「チッ、芽が生えちまったぜ」を出来るだけ防止するジャガイモ保存方法

おーい! カエデさんや!

なんだ、その呼び方。

なんとなく親しみが感じられると思って。

それより、こないだキミがくれたジャガイモさー。

芽が生えてきてこまってるんだけど。

どうしてくれんのよ。

いきなりのカスハラか?

畑(カエデ所有・自家栽培)収穫したのを、いくらか分けてやったやつのことか。

食べる前に発芽してしまうのは、保存上よくあることだが、とりあえずぜったいにそのままで食べるな。

それと1週間ほど前のことだったと思うが、どう保存していた?

余ってるビニール袋に入れて、その辺に放置してた。

んで今日袋開けてみたらぜんぶに生えてた。

そのビニール袋がはたして通気性の良いものか、どういう環境に置いていたのか、それにもよるが。

春先で気温も上がり始めているし、結局家のどこに置こうが芽が出るのは、生育上仕方なくもある。

これから出来る対処法を教えてやるから…。

ねえ、どうしてくれんのったら。

(しつこいな)

これからさらに気温も高くなるだろうし、それに備えてじゃがいもの保存の仕方を教えておこう。

年がら年中使うような常備菜ゆえ、覚えておいて損はないはずだ。

ありがとう!

それよりもう芽生えちゃったやつはどうしてくれんのってば?

(バグってる?)

芽の生えたジャガイモの対処に関しても、ちゃんと教えるから心配するなというに。

基本の保存方法

保存袋から取り出した1個のメークイン

ジャガイモは空気の通りを良くして、冷暗所にて保存すること。

かごや通気性が良くなるように穴をあけたポリ袋に入れて、暗くて、涼しく、通気性の良い場所で保存しましょう。
20℃以上になると発芽、腐敗しやすくなりますので、10℃くらいの涼しい場所が好ましいです。1)

徹底するなら、引用にしたがうのがおススメだと思われる。

なお上画像(自前)は謎の効果線や、じゅうたん周りのデザインをぼかすため、緑の霧みたいなものを描いて加工しているが、そこいらへんはとりあえず気にしないでいただきたい。

ひとまず当方では画像のように食品にも使えるビニール袋、さらに野菜用の布袋(100均で買った)に入れて、わりと涼しい玄関近くの廊下にカゴを設置、その中で保存している。

筆者環境ではベストなやり方&べスポジ。

冷暗所、もしくはそれに近い条件を満たす環境は、家々で異なるので、合った場所を探すべし。

しかし室内で10℃ほどの気温の場所を探すのは、夏場ではさすがに難しい条件。

この場合は、素直に冷蔵庫へと入れた方が良い(冷蔵庫で保存する方法は後述)。

冬はほかの季節より長持ちするが、北国のように氷点下が当たり前の環境では、低温障害が起きやすいため、室内の少し暖かい場所で保管した方が無難。

直射日光も発芽の条件だからな。

これを避けるため、床下収納でもあればそこに入れると良いのだが。

環境もまさしく冷暗所といえるものだからな。

出典参考先 1)”ジャガイモによる食中毒を予防するために”.農林水産省.https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/naturaltoxin/potato.html,(参照2024-04-27).

芽は食べるな!

保存場所は分かったけど、この芽が生えたやつはどうすりゃいいの?

このままほっとけば、花が咲きそうなんだけど。

ここ重要だからな。

芽ごと厚めに皮をむいて使えば良いぞ。

もったいないからといって、表皮だけをうすーくむこうとはしないことだ。

それと芽の部分は根までゴソッと取り去る感覚で、刃の下端の部分を上手く使って、くりぬくようにすると良い。

包丁の扱いに自信がなければ、スプーンを使っても良いぞ。

なんでわざわざ芽を取るの?

知らないのか?

ジャガイモの芽にはソラニンとチャコニンという有毒成分が多く含まれているんだぞ。

ソラニンやチャコニン(カコニンとも呼ばれています)は、ナス科の植物のジャガイモ、ツルナス、イヌホオズキなどに含まれる天然毒素です。2)

注意してほしいのが、この成分は緑がかったジャガイモの皮にも含まれているんだ。

だから緑色の部分を残さず、厚めにしっかり皮をむくようにするんだぞ。

もし芽や皮をロクに取らずに食べた場合、腹痛や頭痛などの症状が出てしまうことがあるからな。

しかもソラニン・チャコニンは一度発生すると、茹でても量が減らないとされている。

だから芽と皮をちゃんと処理することで、安全対策になるというワケだな。

うわーっ!

食べなくて良かったよ!

(まさかそのまま食べようとしたのか?)

聞いておいて良かったな。

それとスーパーなどで売られているジャガイモでも、芽が出始め、緑がかった皮になっているジャガイモは購入をさけることだな。

もっとも、そうして一般的に売られているものは、新鮮で品質管理がきちんとされたものだろうが、一応覚えておいた方が良いぞ。

購入後は早めに消費するのも基本中の基本だから覚えておくように。

はーい!

使い切りたかったら、カレーとかシチューにして、ドカッと入れちゃっても良いんだよね!

ただし、食べてみてジャガイモが苦くなっていたら、その料理は捨てた方が良い。

見た目では分からないところで、異変が進んでいるものもたまにあるからな。

もったいないが健康には変えられないだろう?

出典参考先 2)”ソラニンやチャコニンとは”.農林水産省.https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/solanine/solanine/solanine.html,(参照 2024-04-27).

どういうのを選ぶと良いか

芽が出てたり皮が緑色だったりのおジャガが、身体によろしくないのは分かったよ。

じゃさ、反対に美味しいジャガイモはどう選べば良いの?

あくまで私が選ぶ場合だが、うっすら土が付いているもの、かつ大きすぎないものだな。

異常に大きなジャガイモを切ると、たまに芯が空洞になっている場合があるからな(正確には中心空洞症という現象なんだが)。

もっとも、まわりの変色した部分さえ除けば食べられなくもないんだが、まず切った瞬間、見た目が不快だからな。

そういったものをさけるために、ほど良い大きさのジャガイモを選ぶことだ。

だが反対に小さすぎてもダメだぞ、そういう未熟なやつはそもそも数をむくのが大変だからな。

へー! 大きいほうがいいと思ってたよ。

でも土付きってのは、なんかばっちくない?

土には光をさえぎる効果と、乾燥防止の役割があるとされている。

これは鮮度保持のための天然コーティングというべきだな(ふふん、なんかカッコいいだろう?)。

光をさえぎることで発芽を遅らせ、土の湿り気でジャガイモ特有のみずみずしさも保てるんだ。

汚いからといって、水で洗ってしまわないようにな。

おーメカニズムも納得!

納得だけど、ボクは土が付いてないヤツの方が、見た目がキレイで清潔そうでいいなあ。

(野山をかけまわるネコの一族とは思えない発言だな)

まったく…気になるなら、さわった後に手を洗うか、ゴム手袋でも付ければ済むだろうに。

それより考えてみろ、砂遊びや泥んこ遊びが当たり前だった子どものころを。

程度によるだろうが、外で泥まみれになるまで遊んできて、そのたびに重病にかかったことでもあるのか?

たかが市販のジャガイモの土程度、なんてことないだろう。

いやーボク、ネコの中でも衛生面にびんかんな方なのよね。

年がら年中、手袋してないと生活していけないし。

……ごめん、さすがに冗談なんだけど。

ってか、今(チッ、現代っ子が)って思わなかった?

………………そんな差別的なこと、考えていないから安心しろ。

キレイ好きは別に悪いことじゃないんだからな。

ただ、なにごとも行き過ぎてしまうのは良くないということだ。

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」というからな。

すげー間があいたけど、ホントかな。

それとその言葉の使い方あってんの?

多分な。

それと土付きのジャガイモについての注意点だが、あんまり長く放置すると、余分な湿気で腐りやすくなる。

付いている土があまりにしっとりしすぎている場合など、キッチンペーパーなどで軽く拭きとっても良いだろう。

そこまでせずとも、やはり通気性を良くして冷暗所で保存、出来るだけ早めに使い切るという基本さえ守れば、まちがいはないがな。

冷蔵庫で保存する場合

夏場の常温保存には限界がある。

室内保存で10℃ほどの条件を満たすのはさすがにムリがあるし、そういう時はもう冷蔵庫に入れてかまわないぞ。

えー。

そんなら最初から冷蔵庫に入れとけば良いんじゃ。

まあまて、それにもいくつか注意点があってだな、冷蔵庫での保存は、まず野菜室に入れるように。

ふつうの冷蔵室の方に入れてしまうと、温度が低すぎて低温障害が起こりやすいんだ。

もし野菜室がないなら、ラップやキッチンペーパーなどでくるんで、直接の冷気にさらされないようにすると良いぞ。

食品用の紙袋などがあれば、それを使うのも良いな。

ちなみに冷蔵庫でジャガイモを保存すると、低温効果で糖度が増すんだ。

ん? それってジャガイモが甘くなるってことだよね?

甘いってまるでサツマイモみたいだけど、素で美味しくなりそうじゃん!

それの何が注意点なのさ。

これも大事なとこだが、甘みが増したジャガイモを焼く・炒める・揚げるなどで高温調理(目安120℃以上)をすると、アクリルアミドという有害成分が発生するんだ。

そういう調理の仕方をするなら、冷蔵庫でもあまり長く保存は出来ないというワケだな。

もっとも調理過程によって、発生が避けられないのも多々あるから、あくまで食べ過ぎないようにすれば良いが。

あまり意識しすぎると、揚げイモ類一切が食べられなくなってしまうし…それはイヤだろう?

イヤだ!

ポテトフライ大好きだもん!

力強い返答だな。

しかし朗報もある。

冷蔵保存で糖分が増したジャガイモを、蒸したり煮たりする場合は、アクリルアミドがあまり発生しないんだ。

しかも甘みがあるのだから、煮っころがしや肉じゃがにするとより美味いぞ。

ゆでたジャガイモのプチレシピ

ゆでジャガに、塩からとか、バターつけて食べるとまた美味しいんだよねー。

分かるぞ。

私は塩を振っただけのものが一番好きだが。

好みってそれぞれだよね。

それはそうと、ゆでジャガのくだけたヤツが鍋底に残っちゃうことない?

それもポテサラにするまでの量でもなかったりして、もったいない感じになっちゃうの。

ふふん、そういうときに使えるお手軽レシピを教えてやろう。

残ったのジャガイモに片栗粉をよく混ぜて、形を平べったくしたら、フライパンに油をしいて両面を焼けば良いぞ。

かるく焦げ目がついたら、自家製いももちの完成だ。

おお、たしかにすげー手軽!

お祭りの屋台なんかで、串に刺さって売ってるやつみたいだね!

そうだ、それに近いものだな。

ジャガイモの量が少ない場合は、片栗粉の量を少し多めにして、かさましすると良いぞ。

だが、あまり入れすぎると菓子のようになってしまうし、火が通り切らないと、粉っぽくなるから、そこは上手く調節するように。

コツとしては、片栗粉を少しづつ足して、混ぜてみてボロボロにならず、手でちゃんと形に出来るくらいの堅さが目安だぞ。

おけー。

いもをゆでる段階で、すでに塩を入れていることも多いだろうから、そのままでも充分美味い。

ただ、ちょっと背徳的だが、出来立てにバターをのせて、醤油をたらすと…。

しかもこれがただの醤油じゃなく、ニンニク醤油や、牡蠣醤油(かきしょうゆ)だった場合は…飛ぶぞ。

ケチャップや黒コショウなどをかけて洋風にしても良いがな。

じゅるり…。

かるく飯テロだね。

手軽で、腹にもたまるからな。

たらふく食べたくはないが、なにか軽食をという場合にも良いだろう(ゆでたジャガイモが残っていた場合のみだが)。

ちなみにこのレシピは筆者どのが子供の頃、おばあ様が即席でよく作ってくれた思い出の一品でもあるとか。

たとえ金がかかっておらず、手が込んでなくとも、昔の記憶をたどれば当人の口にあう料理が何かしらあるということだな。

思い出補正の力もあるよね!

そういう料理ってほかのみんなにもあるかな?

まとめ

1.ジャガイモは通気性の良い袋(穴を空けたビニール袋など)に入れて、冷暗所で保存する、10℃ほどの気温がある場所が望ましい

2.芽が出ている、緑がかったジャガイモは皮を厚くむき、芽の部分は深めに包丁を入れてとりのぞくこと

3.冷蔵庫で保存したジャガイモは糖度が増す反面、高温の油で揚げる・炒めることで有害物質(アクリルアミド)が発生するため、煮る・蒸すなどの調理方法を選ぶと良い

あまりに芽の量が多く成長が著しいものは、いっそ捨てるというのも1つの手だ。

大変もったいないが、健康にはかえられないだろう?

保存の仕方にかんしてはもう大丈夫だな?

バッチリ!

おかげでおジャガを長持ちさせられそうだよ。

そうか、なら良かった。

さて、コチョンどのがクレームを入れてきた件のジャガイモをもらおうか。

きちんと処理すれば、まだ食べられるからな。

わー!

なにか作ってくれるの?

というわけで、王道のこふきいもと、先ほど話したいももちで良いか?

良いよ! それでよろしく。

……アレ? カエデ…ちょっと。

奥から、え?

そんなにじゃがいもの在庫が…。

あらーまだまだ出てくるよ、これ。

収穫量が多かったんだ。

これほど大量のジャガイモをいつ使おうか悩んでいたが、今回ちょうど良かった。

コチョンどのの持ってきたものでは、さすがに少なすぎるし、私が保存している分も少しばかり使おうと思ってな。

さあ、取り掛かるか!

少しばかりって…スーパーの特売で詰み上がってるやつよりも多くない?

業者か、アンタ。

これから朝昼晩、ジャガイモ食べたとしても、食べきるまで1週間くらいかかりそうだけど。

がんばって食べてくれ!

たらららったらったらったったーふんふふーん♪

ねえ、バグってんの?

了。

参考資料

”食品に含まれているアクリルアミド”.農林水産省.https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/a_kiso/syokuhin.html,(参照 2024-04-27).

”ソラニンやチャコニンによる食中毒を防ぐには”.農林水産省.https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/solanine/yobou/yobou.html#01,(参照 2024-04-27).

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