かにヘビに見えなくもない(最後は実際のものと若干文字形がちがうが、現在の虫の字に限りなく近かったので、そのまま虫と書いた)。




    つまり爬虫類の中に虫の字があてがわれるのも、成り立ちから考えても別におかしくない。




    ついでに蛇という字にも虫が入っているのも、この名残からだろうと考えている。




    そのことについても調べた結果、蛇の右側の它も、元々頭のデカいヘビ・虫よりも大きな蛇を象った象形文字だったことが分かった。

    それこそ虫の字の元になった蛇って、マムシそのものを指していたらしいよ。

    大昔には生物や物体などを象った文字が多かったのだな(それを象形文字というのだろうが)。

    年月とともに元の形が想像出来ないほど変化した漢字は、ほかにも膨大にありそうだな。

    世界最大と最小の爬虫類

    最大種に関してはインドネシアに生息するコモドドラゴン(コモドオオトカゲ)あたりかと思ったが、調べた結果、そんなものとは比べ物にならない規格外サイズの爬虫類だった。




    その爬虫類とはずばりワニだったのだが……(ちなみにコモドドラゴンの巨大種も3m強の個体が存在するらしく、それでも充分デカいように思われる)。

    最大種

    現存する爬虫類の中で最大種とされているのがイリエワニ(ワニ目クロコダイル科クロコダイル属)。




    とりわけオスは平均体長4~5m、体重1t超えの個体もザラに存在し、押しも押されもしない巨大さを誇る種となっている。




    そんなイリエワニ中でもインドの国立公園にて目撃されたという、カリアという個体の全長はおよそ7mで、体重は2tにもおよぶ。




    なお7mというサイズは2階建てビルにも相当し、数字だけでもゲームに出てくるようなモンスターを彷彿させる。




    バイオハザード2の下水マップに巨大ワニが出てくるが、イメージではあんなのが現実に居たということになる。




    しかしこのカリア、Web調査中に偶然に名が出てきた存在で、情報によると巨大であまりに危険なため捕獲まで至っておらず、サイズや重さも憶測にすぎないらしい。




    つまり遠目で見てその位の大きさ・重さになるという推測の情報である。




    よってこれを爬虫類最大サイズとするのには確信が持てず、目撃例も少ないためカリアについてはなかば都市伝説じみた存在(つまりUMA)といって良いかもしれない。




    それとは別にロロンというイリエワニがフィリピンで捕獲されている。こちらの方はカリアよりも小型だが、体長が6.17mで体重も1トン超だ。




    捕獲されたイリエワニの中でも最大種とされ、2012年にはギネスにも認定されている分、先のカリアとちがい存在が確実に証明されている(2013年に死亡している)。




    ここで、かつてのロロンの体長を計ろうとしている海外の映像を載せさせて頂く。

    当方語学堪能ではないので、現地の方が何をしゃべっているかまるで分からないが、危険で切羽詰まったような状況感なのは伝わってくる。しかも人との体長比較も少し出来るので、大きさにもリアリティがある。




    ともあれUMA的なカリアとちがい、ロロンは正式にサイズが定まっているのだ。新たな個体が見つかるまではロロンを最大サイズ個体とするべきだろう。




    一方でロロンは人食いワニとしての側面もあり、少なくとも2人の人間が食べられて命を落としたとされている。




    本当にこのワニが原因で命を落としてしまったのなら気の毒というほかないが、そんな人食いワニを、公園のような場所で普通に飼っている様子がうかがえるのは、動画だとしても貴重なことだと考えている(実際に捕獲後は自然公園で飼育されていたらしい)。




    生きた標本として展示?していたあたり、人の方がたくましい気がしなくもない。




    ここで余談、ワニはもちろん肉食でありアゴの力もハンパじゃない。ことフロリダの生物学者チームはワニに限定して23種類の噛む力を測定した実験を行ったという。




    その結果、イリエワニの噛む力は1平方cmあたり260kgの数値を計測したという(専用の機械を噛ませるまで、人数・手間・費用がたいへんかかったらしい)。




    数値だけでは想像が付かないが、我々人間がステーキを噛む力はおよそ10~14kg、百獣の王ライオンやそれと肩を並べる猛獣のトラですらせいぜい70kgほどとか。




    人間との比較でも20倍以上の凄まじさである。個体差や顎を使う状況によるとしてもワニの噛む力は地球上の生物で最大とされている。




    しかもサイズに比例して噛む力は大きくなるというのだから、カリアといったUMA的な巨大個体の数値は想像をさらに上回るのかもしれない。




    ところで噛む力は強くても、開ける力は弱いとか聞きかじったことがあるが、そもそもワニと戦いでもしなければ役に立ちそうにない知識となる。

    カリアというワニはともかく、ロロンに関しては捕獲済みの個体で、はっきり大きさも解っているということだったな。

    にしても、ワニに固有の名前を付けるとは。

    ほかの個体よりもよほど目立つ存在だったからなのか。

    ほかの名前付きワニでとりわけ有名なのはブルータス・カシウス・ドミネーターかな。

    どれも狂暴で大きいワニだけど捕獲してるしてないに関わらず、サイズでトップを争うのはさっきの2匹みたいだね。

    ちなみにブルータスもカリアやロロンと同じイリエワニで、川サメと争った影響で片足を失っているって話さ。

    現在がどうなのか解らないけど、オーストラリア北部の川でちょくちょく見かけられたらしいよ。なんでもブルータスを見るツアーなんてのもあるんだって!

    運良く遭遇した時にはエサやりなんかも出来るらしいけど、ボクなら怖くてそんなのムリだね。

    映画の題材になったワニ

    東アフリカ・ブルンジ共和国の湖や川で目撃されたギュスターヴ(またはグスタフ)という個体のオスワニについてだが、およそ300人もの人間の命を奪ったという話が存在している。




    ギュスターヴはナイルワニという種類で体長も6mほどとされているが、捕獲が出来ず正確な計測が不可能な個体らしい(捕まえられていない上、どこに居るかも分からない)。




    しかし彼については体の大きさなどよりもむしろ、その特異な凶悪性に注目すべきだろうか。これまでの名前付きワニたちとも少しばかり次元がちがう。




    まずその狂暴性を感じられるものとして、長年ギュスターヴの研究を行っているというパトリス・フェイ氏(ギュスターヴと名付けたのも同氏だとか)によれば、このワニの襲撃経路と思われる村々で十数名の人が死んでいたとされている話が存在している。




    もっともこの惨劇をワニの仕業とするには、その痕跡に「これはワニの仕業だ!」と断言できる特徴がないとダメなように思うのだが、ひいては惨劇をギュスターヴのみの仕業とするには当方でも情報を探せず、あるいはギュスターヴ以外の個体によるものという推察しか出来なかった(もしくはほかの動物の仕業?)。




    もしただのウワサであれば、そこに尾ひれがつくのはどの話でもあり得る。




    ギュスターブに関しての他情報は、メスを探している状態が特に危険であるとされ、水辺のほかの動物や人を片っ端から襲うという話である。




    先ほどのおよそ300人の命を奪ったという話は、流石に眉唾(盛った)っぽく感じるが、分かっているだけでも十数人の命が、このワニの狂暴化によって失われたという話はあり得そうだ(疑問なのは逃げ惑う人々をすべてころ〇てしまうほどのスピードを、果たしてワニが持っているかということだが、寝込みでも襲ったのだろうか?)。




    一方でこれもウワサによるものだが、ギュスターヴの真の恐ろしさは襲った人数のことよりも人を襲う行為そのものに快楽を覚えてしまったこと。




    ワニの食性は基本に肉食で、魚だろうが鳥だろうが哺乳類だろうが肉ならなんでも食べる(種類によって好みや差はあるかも知れない)。そしてそれは人であってもだ。




    話やその存在が真実だとして、ことギュスターヴに関しては人間を食べて味を覚えてしまったことから、狂暴性にも拍車が掛かったと思われる。




    人間が獣などに襲われて命を落とす話は少なくない。しかも、ワニ自体が水棲動物の中でも頂点クラスの捕食者。危険極まりないのは言うまでもないことだ。





    もっともギュスターヴの場合は生きるために食べるのではなく、遊びの感覚で人を○ろす事もあるワニと化した。人を襲った後、肉を口にしないという話もあるほどだ。




    笑いごとではないが、もはやリアルワニワニパニック。




    その残虐性から「カニング・キラー 殺戮の沼」という映画まで造られてしまったという。




    こちらはギュスターヴによると思われる事件を元にして制作されたそうで、死体の感じなど結構グロいらしく、耐性が無い方は閲覧注意作品である。




    このようにモンスターパニック作品の題材にすらなっているギュスターヴは、わりと近年の個体らしく、もし存在して生きていれば80歳くらいだという。




    つまり彼はまだその辺にいるかも知れないという恐怖があるのも付け加えておく。

    このワニが捕獲出来ていないのもムリないのかもよ。

    なんたって皮膚が硬すぎて銃弾を受けてもヘッチャラだったって都市伝説もあるんだから。

    一応その傷あとは残っているらしいけど、ピンピンしているらしいね。

    確かにワニの皮膚ってすごく堅そうなイメージだけど、このワニの場合はあまりに狂暴なのもあって捕獲が困難なんだろうね。

    ましてそんな化け物がまだ居るって思ったら、スゴくおっかないよ。

    並大抵の生物ではないな。

    私もそこいらの者が撃った弾など目線や挙動で避ける自信があるが、直撃したとなれば流石に無事では済まないだろう。

    弾を身に受けて平気ともなれば、狂暴なだけではなく生命力の強さも際立っているということだな。

    我々でいうと蚊に刺された程度なのだろうか。

    銃弾避けれるって言うキミも充分、化け物染みているけどね……。

    ギュスターヴについては、ほかにもカバや水牛を襲って食べたとか言われているね。

    どっちも大きい動物だし、カバに至っても狂暴な動物って言われているのにさ。

    水牛が引きずられていくのが目撃されたってウワサもあるくらいなんだ。

    先ほど銃弾による傷あとが残っているとしていたが、それを手掛かりに識別は出来ないものだろうか?

    それも怪しい話だけどね、傷あとを頼りに探すったってそんなワニ無数に居そうなものだけど。

    万一ギュスターヴって断定できるワニが見付けられたら、その時はGPS付きのマイクロチップでも埋め込んで追跡できるだろうけどさ…。

    でもそんな狂暴ワニにどうやって接近するか、それが課題だよね。

    だいたいそれが出来ていたらもっと詳しいことが分かるはずなんだから。

    私がやってやろうか?

    チップとやらを体内に埋め込んでくれば良いのだろう?

    相手にとって不足なしだ!

    簡単にいうよね。

    そもそもコイツもカリアとおんなじで神出鬼没な存在だし、今どこに居るかさえ分かってないんだから現実的じゃないね(っていうか生きてるのかな?)。

    ワニ一匹に対してそういう都市伝説が生まれたのは事実で「そんな恐ろしいワニがホントに居るかもしれない」という恐怖感をともなった視点でいた方が、たとえ話し半分だとしてもロマンがある。

    ヘッビはどうなの

    ワニの話が長すぎて失念していたが「体長」というカテゴリであれば、ヘビの方が巨大種の数が多そうである。




    そこで調べてみたが、インド・東南アジアに生息する「アミメニシキヘビ」というヘビが、体長10mにも達するといわれている(流石に10m超の個体の話は見つけられず)。




    実際にギネス認定された個体は7.67mだったらしい。しかし先ほどのカリアやロロンの体長と比べればこちらに軍配が上がる。




    ただし長さよりもそれを含めた全体的な大きさを重視する方が、見た目のインパクトは強いと思われる。




    よって筆者は先ほどのロロンが現存する爬虫類の中で、一番大きな個体と認識することにした。




    しかし今後の発見で更新されることは充分ありえるので、あくまで暫定の話である。

    最小種

    マダガスカルに生息する「ミクロヒメカメレオン(ブロケシアミクラ)」が爬虫類の中で、現在一番小さい種類とされている。




    こちらは成体でも3cmほど、いわば人の指の関節くらいの大きさしかない。なんとも可愛らしいサイズで先ほどのギュスターヴの話の後だとなぜかホッとする。




    種類として確定しているものでは最小サイズということだが、実はミクロヒメカメレオンよりも小型のカメレオンが新発見されているのだとか。




    こちらもマダガスカルで発見されたらしく、その個体の体長は2.16cmだという。残念ながらまだ名前は付けられていない様だ。

    まとめ

    • 爬虫類の「爬」は地をはう者という意味(なんかカッコいい)

    • 爬虫類の「虫」は元々「蛇」の象形文字

    • 世界最大の爬虫類はワニ。中でも6mを超えるものが存在する。捕獲された個体の最大サイズはイリエワニのロロンで6.17m(未捕獲で推測レベルだとイリエワニのカリアが7m超)

    • ギュスターヴというオスのナイルワニもデカいが、それよりも彼はあまりに狂暴過ぎることで映画の題材にもなった

    • 世界最長の爬虫類はアミメニシキヘビ、こちらの最大サイズは7.67m(10m以上のも居るとされているが、未確認)

    • 世界最小の爬虫類は、ミクロヒメカメレオン、成体でもサイズは約3cmで指の関節一つ分の大きさしかない

    • さらに最小記録を更新したカメレオンがマダカスカルで発見されたが名前がまだ付けられていない

    爬虫類という言葉の由来についてはすぐ終わってしまったので、最大種・最小種に関しての話がむしろメインのような感じになってしまった。




    特に最大種については調べることも楽しくなってしまったため、ほかの見出しより文字量のバランスもおかしくなってしまった(反省)。




    オマケに一つ付け加えるとさきほどのロロンやギュスターブはあくまで視認が出来ている存在であって、さらに大きいものがこの世にまだ居るかも知れない(これから産まれてくることだってあり得る)。




    そういう巨大種を発見して明らかになったその際に、読み物を再更新出来れば良いと思っている。




    なにぶん自然界で起きることなので、必然性はないし気長に待ちたいところ、もしかすると何十年も経って筆者が忘れた頃の可能性もあるだろうか。

    筆者は爬虫類が好きで昔※コーンスネークを飼おうと企んでたんだけど、身内に猛烈に反対されて断念したらしいよ。

    確かに温度管理とかエサの確保だとか費用はそれなりに掛かるし、万一逃がしでもしたら別な意味でエライことになるからね。

    ※爬虫綱・有鱗目ナミヘビ科・Pantherophis(パンテロフィス)属に分類されるヘビで、和名はアカダイショウ。国内外問わず飼育され愛好者も多い小型ヘビ。爬虫類専門ショップではもちろん、ホームセンターのペットショップなどでもたまに見かける。

    私もその手の動物は苦手ではないぞ!

    カエルなどはなかなか愛嬌がある顔をしてるしな。

    あ、カエルは爬虫類じゃないよ!

    両性類ね。筆者もまちがえていたことがあったらしいよ。せっかくだから両生類の特徴も言っとくね。

    両性類は変温動物で、気温に合わせて体温を変える事が出来るんだ。ちなみに魚類と爬虫類も変温動物だね。

    たいがいのカエルはオタマジャクシの頃はエラ呼吸や皮膚呼吸をして過ごして、大人になるとエラ呼吸が肺呼吸になって陸上でも生活するようにもなるよ。乾燥に弱いから粘膜でおおわれていて卵も水の中で産む種類がほとんどかな。

    もっとシンプルにいうなら水陸両方で生活する生き物と言っても良いね。だから両生類。

    でも中には陸上や樹の上で生活するカエルも居たり、水ヘビの様に水中で生きる爬虫類なんてのも居たりする。

    こういう例外も居るから生き物って単純じゃないし、不思議なものだなって思うよ。

    その例外の生き物とかについてはここで紹介するのは長くなるし、ちょっと難しい話にもなりそうだから機会があればまたね。

    でも大雑把には今言ったとおりの感じかな。

    はーい! 覚えときます。

    了。

  • えんぴつの種類にはHやBのほかに「F」もある!

    えんぴつの種類にはHやBのほかに「F」もある!

    前回、エレベーターボタンのアルファベット表記についての読み物を書いた。




    その情報をWebで調べている時、今まで知らなかった意外に多種な黒鉛筆の芯についての話も見受けられたので、ついで書きの文として作成した。




    もっともこの話は、美術系の人や鉛筆で絵を描く人にとって、至極日常的で当たり前の話だと思われる。




    が、筆者もふくめ、知らない人からすれば意外にトリビアなこと。




    下手の横好きにしろ、一応は筆者も絵を描く時があるワケで、たとえ今はデジタルメインだろうと、こういうことも知っておいた方が良いと思った。

    FはHとHBの中間

    yellow pencil
    Photo by Clarissa Watson on Unsplash

    Fとは「ファーム」といい「しっかりした」という意味。




    これはよく使われるH・HBの中間の濃さ・硬さを持った黒鉛筆の芯のこと。

    濃さや堅さって何の事?

    黒鉛筆のアルファベット表記は、芯の堅さと色の濃さを段階的に表したもの、とりわけその種類には、色が濃い物や薄い物がさまざま。




    また芯の固さも、それぞれでちがっている。




    そして現在、使用されている黒鉛筆の種類と段階は10H~H→F→HB→B~10Bとなっている(10Hがもっとも堅くて薄い、10Bがもっとも柔らかくて濃い)




    なお10HからH、10BからBまでは9段階の濃さと堅さの数字が、アルファベットの前に付く。




    これだけ黒鉛筆の種類があるというのも驚きだが、これを一つ一つ使い分けている人が現実には居るのもすごいことのように思う。

    あ、忘れる所だった。

    Hはハード。

    Bはブラックだよ。それぞれの英語のイニシャルってことだね。

    頭文字の本来の言葉も覚えておくと、より頭に残るな!

    鉛筆が使われるようになったのはいつ?

    日本では明治維新後、1873(明治6)年頃に鉛筆の製造を学んだ伝習生が帰国した。その後、小池卯八郎という人物がその製造工程を元にし、黒鉛筆を国内で最初に造ったという説がある。




    年月が少し進み、今度は眞崎仁六という人物が1878(明治11)年に、パリ博覧会で出展されていた鉛筆を見て製造方法を研究した(マンガのるろ剣で剣心と薫が出会ったのが、確か明治11年の設定だと記憶している。余計だが急に思いついて書きたくなった)。




    さらに彼は1887(明治20)年に眞崎鉛筆製造所を設立。これが、かの大手メーカー「三菱鉛筆」の前身になったとされている。




    「ザンギリ頭を叩いてみれば文明開化の音がする」という有名な言葉にもあるように、明治維新後には海外から様々な文化が一気に取り入れられた。




    鉛筆も例外では無かったということ、ちょっとした歴史の豆知識として書いておいた。

    まとめ

    • 鉛筆のアルファベットは色の濃さと芯の堅さを意味している。

    • Hが堅くて薄い、Bが柔らかくて濃い。

    • 黒鉛筆の種類は10H~10Bまであり、H(1H)とB(1B)の間はH→F→HB→B……となっている。

    • アルファベットに付いた数が高いほど度合いが高くなる。

    現在でも一部資格試験やセンター試験の時は、黒鉛筆使用のみに限定されていることも多い(マークシート式だと、シャープで書いても採点時に認識されないとか、都市伝説じみた話もあるが、これは定かではない)。




    デジタル化がいくら進もうが、鉛筆には一定の需要があるだろう。まして、鉛筆で絵を描く人なら各種類あることが大前提であるともいえる。

    黒鉛筆は大人子供関係なく、一度は使ったことあるはずだからね。

    一時的にシャープやほかのペンを使うことがあっても、誰しも少しは鉛筆を使った経験があるはずなんだ。

    それこそ美術の授業ではデッサンでかならず使うワケだし。

    ちなみに大工さんとかが寸法を取るとき、目印に使うのはおもに黒鉛筆だね。

    濃淡がたくみに表現出来るのは、確かに鉛筆ならではかもな、芯も丈夫だし。

    反面、シャープペンというのは研ぐ手間がない利点もあるが、力加減をまちがうと芯が折れやすいからな。

    それこそ、用途によって使い分けるというのが一番だろう。

    私はほぼ毛筆しか使ったことがないが。

    筆で書くの上手い方が、スゴイと思うけどな!

    文字や絵の線の太さも、一本の筆でコントロールしなきゃないしさ(毛筆にも種類や使い分けはあるけど)。

    ちょっとした加減で太さと濃淡がすごく変わるし、手先の精密さを問われるのは毛筆が一番レベル高そうな気がするよ。

    了。

  • エレベーターのボタンでも見かける「R」や「B」の正確な意味

    エレベーターのボタンでも見かける「R」や「B」の正確な意味

    今回はそれほど広がりそうな題材の読み物ではない。




    ただ、タイトルにあるアルファベットの意味のみ書いてしまっては、文が短くなってしまうため、もう少し話を広げてみようと思う。

    Rは屋上、Bは地下

    a close up of a door handle on a wooden door
    Photo by mark chaves on Unsplash

    そんなの当たり前と思わず、もう少し続きを読んで欲しい。




    詳しくは、Rが「ルーフ」で屋上や屋根を意味している。英語ではRoof。RF(RoofFloor)と表記する場合も。Bは「ベースメント」で地階を意味する。英語ではBasement。




    RとBがなにかしらの略語とは思っていたが、正式な言葉は筆者も知らなかったので、ついでに書いた。

    少し補足

    本来、屋上は階としてカウントしないらしい。ただエレベーターや階段などで屋上を意味するものが必要なために、Rが表記される様になった。Bについても同様に思われる。




    ほかにもよく見る「F」表記は、フロアー(Floor)の事だ。1Fなら一階、2Fなら二階という当たり前の解釈で良い。……言うまでもないだろうか?

    読み物作成の目的が、RとBの意味だけだから、これ以上広げようがなくて筆者が困ってるね。

    常識内の話におさまっちゃってるよ。

    頑張って、もう少し役立つ事も書くつもりらしいから、読んでいる人も付き合ってあげてよ。

    もっと補足

    日本ではあまり馴染みもないだろうが、海外でのエレベーター表記に「G」というのも存在する。バイオハザード2の化け物とは何も関係ない(何言ってんだ)。




    これはグランドフロアー(Grandfloor)つまり地上階の事。




    ほかには「E」というものもある。これはアースフロアー(Earthfloor)で土間、これも地上階。




    ほか、ちょっとしたポイントだが、海外のエレベーターでGとEなどを表記している場合、それは日本での1階にあたる。




    さらにヨーロッパでの地上階は、0階という認識(そういう表記になっている事も多い)。よって、階数を数える場合は0階(地上階、1階)→1階(2階)→2階(3階)という風になる。カッコ内は日本での認識だ。

    日本人が外国へ旅に出かけたら、階数を間違えそうだな!

    表記通り4階に行ったつもりが、実際は5階だったという話になるワケだ。慣れんと混乱するだろうな。

    実際ありそうだけどね。それよりも海外旅行で宿泊する時とかに役立ちそうな話だけど。

    ほかにも「L」・「P」・「M」なんて表記もあるみたい。それぞれロビー・ペントハウス・中間階を意味しているね。ちなみにMってミドルの事だよ。

    ロビーはもちろん広間の事で、ペントハウスは屋上の特別な部屋を指しているよ。お金持ちとかが住んでいるようなイメージだね。

    「M」はM2、M3って感じで、それぞれ中2階・中3階を表すんだ。でもMについては「メイン」っていう意味で表記されている所もあって、この場合は「主階」って意味になるよ。つまり1階って事!

    まとめ

    • R(屋上)B(地下)F(フロアー)

    • G・E(1階・地上階)はそれぞれグランドフロアー・アースフロアーの意味。

    • Pはペントハウス。最上階・屋上にあるリッチな部屋の事。

    • Lはロビー。広間の事。

    • Mはミドルの意味で中間階となる。例→M4・M5(中4階・中5階)

    • Mに関してはメインフロアー(主階)を意味する事もある。つまり1階。

    • ヨーロッパでは地上階を1階とカウントせず、0階と表記する事も多い。1階は日本での2階となる。

    ほかには「RC」っていう表記もあって、正確にはraz-de-chaussee……フランス語なんだけど、これも1階の事なんだって!

    エレベーターや階段のRとBの話から、ずいぶん広げられて筆者も自己満足しているよ!

    各国それぞれの昇降機(エレベーター)や階段で見慣れない表記がある場合、こういう情報はタメになるな。

    ホントホント! 国内で目にする事はあまり無いだろうけど、知識として覚えておくのは別に良いと思うよ(どうせ筆者は海外旅行に行く事なんて、当分無いだろうし)。

    私は昇降機では無く階段を使うがな。

    自動で人を運ぶ物などに常時頼っていては、健康にも良くなさそうだ。時と場合によって便利なのは解るが。

    重量物を運んだり、目的の階に楽に行ったりするにも無くちゃならないと思うけど。単純にラクチンだし。

    てか、カエデはそもそもエレベーターを操作出来なさそうだね。乗ったとしても、出られなくなって適当に押しそうだし。

    最悪、非常ベル鳴らして大騒ぎになるんじゃない?

    さ、さーて……体でも動かすか!

    こう話ばかりでは、体もなまるしな!

    あ、逃げた……(ひょっとして経験アリ?)。

    了。

  • がんばれゴエモン 東海道中 大江戸天狗り返しの巻レビュー(ネタバレ注意)

    がんばれゴエモン 東海道中 大江戸天狗り返しの巻レビュー(ネタバレ注意)

    ネタバレがイヤな方は……

    ここは筆者がプレイしたゲームのネタバレ多めのレビューだよ!

    ネタバレはイヤだけどゲームには興味ありって人は、ここからこの先ネタバレ注意!までを読んで参考にしてね!

    初プレイの楽しみを大事にしたい人は、そこまでなら安心して読めるよ!

    それ以降の内容は、ネタバレが問題ない人向けだぞ!

    ゲームをすでにプレイ済みの人は思い出を楽しみ、未プレイの人には雰囲気だけでもつかんで、実際にやってみたいと思ってもらえたなら嬉しいな!

    情報もろもろ

    発売日2005年6月23日
    発売元コナミ
    開発元コナミ(ゴエモン製作委員会)
    ジャンルアクションアドベンチャー
    プレイ環境ニンテンドーDS

    おススメする人

    以下のような要素が好きな方におススメ

    • 和風
    • 短編
    • がんばれゴエモンシリーズ
    • 2D・斜め見降ろし視点、それぞれのアクションステージ
    • タッチ機能を使ったギミックあり
    • 町での探索や買い物などRPG要素も充実

    目安プレイ時間・特徴

    クリアまでのプレイ時間は10時間くらいだよっ。

    サクっとプレイ出来るし、アクション慣れした人なら10時間もかからないかもね。

    このゲームは江戸時代を舞台とした和風で喜劇的(コミカルというやつだな)な冒険活劇を楽しむことが出来るぞ。

    このシリーズを遊んだことのある人にはお馴染みだが、その場に応じて、それぞれ能力のちがう4人のキャラを切り替えながら旅を進めていくんだ。

    散策がてらの道中で人々と話したり、店で食事や買い物が出来る等のRPG要素もあるから、アクション一辺倒じゃないところもメリハリがあって良いな。

    各MAPには色んな仕掛けがあって、タッチペン機能を使って進んでいくことが多いね(縄を引っ張ったり、お面をタッチしたりとかね)。

    ザコ敵やボス相手にそれを使って攻略することもあるしね。

    あとゴエモンインパクトってロボットを操作して戦う時のシステムは、下画面でのタッチ機能を最大限に活かしたユニークものになってるんだ。

    随所にミニゲームも用意されているから、アクション以外にも楽しめる要素があるのも嬉しいところかもな(本編とは関係ないが、タイトルから遊べるシューティングがあるというのも趣向をこらしているな)。

    題目のとおり江戸から京都までの東海道中が旅の行程だが、景色の全てが色彩豊かな墨絵風に描かれていて、町の風景を見るのもオツだぞ。

    そこらじゅうに江戸ネタのようなものも仕込まれているから、時代劇が好きな人にもおススメしたいものだな!

    この先ネタバレ注意!














    序文

    2005年6月23日、ニンテンドーDS用ソフトとしてコナミより発売された、和風アクションアドベンチャー。




    そしてコンシューマーにおいてのゴエモンシリーズ現行上での最後の作品、それががんばれゴエモン東海道中大江戸天狗り返しの巻です。




    ニンテンドーDS黎明期の作品でもあったため、タッチペン操作を必要とする場面が豊富に用意されていたのも新鮮かつ大きな試み。




    そういった要素を盛り込みながらも、シリーズ随一ともいえる和の雰囲気がふんだんに散りばめられています。




    またゴエモンシリーズの特徴として、いずれのタイトルもクリアまでのプレイ時間はそれほど長くはなく。




    もちろん今作も例外なく、初クリアまでにかかったタイムは10時間弱と記憶しています。




    本編とは関係ありませんが、各地に点在するこれゾウくんならずノストラくん収集要素があるほか。




    クリア後には自由に音曲を聞くことが出来るサウンドテストと、これまで戦ったボスといつでも再戦可能なモードの解禁もあるため、本筋とはそれた楽しみも少なからず。




    しかもタイトル画面からはシューティングゲーム往年の名作・クォースがなぜかミニゲームとして遊べます(ただし3ステージのみ)。




    本編の内外問わずプレイヤーを楽しませる要素が多く、まさしくシリーズ集大成を飾るに相応しいソフトになっています。

    色々詰め込んでいて容量使い切ったっていう感があったなあ。

    それと過去シリーズプレイ済みだとついニヤリとする場面とか、嬉しい要素も多かったね。

    今回も仲間として登場するサスケどの・ヤエどのには、同じ忍びとして親近感が湧くな。

    (私もキャラとして出てみたいが)

    ……今自分も出てみたいとか思ってない?

    ギク!(なぜ心の声が分かった?)

    ムリだからね。

    大体ゴエモンはこれが最終作だし、見た目と性格はちがっても、女忍者な地点でヤエちゃんと被ってるじゃない。

    ムリか。

    シュン……。

    アハハ! 冗談だよ!

    いつか有名になって出させてもらえると良いね!

    ……適当に取り繕っているだろう?

    評価スタイル

    ここからはストーリーや総評まで各要素を分けて☆☆☆☆☆って感じの、お星さま評価をさせてもらってるよ!

    ☆5つならめっちゃ満足、☆1つなら不満って感じでね。

    ちょっぴりありきたりな評価の仕方だけどね。

    ☆☆☆+や☆☆☆☆-のように評価させてもらうこともあるぞ。

    これは次の☆数まであと少しで達する、達したが少々物足りないといった微妙さ加減を表していると思って欲しいな。

    ストーリー ★★★★+

    原点回帰というべき、良シナリオでした。




    自分たちのニセモノに濡れ衣を着せられたゴエモンとエビス丸が、真犯人を追いかけるため、いつものように江戸から旅立ちます。






    四季がおりなす珍道中、ゴエモンファミリーは、自分たちにも負けず劣らずの個性的な人々との出会いを重ね、巻き起こる問題を解決しつつ、西の古都・京都へと。




    江戸がスタート地点なのはお馴染みですが、今作の舞台は当時の江戸・京都間の東海道に旅なだけあって、和風なゴエモンが戻ってきたような、そんな気がしています。




    8つに分けられた章仕立てのシナリオとなっていて、ステージやイベントごとに一つの区切りを設けているところなどもゴエモン的。




    後期作品のゴエモンは、きらきら道中のように濃いSFテイストが多々見られましたが、今回は良い具合に「和」です。




    ファミコンのからくり道中やゴエモン2、スーファミの雪姫などかつてのレトロゴエモンがそうであったように、舞台の雰囲気が一貫していたのも良点。




    一方でお馴染みでありつつ、スーファミ2以降のゴエモンシリーズの雰囲気を台無しにしたをSF路線に持って行ったゴエモンインパクトも登場します。




    また今作ではしっかりと※戦闘用ロボの役割のみに徹しており、雰囲気をそこまで乱すような存在ではありませんでした。

    ※スーファミのきらきら道中では、戦闘ロボの立場をぶち壊しにする設定(奇妙なサブタイからイヤな予感を漂わせていましたが)が後付けされましたが、今作においてもそのことは全く触れられず、設定そのものが存在しなかったかのようになっています。




    シナリオに関してはボリュームがもう少し欲しかったところ。




    8章もあるとは言いながら、各章はわずかなイベントとアクションステージが用意されているのみで、ゲームテンポも速く、ぶっ通しのプレイだとあっけなく終わってしまいます。




    もっとも今作は東海道中。道程は京都までと決まっているため終了の予想は付きやすく、江戸へとリターンし物語を締めとしたのは、ゴエモンらしいキレイな幕引きでした。





    そもそもゴエモンシリーズはどの作品も比較的短編なものばかり。一方で過去作の天下の財宝・黄金のキセルなどは純粋なRPGなため、その限りではなく。




    ポ〇モンのパクリもといもののけたちを集めて共に戦うロープレの鍋奉行などはクリア後の要素も充実していてそれなりのボリュームなように思えました。

    ※GBの初代ポ〇モンが人気を博した当時は、似た要素を持つゲームが他メーカーからも少なからず発売されたようでした。一方でそちらにはないオリジナル要素を持った良ゲーも少なくなかったようで、モンスター収集系のゲームを、なんでもかんでもアレと比較するのは良くないのかもしれません。

    別作品の話にシフトしてしまいましたが、アクションアドベンチャーとしてのゴエモンはコンパクトにまとまっているからこそ、ゴエモンといえるのかもしれません。

    ゴエモンらしいキャラ群と懐かしのアイツ

    お馴染みのゴエモンファミリーは相変わらずのノリ。




    エビス丸の武器が度々変わるのも、すでにご愛敬である(いよいよ食べ物を武器にするようになったが、あのおでんの堅さは一体どういうことなのか……)。




    一方で新規キャラたちはいずれも個性豊かでありつつ、雰囲気をぶち壊すようなのが一人として居なかったなかったこと。




    敵役のペルリも、かの黒船でやってきたペリーを模したような存在なだけで、アコギングやセップク丸のように宇宙キャラでなかったのも安心した。




    筆者はやはり初期のゴエモンに見られた和の雰囲気が好きなので、3の様に近未来へタイムスリップしたり、宇宙へ飛び出すようなSF展開がなかったのが正直ホッとしたところ。




    また序盤から登場していつつ、ゴエモンらしく一筋縄ではいかないデザインの準ラスボスが、ゲーム後半に黒幕としてネタバレをし始める展開も面白い(風貌が独特すぎるので、こいつは敵側のキャラだと早めに気付く方も居ると思われる)。




    突然、黒幕的な存在が出てくるものとしては3のカブキフォーエバーもそうだったが、今作ではカブキ自体が出てこず。




    ゴエモンシリーズのボス中でも因縁浅からぬキャラだったので、非常に似通ったボスのスケロクが全く無関係だったのが惜しい(いっそカブキとして出した方が良かったように思えるが)。




    カブキの再登場はなかったものの、ちょうちん魔人が出たのは今作の大サプライズ。




    かつての巨大ボス感は画面の都合上もあって薄れたが、スーファミ雪姫以来の再登板で、今作でもボスとして扱われる優遇ぶり。




    シリーズの豊富なボス連中から、なぜこいつだけチョイスされたのかは不明である。




    ついでに新規キャラの話に戻って、ほろほろ寺のイベントでちょっとしか出番がなかった鈴。




    調べによると当初はヤエちゃんの代わりに仲間として加入する予定が「ゴエモンファミリーにはヤエちゃんがいないと」的な理由で、あえなくサブキャラの1人となったらしい。




    理由には同意出来るものの(しかも最終作だったため、お馴染みの4人での冒険は結果としてまちがいではなかった)しっかりキャラが立っていたのだから、せめてもう少しストーリーに絡んで来る存在にすれば良かったのかもしれない。




    もし新作が出ることがあれば、鈴もプレイアブルキャラとして使用出来たなら面白そうだが。

    ゴエモンどのたちと使用武器もかぶらなそうだしな(竹刀だったか)。

    新たな仲間候補として、もっともあり得そうな感じはするが。

    見た目も可愛らしいし、ヤエちゃんと人気を二分するキャラになってたかもね。

    ……万一、新作が出ればの話だけどね。

    でもその時にまた登場するとも限らないよ。

    もったいない話だな。

    やはり私が代わりに……

    ないってば。

    さっきもいったけど、女忍者な地点でヤエちゃんと被ってるんだって。

    (マジで出たいんだな……)

    舞台設定も良し

    江戸~京都間の東海道間を旅するというのが、和の情景に思いをはせる筆者からして、すでにたまらない設定。




    実在した要所の宿場でイベントを解決しながら京都へと近づくにつれ、MAP間で春夏秋冬も移り変わる、これもニクい雰囲気づくり。




    また出番はわずかなものの、大岡越前・水戸黄門など時代劇好きには嬉しいキャラ達も登場する。




    もっとも、黄門様は単なるモブキャラの1人で、越前は少しだけストーリーにからんでくる程度だが、まさしく作品を超えたサプライズ出演。




    ほかにもスサノオの存在など、日本神話由来のイベントもあり、時代を超え、SF要素も盛り込まれた何でもあり感がなぜか許容されてしまうのも、ゴエモン世界の魅力かもしれない。

    グラフィック ★★★★★

    直感でいうならカラフルな水墨画。




    キャラや町・ステージなど、ゲーム内で見る画像すべてが優しく、コミカルなタッチで、ほど良く崩した「温かみや懐かしさを感じる浮世絵」。




    筆者の好み、どストライクです。

    ツボを押さえたグラ

    そのへんの施設や民家に入るとかまどやタンスなど当時の家具なども非常に「ぽく」描かれていて、動きを止めてグラを見ているだけでも結構楽しい。




    近年のゲームの如く美麗なグラフィックでなくとも、人は楽しめるという良例。




    また町のめし屋では食事をして体力を回復出来るのだが、そのメニューも各町でちがいがあり、それぞれの地域の名物が並んでいる。




    しかも美味そうに描かれているのだ。




    店内にはそれら名物に対してのプチ食レポを行う客が居るのもあってか、多少飯テロにもなっている(飯テロ的にもっとヤバいクオリティで描写されているのが朧村正というゲームだが、ここでは割愛)。




    細かい部分ではゴエモンの自宅に行くと、からくり道中や雪姫のゴエモンポスターが飾られているのだが、これにはついつい懐かしさがこみ上げてきた(からくり道中のものはゴエモンがキセルで攻撃している時のポスターだと記憶している)。




    なおこのゴエモン宅には知る人ぞ知る「ケンスケ」も勝手に上がり込んでいる(しかもゴエモンの強化アイテムであるスーパー小判を売りつけてくる)。




    スタッフさんの遊び心か旧作ファンへの配慮だろうか。

    インパクト戦の芸の細かさ

    インパクト戦時の下画面グラは、まるでゲームボーイの様な色合いのタッチパネル仕様。初見の時は「こう来たか」とちょっとうれしくなった。




    かつてのコックピット視点のインパクト戦からは完全に別物。




    しかも一昔前の携帯の型番らしきものもひっそりと画面に書かれている(なんて書かれていたかは失念)。←確認したところ「G573i」とDS下画面上部に表示されていた。




    それぞれGがゴエモン、573は発売元のコナミを意味したものかと。iについてはドコモ携帯の型式にiを冠したものが多かったように思ったので、そのまま携帯っぽく付けたのかと推測(同社のネットワークサービスではiモードというのもあるワケで)。




    凝っている。

    サウンド ★★★★★

    旧作からのリメイクBGMが多数で、中でもネオ桃山幕府からは割合多め。




    それぞれ元から良曲なため、ある意味でファンサービスも兼ねています。




    また今作もオープニングなどの一部場面・アクション時などはボイス付。




    声優さんも過去作からの続投だと思われます(もうそれぞれのキャラにマッチしているので、違和感もありません)。




    それと今作は笑点でも司会をされていた落語家の桂歌丸師匠がオープニング・エンディング、および章が切り替わる幕間にご本人キャラとして登場し、あらすじを実ボイスで盛り上げてくれます。




    なんと豪勢なことか。




    亡くなられてからすでに久しいですが、こういう作品上でも師匠の声が聞けるというのも、今となっては懐かしくも嬉しい。




    そしてスタッフロール後はおなじみのあのセリフで締めてくれます。

    新曲にも素敵BGM多し

    ゲーム後半の秋冬フィールドで流れる曲が和風エレクトロ(ジャンルの例えが合ってるか分からないが)でカッコ良い。





    メロディであれだけ季節感が出せるのはなんとスゴイことか。




    ペルリ戦・ラスボスの連戦2曲も熱い。




    しかしラスボス1戦目はまともに曲を楽しめなかった。いってもアクションゲーなので、じっくり曲を聞く余裕が無いのは当たり前として……ボスが移動する時の「ガーッ!」ってサウンドがとにかくやかましい。




    そんなワケでクリア後のサウンドテストでじっくり曲を楽しんだ。




    これが無ければ少し評価は下がったが、ちゃんと搭載されていたのがありがたい(GBのさらわれたエビス丸などにも裏技的に仕込まれていた)。




    なお筆者のような懐古厨には2マッギネスでの城ステージや、先のちょうちん魔人戦でかかる雪姫のボス曲がグッとくる。




    今作を通して昔を思い出すと、ゴエモンのBGMはステージとボス曲に盛り上がるものが多いような(っていうか、ほとんどその2つの要素で構成されたゲームなので当然だが)。

    操作性 ★★★

    まずマイナス点。見下ろし画面時は敵との距離感がつかみづらく、武器レベルが最初のものだと攻撃を当てづらかったです(操作性ではなく、視点による距離感からくるものものか)。




    ほかは可もなく不可もなくと言いたいところですが、インパクト戦のウスノロ感は人によりストレスになるかも。




    とはいえ仕様なので、アレが楽しめた筆者からしたらマイナスにはならないのですが、一応。




    またエビス丸を目的地まで転がすイベントは何度も失敗して心が折れかけました。よって基本操作の慣れは必須です。




    なお、そこはある意味ゲーム中一番の難所でもあり、ここを乗り越えたら後はゲーム進行でそれほど苦しむことはないでしょう。




    もちろんですがプレイヤーキャラごとに操作感もちがいます。




    特にサスケは2回斬り出来るのもあって、使いやすかったように思われます。

    システム・内容 ★★★★

    ステージの謎解きや仕掛けの作動、ボス戦に至るまでタッチパネルを使ったギミックが仕込まれていて、ユーザーを楽しませようとする試みが盛りだくさん。




    特にインパクト戦はそのシステムの真骨頂。




    出たての初代DSのパネル機能をこれほど発揮しているとは思ってもみませんでした。




    またストーリー進行そのものも章立てされた一本道とはいえ、ある時点から以前の場所へ戻れなくなるというゴエモン3やアコギングの様なヒドイこともありませんでした。




    もちろん前の町へも戻れます。よってイベントの未消化やアイテムの取り逃しといった心配も存在しません。




    ほか大きな評価要素として2Dステージ攻略時以外はいつでもセーブ出来るのもデカかったです。




    ところで今作では、ラスボスの強さと姿がフィールドで度々遭遇する「ある二人組」と関わった回数(出会って会話する)で弱体化するため、これはユニークなアイディアだと思いました。




    完全体のラスボスと戦いたい場合、その二人組と関わってはならないという一種のトラップにもなっています(と、いってもフィールドでの彼らは目立つので、初回プレイでは必然的に弱体化したラスボスと戦うことになるでしょう)。




    一方で最大限に弱体化したラスボスも、それはそれで一見の価値ありですが。

    ミニイベントや収集要素も

    ゲーム中は至る場所でミニクエが発生し、町人に話しかけると起こるものが多い。




    とりわけ手間がかかるものだと、解決後はまとまった額の両などを入手出来るので、基本はイベを起こして消化しながら進めるのが良い。




    もちろん強制ではないが、時間が多少かかる以外にはデメリットも無い。それに後半にならないと解決しきれないものも存在する。のんびりやるべき所だ。




    後は、ノストラくん集め。




    DS画面をタッチすると、隠れていた謎キャラ・ノストラくんが姿を現すが、コンプすると各キャラの衣装を変えられるというオマケつき(しかも顔グラまで変わるこだわりよう。ゴエモンのはスタッフの悪意が感じられて必見)。




    なお、コンプしたセーブデータさえあれば、違うセーブデータで新たにやり直しても着せ替え機能が反映されている。




    よって、再度違う顔グラでゲームをやり直せるということ。が、それだけのためにわざわざニューゲームで行うメリットは薄いかもしれない。




    ほかに2週目要素などがあれば別だが本作にそんなのは存在しない。というかクリア後要素はあっても歴代のゴエモンは大体そんなものである。




    ともあれこの収集要素のおかげで初回のプレイ寿命は多少延びるが、過去に行った場所を再度おとずれる必要も出てくるため、少々骨が折れる作業となる(今回も登場の変態プラズマくんが、未入手のノストラくんのありかを教えてくれる)。




    着せ替えもありだが、集めたご褒美として隠しステージ追加とかもあればさらに嬉しかった。でも、そこまで求めるのは流石にワガママかも知れない。




    ところで、筆者はノストラくんの頭に乗っているものがウン○にしか見えない。あげく、名前はどう考えても「ノストラダムス」から引っ張ってきたに違いない。




    世代な方には、1999年に起こると言われたあの大予言が懐かしまれると思う(クロノトリガーのラヴォス出現の年も、言わずもがなそれを当てがったもの)。

    術はオマケ程度

    各町の道場で500両払うと、キャラごとに個性あふれる姿へと変化して画面上の敵を一掃してくれる術が学べる。




    が、筆者は一度見たら充分だったので、それ以降攻略目的で使うことはほとんど無かった。というよりも、それを使うほど追いつめられるシチュはまず無い(むしろ一切使わなくてもクリアは出来る)。




    ただし術が無いと巻物のシステムが死んでしまうので、ゲージがMaxになったらグラ見たさで適当な相手にぶっ放すくらいは行っていた。




    派手かつ見た目は面白いので戦闘演出のオマケ程度として考えている。

    アドバンスの1・2があると

    それを差し込んだ状態で本編を遊ぶと色々な要素が追加される。




    それほど多くはないが過去作ファンには結構嬉しいキャラの再登場も(マッギネスとか)。




    ほかタイトルから遊べるミニゲームも追加。




    何気にゴエモンシリーズのミニゲームはどれも出来が良い様に思える(たった一面だが、雪姫でグラディウスが遊べたのは当時ビビった)。

    総評 ★★★★+

    今作含め、ほとんどのゴエモンシリーズをクリアした上で、老若男女問わずおススメしたい良アクションアドベンチャー。




    もちろん令和となった今でもそれなりに楽しめる作品でしょう。





    以下より箇条書きで特徴や良悪点をまとめ、一言二言で終わりといたします。

    • 原点に立ち戻ったゴエモン、雰囲気がまさしく「和」

    • グラは水墨画タッチでありながら、ゴエモンらしさも出ていて良

    • タッチパネルを使った仕掛けも豊富

    • BGMも良質、リメイク曲が多くシリーズファンにも懐かしい

    • 2Dアクション面は特に難しくないが、一部イベントは多少ストレス、通常フィールドでは敵との距離感もつかみづらいので操作性に関しては少々不満

    • 寄り道イベント多し、ノストラ君集めなどの収集要素もあり、ただサブイベは少々お使い気味

    • アドバンスの1・2があると、懐かしいキャラやミニゲームも追加

    • シナリオはもう少し長ければ良かった(最終作だからこそ、長く楽しみたかったという気持ちの表れ)

    DS初期の作品ですが、ミニゲームも豊富で内容は結構充実しています。




    一方で周回要素などはなく、クリア後のやり込みらしいものも存在しませんが、片手間にプレイするなら、この際ボリュームはちょうど良いのではと思います。




    それはそうとゴエモンシリーズはこれで最終作としながら、パチスロが出たり、音ゲーのポップンミュージックでは曲のゲストとして出てきてたり、意外と出番は皆無ではない様子(完全新作の兆しは令和となった今でもまったく見られませんが)。






    ここからまた少し、サイトのおしゃべり担当に余談を語ってもらって締めにしたいと思います。

    筆者は新世代とニューエイジは、ゴエモンとして見ていないらしいからね。

    ゲーム中、新世代のゴエモンが牢屋に入れられていたのも結構笑えたらしいよ。

    少し哀れだったがな!そういう細かい演出も見られたということだ。

    話は変わるが、ヤエ殿には8人も姉妹がいるらしいな!

    名前も今作ではじめて「八重」と漢字で書くことが分かるんだ。

    最終作で思わぬ新事実だね。お姉ちゃんのヒトエもキャラが立ってたし可愛かったよね!

    ちなみに本編中に出てきたMr.五右衛門団って、ゴエモンのアーケードゲームから取ったって話だよ(そんなのもあったんだね)。

    まさしく歴史ありか。

    これで最後だったとは残念だが。大人の事情というやつなら仕方ないか。

    なんでもコナミがゴエモンのドメインを2018年に取得したらしいから、新作が出る期待はゼロじゃないって筆者が思っているらしいよ(もう何年も経ってるけど)。

    でも、もうパチスロとかスマホアプリとかじゃなくて、コンシューマーで出る以外は望んでないみたいだね。

    これはシリーズファンみんなが思っていることだろうけどさ。

    果報は寝て待て、というやつだな。

    また、ゴエモンどのたちのあらたな活躍を私も見てみたいところだがな。

    了。

  • 当サイトのキャラを描いたついでの「くノ一」話(やや考察気味)

    当サイトのキャラを描いたついでの「くノ一」話(やや考察気味)

    お役目中の私だ!

    今回のラクガキはいつもよりも少し時間をかけたらしいぞ。

    お絵かきあるあるだけど、毎回キャラが安定していなくてキミじゃないみたい!

    筆者、墨絵とかそういうのが好きみたいだから、色の飛びちらせ方とかノリでそれっぽく描こうとしたんだね。

    ラフから描き上げまで正味2日ほど、ダラけてロスした時間を合わせるともっと掛かっています。正確に時間を計っていたワケではないので大体。




    ロス無しでも時間かかりすぎかと思いました。下手の横好きというやつで楽しく描いてはいますが、はてさて。

    くノ一(女性忍者)は居たのか?

    ここからは少し雑学話を(書き終わってみると、長くなってしまいました)。女性の忍者を「くノ一」と呼ぶことは多々あるかと思います。




    それっぽい絵面をアップしておいていきなりですが、そもそもくノ一(女忍者)という存在はいなかったという話があります。




    正確には「くノ一」の存在を確定付けるほどの情報や資料が見当たりませんでした(無学者ゆえの調査力不足なだけかもしれませんが)。




    また忍者とは現代の造語であり、また、くノ一という言葉も造語といわれています。




    さらに一説では、黒装束姿で手裏剣や煙玉を投げたり、印を結んで妖術を唱えたりな「忍者」そのものが存在しないともいわれています(前者は物理的にあり得そうですが、後者はファンタジーな存在なので当然でしょうけど)。




    ただ忍者ではなく「忍び」であればどうでしょうか。




    南北朝時代の「太平記」なる軍記によると、敵地へと文字通り忍び込んだ者が、火を放って同地に混乱を起こしたという話が記されているようで、このことから忍びの存在は完全否定出来るものではないと考えられます(なお⦅忍び⦆という語の記載が見られる現在最も古い史料はこの太平記とのことです)。

    参考資料 山田雄司 忍者の虚像と実像 2022 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/39/3/39_121/_pdf/-char/ja PDF2ページ12行目 参照日2025.6.07



    「それはそれ」として、架空の存在らしきくノ一が、なぜ女忍者として現代で認識される存在になったのか。




    色々調べてからの推察に過ぎませんが、小説・時代劇・マンガやゲームといった後世の創作物によって存在が定着したと考えられます。




    さらにくノ一=女忍者のイメージを強くさせたのは、山田風太郎氏が創作した長編小説「忍法帖シリーズ」による影響というユニークな話があります。だとするなら「くノ一」という呼び名も、小説が世に広まる以前までは一般的に浸透している言葉ではなかったのかもしれません。




    近年よりの小説の影響を受けたのであれば、くノ一とは、わりと現代的な存在ともいえます。




    またほかの創作でも「現代のくノ一像」が出来上がったことに、一役買ったと思われるものが見受けられます。



    パッと思い当たるのは、人気時代劇・水戸黄門に登場する女忍者の「かげろうお銀」




    彼女は黄門様の命を受け、色々な場所に潜入したり、町民にまぎれて情報を集めたり、色目を使って悪い人たちを惑わせ?たりもしているため「見た目も行動も実にそれらしい」活躍をしている登場人物といえます(同作の名物?シーンである「お銀の入浴」も、時代劇ファンにはとてもなじみ深いものかと思われます⦅知らない方はググってみて下さいね⦆)。




    また、こちらも人気時代劇の一つ・暴れん坊将軍にも「御庭番(おにわばん)」として、くノ一が登場しますが、こちらはお銀ほどスポットが当たらず派手なシーンがあまりないくノ一といったところ(と、いっても最後の殺陣では吉宗の助っ人として、斬り合いにしれっと加わっていることも。またシーズンにより配役の方も変わっています)




    あくまで目立たず、地味目(それが本来の姿なのでしょうが)な諜報活動を行うことがメインで、より影の存在的な役割を果たしています。




    なお筆者は時代劇好きの祖父の影響で、幼少からこれら作品を見る機会も少なくありませんでした。それもあってか、比較的有名な時代劇の登場人物を2名、創作のくノ一像の例としてあげさせてもらった次第です。




    サブカル作品でのくノ一をいくつかピックアップさせてもらうとすれば、漫画家・重野なおきさんの作品の一つ「信長の忍び」に登場する「千鳥」や、漫画家・吾峠 呼世晴さんの「鬼滅の刃」中でも、柱の一人・宇髄天元の3人のお嫁さんとして女忍者たちが登場しています。




    テレビゲームでは「デッドオアアライブシリーズ」の「かすみ」や「あやね」も、現代イメージなくノ一像の一つといえるのかもしれません。マンガやゲーム好きの人には、もっぱらこうした作品群の方が「くノ一」をよりイメージしやすいのではと思うところ。



    さて、ここまではイメージの定着についての長ったらしい前置きでしたが(というより、現代の創作やサブカルでのくノ一キャラが多すぎなので、挙げてもキリがない)先ほどの「くノ一が存在しなかった」という話に戻ります。




    結論ですが、実在したとも言えないし、絶対にいなかったと決めつけることも出来ない。という考えにたどり着きました(結局、ハッキリせんのかい)。




    そもそもくノ一とはもともと「※女忍者の隠語」ともいわれていて、それが現代の創作物の影響により、わかりやすく「女忍者そのもの」を指す言葉として定着したのかもしれません。意味合い的にも、その変化は自然だったように思えます。

    ※特定の人たちの間でのみ、通じる言葉




    ただ、このような創作上の「くノ一」ではなく「女性で諜報活動を行う存在」が実在した可能性は、充分あると思っています。






    そう思ったのは「望月千代女(もちづきちよじょ)」という戦国時代の人物の存在もあったからでした。そして、この千代女は女性忍者の始祖という説があります。




    まず、千代女は武田家の武将「望月盛時(もちづきもりとき)」の妻で、歩巫女(あるきみこ)と呼ばれる人物です。また彼女は、民俗学者・中山太郎氏の著書「日本巫女史」の中で、千代女房という名で記載がされているようです。




    ちなみに、ここでの歩巫女とは信濃巫(しなのふ)とも呼ばれ、神社の巫女さんとは異なり、各地を旅しながら諜報活動(スパイ活動)を行っていた集団らしいです。この信濃巫が女性の忍び、いわばくノ一の原型と言われています。




    諜報活動というあたりが、忍者の仕事そのものですし。




    もちろん、そのすべてが女性で構成され、まさしくくノ一像としてピタッと当てはまる存在。




    さらに一説では、千代女が歩き巫女の頭領として、そのほかの歩き巫女の養成を、かの武田信玄から命じられていたとも。また、その養成機関は禰津村(ねつむら・現在の長野県、東御市)に存在していたと伝えられています。




    そして、ここで育てられた歩き巫女たちは、信玄の命で各地へと派遣され、頭領の千代女もきっと自らお役目に携わっていたのでしょう。




    ですが、この話も諸説ありで、千代女という人物、ひいては歩き巫女らが元祖くノ一として良いものかまでは、確証がつかめませんでした。




    あくまで千代女という人物や、歩き巫女たちが居たという話に過ぎないのです。また、可能性があったとは言え、本当に諜報活動を行っていたかも定かで無かった様です。




    ここまで書いておいてなんですが、なんなら千代女もただの巫女リーダーだったとも思えます。




    筆者は彼女たちを完全に「忍び」と呼べるほどの情報が残されていないと判断しました。(本当に忍者と呼べるなら、謎が多い方が正解なのかも知れませんが)。




    反面、考証を重ねて作り上げたであろう書物に、千代女や歩き巫女といった存在の話でも見られるというのは、まったく無視できることではないのも確かです。




    なので「くノ一らしき女性たち」が居たかもと考えさせるには、充分に興味を引く話だと言えるでしょうし、むしろそう考える方がロマンがあると思っています。




    さて、ここからは筆者が立てた「忍びが居たとすれば、女性の忍びも居たろうよ」的な仮説を、だいぶ変な角度から解釈しようと思います。




    なお、簡単な算数をともなった話をメインとしていますが、筆者自身も書いていて少しややこしくなったので、面倒であれば最後の方まで飛ばして頂いて結構です。




    まず、おおまかな室町幕府成立~江戸幕府成立までの日本人口の移り変わりは、約800万~1200万人とされています。これまで知りませんでしたが、当時の人口は現代よりもはるかに少なかったんですね!




    男女の比率や平均年齢まではっきりと解りませんでしたが、老若男女問わず、忍者がその時代間あたりに居たものと仮定します(室町時代に含まれている南北朝時代以後に、忍びの存在を認めた資料もあるらしいので)。一番活躍してそうな戦国時代でもありますしね。




    次に、先ほどの800万~1200万人の中をとって1000万人を、忍者が活躍してそうな時代の基準人口とします。




    さて、その1000万人のうち、忍者は何人くらい居たかを考えますが、さらに筆者が憶測のみでその人数をアバウトに出します。




    隠密などの特殊訓練を受けたレアな存在だとして……基準人口の0.01%くらいにしましょうか(もう適当です)。




    0.1%だと1万人ですが、なんとなく多く感じたので1000万の0.01%(1000万×0.0001)の計算をしました。よって、忍者は日本に1000人居た事にしました。




    そして女性の忍びは、この1000人の中にどのくらい居たか考えるとします。忍びの世界が男社会だとするなら、さらに少数になると思われます。これは1割(10%)くらいの狭き門としておきましょう(また適当)。




    計算上は1000の10%(1000×0.1)結果、女性の忍者は100人存在していた事になります。もっとも、これは最初の1000万人から、かなり低く見積もっての勝手きわまる数字です。




    根拠も、精密な計算材料もロクに考えていません。人口、忍者へのイメージと感覚で大雑把に出したものです(ただし室町幕府成立~江戸幕府成立までの人口数値だけは、公的な情報を参考とさせて頂きました、文末に記載しています)。




    でも、こう考えてみたらどうでしょう。1000万人もいながら、戦国時代に諜報活動を行っていた女性という限定的な条件だったとしても、たった100人しかいなかったとは確率的にも考えづらくないでしょうか?(計算が合っていれば、1000万の内、0.00001%しか居なかったことにもなります)。




    実際、忍者がどのくらいの数居たのかということについては、忍びらしい表現を使用するに「雲をつかむ」ような話で、はっきりしたことは判明しませんでした(もっともこの文自体、二・三次情報が参考のメインで、ろくすっぽ資料も記載せずのWebや書籍を浅く調べただけのコタツ記事or感想文以下ですし、今後リライトするにあたっては「もう少し読み応えが感じられる文」に……などと考えている次第です)。



    ここで論点は変わりますが、判断や策略のわずかなまちがいですら、生死が分かれる乱世の時代。素性や性別を問わず「情報」をつかむことに優れた人材であれば、有力者からの引く手はあまたでは?という考えに至る程度は、無学な自分でも容易に分かることです。




    諜報活動を生業とする者たち全てを「※忍者」と呼ぶなら、忍者の需要はなおさらかと思います。そして彼・彼女らが金銭を得ることや、立場(身分)の向上といった利益を目的とするなら、そうした存在を誰かが、より数多く生み出し、養育(供給)することも少なくなかったはず。

    ※なお忍者には、有名な伊賀忍・甲賀忍のほか、草の者・素破(すっぱ)・乱破(らっぱ)などさまざまな呼び名があったといわれています。




    先ほどの千代女や歩き巫女の存在と合わせて考えると、こうした様々な忍者集団の中にも養育された女性の忍びがゴロゴロ居ても別におかしくないように思うのですが、いかに(こと情報収集においては女性特有の色気は十分な武器になったでしょうし、逆(男性からの誘惑)もまた然りでしょう⦅篭絡という意味では、ハニー〇ラップという言葉もあるくらいなので⦆)。




    以上、忍者が居たという前提かつコタツ的な話につき、うすっぺらい戯言と思って頂ければ幸いです。




    最後に、くノ一のプチトリビアを。




    漢字の「女」を分解すると、くノ一になるんです。くわしくは「く+ノ+一=女」となります。




    よく見ると、ひらがな、カタカナ、漢字の3種類で「女」の字を構成してますね。子供のころの筆者は、時代劇好きの祖父からこの話を聞いて目からウロコでした(知っている人には常識かもしれません)。




    しかし、この場合のくノ一とは、シンプルに女性そのものを表していて、先に書いた隠語というものになります。よって女性の忍者を指す言葉ではなかったとも言われています。




    この話からは忍法帖を始めとした、現代のフィクション作品がくノ一=女の忍びイメージを作り上げたと思えても、なんらおかしくない話です。




    ただ、くノ一という呼び名は実際になかったにしろ、歴史の影を生きる者としての「忍び」は男女問わず実在したのだと考えたいところ。




    なお筆者は、忍をテーマとしたゲーム「天誅シリーズ」や「忍道シリーズ」も好み、遊んできました。未プレイなのは、それぞれ4と散華くらいかな(4はファンからの評価が微妙らしいですが……)。




    ちょっとマイナーなタイトルだと「戦国サイバー藤丸地獄変」とかもプレイしました。こちらは百地三太夫や服部半蔵など名だたる忍者たちも登場し、世界観もシリアスでシブいです。知っている人に共感してもらえれば嬉しいところです。




    なので、こういう作品にも触れてきて「忍者ってカッコいい!」イメージが染みついたからこそ、忍びの存在を否定しきれないというのが本音なところです(子供の頃はなりたいレベルであこがれてたし)。

    カエデー、キミ、やっぱりタダのコスプレ忍者じゃないの?

    ホントの忍者って、そういうザ・くノ一的なカッコはしなかったって話もあるよ!

    確かにこの装いは普段からよく着ているものだが、単純に動きやすいからだ。もっとも、私を訓練し育ててくれた方から勧められたものではあるがな。

    別にこればかりではないし、お役目によって別な装いになることもある。

    それはそうと、以前にこういうことを聞かれても、自分から話すまではといったはずなんだがな。

    ごめん、ごめん。んじゃ、あまり核心にふれないようにするよ。

    今回の話だと、くノ一どころか忍びの存在も結局あやふやみたいな感じに思えたけど、あえて実在したとして、カエデもやっぱり隠密的なことやってたの?

    それこそ、色気とか出して悪者を惑わせることもした?

    ……隠密といってもまちがいではないが、諜報行動だな。それに付随する探索、運搬、潜入……そんなところか。

    場合によっては少々手荒なことを行う時もある。

    ……色気というのは、わざとらしく肌を見せたり、甘えたりとかか?

    私はないにしろ、そういうのを得意とする者も居たことは否定しない。

    手荒ってところはカエデらしいね(前に体を触ってきた役人を叩きのめしたっていってたしな)。

    誰かを「うっふーん」って誘惑しそうなキャラでもないしね。

    あ、質問はこれで最後にするよ。

    カエデの肩書はくノ一や女忍者とかじゃなくて、忍びってことで良いのかな?

    好きに呼べば良い……と言いたいところだが、やはり忍びと呼ばれるのがしっくりくるかもな(それもやはり現代で根付いた呼び名なのだろうが)。

    私も自分を指して便宜上でも「忍び」といっているし。

    あまり知られていないことだが、この呼び名は野盗などの悪人を指すこともあって、そもそも良い意味ではなかったともいわれている。

    そうなの?

    もっとも狭い意味での話だから、あまり気にはならないが。

    それと過去に、私は自分のことを「くノ一」といったことは一度もない。

    諜報活動を行う存在を指してそもそもそう呼ばれることになったのは、時代の流れというほかない……といったところか。

    でもまあ、カエデはカエデなワケだし、今じゃボクのお友達だし、呼び名もどうでも良くて、ホントは忍者でなくても別に良いんだ。

    これまでの話的に、色々聞いちゃっけどごめんね。

    気にするな、それに……嬉しいことをいってくれてありがとう。

    私にとってもコチョンどのは大切な友人だ。

    良かった。

    後、コスプレってからかっちゃってごめんね。カエデのその格好は育ててくれた人からの影響だったんだね。

    あ、ひょっとしてカエデを育ててくれた人って、話に出てきた元祖くノ一の望月千代女だったりして!

    そうかも知れないぞ。

    ……えっ?

    ん?

    い、いやなんでもないよ(カエデへの疑問が増えちゃったよ……)

    了。

    参考資料

    総務省 我が国における総人口の長期的推移 https://www.soumu.go.jp/main_content/000273900.pdf(参照2024/11/02)

    山田雄司 忍者の虚像と実像 2022 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/39/3/39_121/_pdf/-char/ja 2ページ12行目 参照日2025.6.07

  • 東海道以外も覚えてしまおう!いにしえの陸路・五街道とは?

    東海道以外も覚えてしまおう!いにしえの陸路・五街道とは?

    江戸時代に十返舎一九(じっぺんしゃいっく)という作者が書いた東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)は、当時のベストセラー本として知られている。




    これは弥次郎兵衛・喜多八(やじろべえ・きたはち)という野郎コンビが東海道を旅する様子を、おもしろおかしく描いた滑稽本(こっけいぼん)というジャンルの1つだ。




    ここでは本の舞台となった東海道をふくめてほか5つ存在する街道や、その特徴についておおまかにまとめている。




    ところでサイト運営している身としてはそれこそ身もフタもないが、ご覧頂いているみなさんはなにもここで五街道の名前や特徴などを覚える必要はない(もし学校のテストや試験対策が目的ならば、学習専用の書籍・サイト・動画はほかにいくらでもあるからだ)。





    ここではあくまで自分への備忘録程度で作成した文がほとんどだが「まあ見てやろうか」くらいの気持ちでも目を通して頂けることを前提に、可能なかぎり正確で分かりやすく、かつ当サイトキャラのセリフをメインにし、少しでも楽しく見られるよう心掛けて作成している。




    もし他サイトや教科書・参考書などと合わせて見比べてもらえれば、読み物を作った身としては大変うれしい。

    今回は私たちが主役みたいなものだな!

    頑張ってしゃべるぞ!

    クッション役としてボクらが居るんだ。

    じゃないと筆者のお堅くて長いだけの文なんて何の面白味もないと思うしねっ。

    五街道とは

    江戸を起点に、日本各地を行き来しやすくするために整備された陸上路のことだよ。

    まあ見出しにも書いているからアレだけど、つまり街道のことだよね。

    中山・甲州・奥州・日光・東海道の五つが存在するぞ。

    東海道はどこか頭に残りやすいが、ほかの街道は意識しないと中々覚えられないだろうな。

    と、いっても五街道はあくまで幹線道路で、別に伊勢路、中国路といった脇街道というのも存在するんだ。

    しかし、ここでは五街道の話が主だから、この脇街道については特に触れないこととしよう。

    幕府のために整備された

    江戸幕府を開いた初代将軍・徳川家康が1601(慶長6)年に、江戸~京都まで伝馬制(でんばせい)をしいたのが五街道のはじまりっていわれてるよ。

    ちなみに伝馬制ってのは、幕府の手紙や荷物を運ぶ人や馬を、場所ごとに交代させながら目的地に届けるシステムっていったらいいかな。

    最初につくられたのがご存じ東海道だけど、公式に五街道の1つとして認定されたのは二代将軍・徳川秀忠(とくがわひでただ)の時代あたりになってからだね。

    道を整備したのは日本全国を統治・管理しやすくするためや、公務や参勤交代で江戸と各地を行き来しやすくするためなんだ。

    それとほかの国に万一反乱をおこされちゃった時に、兵を派遣しやすくするためって説もあるね。

    一言に道をつくるというのも大変なことだが。

    いずれの街道も江戸の日本橋が起点になっているな。

    うん、江戸から放射状に各地へ伸びているそれぞれの道が、まさしく五街道さ。

    途中でほかの街道と合流する道もあるんだけどね。

    後々、それぞれの街道についてもう少しくわしく触れるよ!

    宿場と関所が出来た

    街道には宿場が大体8~12キロメートルごとにおかれたんだ。

    そこには、大名をはじめとした武士が泊まるための本陣(ほんじん)脇本陣(わきほんじん)のほかにも、庶民が泊まるための旅籠(はたご)の各宿泊施設も続々と出来上がった。

    これは今で言う旅館をイメージすると良いね。

    五街道は後に旅人たちの通行道としても利用されたけど、当時は参勤交代する大名たちや幕府の役人が通るための道だったから、泊まるところも当然必要になったってワケ。

    それぞれの宿場には問屋場(といやば)っていう施設も作られて、おもに公用のための人や馬も配置させていたんだってさ(さっきの伝馬制の一環だね)。

    関所っていうのは通行人や所持品などを検査する場所なんだけど、関所を通過するためには通行手形の発行が必要なんだ。

    手形の発行はお侍さんだったら仕えている領主に、一般の人なら住む地域の名主に頼んで発行してもらっていたんだ。

    名主って今で言う町長さんや村長さんみたいなものだね。

    宿場にともなって街道の各所には関所も作られたしな。

    ちなみに「入り鉄砲に出女(いりでっぽうにでおんな)」という言葉があるんだが、これは関所への鉄砲の持ち込みと、各地大名の人質として江戸屋敷で暮らす奥方や子が国へと関所を通って帰ることを指しているんだ。

    それぞれが関所を通る際は厳しく調べられ、鉄砲手形や女性専用の女手形というものも必要とされた。

    幕末あたりからは手形がなしでも通行出来るよう、規制がゆるくなったらしいがな。

    やっぱり忍者なだけあってその時代あたりはくわしいね!

    五街道が整備されるにつれて温泉観光や参詣をするための旅人も多くなって、宿場は経済的にもにぎやかになっていったんだね。

    旅人たちにとっても良い休息場所だな。

    目的地によってはそれなりに長旅にもなるだろうから、途中で足を休めるにしても宿場は好都合の場所だろうな。

    あと道の整備については道幅を広げたり、路面に砂利や砂をまいて固めたりもしたんだ。

    道路脇にはおもに松並木も植えられたんだって。

    標高が高い所では杉や竹が多かったらしいけどね。

    でもここまでやったら大分道っぽいのが思い浮かぶよね。

    それと各街道の途中には一里(約4km)ごとに塚が立てられたんだ。

    これは行きかう旅行者にとってもどこまで歩いたか、次の宿場までは後どのくらいかっていうのが分かる良い目印になったんだよ。

    各街道の特徴

    東海道

    東海道は江戸・日本橋から京都・三条大橋(さんじょうおおはし)に向かって最初に整備された道だよ。

    距離は約500km。京都までの宿場の数が53だから五十三次(ごじゅうさんつぎ)って呼ばれるんだ。大阪まで距離を伸ばした場合の4宿を含めると五十七次とも呼ばれるんだよ。

    それと箱根八里(はこねはちり)っていう昔の歌にもあるように、途中には箱根の関所があって、通るためには荷物や人への厳しい検査が行われていたんだって。

    五街道の関所のなかでも特に役人の目が厳しい場所だったみたい。

    反面、宿場も多くて充実していたから旅人の往来ですごくにぎわっていたらしいんだ。

    ちなみに東海道五十三次っていう有名な絵もあって、これは浮世絵師の歌川広重(うたがわひろしげ)によって描かれているね。

    ちょっと脱線するけど永谷園のお茶漬けの素に付いてくるオマケで、東海道五十三次を描いたカードが入っていてさ。

    筆者が集めていたらしいけど、コンプには途方もなくお茶漬け食べなきゃないとかで途中で断念したみたい。

    中山道

    「なかさんどう」と間違われるかも知れないが、正確な読み方は「なかせんどう」だ。

    距離は現代の単位で換算すると約530kmでほかの街道と比べても一番長く、宿場数も69と一番多いんだ。

    別名、木曽路(きそじ)とも呼ばれて険しい山道が多いぞ。過酷な山道が続くから休息場所として宿場が多く設置されていたのだろう。

    温泉街としても名高い草津へと通じているが、実はここから東海道と合流しているんだ。

    江戸から出立して草津温泉を目的地にする場合だが、これだと宿場の数は67に減る。あくまで69というのは江戸から京都までの宿場の数だな。

    少し話がそれるが、この街道は私が要人からお役目を授かった時に、東西間を行き来するためよく使ったんだ。とは言え、主に走ったのは街道からはそれた獣道だがな。

    以前、町娘に化けて関所を通ろうとしたことはあったが、検問時に役人がえらく体を触ってくるから叩きのめしたんだ。それから捕まって逃げるために結局時間が掛かってしまった。

    以後は面倒をさけるために脇道から抜けるようにしたんだ。

    スケベ役人に当たっちゃんだね。

    でもそれって関所破りだよ……。

    いくら忍者だからって、バレたら重罪だよ! 

    最悪、処刑されることもあったんだから。

    ただ当時は関所の役人に袖の下(そでのした)を使って、通る時の検査を軽くしてもらったり、目こぼししてもらったりはあったらしいね。

    そうそう袖の下って「わいろ」のことだよ。

    金品を渡して関所を抜けようなんて関所破りよりも悪質に感じるけど、それで通す役人も相当ワルだね。

    甲州街道

    五街道のうち一番最後に整備された道だよ。距離は約220kmで、宿数は45だよ。

    江戸から下諏訪(長野県)までの道だね。下諏訪からは中山道と合流して京都まで続いてるよ。

    江戸から甲府(山梨県)までを表街道。

    甲府から下諏訪までは裏街道って呼ばれているんだ。

    江戸中頃からは商品の流通路としてにぎわった道らしいね。

    各地の名産品もここを通って多く運ばれていったのかも。

    国や規模こそちがうけど絹織物や食材なんかが運ばれていた大交易路のシルクロードみたいに、経済的にも重要な道だったんだろうね!

    日光街道

    江戸から日光(栃木県)間の街道だな。別名、日光道中とも言うんだ。

    距離が約130kmで他の街道に比べると短く、宿場の数も21と少ないが、なにぶん家康公をまつる日光山へとつながる道だ。

    徳川ゆかりの地だからか東海道の次に整備されたんだ。

    1617(元和3)年にニ代将軍・秀忠公によって東照宮が造られてからは、参詣のために往来する人々も多かったんだぞ。

    奥州街道

    この街道も別名・奥州道中って呼ばれるんだ。

    距離は約190kmで、宿場数は27だね。

    江戸日本橋から東北の白河(福島県)までなんだけど、一説だと青森県津軽半島の三厩(みんまや)ってところまで続いてるって話もあるんだ。

    でも幕府の管轄(管理している場所)が白河までだから、そこから青森までは延長の道って感じなんだ。

    ちなみにこの街道は日本橋から宇都宮までは日光街道と合流しているんだよね。

    要するに宇都宮から先の白河までが奥州街道として完全に独立している区間ってワケ。

    一応さっきの距離と宿数は日本橋から白河までの総距離で出しているよ。

    ややこしかったらごめんね。

    五街道の覚え方

    五街道のように数種類あるものの名称を暗記するには、やっぱり語呂合わせが良い。




    これは日本でもっとも東西南北に位置する島を東南・西与・南沖・北択(とうなんさいよ、なんおきほくえ)。




    つまり東が南鳥島(みなみとりしま)・西が与那国島(よなぐにじま)・南が沖ノ鳥島(おきのとりしま)・北が択捉島(えとろふとう)という言葉の略でソッコー覚えられた筆者の経験則だ。




    今回、記事を書いた最大の目的は、筆者自身が五街道の名前を覚えてしまうためでもあった。そして覚え方は「中東の小鬼」に決めた。




    「……ナニソレ?」と思われた方には、おしゃべり担当の二人に、この覚え方のくわしい説明をしてもらおうと思う。

    ええと……中東はそれぞれの頭の漢字から、中山道と東海道。

    小鬼はひらがなに直して「こおに」にする。「こ」は甲州街道「お」は奥州街道「に」は日光街道で覚えるんだっけ。

    ボクはこれじゃ覚えらんないよ……。

    人それぞれの覚え方があって、良いのではないか?

    筆者殿はとりあえず頭文字だけ覚えたら、あとに続く文字は自然とついてくるって感覚らしいな!

    いやまあ、語呂合わせってそういうものなんだけどさ。

    一応、有名な覚え方「途中に置こう五街道」ってのもあって、こっちの方が断然頭に入りやすい様な……。これは東海道・中山・日光・奥州・甲州の順番での覚え方だね。

    ところで、記事を見てくれている人は、もう暗記している物知りさんかな?

    そうじゃなかったら筆者のでも、自分のオリジナルの語呂でも、好きな語呂で覚えていってくれると嬉しいな。

    まとめ

    色々と要素も多く予想外に長くなってしまった(単純に文章力の問題)ので、ここからは箇条書きでまとめようと思う。

    • 五街道は全国の統治・管理や、幕府の治安を守るために造られた道

    • 関所が設置され宿場も出来た。参勤交代の通り道でもある。

    • 関所を通るには手形が必要

    • 鉄砲の入出、大名の妻子の関所通行には特に目を光らせていた

    • 関所破りは厳しく罰せられる

    • 人と品物が行き来する交易路としても栄えた

    • 最優先で整備されたのが東海道で、最後が甲州街道

    • 一番距離が長く宿場数も多いのは、道の険しい中山道

    • 一番距離が短く宿場数が少ないのは日光街道だが、徳川ゆかりの東照宮がある

    イマイチまとめきれてない様な気もするが、ちなみに五街道以外は全て脇街道やその他の諸街道となる。




    なお五街道の総距離はおよそ1600kmである(正確には1575km)。




    アバウトなたとえにするとして本州の最東北の県・青森から、最南西の県・山口までの陸路距離がおよそ1500km。




    つまり直線距離ではないにしろ、五街道トータルの長さは本州の右上から左下までのおおまかな距離よりも長くなるというワケだ。




    ちょっとした蛇足情報だがかつての旅人たちは東海道を2週間くらいで歩き切ったとされている。




    これは1日約36kmくらい歩かないとたどり着けない計算になる。




    昔の人は相当足腰が強かったにちがいない。

    けっこー長かったね……。

    今回で数回分はしゃべった気がするよ。

    ところで、前からツッコもうと思ってたけど、カエデってそもそも現代人なの?

    ……質問の意図が分かりかねるが?

    いや、ね。

    特に今回はその時代をまるで見てきたかのようにしゃべってたし。

    大体さ、この令和に本物の忍者なんているワケないし、ひょっとして戦国、江戸からタイムスリップしてきたのかなって。

    ……まさか、ただのコスプレじゃないよねその衣装……。

    コチョンどのだって、猫なのにしゃべれるのはなんでだ?

    ……さあ?

    なんででしょね?

    つまり、言いたくないのだろう?

    それと同じで、互いのことについては何もかも語るべきではないと思っているんだが。

    自ら話す時が来るまではな。

    ツッコみたくなるのは重々わかるが、今はあくまで私を「一介の忍び」と認識してほしい。

    あとコスプレとかいう仮装じゃないのだけは、この際はっきりさせておこう。

    コスプレ否定はめっちゃ強調したね……。

    分かったよ。

    大分消化不良だけど、ボクがしゃべれるワケや、キミの過去の話とか今は互いにスルーってことにしよっか(メタ的なことだけど、筆者がボクたちの細かい設定まで考えてなかったから、こんなことになってんだよね……)。

    参考資料

    国土交通省 Ⅲ.近世の道 https://www.mlit.go.jp/road/michi-re/3-1.htm(参照2024/11/02)

  • 武士はキュウリを食べなかった?理由は○○に見えて恐れ多いから!

    武士はキュウリを食べなかった?理由は○○に見えて恐れ多いから!

    真夏。

    日差しカンカン汗をにじませ、冷水でキンキンにしめたキュウリにかじりつく。

    想像すると風物詩っぽくてなんか良い、けれど同じ夏野菜ならトマトの方が好み。

    筆者の好みなんかどうでも良いよね。

    そういってやるな。

    毎回最初の文を考えるのが意外に大変なようだから、とりあえず題材に関係あることを思い付き次第書いているのだろう。

    こと江戸時代ではある理由でキュウリが武士に好まれていなかったという説が存在する。

    その説の内容は時代ならではの事情もあり、現代ではまず起こり得ないことだが中々ユニークな話に思えた。

    断面が徳川の家紋に似ている

    a cucumber cut in half on a white background
    Photo by Mockup Graphics on Unsplash

    よく熟したキュウリを輪切りにした時の断面が、徳川の三つ葉葵の御紋に似ているから。

    したがって、江戸時代初期頃の旗本武士は、恐れ多くてキュウリを食べるのを避けていたという。

    武士の習いというべきか、徳川家への畏怖心が感じられる話である。

    それだけ幕府の権力が強かった

    キュウリを口にすることすら避けていたという話を聞くと、徳川幕府の権勢がそれほどゆるぎなかった時代だったことがうかがえる。

    ここで少し歴史のおさらいとなるが、1603(慶長8)年に征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)に任じられた徳川家康は、武家政権を江戸へと開いた。

    それがかの徳川幕府であり、後の1615(元和・元)年には戦国最後の戦、大阪夏の陣にて、徳川家の脅威となり得る豊臣家を滅ぼしている(江戸幕府を開いたのは夏の陣よりも前ということも覚えておきたい)。

    この時点で徳川家を脅かす者は存在しなくなり、後の幕末で15代将軍・徳川慶喜が大政奉還を行い天皇家に政権を返上するまで、およそ260年もの長きに渡り天下が続くのだった。

    ここまでの流れは日本史の教科書などでも割と知られたものとなるが、日本の歴史上において、こうした幕府というものは実は3つしか存在していない。

    源頼朝が開いた鎌倉幕府、足利尊氏が開いた室町幕府、そして徳川家康が開いた江戸幕府となる。

    そしてこの中で一番長く続いた政権が江戸幕府である(鎌倉幕府がおよそ150年、室町幕府が約240年と江戸幕府に迫るほどだが、おしくも次点)。

    単純に年数の長さのみで権威の強さをはかるのは不十分だとも考えているが、それほどまで継続した権力を徳川家がもっていたことは、事実にほかならない。

    参勤交代などの施策を行い、各地の大名が幕府に対して反乱を起こせないようなシステムとなっていたのも、大政権が持続した1つの理由になり得ると推察できる。

    もちろん、そんじょそこらの武士が巨大な徳川家に抗えるワケもなく、お侍がキュウリの断面にすらビビるのも多少は想像できる。

    参勤交代についてだが、3代将軍・家光公の時代から正式に行われたもので各地の大名を原則1年おきに、1年間江戸へと住まわせる制度だな。

    そもそも参勤交代は、幕府から国を任された諸大名が、見返りに幕府の臣従を証明するため奉公(鎌倉時代にご恩と奉公というものがあったが、アレのようなものだな)として行われたものとされている。

    結果として幕府は各地の統制が容易になり、藩による幕府への反攻の抑制効果がもたらされたんだ。

    ちなみに江戸滞在時の大名に対しては、江戸城の警護や火事の際の出動などの軍役を任じていたんだ。

    大名さんたちの出張みたいなものなのかな。

    だが参勤交代の厳しいところは、大名が国許へ帰っても、その妻子は人質として江戸屋敷に住まわせることが強制されたという。

    費用についても、江戸と自身の領地の往復、江戸滞在にかかるすべてが大名の負担となり、結果、各藩の財政が困窮することも多かった。

    あくまで結果的にそうなったものだが、ところによる諸大名の経済的な負担は莫大なものだったんだぞ。

    えー……。

    キッツイねー参勤交代。

    そりゃ家族を人質に取られて、かかるお金も全部自腹とか、反乱起こす気にもなれないよね。

    時代劇の名シーンからも考えてみた

    幕府の権力がすごかったのを分かりやすく感じ取れる例として、時代劇の「水戸黄門」の有名シーンを思い出すと良いかも知れない。

    時代劇にはつきもの、黄門様ご一行が悪者たちをしばきたおすシーンの後は、家来の格さんが名セリフともに徳川の家紋である三つ葉葵の入った印籠をかざす場面へと変わる。

    家紋を見せただけでその場のみんなが黄門様を徳川のお偉いさんだと認識し、それまで敵味方入り乱れてのカオスな現場が一気に厳かになる。

    これは黄門様自身ももちろんで、ひいては徳川家が力を持っていることが分かりやすく伝わるシーンである。

    しかも武士は印籠どころか、キュウリの断面を見ただけで家紋をイメージしてしまうのだ。

    やはり徳川家への恐れと尊敬が入り混じって発生した考え方だと思えても仕方ない。

    時代劇の水戸黄門ってさ。

    最初から印籠見せたら、争いごとも起きないで済むんじゃない?

    それは野暮というものだし、時代劇として成り立たなくなるぞ。

    良いのか?

    最初から印籠見せて「ヤベッ黄門様だ! もう悪いことはしません! お許しをー!!」などとなったら速攻で劇終だ。

    おもむきも何もあったものじゃないだろう。

    それもそうだけど、キミのセリフの例の方が面白かったよ!

    キャラに合わないこと言うなと。

    分かりやすいから言っただけだ。

    ほっといてくれ。

    町民は普通に食べていた?

    食べるのを避けていたのは、あくまで武士の話。

    一般の町民たちはまったく食べないワケでもなかったらしい(権威に敏感な一部の町民は避けていたのかも知れないが)。

    もっとも当時のキュウリは、平安以前から中国より渡ってきた品種を食していたといわれている。

    黄色く熟したものを使うため黄瓜(きうり)と呼ばれていたとか。

    苦みも強い上にクセのある野菜だったらしく、もっぱら漬け物などへ加工して食べられていたもよう。

    断面が葵の御紋に見えるという以前に、味がそもそも問題だったという話なのだ。

    ところが江戸後期になると初物を食す文化が流行った。初物を食べると長生きするという考え方が広まったためである。

    こうした流行りが広まる速度は時代を問わず恐ろしいもので、人気の初物野菜や魚などの価格高騰をふせぐために幕府から規制がかかるほどまでになった。

    そこで他の野菜と比べ早摘み出来るキュウリが一転、注目野菜となり初物として好まれたという。

    それまで人気がなかったためそもそも規制がかからなかったというのも、理由として挙げられるだろう。

    まさしくキュウリバブル。

    なお江戸後期ではキュウリもすでに品種改良がなされ、風味や食感も良いものになっていたとされている。

    かつて武士には敬遠され、町民には味を嫌われていたキュウリがようやく日の目をみたということだ。

    さらにキュウリの別品種が明治時代にやってきてからは味・食感がさらに高まり、昭和からは生産量も増えて現代ではもはやメジャーな野菜の1つとなった。

    さっきの水戸黄門も実はキュウリと少し関係があるんだよ。

    食通の一面も持つ黄門様はキュウリを指して「毒多くして能無し、植えるべからず、食べるべからず」って言ってたらしいんだ。

    植えるべからずってことで栽培も推奨してなかったらしいよ。

    毒も多くて能無しとはなかなか散々な言われ様だな。

    さっきもふれた美味しくなかったっていう黄色キュウリの時代だったのかな。

    その時なら毒扱いされても仕方なかったのかもね。

    大体水気も多いから食べ過ぎてオシッコも近くなるし、お腹ピーピーにもなるだろうし。

    ひょっとしたら黄門様はキュウリを食べて体を壊しちゃったのかも知れないね。

    だから毒って言ったのかも!

    まとめ

    キュウリの断面が徳川の家紋に見えるだけで、武士が食べるのを避けていたと知った時は、少々無理があるように思えた。

    幕府の権勢がハンパなかった当時を考えると納得せざるを得ないが、たかがキュウリの話である。

    それにもし大根やナスビすら御紋のような断面だったら、はたしてこれらの野菜も避けられていただろうか。それとも輪切りにしない様に工夫して食べられていたのか。

    これ以上は野暮ったい疑問ばかりになりそうなので、ここらへんで締めようと思うが、もし江戸時代にタイムスリップしたとしてもキュウリなんて普通にバリバリ食べているだろう。

    たとえば、町民もキュウリを食べたら反逆罪に問われる……そんなパラレルな世界観なら筆者は速攻で市中引き回しの上、打ち首になるかも知れない(実際はそこまで無慈悲な時代じゃないと思いたい)。

    キュウリは夏野菜なだけあって体を冷やす効果があるんだ。

    夏の暑さで火照った身体の体温を下げる効果があるのは、なかなか有益なことだと思うがな。

    今じゃキュウリにも色んな品種が出来てるし栄養だってちゃんとあるんだもんね。

    出来るなら当時の武士たちや黄門様にも、現代のキュウリを権威に気兼ねなく食べてもらいたいかな。

    ま、キュウリの輪切りが家紋に見えることについてはどうにもなんないけどね。

    そういうの気にするくらいなら、いっそ冒頭で書いたとおりそのままかじりつけば解決するでしょ!

    了。

    参考資料

    松田修 著『植物世相史 : 古代から現代まで』,社会思想社,1971. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12606046 (参照 2024-11-12)201ページ 胡瓜の項 4行目途中

  • 悪い言葉ではないらしい!「エテ公」ってどういう意味?

    悪い言葉ではないらしい!「エテ公」ってどういう意味?

    動物のサルを指して、エテ公なんて呼ぶのを聞いたことがある。




    ただ疑問なのは、エテ公とサルとでは1文字もかすっておらず、お互いの言葉にどういう関係があるのか。




    あくまで説だが、肝心の答えは猿とは何も関係がなく、昔の人々のゲン担ぎから生まれた言葉らしい。

    もともとは「得て」から

    three assorted-color monkey plastic toys holding each other during daytime
    Photo by Park Troopers on Unsplash

    一説によると動物の猿を別字におきかえた「去る(さる)」の言葉が、人との別れや物を手放すことを連想させるため「得る」へと変化したのが由来の1つになっている。




    つまり言葉のゲン担ぎ。




    これがさらに得て・エテへと変化し、また得手という風に、物事が得意という意味も持つようになった。




    また語尾に「公」を付けるのは、親しみまたはさげすみを込めて呼ぶ「擬人化表現」が使われているらしい。




    用法としてのエテ公はおサルさんそのものに対して使われたり、あるいは人へのあだ名として使われる。

    さらに良い意味

    「得手」の意味から派生し、他人より秀でた才能で「勝る(まさる)」という言葉から、さらに猿つながりで「真猿(まさる)」とシャレっぽい言葉に変わったという話もある。




    ただし、リアルで使うようなシチュエーションはほぼなさそうだ。




    「キミは真猿だ!!」




    「えっ!?(オレ、テツヤなんだけど……)」




    誉めたつもりでいきなり使ったとして、こういうことになるかは不明(ほぼ通じないと思われる)。




    一見、どれもただの言葉遊びのように思えるが、先ほどの得るも含めて、いずれも良い意味の言葉説になっている。




    ただ「エテ公」とすると、やはり良い言葉には到底聞こえないが……。

    悪く聞こえるのは

    恐らく「公」という言葉が原因だと思われる。




    エテ公などに使われる場合の公は、それこそ親しみやさげすみを込めて相手を呼ぶ、擬人化表現の1つ。




    よって「おいエテ公!」などの言い方は、何となく人を猿に見立てて、もしくは猿そのものを下に見て使うイメージである。




    たとえばこの言葉で人を呼んだとしたら、言った方が親しみをいくら込めていても、相手はバカにされたと思うはずだ。




    なお公には「公爵」など、高貴な身分を指す意味もあるが、ここでの公はあくまで侮蔑的な意味合いのものとなっている。

    擬人化表現ってのは人じゃないものを人に見立てるっていったら分かりやすいかな。

    たとえば、ファンタジー映画に出てくる燭台とかポットがしゃべって動いたりするの。

    ああいうのさ。

    コチョンどのも人の言葉をしゃべれるから、ある意味擬人化ではないのか?

    そこツッコむとメタな話になるし、ややこしくなるからやめてよ……。

    まとめ

    「エテ」は「去る」の意味を嫌った人々が得て・得手という言葉に変化させたという説から考えて、もとは悪い意味の言葉ではなかったことが分かる。




    しかしそこに高貴な身分を示す言葉「公」のたった一文字を足しただけで、悪い意味の言葉に転じてしまうのが日本語の複雑なところだ。




    もっとも本物のサルをエテ公と呼んだところで、相手に言葉が通じないからまだしも、どんな状況でも人間に対してエテ公と呼ぶのはNGである。

    まだ謎が残っているんだが、そもそもエテ公はいつ出来た言葉なんだろうな。

    最初に言葉を思い付いた人間は、はたして本物の猿に対して使ったのか、それこそ人を猿に見立ててあだ名の様に呼んだのか……。

    それはボクも気になって調べたけど、確かに具体的な出どころまでは分からなかった。

    響きから近年出来た言葉じゃないだろうけど、これはいずれ追加調査の必要があるかもね。

    ……話ちょっと変わるんだけどさ、昔の商家の人は「去る」を、朝の時間の忌み言葉だから嫌っていたって話もあるみたい。

    ちなみに忌み言葉って不吉で縁起が悪い言葉のことよ。

    今回の話の去る→得ると何か関係があるのかもね。

    猿つながりの話であれば、私のような忍びは「軒猿(のきざる)」と呼ばれることもあるぞ。

    忍者って猿のように身軽だし、軒下の暗い所に潜んでお仕事してそうだもんね!

    確かに身軽でないと務まらないが、私は猿ではなく人間だぞ!

    ただのたとえなんだけど。

    つうか自分で振った話だよね

    素でいってるのソレ?

    了。

  • 砂糖がカチコチに……(対処法あり、ついでに塩の話も⦅こっちも対処法あり⦆)

    砂糖がカチコチに……(対処法あり、ついでに塩の話も⦅こっちも対処法あり⦆)

    冬などの乾燥時期に度々起こることですが、容器の中の砂糖がブロック状になって固まっていることがあります。




    そうなるとサラサラ感が残っている底のほうをスプーンでさらって、とりあえずだましだまし使うこともまちまち。




    が、いい加減にどうにかしようと思い、今回見事な対策法を見つけたので生活の裏技としてここに書いておきます。

    あのアイテムで対処できる!

    キッチンペーパーを湿らせて容器の中に入れとくと良いです。

    筆者はペーパーが直接砂糖に触れないよう、この様にフタではさんでおきました。そしてたった1日でスプーンで軽く崩せるほどまで劇的に改善しました。




    ほかに有名な方法では食パンのかけらを入れとくってのもあります。




    食パンに含まれる水分を砂糖が吸ってカチカチにならないんですね。要するに完全無害な加湿剤の役割を果たしてくれるワケです。




    たしかにその方法。効果はあったんですがその度にパンをわざわざちぎって入れるのも……って思って、いつの間にかやめていました(衛生面で抵抗があったのかも)。




    もっともパンを直接ではなく、だしパックなどに入れておくなどの方法もありましたが、いちいちそれをやるのもどうかなと思う次第です。




    その度にだしパックを消費するのもコスパが悪そうですし。




    手軽さやコスパ面を考えても、やはりキッチンペーパーを使う方が良いと思いました。身近なものでどうにかしたい場合、筆者と同じようにやってみるのもアリです。

    塩は?

    塩はあまりカチコチにならないんだよね。

    なんでかな?

    それは冬だろう?

    なら当然だ。

    どういうこと?

    塩は湿気ると固まるからな。

    砂糖はその反対だ。

    なんで?

    一般的な白砂糖はしっとりしているだろう?

    乾燥すると、しっとりした表面が結晶化して、それぞれの結晶がくっついてしまう。

    つまり砂糖同士で固まるということだ。

    あーそういうことね!

    寒い時にコーヒー飲みたくて、容器開けたら見事にガチガチになるのってソレか!

    一方、塩は空気中の水を吸い、表面が溶けて粒同士がくっつくんだ。

    それが進めば、やがて固形状になる。

    同じ粉末状のものでも、性質は異なるという不可思議なところだが。

    なるほどね。

    じゃあ塩が固まらないようにするにはどうすれば良いの?

    湿気が少なくなるように保存すれば良い。

    一般的な方法だと、塩の容器にパスタや爪楊枝を入れておく方法や、塩を耐熱皿に移してレンジで加熱するという方法もある。

    が、私はそこまでしたことはない。

    湿気がある夏場でも、密閉容器の中にちゃんと入れておけば、そこまで固まることもないだろう。

    あ、塩の方はあまり気にしないのね。

    私の保存環境ではそこまでひどくガチガチになることがないからな。

    環境にもよるが、気になるなら先ほどのようにキッチンペーパーをくしゃくしゃにして、塩の容器にツッコんでおくと良いぞ。

    ただし湿気を吸って湿ったら、都度取り替えた方が衛生上安心だが。

    費用がかかって良いなら、市販の食品用乾燥剤でも使うことだ。

    なるほど、手軽で色んな方法があるんだね。

    (キッチンペーパーって優秀だなー)

    了。