いきなり内輪的な話だけど。
今回の話って食べ物雑学のカテゴリに入ってるよね?
どっちかっていうと生き物雑学だと思うけど……カテまちがってない?
食べ物として見た場合のアンコウの話だから、まちがっていないはずだ。
それに題目通りの「簡単鍋レシピ」を私が後から教えるから、結果、食べ物寄りの話になるしな。
ものぐさ(めんどくさがり)な者には、重宝するレシピの話だぞ。
そういう感じなのね(カエデも実はものぐさ思考なんじゃ……ってレシピがメインなら、もう雑学でもないね……)。
本格的に寒くなってきたから、鍋というのもうってつけだろう。
筆者どのにとっても好物なようで、鮮魚コーナーでアンコウを見掛けたら、反射的に購入することが多いらしい。
とりあえずこの後は、食用としてのアンコウ話に触れておくのが良いかもな。
では筆者どの、軽めに頼む。
見た目はアレでも美味
アンコウ・鮟鱇(あんこう)とは深海魚の一種。
のっぺりしたモンスタールックスで、一見して地球の生物には思えないほど。
しかしそのグロテスクさのワリに、食材としては非常に美味しい魚。
江戸時代ではすでに庶民の口にも入っていた魚で、冬の風物詩の1つとしても扱われていたという。
なお日本で食用に使われるアンコウは「キアンコウ『本あんこう』」と呼ばれる種類のものがほとんど。
ほかに食用となるアンコウには、クツアンコウという種類のものも居るが、キアンコウの方が美味しいといわれている。
キアンコウは日本海・太平洋どちらにも広く分布する魚で、イワシやイカなどをおもに捕食する。
生息海域が広いことから全国各地で獲れるため(南西諸島、琉球列島を除く)旬である冬期にはスーパーの鮮魚コーナーで見かけることも少なくない(商品名はたいがい⦅あんこう⦆とのみ表記される)。
余談だがアンコウの種類はおよそ300種を超え、まだ未知の新種もいるといわれている。
しかしキアンコウのような食用アンコウは、その中でもわずかな種のみ。
頭にランプを付けて獲物をおびき寄せるチョウチンアンコウも食用ではない。
キアンコウもクツアンコウもだいたい数十メートルから、100メートルくらいの浅いところに居るのが多いみたい。
深海魚って水深200メートル以深で過ごしている魚だから、こいつらを深海魚っていうのはちょっとちがうのかも。
一応、数百メートルって深さにも居ることはあるみたいだけどね。
キアンコウもクツアンコウも細かくは※異なる種類の様だな。
ただ、まったく浅いところのみで過ごすワケではないのだし、サラッと考えても深海魚という印象が強いのは確かだな。
※どちらもアンコウ目アンコウ科だが、キアンコウはキアンコウ属、クツアンコウはアンコウ属となっていて、分類上は別属の魚
ほとんどの部位が食べられる
食用のアンコウは捨てるところがない魚なんだ。
どういうこと?
骨やアゴなどの堅い部位以外はほぼ食べられるからだ。
身・皮・胃・肝・ひれ・卵巣・エラの可食部を指して、アンコウの七つ道具と呼ばれているんだ。
つまり食べられる部分が大半で捨てるところがないと、そういうことだ。
(七つ道具って怪盗とかスパイみたいだな)
レシピについて前置き
アンコウは唐揚げや肝あえにしても美味いが、この魚を腹一杯味わいきるには、やはり鍋だな。
これから載せるレシピだが、費用・手間・材料を最小限に「アンコウ鍋を自宅で安く手軽に、美味しく作る」という考えの元、出来たものだ。
めんどくさがりのためのレシピといってもいいぞ。
もし本格的なものが食べたい場合、ほかのレシピを頼った方が良いな。
今さらなんだけど、今日日YouTubeとかでレシピ見た方が早くない?
タイパ重視ってやつで。
もうそういうの見飽きただろう。
ここのも行程が多くないから、レシピ動画を見るのと大して変わらないはずだ(多分な)。
アナログもたまにはいいものだぞ。
(Webで見る時点でアナログでもないような……本とかだろ、ふつー)
ま、ボクは「アンコウ美味しい!」ってなれたら、なんでも良いや。
ほう。
じゃあ「え? こんだけ?」とか、けっして言うんじゃないぞ。
それどういう意味?
すぐに分かる。
アンコウは冬場のスーパーや魚屋で、わりと売られているから、手に入れるのはあまり難しくないだろう。
今回のレシピでは、切り身へと処理され、パック入りにされたものを使用しているぞ。
小サイズだが、1~2人前として考えるなら充分な量だな。
材料
- アンコウ(切り身にカット済み、必ず肝入のもの)
- 大根(食べたい分)
- 日本酒(適量)
- 味噌(適量)
- 水(適量)
え? こんだけ?(しかも適量って、ざっくりすぎ)
ほら言った!
材料も最小限だと先にふれただろう?
具材は大根だけでも充分だし、調理器具は土鍋とザル、アンコウの下処理用の鍋があれば充分だな。
さっさと作り方にいきたいが、行程を想像しやすいよう、自前の画像も順次のせているぞ。
作り方
さて、次に書いたものが、ざっとの調理行程だ。
1つ1つの行程も手短にいくぞ。
あまりくどくても仕方ないからな。
- 大根切る
- アンコウを湯引き
- 肝と日本酒を混ぜて土鍋で炒る(いる)
- 土鍋に水と大根を加え沸騰させる
- 沸騰後、身を投入して大根に火が通るまで煮る
- 味噌を投入して完成
その1。
大根を適当な大きさに切る。
どんな切り方でもいいぞ。
画像くらいの大きさなら火の通りも早い。
いちょう切りってやつだね。
その2。
鍋でアンコウの肝以外を湯引きする。
アンコウが浸るくらいの水を鍋で沸騰させたら、アンコウを投入する。
身の表面が白くなってきたら、ザルに取り出し、冷水でさっと洗い流して置いておく。
アンコウ投入時は熱湯が跳ねてヤケドしないように、そっとな。
なんで湯引きするの?
アンコウのヌメリや臭みを落とすためだ。
ホントにサッとでいいぞ。
煮えてしまえば、出汁が抜け出てしまうからな。
なるほどー、鍋に入れる前に抜けちゃったら意味ないもんね。
その3。
肝と日本酒少量を鍋に入れ、弱火にし、しゃもじや木べらなどで肝をすりつぶしながら酒と混ぜ合わせ、焦がさないようかき回し続ける。
このようにふつふつと沸騰し、肝から脂も出始めたら、水を入れて良い頃合いだ。
ここは鍋の美味さを左右するところだから、ほかに目をやらず、集中して行うことが肝心だ。
肝だけにな。
(うわっ、つまんねー)
あん肝はつぶしちゃうんだね。
理由は肝の旨味を鍋の汁や具材に行きわたらせるためだ。
濃厚な風味を持つ肝が、アンコウ鍋の主役のようなものだからな。
塊のままなら、ひと口ふた口で食べ終わってしまうからな、もったいないだろう。
確かにあん肝が塊のままだと、人数分で分けるのも大変だしね。
でもさ、身とか皮(プルプルしてやつ)からも、出汁ってけっこう出るんじゃないの?
他の部位は肝と比べると少々淡白な味わいだからな。
当初に作った時は、肝を溶かさずにやったこともあるんだが……。
ま、なんというか少々物足りない味だったんだ(あくまで主観だぞ)。
なるほど。
失敗から学んで、改良したってことね。
日本酒を使うのは、風味付けを兼ねている。
炒るのと煮るの行程で酒気も飛ばせるしな。
もし酒がダメなら、少量の水で炒っても問題ないぞ。
それなら子供も安心して食べられるね。
その4。
鍋に水、切った大根を入れて一緒に煮る。
沸騰し始めたら、ザルに放置していたあんこうを入れ、大根に火が通るくらいまで再び煮る。
中火くらいでいいぞ。
ちなみに中火は鍋の下に火が当たるくらいの火力だ。
けっこう灰汁(あく)出てるけど、取らなくて良いの?
取らん、ほおっておいてもそのうち納まるからな。
気になるなら、しゃもじで取り除いても良いぞ。
あまりやり過ぎると、旨味の元の脂まで余分にとってしまうからほどほどにな。
灰汁って苦みとかえぐみの元になるから、取りたければお好きにって感じかな。
その5。
味噌を適量投入して、すべて溶いたら完成だ。
味噌の量は目分量ってやつかな。
大さじ小さじとか使わないんだね(それに触れてる話も前にあったような)。
そういうのは今回使わん(ものぐさレシピだからな)。
だいたい舌塩梅が皆ちがうのだし、心配なら味見しつつ調節すれば良いだろう。
好みの濃さになったら、それが適量なのだ。
水と調味料の量は、アンコウの大きさによって増減するが、これも味見しながらやれば問題ないぞ(味付けを失敗するのは、たいがい味見を怠っているからな)。
鍋っていうより、魚を使った味噌汁って感じもするね。
彩りはないが、味は絶品だぞ!
肝から出た脂も、まんべんなく行き届いているからな。
ハフハフ、モグモグ! ズズズ……。
美味しい!!
あん肝の味が汁全体に広がってるし、大根にも味が染みてるね!
味噌との相性もばつぐんだな。
でも、堅い骨がたまにあるから、パクっとはなかなかいけないかも。
そんな目立つやつくらい、ティッシュにペッペしろ。
シャケとかタラにふくまれる細い骨よりは分かりやすいだろう。
比べれば、これほど食べやすい魚鍋もないぞ。
画像について
何か言いたげだな?
うん。
アンコウの身とか肝の画像とか、若干ぼかしてたなと思って(画質も相当下げてるし、まあ分かれば良いんだろうけど)。
筆者どのの判断により、読者どのたちに考慮してのことらしい。
肝も身も若干グロく見えるからな。
私にとってはさほどではないが、人によりけりだから一応、ということだ。
最高の〆メシ
あー美味しかった!
汁、少し残っちゃったけどね。
ふっふっふ。
残り汁で雑炊を作るとこれまた絶品なんだぞ!
なぬ? 雑炊とな?
作り方もすごく簡単だ。
余った汁を温め、白飯、卵を半熟になるまで混ぜて終わりだ。
おお、マジでシンプル。
雑炊にすると汁まで無駄なく楽しめるのがいいな!
ひと手間加えるなら、粉末のだしの素を小さじ一杯ほど混ぜ、画像のように、食べる直前に少々長ネギを刻み入れても良い。
筆者どのは美味さのあまり、毎回白目ひんむきそうになるようだ(冗談抜きでな)。
まとめ
①深海魚のアンコウは冬の……
あ、筆者どの。
今回はそういうまとめ方にせず、私にしゃべらせてほしい。
あ、分かりました、それじゃお願いします(数少ない出番が……)。
さて、今回は食用となるアンコウと、費用・材料・手間を極力けずったアンコウ鍋のレシピ話がメインだった。
再度言うが、冬期のスーパーや魚屋では、切り身に処理されたアンコウを時々見かけるから、入手はそこまで難しくない。
とはいえ、地域によっては珍しいこともある。
運良く見かけて、食べてみたいと思ったら、即座に購入するのが良いぞ(食材との出会いも、一期一会というやつだからな)。
まとめ段階で聞くこっちゃないけど、もし、あのモンスターまんまの状態で売られてたらどうすれば良いの?
「鍋用にカットしてもらえますか?」とでも店にいえば、たいがいは対応してくれるぞ。
自信があるなら自分で解体しても良いが、手間もかかる上、ある程度技術も必要だ(それこそYouTubeなどでさばき方を参考にするのも良いが……)。
だまってプロにお任せした方が良いってことね。
その方が楽だろう?
さばく手間がある時点で、もはや「簡単レシピ」ではないからな。
あと、大根を具に選んだのは、比較的安くどこでも手に入りやすいことが理由だ。
確かに年がら年中買えるしね。
さらに煮崩れせず、クセもない上に、味が染み込みやすい野菜でもあること。
と、まあこれらの理由もあったワケだな。
すげー!
簡単っていいつつ、そこまで考えられてたんだね!
(半分はとっさに考え付いたことなのだが、あながちまちがいではないしな)
アンコウが手に入ったら、ぜひ試してほしいところだな。
もちろん、好みの具材を足しても全然かまわないぞ。
定番野菜なら長ネギや、ジャガイモ(メークイン)などもおススメだな。
手軽に冬の味覚を堪能しようって感じだね!
ところでさ、今回の話でボクもアンコウ鍋について、Webで色々見てみたんだよね。
そんで、通販サイトとか売られてるアンコウ鍋セットを見たけど、すげー高いんだね。
数千円するのとかザラだったし。
上等で大きいアンコウが使われているからだろう。
スーパーで手に入るものより良い値段なのは当然だ。
本格的なアンコウ鍋をたっぷり食べたい時の選択肢としては有りだと思うが。
でもボクは今回のレシピのやつで充分だな。
あ、そうだ。
さっきの雑炊ってボクにも出来そうだから、作って食べてみようっと♪
ヤケドだけしないようになー。
少し経って……。
上手くいったか?
簡単だから、失敗のしようも無いと思うが。
うまままままままま……しびびびび……。
(美味しさのあまり、半気絶中)
あ、白目むいてる。
了。
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