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「2つの桃伝が遊べる豪華なGBソフト!ただしテンポは……」桃太郎伝説1→2レビュー(ネタバレ注意!)

ネタバレはイヤだけど……

ネタバレはイヤだけどゲームには興味ありって人は、ここからこの先ネタバレ注意!までを読んで参考にしてね!

初プレイの楽しみを大事にしたい人は、そこまでなら安心して読める内容にしてあるよ!

それ以降の内容は、ネタバレが問題ない人向けだぞ!

ゲームをすでにプレイ済みの人は思い出を楽しみ、未プレイの人には雰囲気だけでもつかんで、実際にやってみたいと思ってもらえたなら嬉しいな!

概要

発売日2001年1月1日
発売元ハドソン
開発元タムタム
ジャンルRPG
プレイ環境ゲームボーイカラー専用(アドバンスやSPでも遊べます)

おススメする人

以下のような要素が好きな方におススメ

  • 昔話やおとぎ話が好き
  • 和風レトロRPG
  • 桃太郎伝説・桃太郎伝説2のどちらかorどちらもプレイ済(慣れや思い入れの有り無し、移植前との比較が可能になるだけなので、シリーズ自体が初プレイでも問題ありません)
  • 2つの桃伝が1つのソフトで遊べる(ただし2は1のクリアしてからじゃないと遊べません)←重要
  • 気長にプレイできる人(おススメ要素ではありませんが、今作をプレイするにあたりこちらも非常に重要)

プレイ目安時間・ゲームの特徴

クリアまでの目安プレイ時間は20時間、遅くても40時間くらいかな。

ちなみにボクのクリアタイムは約36時間……。

この時代のGBソフトにしちゃ時間かかりすぎー(そこまでかかる理由は後でね)UI的な意味で大変だったよ、ホント。

後、このゲームは攻略情報を見ながらやる方が絶対良いね。

このゲームでは、おとぎ話の主人公・桃太郎が活躍するRPG、桃太郎伝説の1と2の2つの物語がいっぺんに楽しめるんだ。

かつて別々の機種で発売された2つのタイトルの移植版というやつだな。

ファミコンの桃太郎伝説はともかく、PCエンジンでしか遊べなかった2が、時代を越えて携帯機(GBカラー)で遊べるようになったのは有難いことなんだろうな。

いやカエデさ。

ツラツラと紹介してるけど、キミにも分かってるじゃん。

元(移植前)から完成度の高い2つの桃太郎伝説が遊べるってのに、ゲームテンポがヤバいタイトルだってことはさ。

いうな。

少しでも良点を挙げないと読者どのが興味を持ってくれないだろう。

……ちがう意味ですでに興味は持たれたかもしれないが。

そりゃそうだろうけど。

それじゃ、カエデにならって少し。

今作は桃太郎伝説をクリアした後に、そのまま2のストーリーに突入する仕様になってるんだ。

タイトルどおり1→2っていうだけあって、ボリューム「だけ」見たら充分なんだけど……。

それと移植前にはなかった追加要素も含んでたりで、過去作をプレイ済みでも心機一転な感じで楽しめる……と思うよ。

(そういう問題ではないことが分かってるとはいえ、コチョンどのの歯切れがすこぶる悪いな……)

段(レベル)が上がりやすく、敵が落とす金も多いことで、移植前に比べて攻略難度は割と低めに調整されているのだったな。

そういうのは歓迎すべきところなんだけど……。

いっちゃうけど、このゲームってメッセージの表示速度が微妙に遅いんだよね。

ちょっとした会話メッセージだと、終わるまでに数秒から10秒かかるっていう。

あげくに速度調節もできないし。


今日日、レトロでも新作でも当たり前に搭載してる機能がないって、ある意味斬新だけど(10年近く前に出た桃太郎外伝とか新桃太郎伝説ですら、ちゃんとあるのに)。

……テストプレイとかはしたんだよね?

機能を入れることを忘れるほど皆(開発陣)が疲れていたのでは?

いくら疲れてても、そんなことってある?

あとさ、普通こういうのって、FF1・2とかドラクエ1・2みたいにどっちかのタイトルを選んで遊べるワケじゃんか。

でもこっちは、1のクリア後じゃないと2が遊べないっていう、誰が喜ぶのかな?って感じの謎仕様になってるんだよね。

調べてみたら、あえてこういう風にしたらしいんだけど……ただでさえテンポ悪いのに、通しプレイまで強いられるってのはちょっとどうかなって。

(そのとおりだから否定はできないな……)

だが根気がある者ならクリアは充分可能だろう。

コチョンどのが出来たようにな。

あっさりいってくれるけど、そこまでこぎつけた自分を褒め称えたいよ……。

もし読者さんがコレを最初から最後までプレイ出来たら、ボク同様に誇ってイイと思うよ(言い方変えれば暇人ってことにもなっちゃうけど)。

興味のある人はどれだけ遅いテンポなのか、ネタ検証的な意味で実際にプレイしてみるのもアリかもね。

……タイパ重視の人にはそんな余裕ないと思うけどさ。

この先ネタバレ注意!














序文

GBカラー専用ソフトとして2001年1月1日(元旦)にリリースされた和風RPG「桃太郎伝説1→2」(→に込められた意味は今作の仕様と深く関わっていますが……それについては後ほど)。

ファミコン版(PCエンジン版のターボも兼ねて)の桃太郎伝説と、PCエンジンの桃太郎伝説2。この2つの名作が携帯機に移植されたボリューム充分なタイトル。

いくつかの追加要素が含まれているほか、難易度の調整もされているため、移植前よりさらに遊びやすくなっています……と言いたいところですが。

すでにネタバレ前のところで、カエデとコチョンにふれてもらっていますが、今作の良さを台無しにした致命的なマイナスポイントがあること。

それが今作の評価を大きく下げる要因となっています。

そのマイナスポイントについてのくわしい話は、システムの項であらためて書きますが、一応この序文でもさらっとふれて(叫んで)おきます(これ以降も何度かふれる話題となります)。

――では。

メッセージスピードが遅いよー

しかも調節機能がないってどういうことー!!??

おしえておくれ?アーギルシャイア。

RPGとはテンポが遅い方が楽しめるものなのか?

↑は、ジルオールというファンタジーRPGに登場する人物のセリフを模したものです。当サイトではそのリメイク版のレビューも置いてあります。下にリンクを貼っておきましたので、興味がある方はご覧ください。

ともあれ、たった一つの基本要素が欠けているだけで、せっかくのウリや良さが打ち消されてしまったのは非常に残念です。

そうはいいつつ、最後までプレイさせてもらいましたけど(そして、それなりに楽しかった)

今作は2001年の元旦に発売されていたのだな。

調べてみたら、21世紀で一番最初にリリースされたRPGみたいなんだよね。

コレを楽しみにしてたゲーマーは面食らったんじゃないかな(もちろんテンポが原因で)。

元旦そうそう投げちゃったっていうプレイヤーも少なくないかもね……。

評価スタイル

ここからはストーリーや総評まで各要素を分けて☆☆☆☆☆って感じの、お星さま評価をさせてもらってるよ!

☆5つならめっちゃ満足、☆1つなら不満って感じでね。

ちょっぴりありきたりな評価の仕方だけどね。

☆☆☆+や☆☆☆☆-のように評価させてもらうこともあるぞ。

これは次の☆数まであと少しで達する、達したが少々物足りないといった微妙さ加減を表していると思って欲しいな。

ストーリー ★★★+

おとぎ話でお馴染みのヒーロー「桃から生まれた少年・桃太郎」が、人々を苦しめる鬼の頭領「えんま大王」をこらしめるため、お供のイヌ・サル・キジと一緒に鬼ヶ島へと旅立つ物語。

――そしてえんま大王をこらしめてから3年後。

今度は大王よりもさらに上に君臨する鬼の王「地獄王」をこらしめるため、桃太郎は再び3匹のお供と新たな仲間を連れ、鬼ヶ島へと旅立ちます。

かつてはファミコンとPCエンジンとで分かれていたこの2つのシナリオが、今作ではいっぺんに楽しめるため、ボリュームは申し分ありません。

また、シリーズ共通の概念として「鬼を倒す」のではなく「鬼をこらしめる」という表現を貫いていることも何気に大きな特色です(倒してそれっきりではなく、再起のチャンスを持たせてあげるあたりにシナリオの温かみが感じられます)。

ストーリー性が1より高まった2では、こらしめた鬼と和解していく面がより強調されています。

改心した鬼が人間と共存する道を選ぶというあたり、気持ちが明るく穏やかになるな。

ほかの勧善懲悪RPGにはない新鮮さがあるよね。

村を救った後、こらしめた鬼が村に居ついたりしてさ。

グラフィック上でニッコリ笑ってるのもなんか和むんだよね。

一方、シリアス度はやや低めで、コミカルなキャラの登場やセリフも多く含まれるため、その点は好みが分かれるところ。

しゃべるウンチが当たり前に登場する上、一部キャラはおふざけ感満載。

ほほえみの大地で遭遇するユニークな鬼たちや、2の謎解き山で登場する野球ファンの地蔵軍団などはその極み。

もっとも「それら」の茶目っ気こそが桃太郎伝説らしいノリで、そもそも皆が知る昔話をベースとしているだけに、小難しさの一切ない明快シナリオが良点でもあります。

ここで一旦、派生作の話になりますが「ストーリーはシリアスな方が良い」という方に対しては、今作よりもSFCの新桃太郎伝説を遊ぶことをおススメします(そのレビューも書いています↓)。

あちらも1、つまり桃太郎伝説の正統続編の一つとなっておりますが……(同じ続編の2とは物語が独立しており、互いにパラレルワールド的な位置づけとなっています)。

ストーリーや雰囲気は、同じシリーズには思えないほどの別物となっています。

割合でいうなれば、今作がシリアス5・コミカル5。あちらはシリアス9・コミカル1という感じでしょうか(あくまで筆者主観です)。

システム面でもオリジナル要素がふんだんに詰まっており、SFCRPGの中でも完成度がすこぶる高いタイトルです。

シリーズでこれだけ遊んでいないというなら、めちゃくちゃもったいない話なので、レトロRPGで面白いものを探しているという人に対しては、SFC本体ごと買ってでもプレイをおススメしたいところです。

別作品の話まで完全に脱線しているな、筆者どの。

あっちも同じ桃太郎伝説だから、あくまで関連作の紹介ってことなのかな。

ボクからしても、確かに同じシリーズとは思えないほどの名作だったけどね。

システム・ゲーム内容 ★

使い古された表現ですが、内容は極シンプルなコマンドRPGで、このタイプのゲームに慣れ親しんだ人であれば違和感なく進めることができます。

また移植にともなって調整が加えられ、段はより上がりやすく、敵が落とすお金も増加。

それもあってか、体感上の難度はあまり高くありません。

……いや、そんなことより。

当方の現在のレビュー形式上、目安としての評価はどうしても付けざるを得ないんですが……。

当サイトのゲームレビュー初の、最低★数(1つ星)を付けてしまい、大変申し訳ございません(ゼロではありませんよ、ゼロでは⦅フォローになっていませんが⦆)。

筆者はモノ(ゲームに限らずですが)づくりができる方を尊敬しているので、非常に僭越で心苦しくもあります。

ともあれこの星数にしたのは、もうすでに最初の方(序文やネタバレ前の文)でも書いたことですが……。

RPGにおいて、当たり前に搭載されているはずの「メッセージ速度の変更」が存在しないことが、この星評価を付けた最大の理由です。

変更がきかないので、当然ながらゲーム全編にわたり一律の速度です。

……と、まあ「それだけ」なら、まだ大したことに思えないかもしれませんが。

そのスピードが絶妙に遅いってのがまた……(遅すぎでもないところがポイント)。

言葉で伝えるのが難しいので、速度を模したメッセージサンプルを以下に用意しました(メッセージはループさせています)。

これと実際のスピードとはまったく同じとはいえないけど、ゲーム画面とにらめっこしながら、感覚的にはほぼ同じくらいに出来たっぽいね。

でも、ま、確かにこんくらいだったなー。

あ、メッセージの内容は筆者が適当に思い付いたものみたいだから、そこはスルーしてね(なぜに勇者?)

確かに参考にはなるな。

だがあらためて見ると、そこまで遅いとは思えなくなってきたな。

率直な感想で悪いんだが。

――いや、そう思うのはおそらく普通の感覚です。

筆者からしても「そんなおおげさにいうほど遅くもないんじゃ?」と思えてきます。

しかし、これが全編に渡っての上、ウィンドウの表示(切り替え)速度もあまり速くない(書き忘れましたが、このことも地味にテンポを悪くしています)とすれば、果たしてどうか。

よそのRPGでは一瞬表示されるであろうテキストも先ほどの速度で流れるので、村人との会話ですら、数秒~10秒ほどかかることは当たり前。

そこまで人数は多くなくとも、一つの村のキャラ全員に話しかけようものなら、なかなかの時間消費が想像できるでしょう(本編随一で広い希望の都だとさらに……)。

またRPGである以上は、装備や道具を取りそろえる必要があるのですから、それにともなう兵具屋、茶店での店主との会話の繰り返しもまた、相応に時間消費するわけです。

あげくの果てに。

先ほど「全編に渡って」と書いたとおり、戦闘メッセージにまで「それ」が及んでいるため、強めの鬼相手だと、一回の戦闘に数分かかるなんてこともザラに起こります。

さらにダンジョンともなると、戦闘&探索でかなりの時間が費やされることはもはや明白(1・2ともども随一で入り組んだ造りになっている黄泉の塔、一番攻略時間のかかったスポットでした)。

また、1での戦闘は一対一なのでまだマシですが、2では仲間の存在に加え、複数の敵も出現するようになるため、各々の行動時に流れる「絶妙に遅い」テキストに否応なく付き合わされることになります。

しかも複数敵との戦闘突入時には「○○が現れた」というメッセージまで、ご丁寧にも一体ごとに一つ一つ流してくれるという。

スピードがほんの少し遅いばかりに、本来あまり気にならない部分それぞれに作用し、全体のテンポにまで影響するというある意味貴重な例を示してくれたタイトルともいえるかもしれません。

なお、2の序盤で登場するオートバトル仙人からは、文字通り「オートバトル」の便利機能を授かりますが、上記までのことからそれもあまり活かしきれていません(それぞれのコマンドをスキップできるという意味では恩恵アリですが)。

幸いなことに、一部の強敵(夜叉姫・風神雷神など中・後半のボス)を除いて、その辺の鬼に少々毛が生えた程度の体力しか持たないボスが多く、段上げと装備さえちゃんとしていれば、数ターンで片付くことも。

……まあ、このくらいでテンポのバランスが取れているとはやっぱり言いづらいですが。

それはそうとして。

PS2の黎明期にもあたる2001年にリリースされたにも関わらず、ファミコンRPGにさえ搭載されている基本機能が付いていないって一体……。

ファミコンの1(桃太郎伝説)にもあったのにね。

メッセージスピードの調整。

しかも「はやい」だと、さっきのサンプルとは比較できないくらい快適だし。

容量がはるかに少ないファミコンソフトにすらあるにも関わらず、時代を超えた今作にそれがないというのがまた……というところだな。

あえて変更不可にしたとしても、もう少し速ければ良かったのですが……。

ことリアル時間をあまりゲームに費やせない方は、上記のことをよーく加味してからのプレイをおススメします(ここでの話を鵜呑みにせず、ほかのレビューや、もしあるなら動画なども合わせて参考にするのが良いでしょう)。

「テンポ以外」は素晴らしいレトロRPGですから。

もはやシステムの話というより、ほぼ表示機能に関しての愚痴となってしまいました。

ただし。

この話を「それもRPGの味わいの一つ」と割り切ってしまえるなら、今作は問題なく楽しめるかもしれません。

こういう話にふれだすとキリがないので、この項はもう終りにします。

1→2ってそういうことなのね……

1をクリアして初めて2が遊べる仕組みになっているんだよねー。

「どっちかのタイトルを選んで遊べる」って誤解している人には、重要なポイントだよね、コレ。

これ「も」ユーザーにとっての欠点だろうな。

なにしろ自由に遊べない(選べない)のだからな。

1は昔やったから、今度は2だけやりたいという者も居るだろうし。

なんでそうなのかは、1→2の流れに関わる2つのシステム(あとでふれるよ)も多分理由になっているんだよね。

大体、そのシステム自体が今作の「ウリ」でもあるワケだし。

でもさ「1・2どちらからでも遊べる」か「1をクリアしたらそのまま2に移れる」って二通りの仕様になっていれば、もっと良かったのにね。

んで、引継ぎプレイでのみ「1でやったことを2に反映」っていう風にも出来たりとかね。

そういう仕様じゃないのは、単純に「製作期間や容量の関係?」と、マニアックな方向で考えたりもしました。

しかし、ところの情報によると当時のスタッフさんがあえてこういう仕様にしたんだとか(公式サイトでも言及されていた話なようです)。

もはや公式サイト自体が残っていないため、その意図を確認することはできませんでした。

おもんばかるに「桃太郎伝説の物語を順序良く楽しんでほしい」ということであったのかもしれませんが。

ユーザーライクかどうかは別にして、そういう気持ちであったなら別にイイかなと思えてきます。

……いや、思って良いのか?

ほかのマイナスポイント

〇セーブデータは1つのみ。

また、新しくゲームをはじめると既存のデータに上書きされてしまうため注意。

一応その直前に確認のメッセージが表示されるので事故りにくくはなっている。

〇敵とのエンカウントが割と多い。10~20歩あたりで一回は遭遇する。

もっともファミコンをはじめとしたレトロRPGの中では、特別多すぎるというワケではない。

しかし。

今作特有のテンポの遅さがそこに合わさってしまっているため、立て続けの戦闘になると苦行と化す。

対処法としては、エンカを下げる効果を持つ道具「かくれみの」を使用することで、いくぶんマシになるものの、1では店売りされない貴重品というのがこれまた痛い(どこかで売ってた⦅スズメのお宿のつづら景品?⦆ような気がしなくもないが、忘れてしまった)。

貴重品なわりに、シリーズ恒例・女湯をのぞくために必要というのがまた……(のぞきに必要なのは1でのみ)

さすがに2では、茶釜村やすずめのお宿1の茶店で通常販売(300両)されるようになるため、路銀に余裕が出来たら買い込んでおくのが吉。

……と、いうより、オニよけの術があればそれで良かったのに。

〇通常攻撃をやたらとミスる。

2連続ではずすことなんて普通。

これにもメッセージテンポ(遅)が影響し、進行の妨げになっている。

したがって、2においては全員が使えるうえ、グループに必中攻撃の武器※しゃくねつのゆみが人数分(最低4つ、夜叉姫の分身3人分を入れるなら計7つ)あれば、なにかと便利。

※雪原の敵に特攻性能を持つものの、それ以外の鬼に使っても充分役立つ。しかもびろーんなどの物理を無効化する相手に対してもダメージが入るという逸品。

1では洞窟で一つのみ手に入る貴重品だが、2ではなぜか普通に寝太郎の村で店売りされているため、資金さえあれば入手は容易。

なお武器としての装備可能者は桃太郎のみ、しかし前述のとおり道具としてなら誰でも使えるところが多大なメリット。

特有(追加)システムの話

今作では1→2の継続プレイにおいて役立つ要素が二つ存在しており、かつ以下のようなものとなっている。

① 1プレイ時、各村に存在する「ふたが空いている井戸」に道具や装備を投げ込むことで、2のプレイ時にその井戸から「1で入れたアイテム」が取得可能(タイムカプセルシステム)。

② 1をクリアしたあかつきには、その時の段に応じたステータスボーナスを桃太郎の各ステータスに振り分けられる。

②については、そこまで多くのポイントが手に入るわけではないため、ほんの少し2の序盤戦が有利になるのみで、正直微妙なシステム。

一方、①はかなり有益なシステムで「特定のアイテムを井戸に入れると、2で別なアイテムに変化する」という特殊仕様まで兼ねている。

どういうことかというと。

1で井戸に望月の剣を投入→井戸に入れた望月の剣が、2で百鬼斬り丸に変化&取得!

なお変化しないものはそのまま手に入る。

――と、いうこと。

えーっと……どういうことだ?

鈍いなー(筆者の書き方が悪いから仕方ないけど)。

2の序盤から強い装備を入手しちゃえるってことじゃん!

なんなら、1の時に旅立ちの村&スズメのお宿1の井戸に入れておいたりとかねー(2の時に最短で入手できる場所だし)。

装備もしばらく変えなくて良いからお金も浮くし、一石二鳥だよねっ。

なるほど。

だが、それってずるくないか?

本来、後半でしか手に入らないようなものを、序盤で入手出来てしまうということだろう?

そういう有利なことが1つでもないと、テンポ最悪レベルの今作だとプレイにたえないでしょ。

否定できないのがまた。

そう考えると必須の攻略法ということだな。

ちなみに、きびだんごやおにぎりといった普通の道具を入れることもできるのだったな。

そういうどこでも入手が簡単な道具を入れるのはおススメできないよ。

大体食べ物類は腐っちゃうしね(そのまま捨てることになるから道具欄にも入らないし)。

ほら、2って1の3年後の話だし、食べ物なんてそうなるに決まってるじゃん。

そういうところはリアルに作られているんだな……。

もう1つ注意してほしいのは、一旦1で井戸に入れたアイテムは、2のストーリーに入るまで取り出せなくなるからね。

っていっても、重要品は入れられないからあまり気にしなくていいことだけど。

むしろ気にしなきゃないのは、取り出せない=入れなおせないってとこ!

つまり井戸に入れるアイテムはよーく考えてからにした方が良いんだよ(攻略情報を見ながらね)。

ほか店で買ったものの金額に応じたポイントが入る※ポイントカードの存在や、登場敵のカード集め(図鑑機能)もあるが、後者の方は何か特別なことが出来るワケではないので、あくまでオマケとしてのシステムとなっている。

※1ポイント=1両として、現金と同じように買い物で使うことができる(支払い方法を現金orポイントで選べる。やたらリアルな仕様だが、ポイント一部使用→差額を現金といった変則払いはさすがに不可)。

さらにカードには盗難保険が付与され、敵から物品やお金を盗まれた際に一部の金額が戻って来るというサービスがつく(幸い?なことに筆者は一度も盗難保険の恩恵を味わったことが無いが)。

さらに一定のポイントを貯めるとシルバーやゴールドに昇格して、盗難保険で戻って来るお金の利率も増えていくという、何気に現代染みたものとなっている。

それはそうと、そういう追加要素は入れてるワリに、メッセージスピードを変更不可にしているあたりがやっぱり……(くどくてすみません)

2では仲間が一気に増える

1では原作のおとぎ話同様、イヌ、サル、キジのみが加わるが、2ではほかの仲間も一気に増えるな。

ちゃんと桃太郎どのと同様にコマンドでの指示も出せるし。

加入する仲間は移植前と一緒だね。

メインメンバーの金太郎と浦島、それに紅一点の夜叉姫!

あと旅先で一時的に仲間になるスリの銀次、でか太郎にお地蔵さん……あ、ウンチも居たね。

そういうのが居るあたりが物語の緊張感を薄めているな。

基本そういうテイストだからね!(でも新桃だとそういうギャグ要素は控えめになっているんだよね)。

あとはラスダンの地獄までいくと、元ラスボスのえんま大王や、途中で戦ったあしゅら、風神雷神も仲間になるし。

ちょっと前まで敵だったキャラが、後から仲間になるってのは定番みたいなところもあるけど、アツいよねー(ただ仲間になるのが後半すぎて、それこそラスボス戦でしか活躍の場がないけどね)。

桃太郎同様にコマンド指示が可能なのは、メインメンバーである金太郎・浦島・夜叉姫3人のみ、お供のイヌ・サル・キジふくめたほかの仲間は、個別指示が出せないNPCとして加入する。

またNPCはランダムで行動(何もしないターンもある)するため、安定した活躍は期待できない一方で、キャラによっては回復してくれたり、敵の攻撃からかばってくれたりなど、それぞれ特有の行動を行ってくれることがある(銀次の盗み行動など)。

なによりNPCの通常攻撃はすべて必中するため、時としてメインメンバー以上のダメージソースにもなりえる。

※未検証だが、NPCの攻撃力は桃太郎の攻撃力と連動している可能性がある。したがって彼の段や攻撃力上げを行うことで、NPCの攻撃力も増加すると推測している(NPCの与ダメージが桃太郎の与ダメージの近似値ばかりなため、そう思ったにすぎません)。

戦闘を手早く終わらせたいなら

わざわざいうようなことでもないんだけど、2だと浦島が覚える「ばいりきの術」は必須だね。

攻撃力の上がり方がなんか尋常じゃなくてさ(ドラクエのバイキルトみたいに倍加してるような……)

彦星の村で出てくる馬頭牛頭戦なんて、数ターンでカタがついちゃったし(もちろん桃太郎の鹿角ありきだけど)。

しかも浦島の段が上がると、全体にかけれるようになるし。

「といし」でも同じく攻撃力の上昇効果があるが、アレは10000両と少々高価だものな。

少しでも戦闘を楽に終わらせたいなら、このことを覚えておいても損はないってことで。

……残念ながらばいりきが真価を発揮するのは2の大分後半からだけどね。

覚えられるのもサルカニの村(後半の村)南の仙人から授かるワケだし、もっと速めに覚えられたら、なにほど良かったかと思うよ。

サウンド・音楽 ★★★

GBサウンドの桃伝も良いものだ!

好きな曲は2の夜叉姫・あしゅらとのバトル、仙人とのバトル曲あたり。

特に前者は聴ける場面が少ないレア曲でもあります。

レア曲といえば、ほほえみの村解放前の曲も一聴の価値あり(ジャイ〇ンもとい、ましらのリサイタル)。

フィールド曲は1・2ともども元気で明るい感じがして、冒険している感が強く味わえましたが、2のフィールド曲は1のフィールド曲に拍車がかかったような、さらに明るいメロディになっています。

いよいよ地獄王と戦う物語のクライマックスでもずっと「ソレ」なので、ついつい緊張感がそがれてしまいました(キライというワケではありません)

シリーズお馴染みの音楽室もとい、サウンドテストがあればなーと思いましたが、残念ながら今作には実装されていません(容量の問題だったのかもしれませんが)。

グラフィック ★★★

カラー対応のGBソフトにつき、配色はそれなりにキレイで違和感もなく。

オープニングやエンディング、さらに物語の要所では一枚絵が挿入されることもあり、演出面も悪くありません(かぐや姫の一枚絵や各村の名物景色⦅カチカチ村の大文字や、ひこぼし・おりひめの再会シーン⦆など)。

携帯機のレトロRPGでここまでのグラフィック&演出が用意されていれば充分です。

あ、シリーズ恒例の女湯の1枚絵もあるでー(でもここに手間と容量割くくらいなら、やっぱりメッセージスピードをどうにk……⦅何度もすみません⦆)。

総まとめ ★★+

メッセージスピードの調節機能さえ備わっていたなら、名作RPG・桃太郎伝説の前後作が、携帯機で遊べる豪華レトロタイトル……という風な感想に落ち着いていました。

特にPCエンジンでのみリリースされた2が遊べるというのは、大きなメリットのはずだったのですが……。

プレイの快適さに関わる根幹機能のみ、なぜ搭載できなかったのか。

非常に惜しまれるところです。

よって今作は、腰を据えてプレイできる粘り強い方にしかおススメ出来ません。

まさかと思うが、ゲームをゆっくりプレイしてもらおうという気配りなのでは?

そうだとしたら有難迷惑以外の何物でもないんだけど。

上記残念要素のため、今作は一気にプレイしようとすると時間に比例して苦痛が増してくるため「あーおっせ……(イライライラ)」となったあたりで一旦プレイをやめ(今更ですが中断機能が備わっています)気を取り直したころに再開というプレイスタイルが向いています。

またテンポの遅さからくる進行の鈍化を少しでも緩和するため、攻略情報を存分に活用することも必須。

もっともそれを行ったからといって、テンポ自体は変えようがありませんので、やはり肝心なのはクリアまで辿り着こうとするプレイヤーの粘り強さ(意志力)です。

え?

こんなに時間のかかるゲームなんて、まともにやってられない?

それについては筆者も同様でしたので、非常にごもっとも(ぶっ通しなんて当然ムリでしたし)。

そういう方で、かつ予算に余裕があれば、いっそ※ファミコン版の1&PCエンジン版の2(Huカードソフト)を別々にプレイした方が良いかもしれません。

※1はPCエンジンでのリメイク版(タイトル名は『桃太郎伝説ターボ』こちらも2と同様のHuカードソフト)も出ており、そちらを購入する場合、Huカード対応のPCエンジンさえあれば1・2どちらもプレイ可です。

今作を無理にプレイするよりもはるかに快適でおススメです(テンポのほかグラフィックも良好ですし)。

ファミコン&PCエンジンの実機は現在(令和7年9月)でも、Webショップやオークションで入手可能なので、興味のある方は選択肢に入れても良いかと思います。

PCエンジンがファミコンより数段高いというのが最大のネックですが……。

フォローにならないかもだけど、テンポ以外の部分はそんなに悪くなかったってことなんだよね。

一粒で二つの味が楽しめる桃太郎伝説だしな(ダメだ、これ以外の賞賛が出てこない……)。

ここから余談的な締めとします。

今でこそ「桃太郎伝説」ではなく「桃太郎電鉄」の方が知名度が上かもしれませんが、初代桃鉄(1988年発売)は元々、桃太郎伝説(ファミコンにて1987年発売)のキャラと鉄道ボードゲームをミックスさせた派生作品としてリリースされたものでした。

現在も続く人気シリーズとなった桃鉄ですが、作品元となったRPG・桃伝の方の※新作やリメイクの情報は現在(令和7年9月時点)でも一切見られません。

※出ない(出せない)事情について調べてみたところ、シリーズ産みの親であるさくまあきらさんご本人のホームページ上に、発売メーカーが桃太郎電鉄11以前のゲームプログラムを廃棄してしまったのでリメイクも難しい、といった感じのお言葉が記載されていたのを拝見しました。

だいぶ昔にお書きになった内容のようでしたが、現在でも新作やリメイクの兆しがないのは、推して知るべしということなのかなと。

参考→さくまあきら仕事人裏日記 2010年9月27日付https://sakumania.com/diary/nikki/100927.html

産みの親であるご本人の発言なので、これ以上ない情報かと思っていますが「リメイク」ではなく「完全新作」としてのリリースには、ひょっとすると希望が残っているのかもしれません(その場合はご本人の手から離れた別な桃太郎伝説になってしまうのかもしれませんが)。

しかし他の情報ソースも参考するにあたり、リメイクも新作もやっぱり難しそう……というのが筆者の所感です。

今のところ『伝説』のラストタイトルは、奇しくも今回のレビュータイトル、桃太郎伝説1→2となっています。一応、初代桃太郎伝説のリメイクという形であれば、2011年に携帯向けのゲームとしてリリースされていたようですが……どうせだったらコンシューマー機で遊びたかったなー。

了。

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