ネタバレがイヤな方は……
ここは筆者がプレイしたゲームのネタバレ多めのレビューだよ!
ネタバレはイヤだけどゲームには興味ありって人は、ここからこの先ネタバレ注意!までを読んで参考にしてね!
初プレイの楽しみを大事にしたい人は、そこまでなら安心して読めるよ!
それ以降の内容は、ネタバレが問題ない人向けだぞ!
ゲームをすでにプレイ済みの人は思い出を楽しみ、未プレイの人には雰囲気だけでもつかんで、実際にやってみたいと思ってもらえたなら嬉しいな!
情報もろもろ
発売日 | 1992年12月21日 |
発売元 | ゲームプラン21(販売元・エニックス) |
開発元 | アルマニック |
ジャンル | アクションRPG |
プレイ環境 | SFC(スーパーファミコン) |
おススメする人
以下のような要素が好きな方におススメ
- 短編
- 2Dアクション
- ティラノサウルス・トリケラトプスなどの有名な原始生物が登場
- マンガ風にデフォルメされたドットグラフィック
- 生物を進化させることでプレイヤーを強化出来る
目安プレイ時間・特徴
10時間くらいでクリア出来ると思うよ!
2Dアクションに慣れててサクサク進める人だったら、もっと早いと思うよっ。
このゲームは物語を通して、太古の生物が存在した原始時代を疑似体験出来るんだぞ!
マンガのような見た目さえ嫌わなければだが、このゲームを遊んだことをきっかけに、人々が生まれる前の地球史にも興味が持てるかもしれないな。
この先ネタバレ注意!
序文
お堅いタイトルなのに、中身はシンプルな2Dアクションというギャップがたまりません。
発売元はドラゴンクエストのメーカとして誰もが知るエニックスですが、このソフトが発売された当時はFFのスクウェアとは別会社でした(後に合併)。
発売日は1992年12月21日、いわばクリスマス商戦の真っただ中です。
しかも同年同月6日にはFF5が発売されていたようで、そちらのプレイに没頭した人はさぞ多かったことでしょう。
またこの頃はスーファミ全盛期といえる時代で、同年にはほかにもドラクエ5・真女神転生・ロマンシングサガなど、今もなおシリーズが続くメジャータイトルらが発売。
これら大作に混じり発売した時期ゆえに、存在すら知らなかったというゲーマーはけっして少なくないはず。
面白いのに目立たなかった不遇なゲーム。
筆者はそう思っています。
筆者がこのソフトと出会ったきっかけは、友人のプレイを見たことがはじまりなんだよね。
ほかのSFCソフトとは一線を画すユニークなゲーム性に「当時のアクションにこんな面白いものがあるなんて」と、ある種の感動を覚えたらしいな。
評価スタイル
ここからはストーリーや総評まで各要素を分けて☆☆☆☆☆って感じの、お星さま評価をさせてもらってるよ!
☆5つならめっちゃ満足、☆1つなら不満って感じでね。
ちょっぴりありきたりな評価の仕方だけどね。
☆☆☆+や☆☆☆☆-のように評価させてもらうこともあるぞ。
これは次の☆数まであと少しで達する、達したが少々物足りないといった微妙さ加減を表していると思って欲しいな。
ストーリー ★★★-
太古の地球を舞台としているものの、小難しいことは何一つないストーリー。
特に恐竜時代(爬虫類の章)は、ティラノサウルスやステゴザウルスなど、誰もが知る生物が登場することもあり、プレイ熱がより上昇しました。
始まりは地球がまだ海ばかりだった数億年前、一つの生命体がガイアという名の星の化身に導かれて旅立ちます。
プレイヤーはその一生命体となり、ストーリーを五章に分けた物語を体験します。
なおガイアの力でプレイヤーは魚の姿まで進化しているものの、そこから弱肉強食の世界を自力で生き延びていかなくてはなりません。
厳しい世界でほかの生物たちを捕食し強くなるにつれ、魚類から両生類、爬虫類へとその姿も変えてゆきます。
さらに選択次第では鳥類や哺乳類、果ては人類へと進化することも。
多様な進化の果てにプレイヤーを待ち受ける最恐の生物、そして結末は…。
と、書けばなんとなく壮大ですが、登場キャラの見た目やセリフまわりは若干コミカル。
今考えてみると、そういう砕けた感じがかえって受け入れやすかったのかもしれません。
しかし弱肉強食がメインテーマなだけにシビアなシーンも少なからず存在している辺りはメリハリが効いています。
とりわけ後半の哺乳類時代までは登場生物も忠実で雰囲気も良かったんですが…。
後々語りますが、以降のストーリーは雰囲気に少々不満が。
もっともストーリーテラーのポジも担うガイアだけは、一部イベントを除いて終始シリアスを一貫しているブレない女性でした。
ある意味彼女だけがまともすぎてゲームの中でも浮いている気がしなくもありません。
それも彼女だけが美麗デザインなせいでもあるでしょうが。
弱肉強食の世界で生き延びたら…
ざっくりいうとヒロイン兼導き手のガイアに、なかば無理やり弱肉強食の世界に放り込まれ「私のために頑張って生き残ってね♥」なストーリー。
こうはいったものの彼女は道中プレイヤーを励ましたり、たびたび起こる生物の厳しい現実を共に悲しんでくれたりもする。
穏やかで慈愛に満ちた性格で、まさしくテンプレ通りの「女神」っぽくはある。
そもそもはガイアの父である「太陽」より「娘のパートナーになりたくば、弱肉強食の世界を生き抜いてこい!」というような婚前試練のようなミッションを与えられ、今回の旅が始まったと言っても過言ではない。
つまりプレイヤーは実質婿入りのため他の生物を倒して、せっせとお肉を食べて、進化して強くなっていきましょうということ。
太陽系を擬人化したような一族への加入を目的としているため、スケールこそ大きいがやることは暴力的でシンプルなのである。
弱肉強食にも例外あり
本編の生物は一部を除いたほとんどが捕食対象。
中立的だろうが友好的だろうが、明らかに味方っぽいキャラでもその辺をうろついている生物にはほぼ全て攻撃可能。
手あたり次第に噛みついて良いのである。
弱肉強食とは本来そういうもので実に忠実。
ただしどんな生物でも無差別に攻撃して良いというワケではなく、友好的な生物を捕食するとガイアからもれなく罰を喰らう。
というより、お肉を喰った瞬間プレイヤーはオーバーキルとなる(-999のダメージを喰らうだけだが、システム上どう頑張っても999以上のHPにはならないため絶対に死ぬ)。
生き抜くための捕食は止むなしでも、度がすぎるとそういう風にバチが当たるため、無益な争いはするなということ。
ゲームを通して教訓を一個学べた気がしたのは、さすがに言い過ぎだろうか。
なお該当する生物のお肉を食べた際には、ガイアからの罰とともにドン引きセリフも見られる。
インパクト強め。
急激なSF展開
四章途中まではキャラも雰囲気も文句なし。
子供っぽくデフォルメされていても、かつて実在した生物相手に戦い、交流を持つようなゲームは当時ほかにあっただろうか。
ただし四章後半からの展開は段々と怪しくなり、現実とは異なる進化を遂げた鳥人たちが出てきた辺りから不満が噴出。
まさか剣を使い始めるとは。
しかも鳥人を束ねるボスは魔導士みたいなローブを着用(球飛ばして攻撃してくる)。
さらに海底では銃を使いこなす魚人や、緑色のグレイどこぞの宇宙人と形容してもおかしくない外見の、恐竜人まで出現。
ついには異常進化した巨大なアメーバ不定形生物がラスボスというオチ。
生物以外にも石壁の要塞、木材で組まれたエレベーター、あげくワープ出来る設備まで登場する。
ああ。
恐竜時代までの良質な原始の世界観を返してくれ。
テイストはもはやSF(スペースファンタジー)。
原始的な生物がひしめく世界観が一気にカオスとなり、初回プレイ時はそれが原因でプレイ熱が瞬時に冷却。
もっとも、あり得ないほど巨大化した生物や、クリスタルなる不思議アイテムが序盤から出てきた辺りがすでに伏線だった(ここで展開に気付けるほど当時からカンは良くない)。
どうせだったらそんなSFっぽさを出さず、せめて生物だけでもちがった角度のものがほしかった。
ただし生物の巨大化については見た目が変わったワケではなく、ただ身体が大きくなって、より脅威になったのみなのでコレについては別段問題はなく。
と、いうよりもこの路線を貫いたら良かったのではとも思える。
本編には登場しなかったが、ティラノサウルスたちもビビるような、より狂暴さが際立つ大恐竜などが出てきても違和感はない(巨大サメやハチは居るにも関わらず、ティラノサウルスは普通サイズ)。
実在した生物をここまで出しているなら、ムリヤリ人型に進化させず、動物っぽさが強まったワイルドな生物の方がこのゲームには似つかわしいんじゃないかと。
突き詰めるとモンハンの生物みたいになりそうだが、このゲームの場合それが本来の正解なように感じる。
なんならプレイ最初の頃、ラスボスはキングギドラみたいなのを想像していたのだ(アレ? そうなると結局SFみたいになるんじゃ…という矛盾を抱えていることにココで気付く)。
ちなみに恐竜人を宇宙人と形容したが、実は「本物の宇宙人」も登場する。
もっとも彼らが本作での生物の異常進化を起こした張本人たちだが、敵ではなくあくまで友好的な存在(世界観と対比するかのように知的で穏やかな連中である)。
ストーリーを考えた段階で宇宙人の存在もおり込み済みなら、SF展開でも仕方ないと今は思っている。
ラスボスが巨大アメーバあんなのでも納得せざるを得ない。
大人となった今では。
エデンって結局なに
ゲームのサブタイトルにも「はるかなるエデンへ」とあるように、五章仕立ての最終章タイトルは「エデンへ‥」となっている。
当初からゲームの最終目的は、弱肉強食の世界を生き抜いてガイアのパートナーとなった暁に、その謎な場所へとたどり着くことでもあった。
実際のEDでは度々ガイアが呼び出していたどこでもドア、もとい扉をくぐる描写をラストにスタッフロールとなる。
なおこの最後の扉だけ開いた中身が「?」のグラで表示されていて、くぐった先がガイアの待つエデンとやらかと今でも思っている。
そしてスタッフロール中のグラフィックは宇宙視点で描かれており、中心の地球(ガイア)とそれに寄り添うように小さな星がポツンとある絵が見られる(それ以外の2つの星は、それぞれ月と火星ではないかと思われる)。
上記の小星だがガイアの父に一族入りを認められ、エデン入り(星になった)したプレイヤーなのだろうか。
そしてやがては義父の周りを兄弟星たちが回っているあの中で、プレイヤーもガイアと一緒に仲良くグルグルするのか。
もっともエンディング後がどうなるのかはプレイヤーの想像にお任せ的な終わり方となっている。
つまりエデンっていうものが何かはっきりと解るシーンは出てこない。
大体からしてエデンとは旧約聖書でいうところのアダムとイブが暮らしていた楽園である。
ということは、無事試練を乗り越えたプレイヤーが「アダム」で、女性人格であるガイアを「イブ」と解釈してもアリだと考えている。
それを踏まえて筆者としては、スタッフロール明けにでも自然豊かな場所にガイアが居て、鳥や動物と戯れながらこちらに向かって微笑む構図のグラというか一枚絵。
挿入されていても悪くないと思ったし、そっちの方がエデンへたどり着いたっぽい。
ただの想像ですが。
そもそもガイアは地球そのもの。
でも崖の〇のポ〇ョに登場するグ〇ンマ〇マーレさながらに、人間サイズに実体化とか器用なことが出来るなら話は別となる。
そうなるとあくまで生物なプレイヤーキャラとも物質的にイチャイチャ出来そうではある。
それはそれで世界観ぶち壊しな上、俗っぽいがカップル的な意味ではガイアも幸せになれるかも知れない。
何気に複数エンドあり
ゲームの途中で迫られる選択肢次第では変わった結末を見られるものもあるな。
いずれも救われないことになるようだが。
どれも正式なエンディングじゃないしね。
プレイヤーの選択した未来はどうなるかっていうIFシーンを、少し見られるだけなんだな。
本来の結末を見るためには、やはり最後まで進まないとダメだということだな。
そういうこと!
それぞれ3・4・5章のボス敵と戦う時に出る選択肢で、相手に同調するようなのを選ぶことで、そのIFシーンが見られるよ!
安心出来るのはそのシーンを見たからって、ゲームがそのまま終わってしまうワケじゃなくて、直前MAPに戻されるだけだしね。
もちろんその後、普通にストーリーも進められるよ(ゲームを楽しみ切るならわざと選んでみるのが良いかもね)。
グラフィック ★★★
ほとんどのキャラがコミカルドットな可愛いものになっています。
最強の恐竜と名高いボス敵のティラノサウルスですら、4・5等身程度でどことなく愛嬌があるといえなくもないデザイン。
一転、ほかのボスはコミカルさを残しつついずれも凶悪な顔つき。
二章のハチクイーンあたりは特にそう感じます。
いずれにしろ、ほど良い感じにデフォルメされたキャラデザのせいか、お堅いタイトルイメージからのギャップはなかなかでした。
ほか印象深かったのは、一章のボスを倒した時。
通常ほかの生物を倒すと残すのは骨付きのマンガ肉、でもコイツが残すのはカマボコ。
しかも板付き。
加工品じゃねーか。
当時はそうツッコんだもんです。
余談ですがゲームイラストを描かれたのは漫画家の藤原カムイさんでした(ロトの紋章の方)。
パッケージに描かれたガイアのイラストを見て、ピンと来たので一応。
ステージの背景
舞台としては陸・海・空の3種類だが、当時のゲームらしい見た目のようだな。
まあステージのグラフィックに関しては、筆者も全然気にしてなかったようだよ。
デフォルメチックでも景色の奥行きがしっかり描かれているのは、少し良かったと思えたみたいだね。
あと、ところどころに配置されていて食べると体力回復する海藻とかナマコとか、トンボみたいなやつとか、そういうのを見付けるのも楽しかったみたい。
……ちなみに〇ンチも食べられるんだよね。
操作性 ★★★
スーファミの純正コントローラーでの話ですが、BがジャンプでYが攻撃というボタン配置で、いわば当時のスーマリワールドやロックマンX仕様。
ちなみにダッシュは十字キーをいずれかの方向へ素早く2回(陸上では左右のみ)ダッシュ中にAで体当たりが出来ます。
当時のボタン配置に慣れた方は難なく遊べるでしょう。
進化初期の段階で動きがやたらにトロいのは仕様で、強化にしたがい移動速度は当然速くなります(進化のさせ方にもよる)。
陸上生物進化後の強化次第ではジャンプ力も驚異的になり、ステージによっては数回前方へダッシュジャンプするだけで終了します。
また条件クリア後(後述します)鳥類になると永続飛行すら可能に。
難しい操作は必要なく、かつてのように陸上を歩くのがバカらしくなるほど快適です。
この様に進化次第では、素早く動けたり高速で空を飛べたりなど、操作を通して変化を実感できます。
くり返しになりますが、各章の最初の進化形態では動きが遅いことが大半なのでなおさらです。
ところで当初Xボタンに割り当てられた「食べる」の必要性が解らなかったのですが、隠し進化先の人類に進化してから初めて理解出来ました。
人類の形態に進化するとYボタンは武器での攻撃に変化するため、噛みつきが一切出来なくなるんです。
そのためXボタンの役割は人類の形態専用と思って良いでしょう。
ただし人類に進化する方法がヒントありとはいえ裏技に近い(こちらも後述します)。
進化方法に初見で気付けた人はスゴイと思います。
音楽・サウンド ★★★★
章初めに流れるガイアのセリフシーン・MAP画面時・海ステージ。
やったことのある人はどの時の曲か解ると思いますが、これが筆者のベスト曲です。
どの曲も神秘的でキレイな感じです。
なお音楽はドラクエシリーズの楽曲を担当したすぎやまこういちさんが携わっていたとか。
ドラクエのテイストに慣れ親しんでいる方はプレイしてみると、いずれの曲にも新鮮味が感じられるはず。
中にはギャグテイストかつヘンテコな曲もあって、ついクスリと笑ってしまうことも。
それにしてもファミコン・スーファミなどのレトロゲー曲は、口ずさみやすいものが多いように感じられます。
今の様に音の数も多くなかったからでしょうか。
皮肉なもので最近のゲームよりも耳に残る曲ばかりな気がします。
システム・内容 ★★★★
章ごとにMAP配置された2Dステージを攻略し、最終ステージのボスを倒すことで次の章へと進んでいきます。
そこはマリオやがんばれゴエモンなど、当時のスーファミアクションゲームによく見られる造りなので物珍しくはありません。
それぞれのステージにはそこを縄張りとする敵生物(友好的な生物も)が居ますが、中にはこれらと一切戦わなくても通過するだけでクリア扱いになる場所も少なからず。
また大半のステージはせまく短めで、そのほとんどが右一直線に進むだけの単調な造りです。
使いまわしの場所が多いのも気になるところですが、この時代のゲームではそれも仕方なし(今のゲームでもある話)。
そんなことが気にならないほど優れているのが、このゲームの肝である進化システム。
生物の肉を食べれば回復を兼ねて進化ポイントを入手。
このポイントはロープレでいうところの装備を買うお金のようなもので、メニューを開くとポイントに応じたパーツを選択でき、ゲーム中はいつでも進化と退化が出来ます。
もっとも章ごとにガイアから時代にそった形態に強制的に変化させられるため(それも3章までで、以降は爬虫類・鳥類・哺乳類のいずれかの形態で進めます)パーツ内容こそ変化しますが、アゴや頭といった部位ごとに多くの形態が用意されています。
そして進化はプレイヤーの見た目やステータス、操作性を変えるだけではなく、一部の隠し要素にも関わっています。
初見時はこのシステムが斬新かつ楽しくて仕方ありませんでした。
この特異なシステムの存在があったからこそ、46億年物語を名作としてレビューすることが出来たワケです。
パーツの組み合わせによって実物に忠実な生物を作ったり、オリジナルの生物すら作れるのがとにかくアツい。
しかし…。
結局は
進化ポイント数が多いものほど基本強くなる。
したがって攻略上の自由度はさほど無い。
あげくステータスのみ高い生物に進化させようとすれば、大体は凶悪な見た目へと変化する。
例えばアンキロサウルスの背びれ・トリケラトプスの頭・ティラノサウルスのアゴを持った合成魔獣が誕生するなんてこともザラにある。
また退化(進化ポイントの低いパーツへ戻すだけ)も可能としたが、これは好みの問題で一旦強く進化させても「やっぱりアロサウルスや始祖鳥の姿っぽいまま進めたい!」など、よほどのこだわりが無ければおススメはしかねる。
もしそういうこだわりがあるなら実在した生物のパーツだけを使用して進むのも良いが、もはや縛りプレイの領域。
一度クリアした後なら難易度もそこそこ上がって面白いかもしれない。
もてはやしたばかりの進化システムを否定するようで心苦しいが、手早く攻略したいならサッサと進化ポイントを貯めて、高ポイントの進化パーツを選び、ゴテゴテの合成魔獣を作って進んだ方が良いということになる。
オリジナルにするか、実在のにするか
現在の姿をメニュー上の「進化のきろく」へと登録することで、自分だけの図鑑の様なものを作れるのも何気にアツい要素。
実在する生物のパーツをベースに、再現度を高くして本物の図鑑っぽくするか。
それとも自分だけの合成魔獣を登録して怪獣図鑑を作るか。
そんなちょっとしたコレクション欲を満たす楽しみ方もある。
筆者はそこまでしなかったが、道中に手に入る赤クリスタルで進化出来るレア生物だけは登録しておいた。
また進化のきろくは緑クリスタルという不思議アイテムを使うことにより、別な使い道も作り出せるのだが…。
謎アイテム・クリスタル
先ほどの赤クリスタルのほかに、緑・青の2種類、つまり計3種のクリスタルが数量限定で幾度か手に入る。
とりあえずそれぞれの効果や所感を以下に記載。
- 緑→進化のきろくに登録した姿へと一定時間(体感1分?)変身出来る。1つのみストック可能で使うと無くなる。つまり次の緑クリスタルを手に入れるためには、手持ちのものをどうしても消費する必要がある
- 赤→特殊な生物に一定時間変身出来る。マンモスなど実在の生物の姿以外にドラゴン・デビルのような架空の生物の姿にもなれる。残念なのはこれらの生物のパーツが存在しないことと、変身したところであまり出番がないこと
- 青→進化ポイント入手。進化ポイントが足りない時などに入手出来るのがベストだが、充分強くなったあとの章の後半あたりでは、手に入れてもありがたみが薄い
赤クリスタルに関してはどの形態の進化項目にも存在しない姿になるため、変身したら時間切れにならないうちにとっとと進化のきろくへと書き込んでおくのは必須。
なおクリスタルはストーリーとも大きな関わりを持つ重要なアイテム。
こんな場ちがいアイテムがなぜ原始の世界に存在するのかは、道中、唐突に上空から聞こえるヒソヒソ声がヒントになるなど、進めると徐々に明らかになるため「結局アレって何だったんだろう」ということにならずなのは一安心出来る。
緑クリスタルの存在意義
緑クリスタルは赤クリスタルで変身出来る特殊な生物を再度見る以外に、ほとんど使うことがなかったのが筆者のパターン。
大体からしてこの緑クリスタル。
数量限定のクセに、特に使用するべき場面があまりないというのがある意味で死にアイテム。
筆者の場合、以前に入手したクリスタルをストック状態のままにし存在すら忘れていることが多かったため、次のクリスタルを発見したら苦しまぎれに適当な姿へと変化。
一定時間ステージを適当にうろついて元に戻った後、目の前のクリスタルを取るという大変無駄な行動をとっていた。
もっとも攻略する上でまったく使えないワケでもなく、ボスや強敵が出現するステージでこちらがあまり強い進化状態ではない場合など、前章などで進化のきろくへあらかじめ登録していた強い状態の生物に変身しこれらに挑むことは可能(唯一の有益な利用方法といって良い)。
しかしそこまでするほどの難易度ではなく、多くの場合緑クリスタルの出番は少なく、もっぱらこやしアイテムと化す。
それだったらそこそこの進化ポイント消費で、いつでも進化のきろく内の姿へ変身出来るシステムにしてくれた方が良かった。
赤クリスタル限定のドラゴンとかはデフォルメチックだろうと、モンスターっぽくカッコ良かったし、いつでもなれたら良いのにと今でも思っている(何気に能力も最強クラスだが、別にこれらの形態でなくともクリアは可能ではある)。
昼と夜では
登場生物はそれぞれの種類ごとに攻撃パターンを持っているんだけど、昼と夜とで行動がちがう生物も居るんだ。
夜だと眼を閉じて寝ているヤツらが居たり、2章のハチなどはこちらめがけて襲ってきたりもするぞ。
昼夜で生き物ごとの変化を確認するのも面白いかも知れないな。
隠し進化の覚え書き
本レビューの中で裏技的なネタバレを含んだ項となっています(どちらにしろ攻略サイト見れば一撃なんですが)。
必要ない場合は飛ばして頂ければと思います。
鳥類への進化方法
3章にて勇気の山のてっぺんから左に向かってジャンプするだけ。
成功すると落下途中でメッセージが流れ、鳥類の初期形態へと進化する。
これについては同章の巨大カエルからスティラコサウルスの子供を助けた後、親に会いに行くと進化のヒントが教えてもらえる(ここで書いてしまったので意味はないが、ひょっとするとこのヒントを聞かないと鳥類には進化出来ないかも⦅未検証だがイベントスイッチになっている可能性あり⦆)。
また同章では鳥類のみが行ける隠しステージも存在。
ステージ間を移動する明らかに怪しい雲が、ステージ上空にきた状態で決定ボタンを押すと雲へと昇っていく。
この雲ステージにはドラゴンとデビルの赤クリスタルのほか、9999もの進化ポイントが入手できる青クリスタルなどもある有益な場所。
また5章のステージ・コンドルのなわばりで上空へ飛んでいくとUFOと遭遇する。
UFOに攻撃を仕掛けると、ある選択肢が出てくるが、選び先によっては物語の核心に迫る重要なシーンを見ることが出来る。
人類への進化方法
まず四章のイベントで哺乳類になっておく。
その後アゴをネコに、胴体をウサギにすると今までに存在しなかった進化先が選べる。
進化を重ねていくと最終的に斧を持った人類へと進化する。
ただし以後はほかの進化(退化)が出来なくなってしまうのが最大のデメリット(体の大きさのみ変えられる)。
人魚への進化方法
五章の最後の海では進化項目が増え、選び続けると最終的に女性型の人魚へと進化出来る。
条件は哺乳類であることと、人類への進化途中であるラマピテクス型以降に進化していないこと。
攻撃時のサウンドは必聴。
総評 ★★★+
初見の方でも子供っぽいグラフィックさえ嫌わなければ、少なくとも第1章を終える頃には独特なゲーム性と世界観にハマる……はずと考えています。
少々自信が持てないのは、スーファミという大昔の機種につき、現在のゲームに慣れ過ぎた場合は流石に物足りないボリュームなのも否めないと思ったからです。
それを踏まえた上でですが、レトロアクションゲームというくくりでとらえた場合であれば、面白さはまちがいなく指折りです。
スカイリムなどオープンワールドなゲームも好んでいますが、レトロゲームフリークな筆者にとって、本作は今でもそれなりに楽しめる気がします(ソフトはすでに手元になく、遊んだのも一昔前なので、記憶を呼び覚ましつつ調べ物をしつつのレビューになります)。
タイトルを46億年物語としながら、スタート時は約5億年前の魚類時代からの始まりとなるため、実質、数億年物語なのはヤボなツッコミかもしれません。
名前からは考えられないくらいスタンダードなアクションなので、初心者でも進化さえ重ねれば余裕でクリア出来ます(魔界村などと比べると難易度には天と地ほどの差があります)。
また進化ポイントさえあれば、事実上いつでも全回復が出来るのも低難度へと拍車が掛かっています。
各ステージのボスも行動がワンパターンなので、慣れたらハメることも可能。
したがって攻略上詰まることなくサクサク進めるはずです。
数億年もの地球史がコンパクトにまとめられ、太古に起こったおおまかな出来事や流れを楽しみながら学ぶのにも良い教材となるでしょう(そういう意味では小さなお子さんにもおススメです)。
たとえば隕石衝突後に恐竜が絶滅し、長い氷河期が到来するというように、現実で起こったであろう天変地異もゲームを通じて簡易体験することが出来ます。
また時折ガイアがこちらへ会話をしてきたり、章切り替わりの際にはあらすじを語ってくれたりもするので、一人っきりの冒険という感覚がそれほど感じられないのも良点。
しかし後半怒涛のSF展開には賛否別れるかも知れません。
唐突に鳥人間や魚人間たちも敵として出てきますが、そういう展開に拒否反応が出る人も居るかと。
もっともこれらの敵が出てくるのは最早ゲーム後半なので、そこまでプレイ出来ていたら頑張って最後までやり切ってほしいとは思います。
エンディングはそれなりにすがすがしさを感じられますし。
何週もプレイ出来るかどうかはプレイヤーによりますが、スーファミ時代のアクションゲームが好きだった人や、面白いと思った人。
そういう人たちであれば少なくとも初回プレイは熱中出来るはず。
再度言いますが、そこまで長くないので暇つぶしに軽くプレイ出来るのも魅力の一つ。
ちなみに当レビュー作成時、記憶を補完するためソフトのことを再度調べていたんですが、なんでも元々はPCソフトのリメイクとか。
そちらはコマンドRPGのようで全くの別物。
かなり昔のPCソフトというのもあり、環境を整えるのに手間や費用が掛かるかも知れませんが、いつか忘れた頃にプレイしてみたいと思っています(でもこういうこと言う人って結局やらないんですよね)。
最後にいくつかプレイに関して大事なことを付け加えます。
当ゲームは2023年5月現在でもスーパーファミコン、もしくはROM互換性のある非公式機種でしか遊ぶ方法はありません。
これが実に惜しいことなんですが、現行の最新機種やSteamですらダウンロード配信など一切行われていないのが現状です(せっかくレビューを書いたのもあり多くの人に遊んでもらいたいところですが、大人の事情とか権利関係やらが難しいのかもしれません)。
またソフトもプレミア化していて中古ですら1万円以上するものもザラでした。
SFCでしか発売されていないマイナータイトルなので当然ですが、新品では数万円するものも。
かろうじて通販などではギリギリ1万円前後で転がっていることもあるので、入手出来ればラッキーでしょうが、本体を持っていない方はさらに本体代もプラスとなるため、中古でそろえたとしても中々痛い出費かと思います。
そういう筆者のソフトも昔知り合いに貸したっきり、そのまま戻ってこないんだよね…。
また遊びたくても、こんなに値段上がってっちゃあね。
ゲームの貸し借りあるあるというのか、切ない話だ。
資金に余裕があれば、また買いなおすこともあるかもしれないな。
それと46億年物語はROMソフトにつき、せっかく購入してもセーブするための内臓リチウム電池の残量がとっくに切れている場合もあるかと思います。
つまり電池切れであればゲームデータを保存できないということ。
本体やソフトを購入する際にはそっちの方がむしろ留意するべき点かと。
こういう短めのアクションゲームならばともかく、日にちを分けてやるようなロープレなら完全終了です。
とにもかくにも昔のセーブ機能付きROMソフトとは、残念ながらそういうものだったんですね。
かつては各メーカーで有償交換をうけおっていたようですが、今だとこういうレトロゲームの受付はほぼ終了しているようでした。
よってこうした中古のファミコン・スーファミソフトは購入前の段階でセーブ機能は活きているか、電池交換済みかなどを販売ショップや出品者に確認しましょう(筆者なら相手に少々ウザがられようが問い合わせます)。
とは言ってもDIY上等な時代なので、ネットで調べて自力で電池交換する方も少なくないかも知れません。
特殊ドライバー・タブ付きボタン電池・はんだごて・はんだなどが必要ですが、これらは通販などで一通りそろえられます。中には100円ショップで部材を取りそろえる強者もいるようです。
そういう意味ではまったく、良い時代です。
ただし「自分では無理!」という方も相応に居るでしょうし、調べたところ電池交換を受け付けているショップや業者さんなども存在していることも確認しています。
ここでリンクは貼りませんが、ググってみると結構出てくるようです。
電池交換にかかる費用もソフト代・本体代と含め高くつく可能性がありますが、安全性と確実性をとるなら無難な選択でしょう(送料などもからんでくるため、こちらも問い合わせてそれらすべての費用を確定させてからが良いと思います)。
身もフタもないことを言うなら、セーブナシでぶっ通して1日でクリアすることも充分可能なボリュームです。
それだとあまり落ち着いてプレイ出来ないと思いますが、一応書いておきました。
後々、Switchやプレステなどの現機種でダウンロード版が出れば良いんですけどね。
流石にリメイクは出ないとは思いますが。
とにかく当レビューを見て、興味を持った方が無事ソフトや本体を手に入れて、楽しまれることを切に願うことにします。
了。
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