読み込み中の一言
コチョン「何も考えないで深呼吸。気持ちが少し落ち着くよ」
カエデ「ずっと雨がやまないこともある。そういう時は誰かに頼るというのも手だ。別に恥ずかしいことじゃないんだからな」

招き猫が挙げている手(前足)は左右で意味がちがう?

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団子を売っている

……おや?

このご時世に屋台でお団子手売りしてる人が居る……。

って、カエデじゃん。

ああ……コチョンどのか。

ちょっと商売がてらにな。

ハァ……。

なんか元気ないね。

でも何となく分かったよ。

生活の足しにと思ったのに、お団子がまったく売れなくて困ってると……こういうワケだね(現代に生きるくノ一って大変だな)。

話の理解が早いな。

せっかく朝から仕込んだ手間があっても、こうも売れないとめげてしまいそうだ。

商いとは難しいものだな。

(この時代にいきなり食べ物を手売りしてもダメだと思うけどな)

ところでいくつ売れたの?

……2つ。

それでも売れたんだ?

すごいね!

売れたといってもな。

一緒に写真を撮ってくれたら買うという変な輩(やから)が居てな。

それに応じたからだ。

そのあからさまなくのいち装束(コス)のままで、お祭りでもないのに屋台で売ってるってのが珍しがられたのかな。

でも、今時ならSNSに投稿されるかも。

拡散されて流行ったらラッキーかもね。

見世物として行っているワケではないんだがな。

あ、ついでに手を握ってほしいとも言われたぞ。

まるでアイドルの握手会だね。

んで、してあげたってワケだね?

なんだかんだで買ってくれると言うからがっちりとな。

ものすごーく痛がっていたが。

(カエデ馬鹿力だもんな、骨折なんてしてなきゃいいけど)

でも団子超残っちゃってるね…。

そだ。

何ならボクもキミのつつましい商売のために一肌脱ぐよ!

ホントか!? 

助かる!

いくつ買ってくれるんだ?

ちがうちがう!

ボクが買うんじゃなくて商売の手助けをするってこと。

っていっても客呼びの招き猫として側で座っているだけさ。

これで売り切れまちがいナシだよ!

……そんな程度のことでどうにかなるというのか?

期待したのがバカらしくなるな。

言葉による呼び込みもなく、ただそこに居るというだけで商売が成り立つなら、誰も苦労はしないと思うが。

ふふん、カエデはネコの魅力を甘く見ているね?

今はネコが「ただそこに居るだけ」で儲けが出る、摩訶不思議な世の中なのを知らないな、さては。

ネコカフェに、ネコの駅長……なんならネコが活躍してる動画チャンネルだってたくさんあるじゃんか。

そういうものがあるというのは分かるが。

もはや人より稼ぐおネコ様の時代だよ。

いまや商売とネコとが密接に関係してるのを理解しないと、現代の資本主義社会では利益を生み出せないんだよ!

動物が人間よりも稼ぐ時代が到来して久しいけど、いわばネコノミクスが個人・法人問わずに生みだした利益は結果莫大なもので、それとともに消費行動は……クドクドクド……。

(どこぞの経済入門書でも読んだな)

要するに招き猫代わりになってくれると……そういうワケか?

そういうこと!

結果、カエデのお団子屋さんは満員御礼まちがいなし!

ボクはその辺歩いている人にこう左手で、ちょちょいってやるだけさ。

ちなみに置物の招き猫が左手を上げているのには、ちゃんと意味だってあるんだよ!

知ってた?

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招き猫が上げている手は左右で意味がちがう

置物の招き猫が右手で招いている場合はお金を招くため。

左手なら人を招くためとされている。

右手なら金運のご利益、左手なら客や、とらえかたによっては人脈を招くとも。

また左右の手の意味が逆という説もある。

これらの例外として両手を上げている招き猫も存在するが、これはお金と客両方を招くためとされている。

余談だが、焼き物の名産地の1つ愛知県常滑市には高さ3.8メートル、幅6.3メートルにもなる招き猫が存在している。

日本一大きな招き猫ともいわれ、観光スポットとしても有名なもよう。

上げている手が耳よりも高ければ手長っていうらしいんだ。

これは遠くの福や大きい福を招こうとしているためなんだって。

反対に手を耳よりも下の位置でちょこんと上げているなら手短

近くにある福を招いたり、ほんのちょっとの福を招こうとしているんだ。

まさか手の高さでも意味がちがうなんてね!

商いの時間帯で向きが異なる場合も

地域によってちがいはあるが、昼の商いの時は右手で、夜の商いの時には左手で招くという考え方もあるようだぞ!

昼の商売って日中営業しているお店全般だよね。

夜は居酒屋とかBARとか、大人が行くようなところの商売になるのかな。

ところで時間帯で上げてる手がちがう招き猫の文化って、いつどこからはじまったんだろうね。

起源についてまでは分からなかったが、京都では黒い招き猫が商売用・魔除けとして扱われていることがあるようだぞ。

それに京都の夜の商いと聞けば、祇園などの花街が思い浮かぶ。

かつても芸者や舞妓などが出入りしていた場所には、左手を上げた黒招き猫を置いていたのかも知れないな。

黒い招き猫!?

なら、めちゃくちゃボクに適任の役じゃん!

雅やかな京都の夜、街角の店で優雅にはんなりと手招きするボク……。

絵になるなあ。

なに1人で悦に入ってるんだか……。

招き猫発祥の説は1つではない

招き猫の発祥地は大阪あたりだろうか。

大昔から商売人が多い街だからな。

ネコって身近な存在を模した縁起物だし、町民のあいだで流行しはじめたものだとは思うけどね。

発祥の場所も本当は1つなんだろうけど、招き猫文化って広まり過ぎてるし、確かなことって誰にも分からないんじゃないかな。

とりあえず3つ、有名な発祥場所や説をピックアップしてみたよ。

その一、豪徳寺の猫

まず、東京都世田谷区にある豪徳寺っていう場所が発祥元の1つなようだね。

思い出したんだが、その寺。

井伊直孝(いいなおたか)という戦国武将とゆかりがある寺と聞いたことがある。

江戸時代、直孝が鷹狩りの帰りに門前で猫に手招きされて立ち寄ったことで、急な雷雨から逃れられたという話だ。

逸話か物語かは分からないが、招き猫に関する話として有名なようだ。

へー!

そういうエピソードがあったんだね!

ちなみに井伊直孝とは徳川四天王に数えられた猛将・井伊直正の次男で、彦根藩の2代目当主だ。

かの女城主・井伊直虎の孫でもあるんだな。

直孝本人も大阪の陣などで活躍した武将だったようだ。

現代の豪徳寺はそこら中に招き猫がたくさん置いてあって、ネコ好きな人たちにとってもちょっとした人気スポットらしいね。

いつか行ってみたいな。

猫そのもののコチョンどのが行きたいというのも奇妙な話だが。

ただの観光目的か?

その逆さ!

ネコ好きの観光客に愛でてもらおうと思って。

招き猫じゃなくて、この際本物ネコのボクが行ったら人気者まちがいなしだよ。

寺の邪魔になるからやめておけ。

その二、今戸焼の猫

東京都台東区にある今戸神社も、招き猫発祥元の1つに数えられているぞ。

もちろん猫にまつわる言い伝えがあってだな。

かつて江戸浅草に住んでいた貧しい老婆が、生活のために泣く泣く愛猫を手放したんだ。

するとある晩に手放した猫が夢枕に立ち、自分の姿を模した人形を作れば福を招くと老婆に伝えた。

そして猫に言われたとおり今戸焼の猫人形を作ったところ、その出来が評判となり、浅草寺の境内で売り出されて人気を博したという。

言い伝えというよりは物語性が強い話だな。 

心温まるようなお話だし、お婆さんと飼っていたネコとの絆みたいなのを感じるよ。

今戸焼って江戸の今戸あたりで(現在の台東区周辺だね)作られている焼き物だね。

カエデが話してくれた猫人形は、丸〆猫って名前で呼ばれてるんだってさ。

ちなみに現在の今戸神社にも招き猫がたくさんあるし、豪徳寺と並ぶくらいネコ好きに人気の場所みたい!

ここにもボクが行って観光客に愛でてもら……。

やめておけと言うに。

それはそうと、ここは縁結びの神社としても知られているようだな。

国造りの神でもあり、夫婦神としても知られている伊弉諾尊(いざなぎのみこと)伊弉冉尊(いざなみのみこと)も祀られているというし、いかにもご利益がありそうな感じがするな。

もしかすると神社に居る招き猫も、文字通り良縁を招く手伝いをしてくれるかも知れないな。

その三、檀王法林寺の猫

京都三条にある檀王法林寺(だんのうほうりんじ)という寺にも、招き猫に関係する話があるんだ。

この寺での猫は主夜神という神の使いとされていてな。

江戸時代の中頃に右手を挙げた黒猫を招福猫として作り、人々に広く受け入れられていたそうだ。

先ほども黒い招き猫の話をしたが、同じく京都で見られる話なあたり、この主夜神にまつわる話から始まったのかもしれないな。

ちなみにその主夜神っていうのはどういう神様?

主夜神は夜を守る神だ。

盗みや火災から守ってくれるという利益を持つとか。

この檀王法林寺でも主夜神が祀られているそうだ。

でも一見、ネコとその神様って関係なさそうなんだけど。

そうでもないぞ。

檀王法林寺を築いたのが袋中上人(たいちゅうしょうにん)という僧侶なんだが、その袋中上人が航海の旅に出た際に、船中で飼われていた猫と何かしらの関わりを持った可能性があるといわれている。

それが主夜神信仰と結びついたということだな。

どういう関わりだったのかな。

そこがざっくりすぎて、いまいちピンと来ないんだけど。

気持ちは分かる。

が、残念なことにくわしい話が分からなかったんだ。

何かしらの利益がその猫からもたらされたのか……。

裏を返せば、詳しいことが分からないゆえに趣が感じられるということもあるぞ(真実を突き止められなかったことへの逃げのようになってしまうがな)。

想像の余地を持たせたロマンってやつだね!

そのお坊さんとネコとの間に何があったか分からないけど、後々主夜神の使い、つまり夜っぽいイメージの黒ネコを神秘的な存在として見るようになったのかな?

なんなら西洋でも魔女のしもべって言われているし。

こうして考えるとボクってミステリアスな魅力を持つ毛色のネコなんだなー。

えへへへ。

自分で言うのな。

それはそれとして、昔から猫には大嵐を感知する能力が長けていたという。

鼠(ねずみ)からの害を防止するために、航海の際にはかならずといって良いほど猫を船に乗せていたそうだ。

船員や旅人に可愛がられていたのもあるだろうが、袋中上人も猫に思い入れやありがたみを感じて神の使いとしたのかもな。

もっとも私の推察に過ぎないが。

まとめ

①一般的に招き猫が上げている手が右手ならお金(富)を、左手なら客(人脈)を招くとされている

②右手を上げている場合は昼の商売向け、左手なら夜の商売向けというように、時間帯によって挙げている手の意味が異なる場合も

③招き猫発祥の地として有名なのは世田谷区にある豪徳寺。江戸時代にこの寺で武将・井伊直孝が門前の猫に手招きされて寺へと立ち寄ったところ、悪天候から免れたという話がある(ほかには今戸焼の猫人形や主夜神の使いの説なども存在する)

……これは一体どういうことだ?

あれから何時間も経ったが、散々たる有様じゃないか?

どうした?招き猫さんとやら、うん?

アレぇ?

えーっと……こんなハズないんだけどな。

お座りしてちょちょいっと手招きしてるだけで、飛ぶように売れると思ったんだけど。

とっくに下火なんじゃないのか?

そのネコノミクスとやらは。

撫てていく者こそ居たものの、団子そのものは一瞥(いちべつ)されるだけで、1つも売れなかったぞ。

現実は甘くないんだな……(ボクは自信あったんだけど)。

なんか凹むなー。

仕方ない。

この売れ残りは私たちが食べるしかないか……。

残ったってアンタ、量スゲーんだけど(ボクもまきぞえ喰らってるし、そもそも売れるかどうかも分からないのに作り過ぎなんだよね、カエデ)

いくら食べることが三度の飯より好きなボクでも、この量は手に負えないね。

その表現、おかしいと思うぞ。

なら、もう少しねばってみるか……。

なにか良い知恵はないものか。

……あのさ、さっきカエデと写真撮って手を握ってくれる代わりに、お団子買ってった人が居たって言ってたじゃん。

それがヒントになったんだけど、この際カエデがネコのコスプレして手招きポーズでもしてみたら?

今度こそ売れると思う。

ものすごーく気乗りしないんだが。

大丈夫!

今度こそイケそうな気がするんだよ。

衣装&メイクはボクに任せて!

分かった。

ものは試しか(もはや団子を売ることとまったく関係ないような)。

ボクがちゃーんとプロデュースするね!(こーいうの一度やってみたかったんだよなー)

というか、私で遊ぼうとしていないか?

それと気になっていたことにも、1つツッコんで良いか?

今更ながらのことだが。

どうぞ。

この文中、ずっと「手」と書かれていたが、招き猫の上げているのは手ではなく、前足だろう?

もっとも私も意図せず普通に手といっていたから、本当に今更のことなんだが(一応触れておかないと、読者どのの認識を誤らせることになってしまいかねないし)。

……そんなの気にしない!

ネコそのもののボクも手って言ってるんだから、それでおk-。

あ、そうですか。

そして夜。

コチョンプロデュースの元、ネココス作戦開始。

猫耳を付けてコスプレをしているカエデと、それを盛り上げるコチョンのイラスト

この後、団子が無事に完売したかどうかは定かではない。

了。

参考資料

木村喜久弥 著『ネコ : その歴史・習性・人間との関係』,法政大学出版局,1966. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2510165 (参照 2023-06-04).参考ページ250~254p

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