筆者どのは墨絵に興味があるのだろうか? だが画力はやはり今一つだな……。
雰囲気だけならそれっぽいが、顔の部分などもう少し濃淡を分ければ良い気がするが(全部同じ濃さだしな)。
それに題目としながら逆鱗らしきものは見当たらないな、せっかくだからそういうのも描き加えれば良いと思ったのだが。
確かにそれっぽいのないね。
筆者もすこーし思ったみたい。
じつは逆鱗についてのトリビアをここにのっけてるんだけど、絵を先に描いていたからその話は後付けになったらしいよ。
というワケで、そのトリビアもオマケに見ていって頂ければ幸いです。
ドラゴン、怒りのスイッチ
カエデとコチョンからフリがあったとおり、タイトルにもある逆鱗についてですが、中国の伝説では81枚あるとされるウロコの内一枚だけノドもとあたりに逆向きに生えた、30センチメートルほどのウロコと伝えられています。
そしてこの逆鱗に触れると龍がブチキレるらしいです。
龍にとって大変ナイーブな部位なんでしょう。
ところで、その逆鱗の伝説についてですが、出どころは中国の思想書・韓非子(かんぴし)のようです。
この書は20巻55編にわたり、その中の説難(ぜいなん)という一説に逆鱗のことがくわしく記されています。
とはいえ原文や書き下し文ではほぼ意味が分からず、現代語訳を参考にしながら、自分なりに解釈したものが次のものになります(大きなまちがいはないと思います、おそらく……)。
竜は恐ろしい生き物だが、一方で従順な面があり、上手く手なずけるとその背に乗れるほどになる。
ただ、竜のノド元には一尺ほどのウロコが逆さまに生えていて、この「逆鱗」にうかつに触れると、竜が怒ってしまうため、触れてしまった者は死を覚悟しなければならないといわれている。
同じく国を治める君主の心の中にも逆鱗が存在している。
君主を説得したい時は、その逆鱗に触れないよう心がけて話が出来れば、成功へと近づくだろう。
ここまでですが、20巻中のごく一部の内容なので、非常に短い一説となっています。
君主=龍として見た場合のたとえ話のようなものですが、だいたいこのような内容文がその書物に書かれているということです(興味があれば韓非子で調べてみて下さい)。
さらに慣用句の「逆鱗に触れる」とはその話が由来とされています。人が怒ったまたは人を怒らせてしまった時に聞くような表現です。
なお逆鱗に触れるは目上の人に対し使われるのが正しい用法です。それも普段はおだやかなのに怒ると一気に別人になる、そんなギャップの持ち主に対して使われるのがしっくりきます。
ここをご覧の方、逆鱗に触れたらヤバそうな人が身近には居ますか?
めったに怒らない、そういう人ほどいざプッツンすると恐ろしいものです。
常に怒っているような、いつもイライラしているような、普段からそういう風に感情むき出しな人よりは、はるかにおっかないと思うんですが果たして……。
了。
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