おーい、出来たぞ!
麺つゆも美味いのを用意してあるからな。
あとは自分で好みの濃さにして食べてくれ。
おほ! ひやむぎだ!
やっぱ夏真っ盛りの時期には、これかそうめんだよね!
今、急に思ったのだが、これが一瞬でひやむぎだとどうして分かった?
へ? そりゃアンタ、ピンクと緑の麺入ってるからさ。
これってひやむぎだけじゃないの?
まあ私もそう思うんだが……。
なぜなんだろうな。
それにその二色なのも、理由でもあるのだろうか?
昔からそうだよね。
やっぱりこれがひやむぎって分かりやすくするためじゃない?
色がその二色なのは知らんけどさ。
とりあえずピンク麺頂き!
あ、こら!
(私もピンクのヤツ食べたかったのに!)
ちがいを見分けるため
すでに2人の会話で答えは出てしまっているが、ひやむぎにピンクと緑の麺が入っている理由で有力なのはそうめんとひやむぎ(冷麦)を区別するため。
ほかにも某大手製麺メーカー発売のひやむぎに書かれた文言(公式サイトにて)を見ると、彩りを添えるという視覚上の目的要素もあるようだ。
食べ物の見た目が食欲に影響することは、多々あることなのでこれは納得(どこかで青い色のカレーライスを見かけたが、確かに食べたいとは思えない)。
たったこれだけの話だが、元々ひやむぎとそうめんは素の見た目にほぼちがいがなく、ひやむぎに入っているあの色付き麺がなければ、パッと見ての判別は確かに難しい。
そうめんとの細かなちがい
やっぱ、ボクので正解じゃん!
あのピンクと緑の麺がないと、ひやむぎなんだかそうめんなんだか分からないもんね!
なるほど、コチョンどのの解釈どおりか。
だが、あの色麺がなくてもひやむぎとそうめんのはっきりとしたちがいは、ちゃんと決められているようだぞ。
そうなの?
乾麺の太さを1.3mm以上1.7mm未満に成形したものは「干しひやむぎ」「ひやむぎ」又は「細うどん」で、1.3mm未満に成形したものは「干しそうめん」又は「そうめん」とするようだぞ。
なるほどー! 太さね!
確かにそうめんのが細いもんね。
だが見かけのちがいがそれくらいなら、まちがう可能性もあるだろう。
だから色付きの麺を数本加えることで差別化した。
じつに理にかなっているじゃないか。
余談だが、1.7mm以上の太さになればうどんということになるぞ。
わずかな寸法でもこうして区別されていないと、商品として分類できないだろうからな。
ちなみに主原料が小麦粉で、そこに食塩と水を加えて作られるのはどれも同じだ。
中でもそうめんには植物油をぬりながら引き延ばしていく製造行程があるようだが、これは乾燥を防ぎ、麺同士が付着しないようにというワケがあるようだな。
油を使っているとはいっても、ゆで上げて水でしめた段階でほとんど落ちるから、気にはならなくなるだろう。
何気にちゃんとした豆知識だね。
なんでピンクと緑?
ピンクは白い麺と合わせると紅白となるからめでたさを、緑は目に優しい色ゆえ、この二色が定番(メジャー)になったという話だな。
元からそうではないかもしれないが。
色付けにはベニバナやクチナシといった天然着色料が使われているぞ。
そんならピンクと緑の数をガッツリ増やしちゃえば良いんじゃない?
数本をめぐった子供同士の取り合いもなくなるよきっと。
それだと風情がない。
たかが麺類とはいえ、ほんの数本づつの彩りがあるからこそ、奥ゆかしさも感じられるだろう。
白さを主体としてピンクと緑の麺が差し色的に入っていることは、色の調子が整っているともいえるだろう。
奥ゆかしさねえ……。
(差し色? 色の調子?)
例外としてそうめんにもひやむぎ同様、ピンク色や緑色があえて使われているものもある。
さらに色付き麺と白い麺の組み合わせで、それぞれ束としたものもあるな。
その場合はピンクや緑のみではなく、ほかの淡色も使われているようだ。
「そうめん 色付き」などの単語でWeb検索するとすぐ出るぞ。
あのさ、それだとひやむぎとそうめんのちがいだとか、今キミがいったばかりの奥ゆかしさとかへったくれもないんじゃないの?
人にいっといてさ。
それはそれで良し!
見た目で人を楽しませようとする気持ちに沿っているからな。
きっと子供も大喜びだ。
勝手だなー……
でも最近の子供って、そんなんでテンション上がるかな。
まとめ
①ひやむぎに色付きの麺が数本入っているのは、そうめんと区別するため
②ピンクの麺で紅白のコントラストによる「めでたさ」を表現し、緑の麺は見た目に優しい色なので、この二色になったという話がある
③ひやむぎとそうめんの厳密なちがいの1つは太さ、直径1.3mm以上1.7mm未満ならひやむぎ。1.3㎜未満ならそうめんとする決まり事がある(JAS規格)
ひやむぎにちょっとした具材を加えると、オツな一品料理になるぞ。
へえ、どんなの?
麺つゆは好みのもので良いが、水である程度の濃さに割ったら、ナスと小揚(こあげ)をきざみ、鍋で一緒に煮るんだ。
ナスに火が通るくらいで良いだろう。
ちょうどナスは夏野菜だし、旬のものを食べると身体に良いというのは昔からいわれているからな。
それに熱いつゆと、冷水でしめたひやむぎとを混ぜて食べると温度もちょうど良くなり、冷たいものを一気に食べて腹を壊すことも防止できる。
おお! なかなかの1レシピ!
夏野菜も使うところが、風物詩みたいで良いね。
ボク、それにしたいから作ってよ!
分かった、分かった。
そうだ、しょうがを薬味にそえてやろう。
何気に生しょうがも夏バテに良い食材だからな。
了。
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