ネタバレはイヤだけど……
ネタバレはイヤだけどゲームには興味ありって人は、ここからこの先ネタバレ注意!までを読んで参考にしてね!
初プレイの楽しみを大事にしたい人は、そこまでなら安心して読める内容にしてあるよ!
それ以降の内容は、ネタバレが問題ない人向けだぞ!
ゲームをすでにプレイ済みの人は思い出を楽しみ、未プレイの人には雰囲気だけでもつかんで、実際にやってみたいと思ってもらえたなら嬉しいな!
情報もろもろ
発売日 | 1991年7月19日 |
発売元 | コナミ |
開発元 | コナミ開発三部 |
ジャンル | アクション |
プレイ環境 | SFC |
おススメする人
以下のような要素が好きな方におススメ
- ゴエモンシリーズ
- レトロアクション
- ミニゲームあり
- 和風
- 短編
目安プレイ時間・特徴など
クリアまでのプレイ時間は10時間くらいだよっ。
初見プレイだとかかってこのくらいってことで、ちょっと多めに見積もっちゃったけど、アクション得意な人なら実質5~6時間くらいでいけちゃうかもね。
筆者の場合相当やり込んでるのもあって、久しぶりのプレイでも3時間半くらいでクリアしちゃったみたい。
……後半のボスステージでけっこうゲームオーバーになってたけど。
このゲームは古き江戸の日本を舞台に、天下の義賊・ゴエモンどのと自称・正義の忍者(自称というのも滑稽だが)エビス丸どのの活躍する物語と、歯ごたえのありな2Dアクションを楽しめるぞ。
ミニゲームなど脇の遊び要素も満載で、初期のタイトルとは思えないほど内容は充実しているんだ。
ゴエモンの中でも古い方だけど、この時点で完成されてるっていうか、アクション以外にも色々盛り込んだって感じ!
よろずやと食事処はファミコン時代からあったけど、ゲームセンターや競馬場、旅行ツーリストなんて現代風な施設もあるんだよね。
歯ごたえがあるといったとおり、後半が特に難しいが、短編ゆえに間延び感もないし、一度クリアしてもついついまたやりたくなってしまうな。
これ以降のタイトルは段々SFっぽさが増してくるし、和風感強めの「古き良きゴエモン」を求めてるなら、今作のプレイは外せないねっ!
この先ネタバレ注意!
序文
こと筆者はレトロゲーをこよなく愛し、和風ゲー好きであり、ゴエモン作品の1ファンでもあってか、シリーズタイトルのほとんどをプレイしてきました。
そのうえでの感想ですが、FC時代のゴエモンから受け継がれた懐かしくも和風な感じは、ゴエモンシリーズの記念すべきSFC第一作目である今作が、一番強めなように思われます。
スーファミ初期作品ながらアクションの完成度は高い上、何よりBGMがたまりません(語彙力の無さのせいでこれだけだとなんら伝わらないですが、くわしくはサウンドの項にて)。
なおゴエモンシリーズはこの雪姫の後も2・3・きらきら道中と続き、PS・64・GBなどあらゆるコンシューマー機で幅広くリリースされていきます。
しかし現時点(令和7年)での最終作は発売されてすでに久しい、DSの東海道中・大江戸天狗り返しとなっており、残念ながらこれ以降の正統続編も作られないまま時が過ぎています(当サイトでは天狗り返しのレビューも書いています↓)。
完全新作を出すのも難しそうで、俗にいう大人の事情がひそんでいそうですが、何気にパチスロ化はされているという謎。
近年、コンシューマーの人気タイトルがパチンコ、パチスロ界に進出するというのも珍しくなく、あちらの方がそれなりに利益が見込めるからかもしれません(コンシューマーリリースで費用をかけた割に売上爆死するよりは良いのかもしれません)。
ともあれ筆者にとって今作は、今でもたまーに遊びたくなるレトロ名作の一つとなっています。
空き時間でもサラッと楽しめるくらいの短編というのも大きいですが、このサラッと楽しめるというのも、重要かつゴエモンシリーズの魅力の一つといったところです。
ただし、それはステージを順番に進める今作のような方式or次作マッギネスやきらきら道中に継承された面セレ式であればの話ですが……(天下の財宝や鍋奉行などのRPGゴエモンや、64のネオ桃山幕府のようなアドベンチャー強めの作品だと、やや腰をすえてプレイする必要あり)
評価スタイル
ここからはストーリーや総評まで各要素を分けて☆☆☆☆☆って感じの、お星さま評価をさせてもらってるよ!
☆5つなら満足、☆1つなら不満って感じでね。
ちょっぴりありきたりな評価の仕方だけどね。
☆☆☆+や☆☆☆☆-のように評価させてもらうこともあるぞ。
これは次の☆数まであと少しで達する、達したが少々物足りないといった微妙さ加減を表していると思って欲しいな。
ストーリー ★★★+
やや短編でボリュームはそこまでではないものの(この時代のアクションとしては充分ですが)一本道でコミカルなストーリー。
続編マッギネス以降のやや濃ゆめなSF展開は、この時点ではまだ見られずです。
江戸のはぐれ町で起きた幽霊騒動をきっかけに、おなじみ天下の義賊・ゴエモンと、自称・正義の忍者エビス丸の名コンビが日本各地を旅する展開はいつものゴエモンらしく。
サブタイトルにもあるとおり、途中からさらわれた姫を救出する目的へと変わっていくため、若干ヒロイックなシナリオにもなっています。
コミカルテイストでおふざけ感もありつつ(そこがゴエモンらしい)ですが、全体通して肩肘張らずに楽しめるところは、ちょっとした喜劇風の時代劇といったところ。
なお今ではすっかりゴエモンファミリーの一員となっているサスケとヤエちゃんですが、この頃はまだ脇役としての登場にとどまっており、正式にゴエモンファミリー加入&プレイアブルキャラとなるのは後作でのこととなります。
今でこそゴエモンファミリーの一員としての立場を確立した2人ですが、お互いに※シリーズのはじめから登場していたワケではありませんでした。
※コンシューマー(ファミリーコンピューター)のゴエモン初代作・からくり道中を指しています。
からくり忍者サスケは2・マッギネスから登場し(実は今作にもそれっぽいのが登場しますが……くわしくは後述にて)操作キャラとして使えるようになったのも同作から。
秘密特捜忍者のくノ一、ヤエちゃんは3の途中から操作キャラとして正式加入を果たします。
以降、両名はゴエモンファミリーに欠かせないキャラとなっていきます。
なお今作でのヤエちゃんはあくまで協力者としてのポジション(2も同様ですが出番は今作よりも増えました)として登場し、4ステージボス戦後と最終ステージで少し出てくるのみでした。
サスケについては5ステージのボスのデザインがまんま(カラーリングはちがうものの)なため、あれを「サスケ」といってもおかしくないのですが……そうと分かるような表記はゲーム中一切出てきません(セリフもなし)。
と、いうワケで「サスケの初登場は今作の雪姫なのか、それとも次作のマッギネスで合ってるのか」の疑問を調べるため、いくつかの関連サイト(Pixiv百科事典やWikiなど)を閲覧し、話をまとめると、伊賀ステージ(5ステージ)のボスとしてサスケが登場するという話がほとんどなようでした。
そうなるとサスケの初登場は今作からということになります。
しかし公式やスタッフさんのインタビューなどで、アレがサスケと明言されている情報は見つけられなかったので、ちょっと確信が持てず(公式スタッフさんが言及したら疑いようがないので、そういう話が見つからなかったのはホントに残念)。
それこそ5ステージのボスと対峙した時に「我はからくり忍者・サスケでござる!」なんてテキストでも出れば、ここまでモヤッとすることもありませんでしたが……。
そして憶測。アレはサスケではなく、物知りじいさんが2のサスケの前に作ったプロトタイプ的なからくりロボだと勝手に解釈しています。
そこで結論もサスケの正式な初登場はマッギネスからと考えています。とはいえ、前作のあのボスをサスケのプロトタイプと捉える解釈も、無理のない見方と思うことにしました。
※今作と2の説明書に何かしら有益なことでも書いているかと思い、一応見てみましたが、前者の方はサスケのサの字もなく、後者ではサスケについての項目はあるものの(プレイアブルキャラなので当然ですが)前作でゴエモンたちと戦ったなどの話なども一切書かれていませんでした。少なくともものしりじいさんによって作られたからくり忍者という設定だけは確かなようです。
当時の攻略本も付して参照できればいいのですが、このためにわざわざメルカリ(いくつか出品されているのを確認)で購入する必要もないと思い、調査は断念しました(万一当時のスタッフさんと知り合いとかなら聞くだけで一発解決ですが。筆者はそもそも顔が広くありませんし、取材などという大それたことも出来ません⦅と、いうより一介のサイト運営者がアポとれるとも思えませんし⦆)。
※余談ですが、ヤエちゃんは当初、肌露出がほとんどない忍び装束を着ていましたが、GBカラーの鍋奉行からミニスカ装束へとモデルチェンジを果たしました。
ほかのメンバーがほとんど代わり映えしない中、彼女だけデザインが変わっていくというのは(何気に最初の方で髪色が青だったのが、マッギネス以降は緑へと変わっています)コミックス版ゴエモン(漫画家・帯ひろし先生作)のヤエちゃん(ゲームの彼女とは別人のようにちがいます)の影響を公式が受けたのか、それともここらあたりから萌えキャラ路線を狙ったのか……そのことについてのくわしい情報は見つけられませんでした。
※また彼女のシリーズでの初登場は意外と早く、FCのRPG、消えた黄金キセルが初お目見えのタイトルでした(4人目の仲間として加入、実はエビス丸がゴエモンと知り合ったのも同作がはじめて)。
ただ今作ではゴエモンたちと初対面のような感じだったので、ひょっとするとこちらのヤエちゃんと、黄金キセルのヤエちゃんとは別の存在なのかもしれません。
今ではゴエモンの相棒として欠かせないエビス丸も、FC2のEDにて「正体は女の子」だったりなこともあったワケで、それこそ黄金キセル以降のエビス丸と、FC2のエビス丸も、ヤエちゃんよろしく互いに別人と思って差し支えないでしょう。
そもそも登場したてキャラの設定なんて、最初は安定しなくて当たり前なのかもしれません。
黒幕(ラスボス)般若大将軍
悪事を働く集団・般若一族トップの般若大将軍。
ステージ8クリア後に突如姿を現わし、最後のステージ9で待ち受けるラスボス。
名が表す通り般若の面をかぶった様相で、いかにも敵役という感じをかもしているものの、いかんせん唐突で後半の登場すぎたために、今一印象が薄い残念キャラ。
フォローにならないだろうが、ラスボスとしてまみえるその姿は、巨大な唐獅子にのった鬼面武者という感じで、シリーズボスの中でもトップクラスのカッコよさはあった。
だがそのオチは……。
実は全部キツネのゴンタの妖術のおかげだったんだよね。
ラスボスとしてのあの姿も、悪の軍団を率いていられたのも、ゴンタが居ないと成り立たなかったっていう。
しかも正体は普通のおじちゃんだったし(グラフィック上は頭が白いからおじいちゃんかも)。
最後はゴエモンにボコされてお面もとれちゃって、まあ、情けないったら。
雪姫君と友達になりたいというゴンタどのの願いを叶えるとホラを吹き、協力させていたのだったな。
フタを開けてみれば、ただの姑息な小悪党だったということか。
結局ゴンタどのからも見限られたようだったしな。
でもさ、般若大将軍って続編のマッギネスにもしれっと出てくるんだよね。
最後のエリアの町に居るただのモブとしての登場だけどさ(民家にいたっけな)。
その時はまた般若の面付けてるけど、一応改心はしたっぽいね。
いくつかのキャラについて
クロベエの話
忍者ネコのクロベエどのだが……ED後の一枚絵で雪姫君にだっこされているな。
実は姫の飼い猫だったんじゃない?
ステージ1以降出番がまったくなかったのに、その一枚絵でシレっと居たのはちょっと面食らったけどね。
それこそステージ1で100両くれたから、お助けキャラとしても面目躍如といったところか。
話はそれるが、実際の100両は現代でいうとかなりの大金なんだぞ。
こういうゲームだとさもさも少額に感じるがな。
興味があったら調べてみると良い。
おみっちゃんの話
可愛らしい町娘といった感じだな。
ステージ1の同じ長屋で、ゴエモンどのの家の右隣に住んでいるんだな。
一応はぐれ町のアイドル的な扱いで、ヤエちゃんと並ぶシリーズのヒロイン格なんだろうけど、この頃はまだ名前アリのモブキャラって感じだったね。
でもさ、後のタイトルでいつのまにか茶店の看板娘になってるし、出番も増えてくるし。
マッギネスとかもののけ道中でも見せ場(?)があったし。
今作だと一言二言しゃべって終わりだものな。
キャラもこの頃はまだ安定してなかったのか、ゴエモンのこと「ちゃん」付けで呼んでたしね。
コバンネコの話
クロベエどのが所属する忍者猫集団の頭領という話だな。
コバンネコどのは。
そうみたいね。
その設定を活かした活躍はぜんぜんなかったけど。
そこまではっきり言わなくても……。
(まあ、提灯魔人につかまって縄でつるされてたくらいだしな)
……でもコバンネコってさ、先に発売されたファミコンロープレの消えた黄金キセルでパーティーインするって知ってた?
あっちだとしっかり戦闘で活躍するんだけどね。
そうなのか?
なら、ゴエモンどのたちとは旧知の仲ということか。
時系列がつながってるなら、そうなるはずなんだけど。
けど、黄金キセルと今作のコバンネコはそれぞれ別ネコって思った方が良いかもよ。
どういうことだ?
だって、あっちで先に出会ってるはずなのに、今作だとまるではじめましてって感じじゃん。
話がつながってるなら「ひさしぶりだにゃー」くらいいっても良いと思わない?
そう考えれば不自然だな。
まあ別ネコっていうより、あっちのゴエモンとこっちのゴエモン世界はそれぞれパラレルワールドってやつなのかもね。
それに、サスケとヤエちゃんの話のとこにも書いてるけど、コバンネコがそうなら、ヤエちゃんだってそうなんだよ。
何せ彼女も黄金キセルで仲間になるんだからね。
でもこっちだと普通に「わたしはヤエ」って初対面みたいな自己紹介してたじゃん。
頭がこんがらがってきたな……。
つまり同じような容姿で同じ名前でも、あちらとこちらでちがう存在ということか?
うん、でもエビス丸だけは、黄金キセルでゴエモンと知り合った設定のままらしく、今作でも最初からコンビ組んでるんだよね。
不思議だよねー。
……この話やめないか?
あまり深く立ち入らない方が良いような気がしてきた。
グラフィック ★★★★
ドットで描かれた各ステージの街並みも和風感満載で、瓦屋根の家々や木の橋、役人の番所など、いつ見てもつい「昔の日本って感じだなー」と思わせてくれます。
また、ステージとして作られた日本各地を巡るため、景色を見ながらのプレイも一興。
と、いいつつ、ロケーション数は多くありませんが、レトログラフィックながらも鳴門の渦潮がしっかり再現されているほか、伊賀の道中などはなかなか雰囲気良です。
画質?
良いの良いの、レトロゲーなんだから。あんなもんでさ。
あんなもんって……。
だがむしろドット……だったか?
そういう描画技術で描かれてるからこそなんだろうな。
あの表現だからこそ、味というか、趣(おもむき)があるというか……。
そうそう趣!
ボクもそういう風に言いたかったんだよ!
……ホントか?
だって、これ出てた当時って、SFCの赤・黄・白のコンポジット端子や、もっと古いRF端子(つなげ方とか調節のしかたが分かる人は相当な古参ゲーマーだと思うな)でアナログテレビに映してたわけじゃん?
あの「粗くてにじむ感じ」が良いんじゃんかね。
なんならHDMIコンバーターとか、互換機とかの機能使って画質上げちゃうのは、ちょっと野暮だと思うよ。
私には分からん話だが、機器も古いからこそレトロの良さが出せるというのは否定しないぞ。
だが、当時のタイトルを現代の良い画質で楽しみたいと思うのも、また否定できない話だが。
うん、まあ野暮とかいいつつHDMI環境でもやってるしね、ボク。
やってんのかい!
和風でユニークな絵面
ステージ、敵、いずれの描き方も凝っている。
そのことを語りたくてうずうずしているのもあり、この際、箇条書きで見どころをノリでザーッと書き。
結果、グラフイックの項なのにところどころ脱線、オマケに雑い。
・ステージ1 江戸(のはずれのはぐれ町)
ほろほろ寺の「古典怪談で出てきそうな朽ちた墓場感」がたまらない。
出現敵も骸骨武者や人魂、土から「ワッ!」と出てくる亡者など、出現敵にまで雰囲気を徹底させているところも良(ボスも番町皿屋敷のお菊をモチーフにしたらしいキャラになっている⦅クロベエが化けていただけだが⦆)。
・ステージ2 四国
提灯で煌々と照らされた祭りやぐら。上では太鼓を叩き、その周りを楽しそうに踊っているひょっとこ集団(ちゃんと手拍子まで打つ芸の細かさ)。連中が悪事集団だと分かっていなければ、実に楽しそうな雰囲気が伝わってくる絵面の場所。
連中を蹴散らした後、やぐらの中で戦うことになるボスも、提灯をモチーフにした獅子舞ヅラの巨大な化け物で、初見は圧倒させられる。
なおボスもとい提灯魔人は、DSの天狗り返しでボスとして再登場するという快挙を果たす。
ほか目をつぶる土佐犬(敵)に近づくと、いきなり吠えながら動きまわるアニメーションもユニーク。
っていうか、こんなの放し飼いにしないでほしい。
・ステージ3 阿波・淡路
とっぱじめに鳴門橋の上から、かの淡路の渦潮を眺められる(ちゃんと渦巻の動きも再現されている)橋のヘリに捕まって移動するおたふくを片っ端から海に落とすのもお約束。
そして、ステージ中盤。
うん、めっちゃテーマパーク。
ハンバーガーショップとクイズ小屋は何気にこのステージ限定のお店。ピエロ姿のおたふくも出現し、ここだけ世界観が特殊。店幕にコナミのロゴが入っているあたりにも遊び心が感じられる。
芸者と力士(観光地によくある写真撮影用の顔抜きはりぼて)のところで、顔をきっちり当てはめ、股間部から武器や飛び道具を射出するのはお約束。
テージ後半の橋上の巨大ダコ(ただのタコだがインパクト強)のスルーor後ろに回って文字どおりタコ殴りするのもお約束。タコはパロディウスからの、それこそパロディ出演かと思われる。
ちなみに、このステージのみボスステージが存在しないただの通過ステージとなっており、パークで寄り道をしなければ、ものの2分程度でクリア可能。
ただそれではあまりに味気ないので、RTAのようなタイムアタックプレイを行うつもりがなければ、気のすむまで楽しんでいきたいスポットである(残り時間を延ばす砂時計が売っているあたり、スタッフさんの配慮が感じられる)。
・ステージ4 播磨・摂津・河内・大和(大阪、兵庫、奈良周辺)
ひょっとこ集団に続く悪事集団・おたふく隊がひしめくおたふく総本山。ここぞとばかりに色んなタイプのおたふくが襲い掛かってくる難所。
寺院っぽさもさることながら、ステージ途中のバックにはいくつものおたふく仏像が並び、シュールかつ異様な光景。
またステージ後半のスロット地帯は唐突感がハンパじゃなく、良い意味でステージ構成予想を裏切ってきた(せいぜい落とし穴地帯になってるんじゃないかくらいでいたもので)。
中ボス・おたふく力士コンビの見た目も良い味出している(若〇兄弟をオマージュしているらしい)。
そして真ボスのおたふく仮面。
デッカ!!
ステージ5 伊賀
背景が盛秋。情緒感は全ステージトップ。
限定出現の木枯し紋次郎的な敵や、子連れ狼的な敵のやさぐれた見た目もたまらない。
ボスステージの忍者屋敷。
ギミックたっぷりで渋めな色調の屋敷内観より、ここから急に難度急上昇という印象しかなく(初見は何度落下死したことか)。
敵のからくり忍者たちのバリエーションもさることながら、ステージ後半のお茶くみロボがお茶をこぼした時のしぶきの表現は逸脱(こぼしたお茶は意外とリーチがあり、手前で油断していると当たる)。
そして屋外の景色が映えるボス戦、ボスの凧忍者……。
後作の彼とはカラーリングがややちがっているものの、見た目はまんまサスケ(前述の折り畳みのところでふれましたが、筆者はこいつをサスケと思っていません)。
あと、ものしりじいさんのデザイン。
なんかアンタもでっかくないか?
ステージ6 山城(京都)
ボスステージ、カラス天狗とサルがひしめく山道、名ロケーションは鼻が伸び、いかつい顔した天狗岩(しかも足場になる)。
後半滝登りの箇所は、水の流れる動きが見ごたえあり。
涼しげー。
なお、ここのサルは手にカニを持ってキーキーいっている。
昔話サルカニ合戦のパロディなのだろうが、芸が細かい。
ボスのカブキはゴエモンよりも石川五右衛門感(絶景かなー)が強いデザインで、以降3まで因縁の相手として登場することとなる。
そして今作のカブキの見た目が一番「カブキ」だった。
2のカブキは挙動こそ踏襲しているものの、オールバックな半身サイボーグでかつての面影はばったくない(帯ひろし先生作のコミックス版では、見た目が完全にターミ〇ーターだった)。
3に至っては、もはや原型が分からないほど機械化している(その名もカブキフォーエバー、条件を満たしてのみ出現する隠しボスの待遇)。
どうせなら天狗り返しのボス・スケロクがいっそカブキだったなら、久しぶりの登場でファン(筆者)も湧いたろうにと思われる。
色々書いたが見世物小屋の「さゆりちゃん」がある意味ステージの一番の見どころかもしれない。
けっこう際どい演出とグラフィックなので、色々大丈夫かと心配になるレベル(少なくとも子供にアレは何かと聞かれて親が固まるレベル)。
ステージ7 出雲(島根)
最初で最後の海ステージ、青空と水の色に癒され。
途中のヤドカリ(敵)が落下する時に、殻がスポッとはずれるアニメーションが面白い。
ボスの白龍は登場作品を間違えたんじゃないかと思うほど、しっかりまじめな龍。
デザインもまさしく「龍」で、本編中一番の迫力とカッコよさも感じる。
そして体感上ラスボスより強い(いくつかのボス戦は画面はじが安全地帯になっていて、ラスボスも実はそれが設けられた一体)。
ステージ8 琉球(沖縄)
いよいよ佳境。
明彩度高めな景色、家屋も南国っぽい。
メンソーレ!
名物シーサー像も城壁にしっかり陳列(辞書を買った後、琉球王と会話してフラグを立てると、このうち一体を壊すことでボスステージの入り口が現れる)。
ステージ9 江戸
江戸ではじまり江戸で締める、ゴエモン様式美の一つ。
最後の見どころは牢脱出後の江戸の街並み……といいたいところだが、いかんせん敵の役人のスピードがゴエモンを上回り、倒しても次から次へと現れるため、背景をじっくり見ている余裕がない。
いや、ポーズ画面にすればいいだけだが……
「……ただの町だね、うん、あ、やぐらが見える、あー鉄砲かまえちゃったりしてー(キャッキャッ)」
しかしここまで物語を進めてきて、プレイヤーもゴエモン・エビス丸と共に旅をしてきた感覚に多少はなっているはず。
その大詰めの舞台が江戸の街並みというのがやはり感慨深く、クライマックスを飾るにふさわしい極上の眺めに見えないこともない。
……いや、役人カオスでやっぱり景色どころじゃない。
システム・ゲーム内容 ★★★+
ファミコンのからくり道中、2ですでに型として出来上がっていた操作性を踏襲しつつ、おんぶ攻撃や巻物消費で使える術などが追加され、アクション要素はさらに増えました。
特に2P限定で活かせるおんぶ攻撃は、アクション苦手なプレイヤーをもう片方の上手いプレイヤーが移動を担うことが出来る画期的なシステム(それにしてもこんなの良く考え付いたなと尊敬します)
アクション難度はシリーズ内でも高めでやりごたえもバツグン。
一方、こちらの攻撃の当たり判定がちょっとシビアで大味なところは目立ったマイナス点。
ただしこれはプレイヤースキルよりどうにでもなることなので、マイナスとまではいえないかもしれませんが。
ゴエモンの武器は3段階のヨーヨーまで強化することで、より複数の敵をなぎ倒せるものの、先端部にしかアタリ判定がない、次の攻撃までの時間が長め、さらにリーチの長さが災いして、ボーナスキャラを巻き込んで事故ることも往々にしてあるため、結局2段階目の長キセルがリーチ、取り回しともに一番使いやすかったという所感です。
一方でエビス丸のピロピロ笛はゴエモンのヨーヨーとちがい、当たる場所も広く、出の速さもかなり高性能です。
ただしエビス丸を使うには2P限定なので(今作はキャラセレクトが不可、GBA傑作選では可)もし1人プレイで使いたい場合はスタート時に2人プレイを選び、一旦ゴエモン側をわざとゲームオーバーにするという面倒な手間をかける必要がある(以降エビス丸は2Pコン側で操作)。
マッギネス以降の操作性は、3や4でもほぼ大きな変化がないため、今作で土台が出来上がり、マッギネスで細かい調整が加えられたことで、基本のアクションシステムは雪姫~マッギネスでほぼ完成したのだと思っています。
ちなみに今作はパスワード(旅日記)システムを搭載しており、メモって(無味ですが、今だとスマホカメラで映せば良いだけ)つづきから遊ぶで入力することで、ステージや状態を引き継いで遊ぶことが可能。
店で旅日記を聞くことで、ゲームオーバーになっても旅日記を付けたところから復活できます(ステージの最初からとの任意選択)。
要はせっかく集めた両やアイテムを犠牲にしたくない場合の救済システムというやつです。
長文パスなので、入力するのはややメンドイですが(昭和のゲーマーの方ならドラクエ1・2などで慣れたものだと思いますが)通しプレイがキツイ場合にはありがたいものとなっています。
次作からはパスワード制は廃され、ロムおよびメモリーカードへのセーブ方式に変更されました。
そう考えるとパスワード方式のゴエモンは、今作が最初で最後ということになります。
術?使う(覚える)までもない
道場で金を払って、いくつかの術を覚えられるだろう?
いくばくかの体力も消費するアレ。
ああ、アレね。
便利なことは便利だけど、そこまですることないよ。
システムに真っ向からケチをつけたな。
まずそこそこまとまった両を稼ぐ必要があるのと、巻物集めても10回までしか使えない上、コスパもあまり良くないし。
それとボスステージでしか使えないと。
せいぜい役に立つのはひこうの術だね。
あれさえあったら、動く足場地帯とかスルー出来るから。
アイディア的には斬新だと思ったが。
無敵(変化)の術などはそれぞれのキャラに合った感じになってるし、見た目にも面白いと思ったがな(しかしエビス丸どのはなぜバレリーナになるのだろうか)
まあ、ひこうの術以外は一度見るだけで十分だよ。
巻物集めて大金はたいてまで、わざわざならうもんでもなし。困ることもないよ。
あれにつかうお金あったら、ステージ6の通行手形とステージ8の辞書買うためにキープしといた方が良いかもね。
進むのに必須だし。
えらい救いようのない話になってしまったな。
(そうなると巻物や術は、人により〇にシステムになってしまうということか……)
ロムバージョンによってはバグがある
ロム系のレトロゲーにはよくあることだよね。
バグ。
今作にもいくつかあるようだな。
でも、そんなに重症じゃないやつだから良かったよね(ヤバいバグはフリーズしたりデータ消えたりとかあるし……)。
調べによると、大まかには初期・後期のカセットロムバージョンがあり(初期~後期のあいだに出回った中間ロムもあるもよう)バグが発生するのは初期ロム(後期ロムはバグが解消されている)。
そしておもなバグは3つ。
以下バグの起こる場所(ステージ)および状況。
・ステージ3・クイズ小屋
クイズの一問「1ステージの隠れキャラは取ると何両になる?(文言の詳細は異なりますが内容はこういう感じ)」の答えは、三択のうち「100両」ですが、バグのため「10両」を選ばないと正解になりません。
もっともこの問題だけ「10両」を選べばいい話なので、症状は軽度です。
・ステージ8・ボス戦
8ボス戦時に体力と時間表示が消えるというバグ。
全編渡ってそれなら大バグといえますが、このボス戦のみなのでこちらもあまり困りません。
またボスのやじろべえだるまは、タイミングさえ慣れると2発で瞬殺できる、ある意味で最弱ボスなので「まあそんくらいイイか」と思える程度です。
・ステージ9・ラスボス戦
ラスボス・般若大将軍の一形態目、彼がまたがる唐獅子が透明になっているという珍妙バグ。
見た目はまるで空気椅子&浮遊イリュージョンで、絵面は少し面白いです。
そもそもこの形態を倒すには将軍(略)が放つ矢を打ち返して、唐獅子の頭部に当てていかなくてはなりませんが……(バグ状態で他の箇所に当たると、どこぞの呪われたゲームのように無数のテクスチャや文字がでたらめかつ、身体いっぱいに表示されます)。
えーっと……頭どこ?
幸いなことに頭部の位置は固定で、一発でも矢を当てさえすれば大体の場所は把握できるため、どうにかなります(これで位置が変わるような敵なら最悪でした)。
視覚的な難度上昇を兼ねている、ある意味一番厄介なバグで、よりにもよってラスボス戦で起こるという皮肉。
なお調べによると、通しプレイで最後まで到達した時に起きるバグとのこと。
したがって、どこかのステージで旅日記を付けて一旦中断をはさみ、続きから遊ぶことでバグは回避できるということになります(検証した結果、ちゃんと唐獅子が表示されることを確認しました)。
余談ですが、ロムのバージョンをカセット裏の表示で見分ける方法があり、バグが起こる初期版ロムはver1.0ということらしいです(こちらのX投稿を参考にさせていただきました↓)。
筆者のソフトでもこれらのバグが起きるため※ver1.0版(初期ロム)ということになりますが、どれも致命的なバグでなかったのは一安心といったところです。
※ソフトのシール部がはがれてしまっているため、外側からはver判別不可。ただしバグが起きるのは確認済みなので、恐らく初期ロムだろうという推測です
サウンド・音楽 ★★★★+
ゴエモンシリーズのBGMは耳に残りやすくノリもある、良質レトロ音楽。
そんな中でも今作は素敵BGMの宝庫。
★MAXにしようか迷ったものの、スタッフロールでかかる演歌調の曲はやや間延び感があって、あんまり好みではなかったので付けませんでした(個人の感想です、作曲の方申し訳ございません)。
筆者の好みの傾向は、やはりノリが良いテンポ速めな曲なようです(知らねーよ)。
今でも鼻歌交じりに歌ってしまうくらい好きな曲を列記します。
・4通常ステージ曲(疾走感はそこまでないけど、単純にメロディが好き)
・4ボスステージ曲(理由は同上)
・8ボスステージ曲(後半の盛り上がりが良い)
・9ボスステージ曲(ノリといいメロディといい、ゴエモンっぽくて一番好き)
意外と少ないのだな、評価のわりには。
ほかも軒並み良いけど、特に好きってやつにしぼったんでしょ。
最後のとこの曲なんて、往年バンドのベンチャーズを彷彿させる「テケテケ!」フレーズが入ってるのが良いよねっ。
なお作曲に携わった方のうちお1人は、後にアーケードで大人気となった音ゲー、ギタドラシリーズやポップンミュージックの楽曲も担当されていたようです。
参考→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E9%AB%98%E6%B2%BB%E5%B7%B1
総まとめ ★★★★
和風の世界観、練り込まれたステージ構成、BGMの完成度。
どれを取っても今もなお色あせない魅力を持ったレトロアクション。
ゴエモンシリーズを知っている人も知らない人も、もし手に取る機会があれば、きっと何かしら刺さるポイントがあると思います。
シリーズ入門とするにはやや難度高め(特に後半)で、軽度なバグがいくつかあるものの、まさに“通好み”でもあるゴエモン作品。
あらためて遊んでみても、「この頃のゴエモン、やっぱ好きだなぁ」なんて思わず口に出してしまう。
そんな作品でした。
あれ?今回、総評やたらシンプルだね?
どうしたんだろ筆者、ほかのレビューだとムダに長ったらしいのに。
……夏バテ?(このレビュー書いてるの7月くらいだし)
と、いうわけではなく、リライト前提でとりあえず公開することにしたようだぞ。
一旦最低限でも見られる(と思う)文の状態にして、後から色々追記するという手段を選んだようだな。
出来としては6割~7割くらいを目安にな。
へえ、でも懸命かもね。筆者の場合。
どこかでメド付けないと、ずっと下書きのままだろうしさ(実際下書き放置の文も多いし)。
んじゃ、ボクたちのこの会話もリライトされたら消されるってことで、一時的なレア会話ってやつだね。
珍しいといっても、別に良いことなどがあるワケではないがな。
私たちにも読者どのにもな。
了。
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