46億年物語 はるかなるエデンへレビュー(ネタバレ注意)

初めての方へ…概要・プレイをおすすめする人・クリア目安時間・プレイするメリットなど

プレイ環境・SFC(スーパーファミコン)

ジャンル・アクション

発売日・1992年12月21日

販売元・エニックス(発売元・ゲームプラン21 開発元・アルマニック)

以下、好む要素が多ければ多いほどプレイをおススメします。

レトロ・短編・2Dアクション・ティラノサウルス・トリケラトプスなどの有名な原始生物が登場・マンガっぽくデフォルメされたグラフィック・独特のキャラ強化システム

10時間くらいでクリア出来ると思うよ!

2Dアクションに慣れててサクサク進める人だったら、10時間もかからないんじゃないかな。

このゲームでは物語を通して原始時代を疑似体験できるのが良いな!

終始マンガのような見た目さえ嫌わなければだが、ゲームをきっかけに太古の生物や地球史にあらためて興味を持つことも良いと思うぞ!

ここからはネタバレ込みのレビューなので、初プレイの楽しみを損ないたくない方はここで閲覧をおやめください。

読んでもかまわないよって方はそのままスクロールしてお読みください。













序文

この謎タイトルのアクションゲームを知ったきっかけは当時の友人から。

友人がこのゲームを持って遊びに来た際にプレイを見て、そのオリジナリティあふれる内容に衝撃を受けました(その後、借りて2・3週ほどプレイ)。

難しそうなタイトルの割にとっつきやすい2Dアクションだったのも、魅力を感じた理由だったかも知れません。

なお発売元はエニックス、ご存じドラゴンクエストのメーカーですね。

このソフトが発売された当時はFFのスクウェアとはまだ別会社だったようです(後に合併した時は、互いに超大手ゲームメーカーだったのでたまげました)。

発売日は1992年12月21日、ちょうどクリスマス商戦の真っただ中だったもよう。しかも同月6日にはFF5が発売されたのもあり、そちらの攻略に没頭した人も多かったはず。

またこの頃はすでにスーファミ全盛期。同年にはドラクエ5・真女神転生・ロマンシングサガなど超メジャータイトルが発売されています。

これらに混じり発売した時期ゆえか、タイトルの存在はゲーマーにもあまり気付かれなかったのではと(当時のゲーム雑誌では告知こそされていたのでしょうが)。

実は面白いのに目立たなかった、そんな不遇なゲームが本作です。

スカイリムなどのリアルでオープンワールドな現在のゲームも好んでいますが、レトロゲーム好きでもある筆者にとってこのタイトルは今遊んでもそれなりに楽しめるはず。

とりわけ初見の方は子供っぽいグラフィックさえ嫌わなければですが、少なくとも第1章あたりを終える頃には独特なゲーム性と世界観にハマるでしょう。

スーファミというかなり昔の機種でのプレイとなりますが、レトロアクションゲームの中でも面白さはまちがいなく指折りです。

ストーリー ★★★-

実際の原始時代になぞらえながらも、難解な部分は何一つなく解りやすいストーリー。

特に恐竜時代はメイン章といって良いほどプレイにも熱が入りました。

始まりはまだ地球が海ばかりだった数億年前、一つの生命体がガイアという名の星の化身に導かれて生物進化の旅をするように。

プレイヤーはその一生命体となり、ストーリーを五章に分けた物語を体験します。

なおガイアの力でプレイヤーは魚の身体まですでに進化しており、そこからたった一人で弱肉強食の世界を生き延びていかなくてはなりません。

厳しい生態系の世界でほかの生物たちを捕食し強くなるにつれ、プレイヤーも魚類から両生類、爬虫類へとストーリーが進むごとにその姿を変えてゆきます。

さらに選択次第では鳥類や哺乳類、果ては人類へと進化することも。

多様な進化の果てにプレイヤーを待ち受ける最恐の生物、そして結末は…。

と、書けばなんとなく壮大に感じるんですが、登場キャラの見た目やセリフまわりは若干コミカル。

ただ、タイトルだけなら小難しそうな中身をイメージしてしまうので、今考えてみるとこういう砕けて楽しい感じがかえって受け入れやすかったです。

しかし弱肉強食がメインテーマなだけにシビアなシーンも少なからず存在していました。

後半の哺乳類時代途中までは登場生物も忠実で雰囲気も良かったんですが…。

後々語りますが、以降のストーリーは雰囲気に少々不満が。

もっともストーリーテラーのポジも担うガイアだけは、一部イベントを除いて終始シリアスを一貫しているブレない女性でした。

ある意味彼女だけがまともすぎてゲームの中でも浮いている気がしなくもありません。

それも彼女だけが美麗デザインなせいでもあるでしょうが。

弱肉強食の世界で生き延びたら…

ざっくりいうとヒロイン兼導き手のガイアに、なかば無理やり弱肉強食の世界に放り込まれ「私のために頑張って生き残ってね♥」なストーリー。

こうはいったものの彼女は道中プレイヤーを励ましたり、たびたび起こる生物の厳しい現実を共に悲しんでくれたりもする。

穏やかで慈愛に満ちた性格で、まさしくテンプレ通りの「女神」っぽくはある。

そもそもはガイアの父である「太陽」より「娘のパートナーになりたくば、弱肉強食の世界を生き抜いてこい!」というような婚前試練のようなミッションを与えられ、今回の旅が始まったと言っても過言ではない。

つまりプレイヤーは実質婿入りのため他の生物を倒して、せっせとお肉を食べて、進化して強くなっていきましょうということ。

太陽系を擬人化したような一族への加入を目的としているため、スケールこそ大きいがやることは暴力的でシンプルなのである。

弱肉強食の世界にも例外あり

本編の生物は一部を除いたほとんどが捕食対象。

中立的だろうが友好的だろうが、明らかに味方っぽいキャラでもその辺をうろついている生物にはほぼ全て攻撃可能。

手あたり次第に噛みついて良いのである。

弱肉強食とは本来そういうもので実に忠実。

ただしどんな生物でも無差別に食って良いというワケでもなく、友好的な生物を捕食するとガイアからもれなく罰を喰らうことも。

というより、お肉を喰った瞬間オーバーキルで即死する(-999のダメージを喰らうだけだが、システム上どう頑張っても999以上のHPにはならないため絶対に死ぬ)。

生き抜く為の捕食は止むなしだとしても、畜生がすぎるとこういう風にバチが当たるため、無益な争いはするなということ。

ゲームを通して教訓を一個学べた気がしたのは、さすがに言い過ぎだろうか。

ガイア「あーーーーーーーーーーっ!!!なんて事を!!!!!」

ちなみにこれが該当する生物のお肉を食べた際の、ガイアのドン引きセリフ(悲し気なBGMも同時に流れた記憶がある)。

お肉を食べるとこちらが即死、もしくはダメージを喰らう生物は本編中数体しか出てこなかったはずだが、もし皆さんがこのゲームをやる機会があったら、ぜひとも友好生物を捕食して上記セリフ共々、ご自分の目でシーンを確認して頂きたい(デメリットは通常のゲームオーバーになるだけ)。

インパクト強めなので。

急激なSF展開

四章途中まではキャラも雰囲気も文句なし。

子供っぽくデフォルメされていても、かつて実在した生物相手に戦い、交流を持つようなゲームは当時ほかにあっただろうか。

ただし四章後半からの展開は少々怪しくなり、やがて不満が。

その不満は唐突に剣をつかう鳥人たちが出てきた辺りから噴出。

まさか中世の武器を使い始めるとは。

しかも鳥人のボスは魔導士みたいなローブを着ていたし(球飛ばして攻撃してくる)。

さらに海底では銃をぶっ放してくる魚人が。

そして、緑色のグレイもう宇宙人と言っておかしくない見た目の恐竜人まで出現。

あげくラスボスは異常進化した巨大なアメーバ不定形生物というオチ。

何なら生物以外にも石壁の要塞、木材で組まれたエレベーター、あげくワープ出来る設備まで登場する。

恐竜時代までの良質な原始の世界観を返してくれ。

テイストはもうSF(スペースファンタジー)。

原始的な生物がひしめく世界観が一気にカオスとなり、初回プレイ時は残念なことにプレイ熱が一気に冷却。

もっともあり得ないほど巨大化した生物や、クリスタルなる不思議アイテムが序盤から出てきた辺りがすでに伏線だった(ここで展開に気付けるほど当時からカンは良くない)。

どうせだったらそんなSFっぽさを出さず、せめて生物だけでもちがった角度のものがほしかった。

ただし生物の巨大化については見た目が変わったワケではなく、ただ大きくなって脅威になっただけなのでコレについては認めたい。

と、いうよりもこの路線を貫いたら良かったのではとも思える。

結局登場しなかったがティラノサウルスたちもビビるような、より狂暴に進化した大恐竜なんかが出てきても違和感はない(巨大なサメやハチは居るにも関わらず)。

実在した生物をここまで多く出しているなら、ムリに人型に進化させるんじゃなくて、もっとこうワイルドな生物の方が似つかわしいんじゃないかと。

突き詰めるとモンハンの生物みたいになりそうだが、このゲームの場合それが本来の正解なように感じる。

剣とか銃とかの兵器ではなく、圧倒的な原始の力のみで立ちふさがってきたらアツいのにと思っていた。

なんならプレイ最初の頃、ラスボスはキングギドラみたいなのを想像していたのだ(アレ? そうなると結局SFみたいになるんじゃ…という矛盾を抱えていることにココで気付く)。

ちなみに恐竜人を宇宙人と言ってもおかしくないとしたが、実は「本物の宇宙人」もそれはそれでとしてしっかり登場する。

実は彼らが生物の異常進化を起こした張本人なのだが、敵ではなく友好的なキャラとして登場していた。

ストーリーを考えた段階で宇宙人の存在もおり込み済みなら、SF展開でも仕方ないと今は思っている。

むしろこれで正解だったかも知れない(結局どっちだよ)。

ラスボスが巨大アメーバあんなのでも納得せざるを得ない。

大人となった今では。

エデンって結局なに

ゲームのサブタイトルにも「はるかなるエデンへ」とあるように、五章仕立ての最終章タイトルは「エデンへ‥」となっている。

当初からゲームの最終目的は、弱肉強食の世界を生き抜いてガイアのパートナーとなった暁に、その謎な場所へとたどり着くことでもあった。

実際のEDでは度々ガイアが呼び出していたどこでもドア、もとい扉をくぐる描写をラストにスタッフロールとなる。

なおこの最後の扉だけ開いた中身が「?」のグラで表示されていて、くぐった先がガイアの待つエデンとやらかと今でも思っている。

そしてスタッフロール中のグラフィックは宇宙視点で描かれており、中心の地球(ガイア)とそれに寄り添うように小さな星がポツンとある絵が見られる(それ以外の2つの星は、それぞれ月と火星ではないかと思われる)。

上記の小星だがガイアの父に一族入りを認められ、エデン入り(星になった)したプレイヤーなのだろうか。

そしてやがては義父の周りを兄弟星たちが回っているあの中で、プレイヤーもガイアと一緒に仲良くグルグルするのか。

もっともエンディング後がどうなるのかはプレイヤーの想像にお任せ的な終わり方となっている。

つまりエデンっていうものが何かはっきりと解るシーンは出てこない。

大体からしてエデンとは旧約聖書でいうところのアダムとイブが暮らしていた楽園である。

ということは、無事試練を乗り越えたプレイヤーが「アダム」で、女性人格であるガイアを「イブ」と解釈してもアリだと考えている。

それを踏まえて筆者としては、スタッフロール明けにでも自然豊かな場所にガイアが居て、鳥や動物と戯れながらこちらに向かって微笑む構図のグラというか一枚絵。

挿入されていても悪くないと思ったし、そっちの方がエデンへたどり着いたっぽい。

ただの想像ですが。

そもそもガイアは地球そのもの。

でも崖の〇のポ〇ョに登場するグ〇ンマ〇マーレさながらに、人間サイズに実体化とか器用なことが出来るなら話は別となる。

そうなるとあくまで生物なプレイヤーキャラとも物質的にイチャイチャ出来そうではある。

それはそれで世界観ぶち壊しな上、俗っぽいがカップル的な意味ではガイアも幸せになれるかも知れない。

何気に複数エンドあり

あくまで結末は1つなのだが、ゲームの途中で迫られる選択肢次第では変わった結末を見られるものもあるな。

いずれも救われないことになるようだが。

どれも正式なエンディングじゃないしね。

プレイヤーの選択にそった場合、未来はどうなるかっていうIFシーンを少し見られるだけなんだな。

それぞれ3・4・5章のボス敵と戦う時に出る選択肢で、相手に同調するようなのを選ぶと見られるよ!

安心してほしいのはそのエンドを見たからって、ゲームが終わってしまうワケじゃなくて、直前MAPに戻されるだけなんだ。

もちろん何事もなかったかのように進められるよ(ゲームを楽しみ切るならわざと選んでみるのが良いかもね)。

グラフィック ★★★

ほとんどのキャラがコミカルドットな可愛いものになっています。

最強の恐竜と名高いボス敵のティラノサウルスですら、4・5等身程度でどことなく愛嬌があるといえなくもないデザイン。

一転、ほかのボスはコミカルさを残しつついずれも凶悪な顔つき。

二章のハチクイーンあたりは特にそう感じます。

いずれにしろ、ほど良い感じにデフォルメされたキャラデザのせいか、お堅いタイトルイメージからのギャップはなかなかでした。

ほか印象深かったのは、一章のボスを倒した時。

通常ほかの生物を倒すと残すのは骨付きのマンガ肉、でもコイツが残すのはカマボコ

しかも板付き。

加工品じゃねーか。

当時はそうツッコんだもんです。

余談ですがゲームイラストを描かれたのは漫画家の藤原カムイさんでした(ロトの紋章の方)。

パッケージに描かれたガイアのイラストを見て、ピンと来たので一応。

ステージの背景

舞台としては陸・海・空の3種類だが、当時のゲームらしい見た目のようだな。

まあステージのグラフィックに関しては、筆者も全然気にしてなかったようだよ。

デフォルメチックでも景色の奥行きがしっかり描かれているのは、少し良かったと思えたみたいだね。

あと、ところどころに配置されていて食べると体力回復する海藻とかナマコとか、トンボみたいなやつとか、そういうのを見付けるのも楽しかったみたい。

…ちなみに〇ンチも食べられるんだよね。

操作性 ★★★

スーファミの純正コントローラーでの話ですが、BがジャンプでYが攻撃というボタン配置で、いわば当時のスーマリワールドやロックマンX仕様。

ちなみにダッシュは十字キーをいずれかの方向へ素早く2回(陸上では左右のみ)ダッシュ中にAで体当たりが出来ます。

当時のボタン配置に慣れた方は難なく遊べるでしょう。

進化初期の段階で動きがやたらにトロいのは仕様で、強化にしたがい移動速度は当然速くなります(進化のさせ方にもよる)。

陸上生物進化後の強化次第ではジャンプ力も驚異的になり、ステージによっては数回前方へダッシュジャンプするだけで終了します。

また条件クリア後(後述します)鳥類になると永続飛行すら可能に。

難しい操作は必要なく、かつてのように陸上を歩くのがバカらしくなるほど快適です。

この様に進化次第では、素早く動けたり高速で空を飛べたりなど、操作を通して変化を実感できます。

くり返しになりますが、各章の最初の進化形態では動きが遅いことが大半なのでなおさらです。

ところで当初Xボタンに割り当てられた「食べる」の必要性が解らなかったのですが、隠し進化先の人類に進化してから初めて理解出来ました。

人類の形態に進化するとYボタンは武器での攻撃に変化するため、噛みつきが一切出来なくなるんです。

そのためXボタンの役割は人類の形態専用と思って良いでしょう。

ただし人類に進化する方法がヒントありとはいえ裏技に近い(こちらも後述します)。

進化方法に初見で気付けた人はスゴイと思います。

音楽・サウンド ★★★★

章初めに流れるガイアのセリフシーン・MAP画面時・海ステージ。

やったことのある人はどの時の曲か解ると思いますが、これが筆者のベスト曲です。

どの曲も神秘的でキレイな感じです。

なお音楽はドラクエシリーズの楽曲を担当したすぎやまこういちさんが携わっていたとか。

ドラクエのテイストに慣れ親しんでいる方はプレイしてみると、いずれの曲にも新鮮味が感じられるはず。

中にはギャグテイストかつヘンテコな曲もあって、ついクスリと笑ってしまうことも。

それにしてもファミコン・スーファミなどのレトロゲー曲は、口ずさみやすいものが多いように感じられます。

今の様に音の数も多くなかったからでしょうか。

皮肉なもので最近のゲームよりも耳に残る曲ばかりな気がします。

システム・内容 ★★★★

章ごとにMAPへ配置されたそれぞれの2Dステージを攻略し、最終ステージのボスを倒すことで次の章へと進んでいきます。

そこはマリオやがんばれゴエモンなど、当時のスーファミアクションゲームによく見られる造りなので物珍しくはありません。

それぞれのステージにはそこを縄張りとする敵生物(友好的な生物も)が居ますが、中にはこれらと一切戦わなくても通過するだけでクリア扱いになる場所も少なからず。

また大半のステージはせまく短めで、あげくそのほとんどが右一直線に進むだけの単調な造りです。

使いまわしの場所が多いのも気になるところですが、この時代のゲームではそれも仕方なし(今のゲームでもある話ですし)。

そんなことが気にならないほど優れているのが、このゲームの肝である進化システム。

生物の肉を食べれば回復を兼ねて進化ポイントを入手。

このポイントはロープレでいうところの装備を買うお金のようなもので、メニューを開くとポイントに応じたパーツを選択でき、ゲーム中はいつでも進化と退化が出来ます。

もっとも章ごとにガイアから時代にそった形態に強制的に変化させられるため(それも3章までで、以降は爬虫類・鳥類・哺乳類のいずれかの形態で進めます)パーツ内容こそ変化しますが、アゴや頭といった部位ごとに多くの形態が用意されています。

そして進化はプレイヤーの見た目やステータス、操作性を変えるだけではなく、一部の隠し要素にも関わっています。

初見時はこのシステムが斬新かつ楽しくて仕方ありませんでした。

この特異なシステムの存在があったからこそ、46億年物語を名作としてレビューすることが出来たワケです。

パーツの組み合わせによって実物に忠実な生物を作ったり、オリジナルの生物すら作れるのがとにかくアツい。

しかし…。

結局は

進化ポイント数が多いものほど基本強くなる。

したがって攻略上の自由度はさほど無い。

あげくステータスのみ高い生物に進化させようとすれば、大体は凶悪な見た目へと変化する。

例えばアンキロサウルスの背びれ・トリケラトプスの頭・ティラノサウルスのアゴを持った合成魔獣が誕生するなんてこともザラにある。

また退化(進化ポイントの低いパーツへ戻すだけ)も可能としたが、これは好みの問題で一旦強く進化させても「やっぱりアロサウルスや始祖鳥の姿っぽいまま進めたい!」など、よほどのこだわりが無ければおススメはしかねる。

もしそういうこだわりがあるなら実在した生物のパーツだけを使用して進むのも良いが、もはや縛りプレイの領域。

一度クリアした後なら難易度もそこそこ上がって面白いかもしれない。

もてはやしたばかりの進化システムを否定するようで心苦しいが、手早く攻略したいならサッサと進化ポイントを貯めて、高ポイントの進化パーツを選び、ゴテゴテの合成魔獣を作って進んだ方が良いということになる。

オリジナルにするか、実在のにするか

現在の姿をメニュー上の「進化のきろく」へと登録することで、自分だけの図鑑の様なものを作れるのも何気にアツい要素。

実在する生物のパーツをベースに、再現度を高くして本物の図鑑っぽくするか。

それとも自分だけの合成魔獣を登録して怪獣図鑑を作るか。

そんなちょっとしたコレクション欲を満たす楽しみ方もある。

筆者はそこまでしなかったが、道中に手に入る赤クリスタルで進化出来るレア生物だけは登録しておいた。

また進化のきろくは緑クリスタルという不思議アイテムを使うことにより、別な使い道も作り出せるのだが…。

謎アイテム・クリスタル

先ほどの赤クリスタルのほかに、緑・青の2種類、つまり計3種のクリスタルが数量限定で幾度か手に入る。

とりあえずそれぞれの効果や所感を以下に記載。

  • →進化のきろくに登録した姿へと一定時間(体感1分?)変身出来る。1つのみストック可能で使うと無くなる。つまり次の緑クリスタルを手に入れるためには、手持ちのものをどうしても消費する必要がある
  • →特殊な生物に一定時間変身出来る。マンモスなど実在の生物の姿以外にドラゴン・デビルのような架空の生物の姿にもなれる。残念なのはこれらの生物のパーツが存在しないことと、変身したところであまり出番がないこと
  • →進化ポイント入手。進化ポイントが足りない時などに入手出来るのがベストだが、充分強くなったあとの章の後半あたりでは、手に入れてもありがたみが薄い

赤クリスタルに関してはおさらいとなるが、一定時間経つと元の姿に戻ってしまうのと、どの形態の進化項目にも存在しない姿になるため、変身したら時間切れにならないうちにとっとと進化のきろくへと書き込んでおくのは必須。

ちなみにクリスタルはストーリーとも大きく関わっている重要なアイテム。

こんなSF的アイテムがなぜ存在するのかも、道中で唐突に上空から聞こえるヒソヒソ声の内容を参考にしたり、ゲームを進めると徐々に明らかになっていったりするので「結局アレって何だったんだろう」という説明不足な感じにならなかったのは一安心である。

緑クリスタルの存在意義

緑クリスタルは赤クリスタルで変身出来る特殊な生物を再度見る以外に、ほとんど使うことがなかったのが筆者のパターン。

大体からしてこの緑クリスタル。

数量限定のクセに、特に使用するべき場面があまりないというのがある意味で死にアイテム。

筆者の場合、以前に入手したクリスタルをストック状態のままにし存在すら忘れていることが多かったため、次のクリスタルを発見したら苦しまぎれに適当な姿へと変化。

一定時間ステージを適当にうろついて元に戻った後、目の前のクリスタルを取るという大変無駄な行動をとっていた。

もっとも攻略する上でまったく使えないワケでもなく、ボスや強敵が出現するステージでこちらがあまり強い進化状態ではない場合など、前章などで進化のきろくへあらかじめ登録していた強い状態の生物に変身しこれらに挑むことは可能(唯一の有益な利用方法といって良い)。

しかしそこまでするほどの難易度ではなく、多くの場合緑クリスタルの出番は少なく、もっぱらこやしアイテムと化す。

それだったらそこそこの進化ポイント消費で、いつでも進化のきろく内の姿へ変身出来るシステムにしてくれた方が良かった。

赤クリスタル限定のドラゴンとかはデフォルメチックだろうと、モンスターっぽくカッコ良かったし、いつでもなれたら良いのにと今でも思っている(何気に能力も最強クラスだが、別にこれらの形態でなくともクリアは可能ではある)。

昼と夜では

登場生物はそれぞれの種類ごとに攻撃パターンを持っているんだけど、昼と夜とで行動がちがう生物も居るんだ。

夜だと眼を閉じて寝ているヤツらが居たり、2章のハチなどはこちらめがけて襲ってきたりもするぞ。

昼夜で生き物ごとの変化を確認するのも面白いかも知れないな。

隠し進化の覚え書き

本レビューの中で裏技的なネタバレを含んだ項となっています(どちらにしろ攻略サイト見れば一撃なんですが)。

必要ない場合は飛ばして頂ければと思います。

鳥類への進化方法

3章にて勇気の山のてっぺんから左に向かってジャンプするだけ。

成功すると落下途中でメッセージが流れ、鳥類の初期形態へと進化する。

これについては同章の巨大カエルからスティラコサウルスの子供を助けた後、親に会いに行くと進化のヒントが教えてもらえる(ここで書いてしまったので意味はないが、ひょっとするとこのヒントを聞かないと鳥類には進化出来ないかも⦅未検証だがイベントスイッチになっている可能性あり⦆)。

また同章では鳥類のみが行ける隠しステージも存在。

ステージ間を移動する明らかに怪しい雲が、ステージ上空にきた状態で決定ボタンを押すと雲へと昇っていく。

この雲ステージにはドラゴンとデビルの赤クリスタルのほか、9999もの進化ポイントが入手できる青クリスタルなどもある有益な場所。

また5章のステージ・コンドルのなわばりで上空へ飛んでいくとUFOと遭遇する。

このUFOへ攻撃を仕掛けたあとにある選択肢が出てくるが、選び先によっては物語の核心に迫るイベントを見ることが出来る。

人類への進化方法

まず四章のイベントで哺乳類になっておく。

その後アゴをネコに、胴体をウサギにすると今までに存在しなかった進化先が選べる。

進化を重ねていくと最終的に斧を持った人類へと進化する。

ただし以後はほかの進化(退化)が出来なくなってしまうのが最大のデメリット(体の大きさのみ変えられる)。

人魚への進化方法

五章の最後の海では進化項目が増え、選び続けると最終的に女性型の人魚へと進化出来る。

条件は哺乳類であることと、人類への進化途中であるラマピテクス型以降に進化していないこと。

攻撃時のサウンドは必聴。

総評 ★★★+

タイトルを46億年物語としながら、スタート時は約5億年前の魚類時代からの始まりとなるため、実質、数億年物語なのはヤボなツッコミかもしれません。

名前からは考えられないくらいスタンダードなアクションで、初心者でも進化さえ重ねれば余裕でクリア出来ます(魔界村などと比べると難易度には天と地ほどの差があります)。

また進化ポイントさえあれば、事実上いつでも全回復が出来るのも低難度へと拍車が掛かっています。

各ステージのボスも行動がワンパターンなので、慣れたらハメることも可能。

したがって攻略上詰まることなくサクサク進めるはず。

一方ストーリーは数億年もの地球史がコンパクトにまとめられ、太古に起こったおおまかな出来事や流れを楽しみながら学ぶのには良い教材となるでしょう(そういう意味では小さなお子さんにもおススメです)。

たとえば隕石衝突後に恐竜が絶滅し、長い氷河期が到来するというように、現実で起こったであろう天変地異もゲームを通じて簡易体験することが出来ます。

また時折ガイアがこちらへ会話をしてきたり、章切り替わりの際にはあらすじを語ってくれたりもするので、一人っきりの冒険という感覚がそれほど感じられないのも良点。

しかし後半怒涛のSF展開には賛否別れるかも知れません。

唐突に鳥人間や魚人間たちも敵として出てきますが、そういう展開に拒否反応が出る人も居るかと。

もっともこれらの敵が出てくるのは最早ゲーム後半なので、そこまでプレイ出来ていたら頑張って最後までやり切ってほしいとは思います。

エンディングはそれなりにすがすがしさを感じられますし。

何週もプレイ出来るかどうかはプレイヤーによりますが、スーファミ時代のアクションゲームが好きだった人や、面白いと思った人。

そういう人たちであれば少なくとも初回プレイは熱中出来るはず。

再度言いますが、そこまで長くないので暇つぶしに軽くプレイ出来るのも魅力の一つ。

ちなみに当レビュー作成時、記憶を補完するためソフトのことを再度調べていたんですが、なんでも元々はPCソフトのリメイクとか。

そちらはコマンドRPGのようで全くの別物。

かなり昔のPCソフトというのもあり、環境を整えるのに手間や費用が掛かるかも知れませんが、いつか忘れた頃にプレイしてみたいと思っています(でもこういうこと言う人って結局やらないんですよね)。

最後にいくつかプレイに関して大事なことを付け加えます。

当ゲームは2023年5月現在でもスーパーファミコン、もしくはROM互換性のある非公式機種でしか遊ぶ方法はありません。

これが実に惜しいことなんですが、現行の最新機種やSteamですらダウンロード配信など一切行われていないのが現状です(せっかくレビューを書いたのもあり多くの人に遊んでもらいたいところですが、大人の事情とか権利関係やらが難しいのかもしれません)。

またソフトもプレミア化していて中古ですら1万円以上するものもザラでした。

SFCでしか発売されていないマイナータイトルなので当然ですが、新品では数万円するものも。

かろうじて通販などではギリギリ1万円前後で転がっていることもあるので、入手出来ればラッキーでしょうが、本体を持っていない方はさらに本体代もプラスとなるため、中古でそろえたとしても中々痛い出費かと思います。

そういう筆者のソフトも昔知り合いに貸したっきり、そのまま戻ってこないんだよね…。

また遊びたくても、こんなに値段上がってっちゃあね。

ゲームの貸し借りあるあるというのか、切ない話だ。

資金に余裕があれば、また買いなおすこともあるかもしれないな。

それと46億年物語はROMソフトにつき、せっかく購入してもセーブするための内臓リチウム電池の残量がとっくに切れている場合もあるかと思います。

つまり電池切れであればゲームデータを保存できないということ。

本体やソフトを購入する際にはそっちの方がむしろ留意するべき点かと。

こういう短めのアクションゲームならばともかく、日にちを分けてやるようなロープレなら完全終了です。

とにもかくにも昔のセーブ機能付きROMソフトとは、残念ながらそういうものだったんですね。

かつては各メーカーで有償交換をうけおっていたようですが、今だとこういうレトロゲームの受付はほぼ終了しているようでした。

よってこうした中古のファミコン・スーファミソフトは購入前の段階でセーブ機能は活きているか、電池交換済みかなどを販売ショップや出品者に確認しましょう(筆者なら相手に少々ウザがられようが問い合わせます)。

とは言ってもDIY上等な時代なので、ネットで調べて自力で電池交換する方も少なくないかも知れません。

特殊ドライバー・タブ付きボタン電池・はんだごて・はんだなどが必要ですが、これらは通販などで一通りそろえられます。中には100円ショップで部材を取りそろえる強者もいるようです。

そういう意味ではまったく、良い時代です。

ただし「自分では無理!」という方も相応に居るでしょうし、調べたところ電池交換を受け付けているショップや業者さんなども存在していることも確認しています。

ここでリンクは貼りませんが、ググってみると結構出てくるようです。

電池交換にかかる費用もソフト代・本体代と含め高くつく可能性がありますが、安全性と確実性をとるなら無難な選択でしょう(送料などもからんでくるため、こちらも問い合わせてそれらすべての費用を確定させてからが良いと思います)。

身もフタもないことを言うなら、セーブナシでぶっ通して1日でクリアすることも充分可能なボリュームです。

それだとあまり落ち着いてプレイ出来ないと思いますが、一応書いておきました。

後々、Switchやプレステなどの現機種でダウンロード版が出れば良いんですけどね。

流石にリメイクは出ないとは思いますが。

とにかく当レビューを見て、興味を持った方が無事ソフトや本体を手に入れて、楽しまれることを切に願うことにします。

了。

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