ラクガキついでに「侍」という言葉の由来を調べてみた

侍という言葉は、高貴な人に付き従う意味の動詞「さぶらう」が由来でした。もともとは名詞の「さぶらい」がさぶらうに変化したものです。また、さぶらいは平安時代にすでに存在している言葉でした。

誰かに仕えている意味の言葉となっているため、すなわち侍とは身分の高い誰かに仕官している武士・武家の事を指しています。

ちなみに、同じく侍っぽい身なりをしている浪人は、浪人という存在であって、意味上では侍ではありません。

浪の漢字を使った「浪々の身の上」という、世間をさ迷い歩くという意味の言葉もありますが、つまり浪人とは、誰にも仕えていない無役の武士の事を指します（見た目で言うなら、時代劇上ではちょんまげじゃない浪人が多いです）。

したがって浪人=侍では無いという事ですね。刀を差していた人物は、みんな侍というとらえ方をしがちですが、意味はまったくちがうのです。ちょっとややこしいかも知れません。

なお、先ほどのさぶらうは文法上では動詞です。「あり・おり・はべり・いまそかり」という言葉を、聞いた事はないでしょうか。別におかしな呪文でもなければ、かつてのファミコンのパスワードでもありません。

これは学校の文法の授業で習った「活用」の種類です。語尾にラ行が付く動詞の活用方法が、ありおり……の四つの言葉しか存在しないため、ラ行変格活用、略してラ変と呼ばれる事もあります。

勉強的な堅苦しい話になってきましたが、筆者はこうして記事を書いているわりには、文法は苦手です。国語のちょっとした復習もかねて、このような事を書いています。

奇特な方はこのままお付き合いください。ちょっとした豆知識として頭の肥やしになるかも知れません。

ここからがちょっとした発見ですが「はべり」を漢字変換すると「侍り」になり、なんと侍の字が使われている事が解りました。ちなみに筆者のWindowsパソコン上で、この文字は一発変換出来ました。

これは、かしこまってそばに控えるという意味の言葉です。居るという意味の謙譲語で、さらに、あり・おりの丁寧語でもあります。

侍と言葉の成り立ちを考えると、かしこまってそばに控えるというのは、ちょっとした共通点が感じられます。

なお「あり・おり・はべり・いまそかり」に共通しているのは、どれも「居る」の敬語表現です（謙譲語も丁寧語も、敬語の一種）。

ただし、これらは文法の話とはいえ、源氏物語などの日本の古典などで見られる表現です。日常会話でこんな古い言葉を使用する事はまず無いでしょう（使っている人が居るなら、どういうシチュで使うのか聞いてみたいです）。

ともあれ、意外なところにも、侍の文字が使われているのを発見したので、記事に書き加えておきたくなった次第です。「はべる」のかしこまってそばに控えるという意味も、主君のそばで控えている侍をイメージします。

一方、はべるを使った別の言葉に「はべらす・はべらせる」というものもあります。これは誰かを仕えさせて身の回りの世話をさせるという意味の言葉です。

美男・美女をはべらせる（はべらかす）という表現も、どこかで見聞きしたような記憶が残っていますが、解りやすくはハーレム状態の事です。

ほかに、侍の字が入ったものでは「侍従」という言葉もあります。君主などの高貴な人に仕え、身の回りを世話する存在、または職業を指しています。

この様に、侍の字を使った言葉の例は、結構色々とあるのでした。流石にすべての言葉を確認したワケではありませんが、侍の字を使った言葉はいずれの意味合いも、誰かに仕えているというのが共通していそうだなと考えています。

少なくとも、この記事に書いた言葉だけでも覚えておくのも良いかなと思っています（自己満足）。

了。