あつかいがムズい言葉「イデオロギー」とは?

テレビゲーム中か、コチョン殿。

ごめん! 今いいところだから話しかけないで!

す、すまん……。

数分後……。

よっし! クリア!

ようやくエンディングだ。

長かったな……。

終わったか?

なになに……「勇者は苦難の旅のすえ魔王を倒し、世界は平和を取り戻した。しかし、のちの世にはまた次なる魔王が現れるかも知れない。勇者と仲間たちの戦いはまだ始まったばかりなのだ」か。

ゲームの世界とやらも、悪党が次々と現れてなかなか大変なのだな。

どっかで見たような、テンプレどおりのダサいメッセージだけどね!

勇者と仲間たちが苦労のすえに魔王を倒す、んで、次の強敵が現れそうな雰囲気をにおわせるってのは、ロープレ界の一種のイデオロギーみたいなもんだと思うけどさ。

ん? いで……おろ……何だって?

イデオロギー?

そうそれ(コオロギとかの仲間か……? ふむ、過去に記事でバッタに触れたものがあったが、今回まったく関係なさそうだな)。

今、別なこと考えたでしょ。

多分思っていることと全然ちがうからね。

根本的な物の考え方っていって良いのかな。

ニュースとかテレビの討論会でコメンテーターの人から「経済イデオロギーが……」みたいな言葉聞くことない?

「イデオロギー? エネルギーの種類ら?」って筆者は思ってたらしいけど、言葉の意味自体はそんなに難しくないんだ。

難しいとしたら、やっぱり使い方かな。

使い方とまではいかなくても意味だけでも覚えとくと良いね。

使用するのは難しい

一般的には人の行動を左右する政治的・経済的・宗教的・道徳的思想、あるいはものの考え方の体系など。




一言で覚えるなら「思想・信念」。




また辞書・事典の一部において「観念形態」と書かれていることも多かった。

イデオロギー

①現実生活に基づいて形づくられる考え方。観念形態。

②ものの考え方。

引用元:角川書店 角川実用辞典 昭和五十二年発行(初版) 47ページより

イデオロギー

「観念形態」または「意識形態」と訳されるが、今日では原語そのものが日本語化している。

引用元:小学館 万有百科大事典11 政治社会 昭和54年発行(2版) 26ページ内イデオロギーより一部抜粋

実際には政治・経済・宗教・道徳・哲学、さらには人の生活にまでおよぶ幅広い分野で使用される言葉でもある。




意味は理解出来ても使い方が難しい。




しかし一般生活でほぼ使用することはないだろうし(常用している人間を見たことがない)最低でも意味の理解のみに留めたい。

もう少しわかりやすく

でも観念形態と言われてはピンとこないな。

観念とは何かに対して持っている思いとかのことか?

そうです!

いきなりだけど、目玉焼きにはしょう油とソースどっちかける派?

言うまでもなくしょう油だな。

ソースは揚げ物にかけるものだと思っている。

次!

お茶とコーヒーならどっちが好き?

お茶だな。

コーヒーなどは飲んだことがない。

なにせ日本人だからな。

これはゆずれん。

キミが今言ってきた「なにせ日本人だから」と「ソースは揚げ物にかけるもの」ってのが観念ってやつだよ。

要するにキミの考え方のことね。

どういうことだ?

聞かれたことに気持ちをふくめて言っただけなんだが。

それで良いんだよ。

でもそれはカエデがそう考えているだけの固定観念(個人の考え方)ってやつで、イデオロギーとは意味がちがうんだ。

観念の中に理論的な根拠があってはじめて、その見方や考え方の枠組みを「イデオロギー」って呼べるのさ。

人間の行動や判断にも影響をおよぼして、特定の目標や世の中を変えるための指針として機能することもあるんだ。

…ちょっと難しすぎるよね。

簡単にいうなら政治・経済に対しての考え方で学者さんや思想家なんて人たちが議論を重ねたり、提唱したりして出来た考え方だよ。

本当は道徳とか芸術とか宗教の分野にまでおよぶんだけど、キリがないからニュースとかで聞くような話に対してのイデオロギーの意味は政治的思想・経済的思想とかで覚えても良いよ。

ポイントとしてイデオロギーには「絶対正しい」答えがあるわけじゃなく、偏見(へんけん)もふくめて人それぞれちがうってところ。

文化だとか人種に性別、それに生まれ育った環境や国とかの影響を受けてさ。

さっきの食べ物の話くらいだとイデオロギーじゃなくてタダの個人の考え方だけど。

けどそれが人を納得させるだけの理由を持って浸透する、さらに人の行動にまで影響を持ちだしたら立派なイデオロギーだね。

成立させるのは容易ではないのだな。

確かに自分とはちがう考えの者が居たとしても不思議ではない。

私も人様に考え方の押し付けだけはしないようにはしているが。

そういう気持ちは大事だよ!

人それぞれで当然なんだからさ。

でもイデオロギーが対立してもめごとになることがあるんだ。

食べ物にたとえた話は生活感のあるものだったが、これが政治とか宗教の類だったら少しゾッとするな。

そういうのは国や民族などが大きく関わる話だろう?

下手をすれば争いごとになるんじゃないか。

実際に国同士の争いが起こっているんだよ。

旧ソ連とアメリカの冷戦が教科書にものっているイデオロギーの対立がまねいた出来事として有名だよ。

社会主義と資本主義っていうそれぞれちがう考えのぶつかり合いで起きてしまったことさ。

実際に武器を使用した戦争にはならなかったけど、お互いの国が軍力を強化してにらみあう状態が40年以上も続いたんだ。

カエデの言ってた考え方のちがいが争いごとに発展するっていう実例だよ。

イデオロギーって言葉は、一般的にはこういう政治思想がからんだ社会的な話題に使われることが多いね。

「イデオロギー闘争による冷戦」みたいにさ。

ほかにも経済・芸術・道徳・哲学の分野にまで使われる、良い意味で「幅広くカバー」できる言葉なんだ。

元はフランスの言葉

イデオロギーはフランスの言葉「イデオロジー(ideologie)」が由来なんだ。

「イデア」+「ロゴス」っていう単語の組み合わせで出来ているんだよ。

ちなみにイデアは観念、ロゴスは思想って意味ね。

ドイツの思想家「マルクス」と「エンゲルス」がイデオロギーの概念(考え方)を世の中に広めたっていわれているよ。

ちなみにドイツ語ではイデオロギーだからね。

もともとは2つの単語の組み合わせなのだな。

ドイツ語で伝わったということか。

そうだよ。

ちなみにマルクスとエンゲルスは一緒に資本論って経済学本を出したことでも有名な人たちだよ。

じつはこの2人って親友同士なんだって。

マルクスが死んじゃったあとにエンゲルスが意志をついで出版した本もあるんだよ。

それとちょっとここで一休み(むずかしい話ばかり続いたし)

さっきイデアって単語が出たからなんだけど、スーファミRPGで「イデアの日」ってのがあるのをしってる?

知る人ぞ知るゲームでキャラデザインも雰囲気も独特だから興味があったらやってみてほしいな!

筆者的にシナリオは「S級」だったらしいよ。

似たような言葉も

イデオローグなんて言葉もあるよ!

特定のイデオロギーを広めた人や、そのイデオロギーにこだわる人のことなんだけどね。

フランス皇帝だったナポレオンが、当時自分に批判的な学者たちを軽蔑(けいべつ)してそう呼んだことから由来しているんだって。

少々たとえ話をするが、忍びとは「世を忍んで特定の人物・組織からのお役目を請け負う特殊技能者の集団または個人」という定義をだれかが世の中に広め出した場合、言い出した人物がイデオローグとやらになるワケか。

ちゃんと人を納得させる理由がそろってて「忍者とはそういう存在だ!」ってカエデが提唱したとして、一定の人たちや学者さんたちがその主張を認めだしたらだね。

つまり忍びとはこういう存在って考え方をもっと理論的な根拠を元に納得できるようにして人々に根付かせた人だと思うよ(理論的にっていうところが難しいかもしれないけどね)。

良くも悪くもね。

イデオローグってのは自分の価値感以外は認めない人たちってことでもあるらしいんだ。

それ以外の考えを持つ人たちからは「空想家(くうそうか)」とか「扇動者(せんどうしゃ」って呼ばれちゃう可能性もあるし。

ちなみに扇動者っていうのは人々を言葉や行動で導くほか、特定の思想や主義へかたむかせようとする人間のことと思っておけばいいかな。

良い意味で使われる言葉でもないのだな。

ところでイデオローグと呼ばれる1つの条件として、言葉や活動で多くの人の共感を得たとするならはたしてどれくらいの人数からだろうな。

そこがあいまいなところとは思うが。

難しいところをつつくね。

もちろん1人や2人じゃないのは確かだけど、何人が共感したからって割り出すのは難しいよね。

賛同する人数がより増えて、否定する人たちからイデオローグって言われ始めたらそれが証明になると思うけどね。

しっくりくる規模としては、国家・民族単位だと思うけど。

もし人々全員に考え方を浸透させたなら、ホントの意味で独裁者のレベルだよ。

イデオロギーの使い方

ほとんど日常会話で使うことはないだろうけど……。

カエデ! 

ボクはもうカエデがこんなサイトで顔出し&存在アピールしている時点で忍者のイデオロギーに反していると思うよ!

忍者って忍んでなきゃダメだからすんなり人前に出てきたらダメだよね。

な、なんだ突然!

ぜんぜん忍んでないからね!

なんなら顔も性別もわかっちゃってるしね! アハハ!

……。

私、なにか悪いことでもしたか?

ごめんごめん!

そんな泣きそうな顔しないでよ!

だいぶムリヤリだけど、イデオロギーって言葉を差しさわりのない会話にはさめようと思ってさ!

……カエデ? ん、この紙なんだろう。

「今一度、己(おのれ)を見つめなおしてくる」 カエデ

やっちまった(一応探しにいってあげよ)。

そうそうイデオロギー関係の会話で注意しなければならないものがあるよ。

政治的なことで例をあげるなら「靖国神社の参拝(やすくにじんじゃのさんぱい)」とか「憲法改正(けんぽうかいせい)」に対しての考え方とかだね。

こういうのが関係する会話は社会や学校で普段過ごしていてその意見を言うべき場か状況以外でする話じゃないんだ。

だいたいこういう話は国会で政治家の人たちが話し合ったり、テレビで専門家の人たちが討論するような内容だから、そもそも一般生活でボクたちが話すようなことじゃないからね。

もう1つ!

ただ普段の言葉や会話じゃなくても自分の思想や信念があるなら、それはムリヤリ変えなくても良いしその考え方や気持ちは大切にしよう。

それと一番大事なところだけど、ほかの人に対する理解と尊重も大事だよ。

誰だって考え方をちがうって一方的に言われたら嫌な気持ちになるじゃない?

もっというならほかの人と自分の考え方とか信念のちがいを、話を通してお互いに学び合うことが重要なんだと思うよ。

そこはイデオロギーとか関係なく、どんな時でも考えや気持ちがちがう話をしなきゃならないときは相手の気持ちも尊重して話すようにしたいよね。

イデオロギーを使った言葉の例を、以下に3つほどあげておく。

  • 「この新聞記事は経済イデオロギーがかたよっている」

  • 「お互いにイデオロギーの押し付けにならないよう、尊重し合うべきだ」

  • 「政治イデオロギーの対立により争いにまで発展した」

自分で使わなくとも単語が飛び出す会話をどこかで聞いたなら、少なくとも言葉の意味さえ分かれば「なに話してるんだろう」とつまづくことはない。




なおイデオロギーを考え方という単語に置き換えるとよりわかりやすくなる。

まとめ

  • イデオロギーの意味は小難しく、観念形態・意識形態などの意味でも辞書に書かれているが「思想・信念」と覚えるとわかりやすい

  • 政治・宗教・経済・道徳などあらゆる分野で使われる言葉だが、一般的に見聞きするのは政治や経済の話題のとき

  • 元はフランスの言葉「イデオロジー」から。後にドイツ語としての「イデオロギー」が日本でも用いられるようになった

私はこのままで良いのだな?

確かにこう人前に出てきては忍び失格とは思っているが…。

すみません……(さがすのと説得するのに時間かかったな)。

サイトでのおしゃべりキャラって特性上仕方ないよね。

むしろカエデをくノ一ってキャラ設定にした筆者のせいだし。

……その話、読者どのたちには必要か?

やっぱりもう少し1人に……。

ごめんごめん!

イデオロギーを否定するってその人の人格否定にもなっちゃうから要注意だな…。

カエデー機嫌直してよ。

あ、そうだ何か食べに行こう! おごるからさ! ねっ?

……寿司。

お寿司ね! 

わかったわかった! えーと、回転寿司で良いよね?

回転しないやつがいい……。

……。

わかりました(ボク、当分は金欠だな)。

了。

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