コロンブスはイタリアの探検家だよっ。
新大陸を発見したっていう人さ。
今回はこの人にまつわるコロンブスの卵ってことわざの話だよ。
なぬ、コロンブスという人物は卵から産まれたのか!?
それとも卵を産むのか?
……人ではないのか?
あのね……。
別に卵を産まないし、ましてエイリアンのごとく卵からかえってもいないよ。
れっきとした人間だからね。
それとコロンブスが持っている卵って意味でもないからね。
なにかを発見した人はスゴイ
コロンブスの卵とは、今は広く知られている物事でも発見したり行ったりする人は優れているという意味のことわざ。
答えさえわかれば簡単だと口で言うのは誰でも出来るが、答えそのものを発見するのは困難だという意味もある。
宴の席で起こしたある行動が由来
大陸を発見したコロンブスをたたえる祝いの席で、一部の人々が「そんなの誰だって見付けれんじゃね?」と彼をバカにした。
それに対しキレたコロンブスは「じゃオメーら今からこの卵を垂直に立ててみろや」と、彼をバカにした人々にそう言った。
言葉をうけた人々は試行錯誤したが、誰も卵を立てられなかった。そしてコロンブスのターン。彼はカラの端をつぶして見事に卵を立てて見せた。
セリフや状況はだいぶカルい感じにしてみたが、この出来事からコロンブスの卵という言葉が生まれたのだった。
たとえばだが現実でもほかの人に「卵を立てて見せて」と言った場合。コロンブスにまつわるこの逸話を知らなければ、果たしてどんな方法で卵を直立させるだろう。
道具を使って固定するか、それとものりや接着剤で卵を動かなくするか、とてもスマートとは言えないが筆者がとっさに発想した方法はそのくらいだ。
しかしコロンブスという人物は、あくまで卵単体で自立させる方法を思い付き、難なく実行してみせたのだ。卵の一部を割って立てるという、一見、誰でも思い付きそうなごく簡単方法でだ。
その「誰でも思い付きそうな」というところが、コロンブスの卵ということわざのキモでもある。コロンブスという人物は脳みそがさぞかし柔らかかったのかも知れない。
しかし調べる中で、コロンブスについては良からぬ人物像であったり、アメリカ大陸発見の偉業が疑問視された話も出てきたりしたので後半であらためて触れる。
まずはコロンブスの卵という言葉の使用例をウチのキャラたちにひねり出してもらった。くわしくは次で。
こういう状況で使う!
んじゃ、例として実際の会話形式で使ってみようか?
カエデってさ、忍者だからきっとナルトみたいに印をむすんで火遁の術とか使えるんだよね?
やって見せてよ!
そんなこと誰も出来るワケないだろう。忍びとは呪術師の類ではないのだからな。
娯楽本(ごらくぼん)の読みすぎではないのか?
だよねー!
でも、もしカエデが思いもよらない方法でそういう術みたいなの使えたら、まさしくコロンブスの卵だよ。
うーん…。
火薬や油といった道具を使ってなら可能かも知れないが。
カエデがそれを簡単な方法で、しかも実戦で使えるようにすれば、忍者の常識はガラッと変わるよね!
そう、上手くはいかないと思うが……。
いや、待て。もしかすると使えるかもしれんな。
火を出すのではなく火元から私が出てくれば良いのだ。相手側はまさか火元に敵がひそむとは思うまい。まあ隠遁の一種だな。
起こした炎の下に迅速に穴を掘るのは可能だ。そしてそこに隠れてほとぼりが冷めるのを待つ。あとは空気の確保さえ出来ればだが……。
いや、まず炎に水をかけられた場合はバレてしまうな。そんな事態を防ぐには、ブツブツ……。
あっ考え出しちゃった。コロンブスの卵のトーク例を作ろうとしたけど失敗だったかも。突拍子もない話をふってごめんね。
でも成功出来たらそれこそコロンブスの卵だよ(ってか人が入れるような穴を一瞬で掘れる時点でスゴいんだけどな)。
彼も航海中は色々と試行錯誤してたのかも。
この2人の場合少し現実離れした例だったが、現実性のあるトーク例として次に2点、別に造った。
・「今回のプロジェクトは、他社と同じものでは成功は無い。誰も思いつかない様なコロンブスの卵の発想が必要だ」
・「なんだ、そんな単純なことだったのか。でもそれを一番先に思い付いたキミは、コロンブスの卵の様な考え方が出来たんだね」
大体こんな感じで使われることわざと思って良いだろう。ただし実際に用いても相手がことわざの意味そのものを知らなければ用いる効果は無く不発に終わる。
ただし意味と使い方だけはおさえておいて損は無いはずだ。
コロンブスの暗黒面
コロンブスとは1451年~1506年のおおよそ近世あたりのヨーロッパを生きた有名な冒険家であり航海者。
ちなみに彼がアメリカ大陸を発見したのは1492年、日本でいうところちょうど室町時代中後期で戦国初期ころにあたる。
ところで偉人としてのイメージが強い彼の経歴だが、航海者のみではなく実は奴隷商人としての側面も持つとされている。
コロンブスは奴隷貿易も行っていたやり手の商人でもあったらしく、大陸発見の際は原住民たちを奴隷として扱ったとされている。
なんでも原住民たちをスペインへ連れ帰ったり肉体労働の作業員にしたり、大々的に奴隷商業を行っていたとか。
真実はいかにと言いたいが「コロンブス 奴隷商人」というワードでネット検索するだけでも、コロンブスが奴隷と関わりを持つ話が多数見られた。
意図的に歴史がゆがめられた以外に、コロンブスと奴隷の関係性を示す情報がここまで多くあるとは考えにくい。よってコロンブスが奴隷商人であった可能性は低くはないと推察。
偉人として扱われる反面、非人道的な人物の可能性があったことも付け加えたい。
見つけたのは「大陸」ではなかった?
ここでコロンブスの発見した大陸とはサン・サルバドル島であって実は大陸とかんちがいしていたという説が見られた。なおサン・サルバドル島とは西インド諸島のカリブ海に存在する島である。
もしそうなら子供のころに学んだ歴史の出来事がくつがえってしまうワケだが、サン・サルバドルとは地理上は米南北大陸に挟まれたカリブの島であって、要するにコロンブスは大陸に上陸したワケではなかったという説だ。
また真の大陸発見者は北ヨーロッパのバイキング(海賊のようなもの)だという説もある。コロンブスの時代からさらに500年前ものことだ。各所にバイキングに関係する遺跡が実際に残っているという話が一つの証拠材料になるだろう(もっとも古代の先住民までカウントしたらキリがないので、あくまで大航海時代での大陸発見者ということに限れば別の人間が浮上してくる)。
またこのように実際に新大陸の発見者がだれかということについては、それを発表したもしくは公表した大元の立場がどこの誰かによっても変わってくる可能性がある。
たとえば現代で使われる世界史の教科書で、コロンブスの後ろ盾で大国でもあるスペインが記した歴史書などの影響を強く受けている場合、新大陸の発見者は大元が認定したことでコロンブスということに落ち着いてしまうだろう。
たとえそれがちがっていても通史のように総合的な歴史の流れを書いた本だと、大きな国々を中心としたおおまかな出来事が書かれているはずである。
よって本来の大陸発見者が名が知られない一介の冒険者や航海者だとしても、それがメジャーな歴史の本の中では存在が影に埋もれてしまい真実が明かされないということもあり得る(たとえば外国の教科書を作成する時によりどころとなる歴史書がそれを最初に記した大国の影響を受けているのなら、その大国がおもに支援した人間をとりあげる方が、国の功績が周知されるにあたり好都合かもしれない)。
もっとも先ほどのような説まであっては誰が最初にアメリカ大陸を発見したのかを確定付けることなど本当は誰にも出来ないのかも知れない。しかし新大陸発見者として世界的に有名になったのはやはりコロンブスだ。
世界史の知識がほとんどないような筆者でもコロンブスの名を聞くだけで、アメリカ大陸の発見者とイメージしてしまうことがまさしくである。
これは推察だがコロンブスが大陸発見者として有名になったのは、後押ししていたスペインの影響力のおかげだとも思えた。国という大きな後ろ盾が声高らかに彼が偉業を成しとげたと言えば、周りはそう思わざるを得ないだろう。
閑話休題、ここで少しユニークな説も。コロンブスがサン・サルバドル島に上陸した際は、そこをインドの一部だと亡くなるまでカンちがいしていたらしい。なお原住民をインディオ(インド・アジアの人)と名付けたのは彼だとか。
つまりコロンブスの中ではアメリカ大陸を発見したという認識はなく、西インド諸島の一部およびそこまでの新航路を発見したという考え方となる(そこから現在の認識でのアメリカ大陸へ地続きだったという考え方をしていた可能性も)。
また付近のキューバやドミニカといった島国にも立ちよっていたとされている、さらにこれらの島国は現在、西インド諸島と呼ばれている。
つまりコロンブスはあくまでアメリカ大陸ではなく、これらの諸島にたどり着いたにすぎないということ。
一方でコロンブスと同時代を生きたイタリアの冒険家・アメリゴ・ヴェスプッチにより、アメリカ大陸がインドの一部などではない本当の新大陸と判明した。なお彼のアメリゴの名からアメリカの名が付いたという説まである。
つまり本当の意味でアメリカ大陸の存在をヨーロッパの人々に知れ渡らせたのはこのヴェスプッチともいえる。実際に彼が上陸したのは南アメリカ・ブラジルの陸地だったという。
よって後世に伝わるコロンブスのアメリカ大陸発見とはこの話が元になったのではないかとされている。
この説が真実ならコロンブスは大陸発見などしていなかったということと、なんなら彼が上陸した土地はインドですらなかったということだ。
もっとも新航路の発見ということであれば、それはそれで偉業といっても良いとは思う。
しかし世界的に知られる方の彼の偉業とは、大国スペインが彼を支援したことによる言ったもん勝ちという風にも感じ取れる(なぜコロンブスがアメリカ大陸を発見したという話となったのか、これについては調査しきれず)。
あげくサン・サルバドル島をインドの一部とカンちがいしたままのコロンブスを思えば、偉業という評価も少しユーモラスに思えてくるのは気のせいだろうか。
ただ注意点としてコロンブスが発見したのはアメリカ大陸ではないというここでの説は、ネットがメインの情報ソース、かつ(ソースカツ?)彼についてざっくり調査した際見られたウワサ的なものを記載しているのみで、歴史本などを参考に情報をしっかり収集したワケではない。
よって確実性があるかどうかまでは保証出来なく、この話には異なる見解が存在することも付け加えた上であくまで説として見ていただければ幸いである(今後より確実性のある情報が分かったなら追記するつもりである)。
まとめ
- コロンブスの卵とはすでに解っている物事でも最初に見つけたり、行ったりする人物は優れているという意味
- また答えさえ解れば誰でも簡単に思えることでも、最初にそれを発見者するのは困難という意味もある。
- ことわざの由来はコロンブスが一部の人間にバカにされた時に、卵を自立させて見せたという説から
やはり、実現出来そうだった火遁の術(仮)は無理がある様だ。
そもそも、そんなことをする必要が無くなる手を考えた方が、よっぽど有意義だと思ってな。
なんだ、せっかく斬新な方法を考え付いたと思ったのに!
でも、さっきみたいにみんなが考え付きもしないようなことをあれこれ考えるだけでも、コロンブスの卵への一歩だと思うんだけどな。
そういうのは発想の転換ってやつが必要だし、ラテラルシンキングが重要になってくるんじゃないかな。
ちなみに、ラテラルシンキングって言うのは、ロジカルシンキングのように物事を掘り下げて考えるんじゃなくて、いろんな角度や視点から物事を考える思考方法だよ。
シンプルにいうと常識から疑えってところかな。例としてはボールペンの「字を書く以外」の使い道を思い付く限り、挙げてみるとかね。
少々細すぎだが中を抜いたものを複数つなげて、水中で呼吸するための竹筒代わりにというのはどうだろう?
ほかは敵に突き刺す程度しか思いつかないが。
素材が素材だし、武器としてはあまり実用性はないかもな。
竹筒代わりっていうのは良い発想だね。
そんな調子だよ!
複数つなげてっていうのも良いんじゃないかな。別に一本しか使っちゃダメって条件もないしね。
後者のはなんか物騒だから、ボク個人としては賛成出来かねまーす。
了。
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