初めての方は…
ここの読み物は筆者がクリアまでプレイしたゲームのネタバレ多めのレビューだよ!
ネタバレは見たくないけどゲーム自体にちょっとでも興味がある人は「この先ネタバレ注意!」までを読んで参考にしてね!
そこまでの文は初プレイの楽しみを大事にしたい人向けだから安心して見てね!
「この先ネタバレ注意!」以降の文はネタバレが一切問題ない人向けの内容になっているぞ。
プレイ済みであれば内容を思い出してまたやりたくなる、または未プレイでも大丈夫な人であれば雰囲気をつかみ、ゲームを実際にやってみたくなる。
読んだ後にそう思ってくれたら幸いだな!
情報もろもろ
- 発売日・2009年1月22日
- 発売元・コーエー(現コーエーテクモゲームス)
- ジャンル・RPG
- プレイ環境・PSP(ダウンロード版)
プレイをおススメする人
次の内で好む要素が多いほどプレイをおススメします。
正統派ロープレ・フリーシナリオ・剣と魔法の中世ファンタジー・登場種族が多彩・マルチエンディング(数十ほど)・しゃべらない主人公・育成の自由度が高い
プレイ時間は30時間くらいだよっ。
速い人は20時間切っちゃうかもね。
でもちなみにエンディングがすごく多いから周回が当たり前になってくるんだ。
周回要素もあるからそこはご安心。
2週目からは色々引き継げてもっと楽になるし、この際1週目をチュートリアルって割り切って自分の思うままプレイするのがおススメだよっ!
自由な旅を!
このゲームは剣と魔法が存在する中世ヨーロッパ的な世界観で、戦記のような物語を楽しめるんだ。
重厚で進めるほどに悲壮感を増す展開は少々大人向けかもしれないがな。
ほかにはキャラクターの育成や探索も自由度が高く、物語も自らの選択で様々な展開を迎えるんだ。
結末(エンディング)の数もとても多く、周回でのやり込みが好きな人にも満足できるものになっているぞ。
この先ネタバレ注意!
自由な旅を!
ジルオールというゲームを一言で表すにはもうこのセリフに限ります。
ジルオールは元々初代PSにてコーエー(現コーエーテクモゲームス)より発売された正統派のフリーシナリオRPGです。またPS2→PSPへと2度のリメイクを重ねたゲームでもあります。
なおPSP版はPS2のジルオール・インフィニットをベースに様々な追加要素を加えたもの。
PS版・初代ジルオール発売からおよそ20年もの月日が流れていて、さしずめジルオール完全版といったところでしょうか。
正式タイトルは「Zill O’ll Infinite Plus」なのですが、記事上ではローマ字よりカタカナのが入力し易いのと、長ったらしい表記をさけるため以後「プラス」と表記します。
筆者は初代ジルオールとインフィニット両方をプレイしており、一時期その世界観のトリコに。PS2版インフィニットのティザーサイトオープン時は公式サイトへ何度も訪問し、すでに幾度も見たページを無駄に何度も眺めるなどしながら発売を心待ちにしていました。
発売からは案の定ガッツリプレイに没頭しました。フリーシナリオが大きな特徴のロープレであり、周回プレイを前提としているため一度やったくらいでは飽き足りません。
さらにED数が非常に多いのも特色で今作ではなんと50を超えます。スターオーシャン2ndストーリー以外では当時ここまでED数が多いタイトルは思い当たりませんでした(そちらは90以上!)。
プレイ時間は結構前の記憶なので大体ですが初見で30時間ほど。以後は週1回あたり20時間強と見た方が良いでしょう。効率重視だとタイムはさらに短くなります。
ともあれ無印・インフィニットからのプレイはかなり久しく、初見は当時を懐かしみながら遊べたこと。イベントや仲間キャラなども新規追加されていて、あらたにジルオール世界を楽しめたと思っています。
ただし初代の方が絶対に良い、こうしたらもっと良かったという部分などもあって、リメイクのリメイクなのに色々惜しいタイトルでした。
ストーリー ★★★★+
過激な表現があったり内容も重厚だったりで結構大人向けかもしれません(コメディタッチなシーンも少なからずですが)。
そのためかCEROレーティングはB指定で12歳以上対象となっています。しかしセリフによるキャラの心理描写は素晴らしいの一言。
おおげさですが人生について、物事の見方について何かと考えさせられることもありました。
例えば。
ついにソロでパッケージを飾った尻出し娘カルラの「転がされた」発言が飛び出す会話イベは、数あるセリフシーンの中でも、インパクトや悲壮感が強く印象に残りました。
必見イベ。
トラブル体質な主人公
主人公は特異な運命を背負っていて、行く先々で色んな事件(イベント)に巻き込まれる。
あげくほとんどの個別キャラに気に入られる&一目置かれる才能も持っていて、ここはさすがに無限のソウルの持ち主と言うべき。
ストーリーを進めるうち大陸の歴史も悲壮感あふれる方向へと進み、ついには世界の危機を救うハメに。
まさにロープレ主人公の宿命。
後半の闇の島以降は一気に駆け足気味になり、強制イベ&バトルの連続でもうどこへも行けなくなってしまう。
「自由な旅を!」とは言ったものの結果そこへたどりつく。よってクライマックス付近からはクリアまで一直線というワケで。
ただこうした大筋の強制シナリオがあるにせよ、それまでのイベントの進め方は文字通り自由。ここいら辺はラスダンから一気にラスボスまで駆け足気味のロマサガのゲーム性にも似ている。
追記 ロマサガのゲーム性にも似てるとしましたが、ほかにもラストから駆け足気味のゲームなんて数多くあるため、もっと近い感覚のゲームとして、スーファミの新桃太郎伝説をあげます。 こちらもラストよりの、とある地点から戻れなくなる共通点に加え、世界が一気にヤバい状態になることや、ただよう悲壮感や緊迫感の強さが、どことなくジルオールの最終局面と通じるものがあるかなと。 スーファミゆえ、かなりレトロゲームの領域であり、雰囲気も和風でジルオールとは世界観がまったく正反対ですが、ロープレ好きなら令和の今でもプレイして損はないボリュームと、さまざまな要素がこれでもかと詰まっている超良作です(素朴なドットグラですが、今となってはそれがかえってたまりません)。 注目すべきはストーリー(地獄の階層や鬼子母神の名など、仏教の影響をうけたらしき描写もあり)で、桃太郎電鉄やファミコン・PCエンジンの桃太郎伝説に見られたおふざけ・ほのぼの感はほとんどありません。 ほほえみの大地や村、ギャグキャラ、一部セリフなどにコメディタッチは残っていますが。なんならシリアス9割、ギャグ1割くらい。まさしく希望と絶望が入り混じった重厚シナリオを味わえます。 また桃太郎の敵役・カルラ(奇しくもジルオールの尻出し娘と名が同じ)は、ゲーム史において語り継がれても良いほどの「悪」です。ジルオールでのシャリや円卓騎士、伝道師たちがかすむほどの外道っぷりです。 張り合えるとしたら幻想水滸伝2の「ルカ・ブライト」クラスでしょう。 筆者はこんなド悪党が出てくる新桃太郎伝説を、今でも最高レベルのロープレの一つだと思っています。 もしリメイクしたら筆者もふくめシリーズファンは沸くでしょう(桃太郎電鉄プレイヤーも取り込めそうですし)。 ただし桃鉄・桃伝生みの親・さくまあきらさんのTwitterでのつぶやきを見るかぎり、ちょっと絶望的ですが。残念だけど仕方ないことですね。
別ゲーの話になってしまい失礼しました。
モテモテな主人公
仲間や友好的キャラのほとんどが主人公と関わることで、いつの間にか彼もしくは彼女に心を開くように。
ゲームの終わりには一定の親密度(ネモという気持ち悪いしゃべる猫から数値が確認できる)およびイベントなどでエンド条件を満たしたキャラとのエンディングも待っている。
男主なら女性キャラと、女主なら男性キャラと、はたまた同性同士でも。
ほとんどのキャラとただならぬ関係に。恋愛か友情テイストな感じでキャラの数だけ結末も豊富である。
しかも男女で内容がちがったり、性別によってエンドが可・不可のキャラも居たりするし、それによってはエンディングが激甘な展開となる。
なおキャラの親密度を上げるのは、恋愛シミュレーションなどと比べても非常に簡単。NPCなら毎日会話しに行ったり、仲間キャラならパーティーに入れてしばらく連れまわしてレベルアップを計ったりすれば上昇する。
ときメモのようにしばらくほったらかして不貞腐れられるような変なリアリティーさはない(イベント選択肢の選び方で下がることはある)。
ただし目当てのキャラとEDを迎えるためには、該当するサブイベントをこなすなどの条件付き。
また、複数キャラ同時にEDフラグが立てられるため、条件さえ満たせばそこらじゅうで主人公好き好きなキャラが続出する。でもEDを迎える事が可能なのは、一部のEDを除いてたった一人だ(1週目のEDは条件を満たしつつ、優先順位がもっとも高いキャラになる)。
こんな風にお気に入りのキャラとエピローグを迎えることが出来るのもウリの1つでもあった。
プラスではさらに仲間が追加され、ともなってEDも増えたが中でもエルファスの追加は正直予想外だった。
イベントで心が通じ合う描写があっても、敵としてのポジション以外にはあり得ないと思っていた。
ついに愛に目覚めたか。
もっとも彼も根っからの「悪」ではなく、幼少の頃からの環境や出来事の被害者とも言えるので、今回明確な救いのルートがあって良かったとも思う。
※ただしエルファスを仲間にした場合、クライマックスの相手もエルファスになるというおかしなバグが発生するらしい。そして彼はなぜかパーティにいる。フラグの重複によるものかも知れないが、筆者は未確認。
純粋悪はやはりシャリだろうか。ただ彼も「人の願い」から生まれた存在なので、完全な悪とするには立ち位置が少し微妙だ。今後さらなるリメイクがあれば(流石にないと思うが)彼にも救いのルートがあれば良いかも知れない(一応彼のEDもあるが、セリフが中二病の末期症状)。
一方でこちらは予想していたがフレアの仲間加入。イベントも追加されていたし彼女の人としての感情が芽生えていく描写も見られた。EDのそこはかとないヤンデレ感も相変わらず。
初代ではどうあがいても救われなかったしな。
そしてもう1人の追加仲間のフェルム。
……必要だったか? スタッフ愛だろうか。
しがない脇役から一気に迷バイプレーヤーまでのし上がった如く。それくらいほかの仲間と比べても浮いている存在となった(酒場の店員だし)。
ただし彼女は物理特化のアークソードなどのソウルを付けてじっくり育てると、専用武器の性能も手伝って大化けする。伝説のフライパンは竜王でも沈める凶器だという事か。酒場の店員なのに。
また彼女のサブイベの一つは非常に切羽詰まった重要イベントの最中に起こり、消化する場合はかなり空気が読めていない選択肢も見られる(しかも彼女のED条件)。
「フェルムは渡さない」
ザハク「……来ないな…これも徒労か」
なおプレイヤーの選択や行動によりキャラクターがあっさり死んでしまうことも。その場合ネモネッコからも「そいつ死んじまったぜ」的な無常メッセージを言われる。
意図していない場合はすこぶるショックである、
そういうことも中盤あたりから起きうるため、メインシナリオに関わるキャラは強制イベに巻き込まれて死んでしまうリスクがある(あきらかな前フリをほったらかしにして歴史を進めると、そのキャラの死が確定してしまう)。
ごめんな、アンギルダン……。
ところで追加された他キャラのジリオンとイーシャの存在を忘れていた(イーシャに関しては鉱山でバッタリ会ってすぐ仲間に出来る。旅立ち先が「闇に閉ざされた塔」なら初期メン)。
まあ2人には幸せになって欲しいものですな(ルート次第ではほかでやってくれと言わんばかりの想い合いっぷりを見せつけられる)。
悪役が光る
闇の勢力の連中方に比較的魅力的なキャラが多いと感じるのは筆者だけではないはず。
シャリやクセモンぞろいの闇の円卓騎士連中もさながらだが、とりわけジュサプブロスというキャラを考えた人は、厨二を超えた存在なのかもしれない。
まず肩書が「※システィーナの伝道師」の1人「黒の祈りのジュサプブロス」だ。
※破壊神復活をもくろむメンツ、もうこれだけでも厨二っぽいのに、あげくコードネームが黒の祈りである、なんで黒の祈りとかついてるか不明。
ほかこのキャラ、イかした丸グラサンをかけたダークエルフであり、大陸最強レベルの強さでもあり(ネメアと戦った時、自分で言っている)5歳以下の子供は見逃すという独特な考えを持っている。
あげく、名前の響きだ。生涯、忘れないかもしれない。なんかこう色々、詰まったキャラである。
黒の祈りのジュサプブロス。
ンフッ……。
出番も一時期だけだが、全キャラ中でもトップクラスの存在感をかもしているように感じる。
そんなインパクト大の彼の最後は、結構あっけないうえにリメイクでも報われなく、今際のきわに発したセリフはやはり切ない。相応の悪事も犯しているから仕方ないと言えば仕方ないのだが。
ジルオール屈指の印象深いキャラの1人だ。
ところでこちらも闇の勢力側のキャラではあるが、筆者は妖術宰相の爺さんを結構気に入っている。
登場イベ時に助けると、主人公を8畳くらいの住処にまねいて以降は本人の言う通り、お茶も菓子も出さずに哲学的なことを3パターンしゃべってくれるのだ。
会話数こそ少ないが内容はまさにゾフォル語録。
当初は意味があまり解らなかったが、ある程度年を重ねた今だとなんとなく腑に落ちる内容ばかり。個人的には彼なりの哲学の会話パターンがもっとあれば良かったのにとも思ってしまった。
残念ながらこの爺さん。プラスでも最後まで仲間になどならず敵としてのポジションのみ。
せめて今作ではストーリーから退場する際に主人公へ別れのセリフを追加していたらもっと良かったと思っている。
最後はなんか初めて会った人みたい。
しょっちゅう家に行ってたじゃーん。
筆者どのにとってかなり印象的なセリフを言うらしいな。
ゾフォルという老人は。
そのおじいちゃんのセリフの中で、一番心に残ったっていうセリフを次に引用・抜粋させてもらったよ。
人はきれいに生きようとする。
悲しいほどにきれいにな。
©コーエーテクモゲームス Zill O’ll~infinite plus~より 妖術宰相ゾフォルの台詞テキストより引用
そうすると人を許せなくなる。
滑稽なほどに。
無責任なほどにな。
深いな…。
確かに真面目に生きようとすればするほど、ほかの人間の嫌な面や欠点が目立ってしまうものかも知れないな。
許せる人って相手の気持ちを汲める人なんだよね、きっと。
キレイに生きるってこととは少しちがうかもだけど、真面目で誠実でめっちゃ仕事や勉強が出来る優秀な人の中には、それが出来ない人には冷たかったり自分の考えこそが正しいって思ってたりする人も居るじゃない?
それも必死に努力してきた人ほどね。
ある意味それは「おごり」っていうんだろうけどね。
ボクは思うんだけど、優秀であることを満たしつつ人に思いやりを持てる。
そんな心の余裕のある人が本当に良い人間なんだと思うな。
もちろん世の中そんな人ばかりになると「優しさ」だけ優先しちゃって、利益優先の競争社会の中では通用しないと思うけど(むずかしい話になっちゃった)。
なんにせよゲームのセリフでここまで感銘を受けるとは思わなかったみたいだね。
セリフに元ネタがあるのかな。
ゾフォルのほかにも
敵役・闇の円卓騎士の1人、リーダー各の「ヴァシュタール」というキャラが登場する。
だいたい闇の円卓騎士の筆頭というだけでこっぱずかく厨二感のある存在なのだが、コイツの各セリフこそがゾフォルに匹敵する哲学感満載のもので、それも含めてただの悪役では終わらない印象を強く与えたキャラである。
その印象付けの1つは仲間女性キャラ・アイリーンに関わる、とあるイベント時のこと。
ざっくりとだが戦争ブルーになっている彼女へとヴァシュタールが数々の哲学台詞をぶちかましはじめる内容のものだ。
意味が解らないお子さんは大人になってから出直してきなとでも言わんばかりのセリフの嵐を(大人でも難しい内容)ひとしきり言い切ったあと、彼女を主人公にけしかけてバトル発生。
ここで攻略的なことにも触れるが、このバトルでは逃げるを選択するのが正解でその後アイリーンは良い意味で吹っ切れ、正式に仲間加入するというのが一連の流れである。
さて、ここでヴァシュタールの別名が「開け放つもの」ということに触れていきたい(各円卓騎士には「告げるもの」・「打ち砕くもの」など、これまた厨二感がただよう別名が付けられている)。
そもそも事の起こりは悩める乙女・アイリーンが開け放つものという異名を持つ魔人が存在するのを知り、自分の心を「開け放って」もらおうと彼を探すところからだった。
要するに人生相談を得体の知れない魔人に持ち込むワケだったのだが、出会った後は説教と実地訓練(主人公とのバトル)によって、なんだかんだで彼女は救われたのである。
闇の円卓騎士ヴァシュタールは異名に恥じることなく、見事アイリーンの心を開け放ったというワケだ(最後はまたも意味深な言葉と共に去っていく)。
ちなみにヴァシュタール自身は長年、光と闇の争いごとに疲れ果てていて本来の目的である破壊神の復活などほぼどうでも良くなっている「昔ワルで今は隠居」的な存在に近い。
一方でかつての同僚のネモいわく「親身にはなってくれない」というセリフ通り善人でもなく、ポジションはシスティーナの伝道師連中などと同じ悪役。
でも結果的にアイリーンが救われるきっかけを作ってくれた「結構いいヤツ」と言わざるを得ないのだ(が、筆者はイベ失敗パターンを見ていないので、そちらを知れば印象が変わったかも知れない)。
…これがホントに破壊神の復活を目論んでいたヤツなんだろうか?
言ってもやる気ナシであきらめ半々なヴァシュタールはともかく、シナリオ中ではほとんどの円卓騎士も主の破壊神ではなく自分のために活動している始末。
聖杯を取り返したいのが結局ずっと友好ネコなネモ。
モンスターを使って遊びたいだけの悪趣味魔人アーギルシャイア。
世の中のすべてが徒労だということをみんなに伝えたがっている新興宗教の教祖さながらのザハク。
結局何がしたいのかわからなかった終始緊縛プレイのサムスンなどなど…。
とりわけ真面目に仕えていそうな円卓騎士はバルザー(少し微妙だが)か、忠誠心高めなわりに設定のみで出番ナシのイシュベノブあたりだろうか?
部下へのカリスマ性が不足しているのか、破壊神涙目である。
ヴァシュタールに関しては同僚のアーギルシャイアを制裁していた時は悪役らしい一面や貫禄もものぞかせていたのだが。
一応円卓騎士中でも筆頭と言われる魔人なだけはある。
コイツとは直接戦えるルートもあるし実際それなりに強いが、結末時の彼もまた「意外と話の分かるやつ」っぽく退場する。
何となくこういうキャラにカッコよさを感じてしまう(ちなみにプラスでは美青年な顔グラも当てられた、ドス青いけど)。
先にユニークで一筋縄ではいかないキャラが悪役に多いとしたが、そんな中でコイツもやたら印象に残るキャラとしてあげておいた。
グラフィック ★★★
所々に挿入されるムービーシーンは無双シリーズや零シリーズなどのコーエーが発売元なためか、携帯機でもさすがに美麗。
モンスターは迫力があり、キャラは無双のごとく皆、美男美女。
特筆はキャラデザ
洋ゲーっぽいタッチの顔グラだが…。
渋めでありつつ日本人好みするギリギリのところを攻めているような顔つきが絶妙。
よくよく考えれば男女ともに数十ものキャラが居るのに、あれだけ描き分けられるのは本当にすごいことだ。
好みにもよるだろうがダルケニス化したレムオンはゲーム中最高レベルの美形男子である(別ゲーだが悪魔城ドラキュラ・月下の夜想曲のアルカードに見えなくもない)。
女性キャラならユーリス、フェルムあたりはシブめのキャラデザ中では可愛い系のキャラ。
ちなみにキャラ絵を描いた方は、ファミコン版やスーファミ版のウィザードリィのモンスターデザインを手掛けていたそうだ。
こちらが存じ上げないだけで描いた絵は過去どこかしらですでに目にしていたということ。
ところでステ画面のルルアンタの顔グラは公式サイトや説明書などで使用されている別バージョンの正面顔デザインのが良い。
個人的にはなぜあっちを使わなかったのかと思った。
それと彼女についてはどこかのサイトでも言われていたが、勝利後モーションがようやく「まとも」に見られるように。
確かにPS2時代の時はかなり薄気味悪く、動きがカクカクしてまるで呪い人形。
もっとも3Dでのキャラグラに関してはインフィニットから良かったワケでもない。
みんなリアル等身、かつ無表情なため控えめに言ってもマネキンのごとくどこか薄気味悪い。
すぐ慣れたのを考えるとそれほど酷くは思わなかったということだが。
もっともここまでロープレ要素を盛り込んだゲーム性を考えると、キャラの表情まで作り込むのは都合上無理だったのかも知れない。
露出狂カルラについて(あまりグラには関係ない話)
もっぱらバトル中などは余計に彼女のケツをおがむ機会が多い。年頃の男性キャラ(チャカとかナッジとか)は気が散ってたまったもんではないだろう。
もっとも本人は「転がされた」経験もあり、のちに17歳の若さで一国の将軍に抜擢されるほどの能力の持ち主である。下半身ほぼ裸な状態で居ることへの羞恥心などすでに捨てているだろう。
あの状態で居るのは足回りの布やヨロイの面積を極力とっぱらい、動きやすくしているのではと思っている。
でも動きやすさを重視するならアイリーンのようにレギンスのようなものでも良かったのではと。そんなツッコミは少し野暮ったいだろうか。
余談としてジルオールの4コマ漫画(しかも3巻まである)では、カルラが同僚(モブ)に「下履き忘れてるよ!」とツッこまれて「いけなーい!(てへっ)」みたいなのもあった。
あの格好はしっかりネタにされているよう。
ところでまたもやジルオールとは関係ない話だが、近年、日本のサブカル作品では二ーハイの女性キャラがかなり増えてもはや一般化。何かしらの作品でもほぼ1人は居ると言ってもいい。
デザイン的には肌色とソックスとのコントラストが「映える」からだろうか。現実面では締めつけで足が細く見える効果もあるらしいので人気が出るのもうなづける。
とりわけ、このゲームだとニーハイキャラは、ルルアンタ・ユーリスあたりか。ブーツ・ヨロイ状でもカウント有なら女主とカルラもふくまれるだろう。中世ファンタジーなジル世界でもニーハイの流行りは例外ではなかったということだ。
とか言いつつ当サイトのキャラもニーハイ着で描いている。筆者もその至極一般的な概念に乗っかっていたワケで。

ん? 私の画像だな。
急にどうした。
いいえ、なんでも。
サウンド・音楽 ★★★‐
PS2版からは作曲の人が変わったため、BGMもかなり差し替えられました。
どの曲も幻想的で悪くないんですが……。
あの曲だけでも欲しかった
リメイク前から望んでいた事だったが、今回も神曲「激闘」の復活はなし。
ジルオールの曲では一番アガるのに、曲名が同じだけで別BGMとなっている。悪くはないが、初代ジルの激闘が神曲すぎたため、リメイク後の激闘はどうしても聴きおとる。
一方で、ウルカーンで流れる曲はとても素敵。民族的なメロディはファンタジー世界を旅している感覚にひたれる。
この曲の存在もあって、初代激闘なしが理由での星2つを付けずに済んだ。
ジルオーラーな自分としてはホッとしている。
これが初代の方が良かったという、惜しむべき要素だ。
システム・内容 ★★★+
欠点をあえて先にいうと単調な作業感が一部要素にあるところです。
その原因ともなるのが街や村でうけられるギルドの依頼(イベントにからむものはその限りではありません)。
これらには豊富な種類もなく、慣れると簡単なものばかりでクリア方法もパターン化しがち。
育成および金稼ぎというロープレの根本要素にもかかわるため、どうしてもある程度の数はこなしていく必要があるのですが、単調ゆえ後にプレイヤー自身が発するあくびとの戦いとなります。
メインとなる要素の1つでありながら、けっこう早い段階で飽きが出てきてしまう少し残念な面でした。
もう1つ単調さを感じた原因はダンジョンの仕掛けがそれほど複雑でもなく、どこも似たような造りになっているせいで探索がそれほど楽しめないところです。
しかもギルドの依頼によっては同じダンジョンを何度も行き来することになるので、美麗な風景もやがては見飽き、視覚的ものも手伝って作業感は増します。
しかしシナリオが良質であることや魅力的なキャラも多いため、それらと天秤にかけてもまだ我慢できる範囲なのが救いとなっています。
こうすればもっと良かったというような代替案も筆者には思いつかないので、冒険の一環として受け入れてしまうのが良いでしょう(くどいですが作業感をおぎなってもあまりある楽しさがこのゲームにはあります)。
一方でキャラ育成に関わるソウルシステムについては無印からもほぼ改変がありません。
初回プレイではソウル付け替えでキャラをどう成長させるか色々模索して楽しめます。
しかもプラスでは便利要素も増えてたいへん遊びやすくなりました。ただしいくつかいまだに大味な部分も。
単調かつ慣れると簡単なギルド依頼の存在がまた一役買うことになるのですが、依頼を延々とこなすだけで一気にゲーム難度が下がります。
さらに2週目以降はソウルポイントや錬剛石などの引継ぎ要素のせいで、難度低下に拍車がかかることに。
もともと周回を前提としたゲームなはずなので、ある意味それで正解といえばそれまでですが。
もう一つ重要点を。
戦闘中はモーションスキップ出来るのでまだマシですが、ゲーム全体のロード時間は長めです。イベントが入るシーンに差し掛かると、それまでの画面暗転状態がより長くなり一瞬フリーズしたかの様な錯覚を覚えます。
もっともほかのゲームではロード時間がもっとヤバいやつもあるので、許容範囲でしたがこれからプレイする方は多少目をつぶった方が良いでしょう。
それがあっても名作だと思っています。
それでも気になる方は総評にてくわしく記述しますが、パッケージ版では無くDL版でのプレイをおススメします。
やり方を知っていると簡単ゲーに
こちらが低レベルでも不釣り合いな強敵に遭遇する最序盤がもっとも苦労しやすい時期。
かくいう筆者もゲーム性がよく解っていなかった頃「とりあえずはじっこまで行ったろ」と思い、いきなりエルズまで行った。そして神殿道中のドラゴンマイムにヌッコロされたのは良き思い出。
本来はこちらのレベルに応じて、うろつくモンスターも強いランクへと段階的に上がっていく。
が、それは街道や航路での話。
ダンジョンは例外であり、ドラゴンマイムのごとくやたら強いモンスターを初期配置している危険区域も少なくない。
例えば竜王の島や街中にしれっと建っているにも関わらず、後にラストダンジョンとなる廃城などだ。
そんな危険な場所にソッコー行けてしまうのも自由度が高いゲームゆえの特徴。
そしてこのゲームはその自由度の高さを逆手に、難易度を一気に下げるプレイ法がある(2週目から行うことを推奨したい)。
ジルオーラーにとってすでにメジャーな方法だが、本来後半で使用するような最強クラスの武器を序盤で入手可能にする方法だ。
事前準備としてソウル・グレモリィのディテクターおよび、ルナシャドウのクイックアーツ取得が最低条件。
依頼と戦闘を繰り返して頑張って取得したら、ダンジョン内の武器宝箱の元まで辿り着く(武器が入っている宝箱の場所を知っていることも重要)。
後はダンジョン内でもセーブ&ロード可能な仕様を活かし、宝箱のトラップを解除成功するまで繰り返すだけ。
この方法で序盤からでも※竜破(りゅうは)などをゲット可能。
※ゼグナ鉱山の宝箱から入手、無属性で使い勝手も良く鍛冶強化も可能な最強クラスの大剣。
もちろん装備品のみでごり押しできるほど甘くはないが、特に序盤の戦闘は段違いで楽になる。
とりわけクイックアーツ取得の手間が少々かかるが、さっさと仲間を4人揃えて配達などの簡単クエや手ごろな敵とのバトルを辛抱して繰り返すこと。
そう遠くないうちにルナシャドウを宿すことも、またクイックアーツ取得に必要なスキルポイントも達成できる。
首尾よく武器ゲット後はもうストーリーを普通に進めていっても構わない。
もしくは護衛や探索(どこどこの○○取って来てくれ系)の依頼などをひたすら繰り返すだけでも、実入りが多い(ここが飽きがくる最大の難所でもあるが)。
依頼をどれだけこなそうが、キーイベントさえ起こさなければメインシナリオが勝手に進むこともない。
※どの程度かは未確認だがメインシナリオを長期間止めていると(年単位?)中盤から怒涛の勢いでシナリオが進んでしまい、期限イベ消化が間に合わなくなる可能性があるので止めすぎもほどほどに。
裏を返せば最初の頃にキャラをどれだけ強く出来るかで難易度を大きく上下させるともいえる。
ただしこれらの攻略法はバトルの楽しさを損なう可能性があるので、用法用量を守って正しく行うべきことも付けくわえる(やはり2週目からおススメしたい)。
話を変えるが筆者はプレイ毎にデルガドを序盤からパーティー加入させ、上記の方法らを行う事が多い。すると、ある時に「そろそろシナリオを進める頃合いだな」と思える現象が発生する。
敵へ物理攻撃を加えた際にデルガドは素で4桁ダメを叩き出すのがそれだ(クリティカル時だったかも知れないが)。
ほかのメンバーはまだ数百といった中であきらかに際立つ。
そもそも彼は初期から脳筋ソウル・マイティブロウを宿しており、固有武器も闇属性なので苦手とする敵も多い。
そのためいち早く高ダメを叩き出せる仲間の1人なのである。
最初からドワーフ王国の酒場で吞んだくれていて、加入条件も選択肢のみとユルいためか初回プレイ時では特にお世話になりやすい。
いわば初心者救済キャラと言っても良い御仁だ(早々にシャイニングレオに切り替えて育てると、オールアタックによってザコ戦では当分無双)。
そして特に根拠はないがそんなデルガドが上記ダメを出すのを目安に、ネメア即位後あたりまで一気にシナリオを進めることにしている。その辺りには、ほかのキャラもかなり強くなっている事も。
さらに、スペルに特化しているキャラなら、アガスティアを付けてユナイトまで修得してしまうと、これはこれで手が付けられなくなる。よって以降は割とサクサク進める。
本来、負けても進行するラドラスでのシャリ戦も楽勝だ(それでもロストールのザハク戦は、対策していないと少しキツい)。
しかもプラスでは竜破のようなユニーク武器+仲間の固有装備品が鍛冶強化できるようになったため、活用すると余計に敵との強さは開く。
ついにラスト付近ではほかメンバーが強くなりすぎて、あのネメアがアイテム係になるという状態が度々起こった。
この頃になると筆者のデータではこれだけ持ち上げたデルガドがとっくにお役御免というオチ(けして弱くないのだが好みの問題である)。
総じて上記のように最初の段階でキャラを鍛えすぎたり、強武器を取ったりするとダメージのインフレが起きて大抵の敵がザコと化す。
簡単になり過ぎるのも楽しくないワケで何事もほどほどにというのも付け加えたい。
もっともこのゲームは一度クリアしてからが本番で、未達EDやイベント回収が以降の楽しみ方となるだろう。
むしろ2週目からはこうした手段を遠慮なく使った方が良い。1週目はチュートリアルと割り切り思うままにフリーシナリオを楽しむのがベターだ。
あと一点。
仕様上、低成長率のソウルを付けた仲間をそのまま放置していると、低いステータスのままレベルだけが上がってしまう。
今後も使わないと割り切った仲間なら別に良いが、プラスでは2週目に超絶便利アイテム・通信機が手に入るので、ちょいちょい仲間を入れ替えソウルを上位のものに付けかえるだけでも避けられる。
活用することで各キャラともステータスに差が付きづらくなるため、最終メンバーにおいてどのキャラも運用しやすくなった。
ラストバトルに参戦することがエンド条件のキャラも少なくないため、2週目からにはなるがたいへん有難い。
金も困らん
ゲームの世界でなら誰でも成金になれる。
金なんざエンシャントギルドの宝箱ミニゲームでなんぼでも増やせる。
しかもチャレンジ料金は失敗しようが毎回100ギアのみの損失。
ゲージの動きもストップ位置もある程度単調で、身体でタイミングを覚えてしまえば再序盤であろうが数十万ものギアを手に入れることが可能(5・6の難易度でも慣れると容易、動体視力が並程度の筆者でも7割は成功する)。
これが仕様というのが恐ろしい。初心者救済だとしても大丈夫かと心配になるレベル。
コツさえつかめば鍛冶の費用やアイテム購入に困ることは今後ない。
稼いだらアキュリュースで全員にHP50%回復の「恵の雨」を買い込めば、バトル中の回復にもそれほど困らない(99個買っても44,550ギアしかかからない)。
バトル関連蛇足
ここからは筆者の覚え書きのようなもので、多少攻略に役立つことが書いてあるかも。
属性よもやま
スペルやスキルの威力について。四大属性はINT、聖闇はMINステにそれぞれ依存する。
四大属性は火→水→土→風→火…というように矢印の方向の属性に対して有利(ゲーム中ではそれぞれの頭文字「ひみつか」で覚えると良い様なヒントをくれるNPCが居る)。
闇は四大属性に強く、聖よりも弱い。そして聖はどの属性よりも強い(未確認だが、四大属性に対しては聖より闇の方が強いらしい)。
不利な属性に対してや、同属性同士は効果がてきめん下がる。なお、後半のボスは闇属性持ちが多いため、これらには聖属性の武器やホーリーがやはり強い。
ただし、属性の強さを過信して泣きを見たのは竜王戦(将棋ではない)。
本ゲームで最強の存在である竜王は、聖属性だ。
流石と言うべき。恐らく本編では、エルファスとこいつのみが聖属性を持つ敵だったはず。
当然同属性はダメージが落ちるため、聖はおろか他属性の武器を持つキャラは、竜王戦で一気に戦力外となる。
そんな中で唯一、属性の影響を受けないのが「無属性」だ。
よってレベル50を突破し、竜王と戦う条件を満たす場合。事前に武器を無属性のものに変えておくと、無駄に長いじゃれ合いタイムがだいぶ短縮される。
最強の敵は無属性で殴ったほうが良いという結論だ。例えば物理ステも充分育ち、強化された伝説のフライパンを持つフェルムが居れば一気にエースアタッカーへと昇格する。
なお前述はあくまで物理での話であってユニオンスペル・ユナイトスペルでの攻撃魔法は普通にダメージソースとなる。
AGIとDEXも上げとけ
裏を返せばこの両ステは脳筋だからこそ必要と言っても過言ではない。これらは命中率に関わる重要ステータスである。
上昇を怠るとどれほど攻撃力があろうがまともに当たらないという事態になる。
初見でシステムも理解できないままマイティブロウとかを宿したまま「アヒャヒャヒャ! 脳筋つえー!」をやっていると後から泣きを見る。
昔この状態に陥ったのが筆者だ。命中が低すぎて後半あたりの敵に攻撃が当たらなくなり詰むところだったのだ。
とりわけソウル・ルナシャドウはAGI・DEXともに高い成長率のため、たまにこちらに付け替えて育てると吉(攻撃力も低くなるワケではない優ソウル)。
クイックアーツ取得のためだけに存在するワケではないのだ。
それぞれの数値が100強あれば、最強の敵である竜王にも攻撃が当たるハズ。
役立つスキルとかスペルとか
ソウルを付けるまでしなくともソル、ルナカウンター・ハイグライド・ロングショット・ゲイルラッシュ・シャドウノックは物理で育てたいヤツにこれらを手あたり次第取得させても何かと役にたつ。
ほかシャイニングレオは取得するまで少々手間だが、スキルのオールアタックはザコ戦で、バーニンレイヴはボス戦で多いに活躍する。
と、言うよりもオールアタックの使い勝手が良過ぎる(MP消費0なのに全体攻撃)ので、戦士系で育てると割り切った場合、アムドゥシアスをあきらめてもまったく構わない。
オートスキル中100ポイント程度で取れるものは主人公あたりが全部取ってしまうと良い。
回復手段はあればあるほど困らないのでヒーラースペルは仲間全員で取っても良いくらい。
敵の全体攻撃魔法が常々脅威となるためニルヴァーナのスペルブロックも取ろう。
スペルブロックは攻撃魔法を1回無効化してくれる上、ターンが終わっても敵に魔法を使われない限り効果が継続する。
強敵とのバトルでは素早さが高いキャラにとっぱじめに使ってもらうことで、安全性が一気に高まるので覚えておこう。
このソウル選びがち
2週目からだとよりやりやすいが、成長ソウルに悩んだらネガヴァニティア付けとくと幸せになれる。
kind8以下が条件の1つなのでアムドゥシアスは捨てるハメになるが、同上ソウルの使い勝手が良過ぎるのであまり困らない(アムドゥシアスはスキルがほぼ役に立たないので成長用ソウルと割り切って使う方が良い)。
ネガヴァニティア装着のデメリットはずっと付けているとMIN以外のステが平凡になること。それと固有スキル・スペルが闇属性なので後半はあまり役に立たなくなるくらい(前述したが闇属性を持つボスが後半に多いためワリを食う)。
ネガヴァニティアを宿したキャラについては後半の器用貧乏を避けるため、その後物理系にするか魔法系にするかをあらかじめ決めておくと良いかも。
物理ならアークソード・シャイニングレオ、魔法ならアガスティア・ブラックバイパーといったソウルが候補に挙がるだろう。
話が変わるがエステルとザギヴの両名は後半の固有イベント消化後INT・MINがブーストするため、魔法系で育てているとこの2つのステがカンストしやすい特殊キャラ(ザギヴは20アップだが、エステルはなんと60…)。
カンストオーバー分は切り捨てとなるのでブースト分がもったいないのであれば、イベント消化時までは以後戦士か術士どちらにも振れるよう強バランス型のソウルを宿しておくと万能戦士になって面白いかもしれない。
エステルに関してはブースト量がザギヴの3倍のため。彼女の育て方次第では個別ソウルで優遇された扱いの主人公よりも各ステータスが上という超人となる。
地の巫女恐るべし。
覚醒エステルについて
本来はグラの項で書くべきだがついでということで。
巫女として覚醒したエステルの顔グラを見ると、まるですべてを悟った「※ブッダ」の様になる。
※お釈迦さまのこと。仏教の開祖で、元はインドの王子「ゴーダマ・シッダールタ」。
またラドラスで再会した時は非常に意味深なセリフと共に再加入する(巫女エステルを再加入させるための条件はけっこうシビア)。セリフを聞くに未来を見通すエアと同領域まで辿り着いたのだろう。さらにグラも巫女衣装に変わっている
このブッダ化・エステルには体の線が分かりやすい巫女衣装に変わったのもあいまって、どこか高潔なエロさを感じる。
ほかの巫女は元からその衣装だが、エステルの場合は元のキャラクターと、肌の露出がほぼ無いダボついた服だったためギャップ効果かも知れない。
まだイベ消化していないプレイヤーには苦労してでも彼女の大変化を見てもらいたいところ(個別EDでは元の衣装に戻るが)。
二週目以降限定だけど
神アイテム・通信機。
プラスで追加されたアイテムで、かつ2週目でオルファウスから入手できる。
これはなんと各地にいる仲間を呼び寄せて、直でパーティーイン可能にするアイテム。もう、わざわざネッコ屋敷に仲間の入れ替えに行かずとも良いのだ。
ネモ「あいつら、こねーな……(寂しい……)」
オルファウス「平和ですねえ……」
ともあれ、これでマップの移動を大幅に減らせ、ゲーム内の日数もかなり短縮出来る様に(過去作からやっていると、これはものすごく助かる事なのだ)。おかげで期限付きイベントなども消化しやすくなった。
ほかの恩恵としてはそのキャラごとでバリエーションがある相談セリフも都度、確認可能に。
PS2時代からあれば良かったのにと思うのは今さらだが、筆者のワガママである。通信機のおかげで、もう過去作には手を出しづらい。
ほか、2週目以降の追加要素についてだが、旅立ち先の追加の他、EDに際して条件を満たすキャラを選択可能になったのも超有難い。
これで、過去作のようにクリアの度「○○エンド来い○○エンド来い……」と念じなくても済むように。
初回クリア時のこと(最強のフラグブレイカー・エア)
余談だが筆者の場合。PS2とプラスにおいて、初回クリア時はどちらもエアEDとなった。
あのロリ婆ちゃん、まさかED優先度が超高いのかと思い、攻略サイトを見てみた。肝心のED条件は男主人公である・エアが生存している・かつ友好度が「友情」以上とのこと。
なお、このゲームでの好感度は、該当キャラと日をまたいで何度か会話するだけで、友情くらいにはすぐ到達してしまう(当然だが、関連イベを消化するとさらに上がる)。これはエアにかぎらずの話だ。
が、ほかにもクリア条件を満たしたはずのキャラを押しのけてまで彼女EDとなるのは、風の巫女の感受性が誰よりも高いからだろう(単にED優先順位がすこぶる高い仕様らしい)。
初回プレイではEDの選択が出来ないため、このトラップにおちいるプレイヤーは少なくないと推察。よって、これからプレイする方は、エアと必要以上に関わらないほうが良い。もっとも、彼女狙いでさえなければだが。
もっと言うなら、エルズの宿屋も利用しない方が賢明。これは彼女がらみのイベントが発生して、好感度が爆上がりするためだ。
また、心が痛んでもかまわないなら意図的にエアを死なす方法もある。これならED条件を満たしていようが、ゲームから強制退場させられる(おそらく一番容易な、ラドラス浮上をほったらかす方法だと、ほかの巫女も死んでしまう点には注意)。あくまで心が痛まなければだが。
ともあれ、苦労して他キャラとのED条件を達成したのに、エアが割り込んでくるのを体験したジルオーラーは筆者だけではないはず。
ある意味、彼女は竜王を超えた最強の存在かもしれない。
エア「優先順位? さあ、何の事だかわからぬな……」
総評 ★★★★
国家戦争や闇の勢力の暗躍など、騒乱渦巻くバイアシオン大陸で主人公がどのように活躍するのか。
すべてはプレイヤーの選択に委ねられます。
大陸で起こった事件や出来事がたびたびテキストで流れるのもあって「ロードス島戦記」とかが好きな人には、なおドンピシャのゲームかも知れません(むしろ、やらないと損するレベル)。
ただし本タイトルは携帯機でのプレイのため、臨場感やグラフィックはPS2インフィニットの方が上だと思います。反面、内容・ボリューム・プレイのし易さは、もちろんプラスに軍配が上がります。
プレイヤーによりどちらをとるかというところですね。
よっぽどグラにこだわりがなければ、システム面で快適なこのPSP版を選ぶのをおススメします。
※重要※
パッケージ版はローディングがやたら長く、処理落ちも発生するらしいです(ベスト版との違いは不明)。
しかし、DL版だとローディングはかなり短いようです。筆者はDL版プレイのためか、ことローディングに関しては「少し長いかな?」位で、大きなストレスはそれほど感じませんでした。
実際に処理落ちがあったかはあまり覚えていません。という事は、多少あっても記憶に残らない程度のものだったんでしょう。
よって、これから購入する方はDL版が無難です……が。
2021年7月2日よりPSPでのストア購入が出来なくなったため、同機種でのDL版購入も不可能になりました。ただ、PSVitaのストアでは引き続き購入が出来るとの情報がありました(2021年11月4日調べ)。
ですので、PSPのみでVitaを持っていない方はこの際、長めのローディングには目をつぶってパッケージ版購入も仕方なしと思ってください。
本題に戻り、ほかにもちょっとしたことを。
スタート時の旅立ち先がED条件になっているキャラについて、こうした特殊条件に気付かないまま進めると、目当てキャラのEDがいつまで経っても見られないことになりかねません。
1週するだけでもそれなりに長いゲームですし、せめて2週目からでもED条件位は攻略本や攻略サイトなどを確認する方が無難と思いました。
幸い2週目からはソウル・スキルPの引継ぎも出来、前述の通信機やED選択が出来るようになったおかげでだいぶ楽になります。
しかし全員の個別EDはおろか、未来への扉(脅威の大団円ED・難易度激ムズ)までを含めたEDのコンプリートを目指すのは相当な苦行になるでしょう。
やがては移動やバトルも単調に感じ、周回に際して作業感が出てきます。こういう感覚はほかのゲームでも一度は味わうかもしれません。
ジルオールのような周回を余儀なくされるゲームの場合。1回クリアして少し間をおいてから、再びクリアを目指すプレイが向いているかと思います。
筆者にとってジルオールは「しばらく経てばまたやりたくなる」タイプのゲームなので、余計にそうした方が良いかもと思いました。
色々と書きましたが内容そのものはどストレートな洋風ファンタジー。
そういう世界観を嫌わない人にはこの際うってつけのロープレと言い切ります。
この時代、ゲームも進歩に次ぐ進歩によりシステムが細かく作られたものも少なくありません。
そういう入り組んだゲームをプレイするのに疲れた方にもおススメです。
百聞は一見に如かず。
初見の方は1度プレイしてみてください。
ジルオールワールドにどっぷりつかれることでしょう。
これで最後!
PSP版からの追加要素である主人公誕生日イベントについてですが、筆者はほとんど見ていません。
それはスタート時に設定した誕生日をついつい忘れて、日数経過させてしまうから。
たまたま泊まった宿屋で発生した時は、急に仲間から祝われて嬉しい反面、突然だったので一体なんのイベントかとビビりました。
プラスあるあるかもしれません。
了。
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