ジルオール・インフィニットプラスレビュー(ネタバレ注意)

ネタバレがイヤな方は…

ここの読み物は筆者がプレイしたゲームのネタバレ多めのレビューだよ!

内容はそこまで知りたくないけど、ゲームにはちょっと興味があるって人は「この先ネタバレ注意!」までを読んで参考にしてね!

そこまでは基本的な情報とかおすすめしたい人とかに少しふれてるだけで、初プレイの楽しみを大事にしたいって人向けだから安心して見てね!

それ以降の文はネタバレ上等な人向けの内容になっているぞ。

プレイ済みであれば内容を思い出してまたやりたくなる、またはそういうのを見て大丈夫な人であれば大体の雰囲気をつかみ、ゲームを実際にやってみたくなる。

読んだ後にそう思わせることが出来れば幸いだな!

情報もろもろ

  • 発売日・2009年1月22日
  • 発売元・コーエー(現コーエーテクモゲームス)
  • ジャンル・RPG
  • プレイ環境・PSP(ダウンロード版)

プレイをおススメする人

次の内で好む要素が多いほどプレイをおススメします。

正統派RPG・フリーシナリオ・中世ファンタジー・登場種族が多彩・マルチエンディング(数十超)・しゃべらない主人公・育成自由度が高い

プレイ時間は30時間くらいだよっ。

速い人は20時間切っちゃうかも(初クリア時の筆者のタイムは39時間37分だから、けっこうゆったりめだね)。

ただエンディング数がすごく多いから周回が当たり前になるし、もしコンプするとなると相当時間がかかると思うよ。

っていっても2周目からはお金・一部のアイテム・ちょっとの成長要素も引き継げて楽になるし、この際1周目をチュートリアルって考えて、思うままにプレイするのがおススメだよっ!

自由な旅を!

このゲームは剣と魔法が存在する中世ヨーロッパのような世界観が特徴で、まるで戦記のような物語を楽しめるんだ。

重厚で進めるほどに悲壮感を増す物語は少々大人向けかもしれないがな。

ただし内容そのものは慣れ親しんだ正統派のRPGといえるし、キャラクター育成や探索なども相当に自由度が高いぞ。

登場キャラの魅力や1周目では選ばなかった方の物語の展開など、一度クリアしただけでは判明しない設定も多く、やり込みが好きな人にもとても満足できるものとなっているぞ。

そうそう、開始時には自分の分身となる主人公を作成する際に性別も変えられるんだが、冒険がはじまる場所や、一部のイベント・エンディングも男女ごとにちがいがあるんだ。

一方では登場しないキャラも存在するゆえ、こだわりがなければたまに性別を変えて遊ぶのもおススメだぞ。

この先ネタバレ注意!














序文

自由な旅を!




ジルオールというゲームを一言で表すにはもうこのセリフに限る。




ジルオールは元々初代PSにてコーエー(現コーエーテクモゲームス)より発売された正統派フリーシナリオRPGで、さらにPS2→PSPへと2度のリメイクを重ねたゲームでもあります。




そして今作PSP版はPS2のジルオール・インフィニットをベースに様々な追加要素を加えたもの。




PS版ジルオール発売からおよそ20年もの月日が流れていて、さしずめ完全版ジルオールといえるタイトル。




なお正式なタイトルは「Zill O’ll Infinite Plus」なのですが、都合上ローマ字よりカタカナのが入力し易いのと、長ったらしい表記をさけるため以後「プラス」と表記します。




筆者は初代ジルオールとインフィニット両方をプレイしており、一時期その世界観のトリコに。PS2版インフィニットのティザーサイトオープン時は公式サイトへ何度も訪問し、すでに幾度も見たページを無駄に何度も眺めるなどしながら発売を心待ちにしていました。




発売からは案の定ガッツリプレイに没頭しました。フリーシナリオが大きな特徴のロープレであり、周回プレイを前提としているため一度やったくらいでは飽き足りません。




さらにED数が非常に多いのも特色で今作ではなんと50を超えます。スターオーシャン2ndストーリー以外ではここまでED数が多いタイトルは当時にも思い当たりませんでした。




プレイ時間は初見で39時間ほど、以後は1周回あたり20時間強。もっともムダな寄り道をせず効率のみ重視するとタイムはぐっと短くなるでしょう。




初代・インフィニットから考えてもたいへん久しいプレイで、当時を懐かしみながら遊べたこと。イベントやキャラなどの追加によって新鮮味があり、新規の感覚で楽しめたと思っています。




ただし初代の方が良かったところ、こうしたらもっと良かったという面も見受けられ、リメイクのリメイクなのに色々惜しいタイトルでした。




それでも筆者にとって屈指の名作なのはまちがいなく。




これを読んでいる方がもし、渋めでストーリー重視の中世ファンタジーという局地的なRPGを求めているのであれば、ぜひおススメしたいタイトルです。




コメディタッチなシーンも少なからず含まれているので、シリアス一辺倒ではないのもギャップとして楽しめるでしょう。

ジルオールについては、ほかにも外伝的な作品が出ているのだな。

PS3のトリニティジルオールゼロだね!

ストーリーは本編の過去の話だけど、若い頃のネメアとかゼネテスも出てるやつだよね。

ジャンルがアクションRPGで主人公もオリジナルの人だから、ゲームとしては別物と思った方が良いのかな(筆者も未プレイみたいだし)。

ストーリー ★★★★+

過激な表現があったり内容も重厚だったりで結構大人向けかもしれません(コメディタッチなシーンも少なからずですが)。




そのためかCEROレーティングはB指定で12歳以上対象となっています。しかしセリフによるキャラの心理描写は素晴らしいの一言。




おおげさですが人生について、物事の見方について何かと考えさせられることもありました。




たとえば。




ついにソロでパッケージを飾った尻出し娘カルラの「転がされた」発言が飛び出す会話イベは、数あるセリフシーンの中でも、インパクトや悲壮感が強く印象に残りました。




必見イベ。

トラブル体質な主人公

主人公は特異な運命を背負っていて、行く先々で色んな事件(イベント)に巻き込まれる。




あげくほとんどの個別キャラに気に入られる&一目置かれる才能も持っていて、さすが無限のソウルの持ち主と言うべき。




進めるうちに悲壮感があふれる展開になり、ついには世界の危機を救うハメに。




まさにロープレ主人公の宿命。




後半の闇の島以降は一気に駆け足気味になり、強制イベ&バトルの連続でもうどこへも行けなくなってしまう。




「自由な旅を!」とは言ったものの結果そこへたどりつく。よってクライマックス付近からはクリアまで一直線というワケで。




ただこうした大筋の強制シナリオがあるにせよ、それまでのイベントの進め方は文字通り自由。ここいら辺はラスダンから一気にラスボスまで駆け足気味のロマサガのゲーム性にも似ている。


ロマサガのゲーム性にも似てるとしましたが、ほかにもラストから駆け足気味のゲームなんて数多くあるため、もっと近い感覚のゲームとして、スーファミの新桃太郎伝説をあげます。

こちらもラストよりの、とある地点から戻れなくなる共通点に加え、世界が一気にヤバい状態になることや、ただよう悲壮感や緊迫感の強さが、どことなくジルオールの最終局面と通じるものがあるかなと。

スーファミゆえ、かなりレトロゲームの領域であり、雰囲気も和風でジルオールとは世界観がまったく正反対ですが、ロープレ好きなら令和の今でもプレイして損はないボリュームと、さまざまな要素がこれでもかと詰まっている超良作です(素朴なドットグラですが、今となってはそれがかえってたまりません)。

注目すべきはストーリー(地獄の階層や鬼子母神の名など、仏教の影響をうけたらしき描写もあり)で、桃太郎電鉄やファミコン・PCエンジンの桃太郎伝説に見られたおふざけ・ほのぼの感はほとんどありません。

ほほえみの大地や村、ギャグキャラ、一部セリフなどにコメディタッチは残っていますが。なんならシリアス9割、ギャグ1割くらい。まさしく希望と絶望が入り混じった重厚シナリオを味わえます。

また桃太郎の敵役・カルラ(奇しくもジルオールの尻出し娘と名が同じ)は、ゲーム史において語り継がれても良いほどの「悪」です。ジルオールでのシャリや円卓騎士、伝道師たちがかすむほどの外道っぷりです。

張り合えるとしたら幻想水滸伝2の「ルカ・ブライト」クラスでしょう。

筆者はこんなド悪党が出てくる新桃太郎伝説を、今でも最高レベルのロープレの一つだと思っています。

もしリメイクしたら筆者もふくめシリーズファンは沸くでしょう(桃太郎電鉄プレイヤーも取り込めそうですし)。

ただし桃鉄・桃伝生みの親・さくまあきらさんのTwitterでのつぶやきを見るかぎり、ちょっと絶望的。

残念だけど仕方ないことですね。

以下Xより引用

別ゲーの話になってしまい失礼しました。

モテモテな主人公

仲間や友好的キャラのほとんどが主人公と関わることで、いつの間にか彼もしくは彼女に心を開くように。




ゲームの終わりには一定の親密度(ネモという気持ち悪いしゃべる猫から数値が確認できる)およびイベントなどでエンド条件を満たしたキャラとのエンディングも待っている。




男主なら女性キャラと、女主なら男性キャラと、はたまた同性同士でも。




ほとんどのキャラとただならぬ関係に。恋愛か友情テイストな感じでキャラの数だけ結末も豊富。




しかも男女で内容がちがったり、性別によってエンドが可・不可のキャラも居たりで、ものによっては思わずニヤニヤしてしまう激甘なエンドも。






なおキャラの親密度を上げるのは、恋愛シミュレーションなどと比べても非常に簡単。NPCなら毎日会話しに行ったり、仲間キャラならパーティーに入れてしばらく連れまわしてレベルアップを計ったりすれば上昇する。





ときメモのようにしばらくほったらかして不貞腐れられるような変なリアリティーさはない(イベント選択肢の選び方で下がることはある)。




ただしお目当てキャラとEDを迎えるためには、該当するサブイベントをこなすなどの条件付きで、中には時期限定などシビアなものも。



しかし複数キャラ同時にEDフラグが立てられるため、条件さえ満たせばそこらじゅうで主人公好き好きなキャラが続出する。ただしEDを迎えられるのは一部のEDを除いてたった一人である(1周目のEDは強制的に優先順位がもっとも高いキャラとのものになる)。

筆者さ、けっこう重要なこと書き忘れてるんだよね。

今作の追加要素で、キャラEDが2周目からは選択式になったってこと。

初代やインフィニットだと選べないんだったな。

大きな進歩というところか。

そうだよ。

要するに2周目のクリア時にED条件を満たす複数のキャラが居たら、その中から選べるようになったんだよね(1周目クリアの時は旧作までと同じで、優先順位が一番高いキャラの強制EDになるけど)。

この機能のおかげでゲームクリア時に「前周と同じヤツのエンドじゃーん!」ってならずに済むし、リメイク前をやったことある人からしても、今作で実装されたのはホントありがたいよね。

EDコンプも夢じゃなくなったってことだし、しかも一度でもクリアすると、タイトルメニューからすでに達成したキャラEDが何度でも見られるって機能付きさ!

てなワケで続きどうぞ。

ともあれお気に入りのキャラと物語の終わりを迎えることが出来るのもウリの1つ。




プラスではさらに仲間が追加され、ともなってEDも増えた。中でもラスボスの一角、エルファスの追加は予想出来ず。




イベントで心が通じ合う描写があっても、敵としてのポジション以外にはあり得ないと思っていたが…。




ついに愛に目覚めたようだ。




もっとも彼は根っからの「悪」ではなく、幼少の環境や出来事の被害者ともいえるので、今回明確な救いのルートがあって良かったと思っている。

※ただしエルファスを仲間にした場合、クライマックスのボスがエルファスであるにも関わらず、パーティにも彼がいるという謎現象が発生する(ことがある)らしい。フラグ重複によるものかわからないが筆者は未確認(事実だとしたらヘンテコな話)。




純粋悪はやはりシャリだろうか。ただ彼も「人の願い」から生まれた存在なので、完全な悪とするには立ち位置が少し微妙かもしれない。




今後さらなるリメイクの際には彼にも救いのルートがあれば良いかもしれない(一応彼のEDもあるが、セリフが中二病の末期なので、一度見て損はないほどの価値はある)。




ほかにはフレアの仲間加入可と加入後のイベント追加について。




彼女のパーティーINもそうだが、加入後のイベントも継続して起こす必要があり、完全攻略のシビアさは増した。




しかし加入後イベントではフレアにだんだんと人らしい感情が芽生えていく描写が見られ、なかなか心が温まるものになっているため、こちらも一見の価値あり。




が、彼女EDでのそこはかとないヤンデレ感は相変わらず(彼女にちょっとした狂気を感じたエンドでもある)。




ただし初代ではどうあがいても救われない存在だったので、エルファス同様リメイクで報われたことはいうまでもなく。




そしてもう1人の追加仲間・フェルム。




……スタッフ愛だろうか。




初代からのしがない脇役から、一気にバイプレーヤーまでのし上がった如く(彼女の設定は酒場の元店員でいわば民間人)。




ただし彼女は物理特化ソウルのアークソードなどを付けてじっくり育てると、専用武器の性能も相まってか、竜王でも沈めるリーサルウェポンだということを見せつけてくれる(しつこいが酒場の元店員である)。




また彼女のサブイベントの1つは非常に切羽詰まった重要イベントの最中に起こり、消化する場合はかなり空気が読めていない選択肢も見られる(しかも彼女のED条件)。




「フェルムは渡さない」




ザハク「……来ないな…これも徒労か」




ほか重要なこととして、プレイヤーの選択や行動によりイベント上でキャラがあっさり死んでしまうことも。その場合ネモネッコから該当キャラのことを聞く時に「そいつ死んじまったぜ」的な無常メッセージが。




キャラ死亡イベントについてはネメア即位後のシナリオ中盤あたりから当たり前に起きうるため、メインシナリオに関わるエステルやゼネテスといったキャラはとりわけ要注意な存在。

彼ら彼女らに対してプレイヤーが意図的に関与しない場合、シナリオからあっさり退場してしまうことも(あきらかな前フリをほったらかしにして歴史を進めると、該当キャラの死が確定してしまう)。




ごめんな、アンギルダン……。




そういえば追加された他キャラとしてジリオンとイーシャも居るが…(ジリオンは加入の手間がかかるが、イーシャは鉱山ですぐ仲間に出来る。旅立ち先が「闇に閉ざされた塔」なら初期メン)。




2人には幸せになって欲しいものですな(ルート次第では熱々カップルぶりを見せつけられる)。

ある悪役たちが光っている

闇の勢力の連中に魅力的なキャラが多いと感じるのは筆者だけではないはず。




シャリやクセモノぞろいの闇の円卓騎士連中もさながら、中盤以降に登場するジュサプブロスというキャラは厨二という存在を具現化したような要素が詰まっている。




まず肩書が※システィーナの伝道師の1人、黒の祈りのジュサプブロス。

※破壊神復活をもくろむ秘密結社。そういう存在だけでも厨二っぽいのに、あげくコードネームが黒の祈り。なんで黒の祈りとかついてるかは一切不明。




外見は世界観に不釣り合いでイかした丸グラサンをかけた青年ダークエルフであり、大陸最強レベルの強さでもあり(ネメアと戦った時に「この大陸で自分に勝てる奴はそうそう居ない」と自分で語っている)5歳以下の子供は命を取らず見逃すという独特な考えを持つ。




強さもさることながら彼自身が持つ特殊能力は空間を操るというもので、ネメアと対峙した際には彼を亜空間へと追放している(実際には主人公をかばったもらい事故とはいえ)。






5歳以下の子供の命をとらないという設定も、後々彼を正式に倒すイベントで理由がはっきりするものの、なんかこう色々詰まったキャラである。




黒の祈りのジュサプブロス。




ンフッ……。




残念ながら出番は中後半の一時期だけだが、全キャラ中でもまちがいなくトップクラスの存在感をかもしている。




そんなインパクト大の彼の最後はあっけないうえ、リメイクでも報われることなく、今際のきわに発したセリフもやはり切ない。相応の悪事も犯しているから仕方ないといえば仕方ないのが。




ジルオール屈指の印象深いキャラの1人となったのはいうまでもなく。




一方こちらも闇の勢力側のキャラではあるが、筆者は妖術宰相の爺さん・ゾフォルを結構気に入っている。




彼はわりと序盤で出会えるキャラにもかかわらず、設定はかつて世界を絶望に陥れた魔王バロルの元側近というこれまた厨二感のただようヤベーじいさん(しかもシャリやジュサプブロスと同様で、システィーナの伝道師の1人)。




登場イベ時にエンシャントでオヤジ狩りならぬ、おじいちゃん狩りにあっているところを助けると、主人公を気に入り自分の住処にまねいてくれる。




以降は本人の言うとおり、お茶も菓子も出さずに哲学的なメッセージを3パターン聞かせてくれる状態に。





会話パターンこそ少ないが内容はまさにゾフォル語録。




当初は意味があまり分からなかったが、ある程度年を重ねた今だとなんとなく腑に落ちる内容ばかり。個人的には彼なりの哲学の会話パターンがもっとあれば良かった。




残念ながらこの人、プラスでも仲間になどなることもなく、あくまで敵としてのポジションのみでイベントが増えてもいない。




せめて今作ではストーリーから退場する際に、主人公へ独特な別れのセリフでも追加していたらさらに良かったと思っている。




最後戦った時はなんか初めて会った人みたい。




しょっちゅう家に行ってたじゃーん。

筆者どのにとってかなり印象的なセリフを言うらしいな。

ゾフォルという老人は。

そのおじいちゃんのセリフの中で、一番心に残ったっていうのを抜粋させてもらったよ。

人はきれいに生きようとする。

悲しいほどにきれいにな。

そうすると人を許せなくなる。

滑稽なほどに。

無責任なほどにな。

©コーエーテクモゲームス Zill O’ll~infinite plus~より 妖術宰相ゾフォルの台詞テキストより抜粋 

確かになんとなく深いことを言っている気はするが。

許せる人って相手の気持ちを汲める人なんだよね、きっと。

キレイに生きるってのと少しちがうかもだけど、真面目で仕事や勉強が出来る優秀な人の中には、それが出来ない人には冷たかったり自分の考えこそが正しいって思ってたりする人も居るじゃない?

それも必死に努力してきた人ほどね、能力があるからって人格まで優れているワケじゃないっていうことかな。

ボクは思うんだけど、優秀であることを満たしつつ人に思いやりを持てる。

そんな心の余裕のある人が本当に良い人間なんだと思うな。

なんにせよゲームのセリフでここまで感銘を受けるとは思わなかったみたいだね。

セリフに元ネタがあるのかな。

ゾフォルのほかにも

12人居る闇の円卓騎士の1人で、その中でもリーダー格なポジのヴァシュタールというキャラが登場する。




だいたい闇の魔人たちの筆頭という設定だけで厨二感のある存在なのだが、コイツの各セリフこそがゾフォルにも匹敵する哲学感満載のもので、ただの悪役では終わらない印象を強く与えたキャラ。




その印象付けの1つは仲間キャラ・アイリーン加入にも関わる、とあるイベント時のこと。




ざっくりとだがこのイベントは、戦争ブルーになっている彼女へと、ヴァシュタールが数々の哲学台詞をぶちかます内容となっている。




非常に難解なセリフの嵐後のあげく、彼女を主人公にけしかけてバトル発生




ここで攻略的な話となるが、このバトルでは逃げるを選択するのが正解でその後アイリーンは良い意味で吹っ切れ、正式に仲間加入するのが一連の流れである。




ここでヴァシュタールの別名が「開け放つもの」ということに触れていきたい(各円卓騎士には「告げるもの」・「打ち砕くもの」など、これまた厨二感がただよう別名が付けられている)。




そもそものイベント起こりはアイリーンが開け放つものという異名を持つ魔人が存在するのを知り、自分の心情を聞いてもらおうと彼を探すところからだった。




要するに人生相談を得体の知れない魔人に持ち込むワケだったのだが、ようやく出会った後は哲学めいた説教と実地訓練(主人公とのバトル)により、なんだかんだで彼女は救われたのである。




闇の円卓騎士ヴァシュタールは異名に恥じることなく、見事アイリーンの心を開け放ったというワケだ(最後はまたも意味深な言葉と共に去っていく)。




ちなみにヴァシュタール自身は長年続いている光と闇の争いごとに疲れ果てていて、本来の目的である破壊神の復活などほぼどうでも良くなっている、要するに「昔はブイブイ、今は隠居老人」的な存在に近い。




一方でかつての同僚・ネモいわく「親身にはなってくれない」というセリフ通り、まったくの善人でもない。




しかし結果的にはアイリーンが救われるきっかけ作りをした「結構いいヤツ」と言わざるを得ないのだ(ただし筆者はイベ失敗パターンを見ていないので、そちらを知れば印象が変わったかも知れない)。




ちなみにやる気が皆無なヴァシュタールはもちろん、本編中ほとんどの円卓騎士が主の破壊神ではなく自分のために活動している始末。




聖杯を取り返したいが結局ずっと友好ネコなネモ。




モンスターを使って破壊活動をしたいだけのアーギルシャイア。




世の中のすべてが徒労ということをみんなに伝えたがっている新興宗教の教祖さながらのザハク。




結局何がしたいのかわからなかった終始緊縛プレイのサムスンなどなど…。






唯一主にちゃんと仕えていそうな円卓騎士はバルザー(あるイベントを見るとそれも少し微妙に感じられる)か、設定のみで出番ナシのイシュベノブあたり。




元からカリスマ性が不足しているのか、破壊神涙目である。





これまた破壊神復活とは関係ないところで、ヴァシュタールが同僚なはずのアーギルシャイアを個人的に制裁していたイベではその圧倒的な強さが見られる。




一応は円卓騎士中でも筆頭と呼ばれるだけはある。




なおヴァシュタールとは直接戦える限定ルートもあり、実際それなりに強いが、バトル後の彼もまた「意外と話の分かるやつ」っぽく退場する。




筆者はこうしたあまり表舞台に出てこないが、実際に戦うと強いヤツ設定のキャラについついカッコよさを感じてしまう(ちなみにプラスでは美青年な顔グラも当てられた)。




魅力的な悪役が多いジルオールの中でコイツも印象に深く残るキャラとしてあげておきたくなった。

キャラについて雑感

プレイメモというほどでもないが、いくつかのイベントで感じたことをここで。

プレイ済みの人にしか分からない、レアイベント(?)な内容なことをご了承下さい(ここ飛ばしてもらってもかまいません)。

なおロストール勢キャラの内容のみです。

1・男主人公でのアリアリ(ヴィアリアリ)・イライラ(ヴァイライラ)姉妹の加入イベでは、裏で起こったツェラシェルに関する真相を知らなければ、進行時に突然「お兄ちゃん!&お兄様!」とかいわれてなかなかホラー。その直前までは普通にプレイヤー名で呼ばれていたのに。ジルでは珍しいホラー要素かも知れない(闇落ち確定のティアナ・アトレイア訪問時のセリフ、イベントフラグが折れたフレア訪問時、うわごとのように同じセリフを繰り返す様子なども怖い)。

2・ティアナ生存時(闇落ち回避)リューガの変での、ものすごく影の薄いセルモノー王の貴重なイベント。妻としてではなく政治の道具にしか見ていなかったエリス王妃(すでに先立っている)に会いに行くといい、ティアナと世界を主人公に託して死んでいく。一国の王としての潔さらしきものが最後に垣間見れた気がしている。

3・これもリューガの変イベントの最中(筆者下ではこれもティアナ生存時に発生)陰湿で非道なあのタルテュバが最後には改心して果てる。このイベントを見ないことには彼を少しでも哀れと思うことは一生なかっただろう。プレイヤーによってはタルテュバの評価がくつがえるかもしれないほど貴重なイベント。

グラフィック ★★★

所々で挿入されるムービーシーンは数こそ多くないものの、無双シリーズのコーエーが発売元なためか、さすがに美麗。




モンスターは迫力があり、キャラは無双のごとく皆、美男美女。

特筆はキャラデザ

洋ゲーっぽいタッチ、しかし日本人が好みそうなギリギリを攻めている顔つきが絶妙。




それも男女ともに数十ものキャラが居るにも関わらず、しっかり表情が描き分けられるって一体(プロってすごいなと)。




好みにもよるだろうがダルケニス化したレムオンはゲーム中最高レベルの美形男子である(別ゲー悪魔城ドラキュラ・月下の夜想曲のアルカードに見えなくもない)。




女性キャラならエステル・ルルアンタ・ユーリス・フェルム・カルラ、それと巫女3人あたりが可愛い系だろうか。






これら魅力的なキャラを描いている方は末弥純氏、ファミコンやスーファミ版のウィザードリィのモンスターデザインなども手掛けていらっしゃるイラストレーターとか。




調べてみると、この方がデザインを担当したゲームには筆者も遊んだものがいくつかあり、確かに絵にも馴染みがある。




別ゲーのアクションロープレ・ブランディッシュのパッケージイラストもそうだったという。

脱・呪い人形

どこかのサイトでも見た話だが、ルルアンタの動きがようやく自然でスムーズな感じに




かつてのPS2版のこと、バトル終了時にアップ演出を飾る彼女が、じつに薄気味悪いモーションでカクカクしていたためまるで呪い人形のごたる。




それが改善されたことで、ようやくリルビーという種族の可愛らしさが伝わってきた気がする。




もっとも全キャラの通常グラフィックは、リメイクのリメイクな今作でも若干の薄気味悪さを持ち続けている。




みんなリアル等身で無表情なため、控えめにいってもマネキンのような感じ(慣れてしまえば良いだけだが)。




ある意味で不気味の谷現象。




もっともここまでロープレ要素を盛り込んだゲーム性を考えると、キャラの表情まで作り込むのは都合上無理だったのかも知れない。

露出狂カルラについて(ちょっと脱線)

彼女を加えたバトルではそのプリッケツをおがむ機会が多い。年頃の男性キャラ(チャカとかナッジとか)が一緒な場合、気が散ってたまったもんではないはず。




そんな彼女の来歴はジルオール屈指のもので、出身地の村を襲った兵士たちに親・友人・恋人すべてをこ〇されたあげく、本人も「転がされた」という陰惨な経験も持つ(ようするに代わる代わるレ〇プされた)。




のちに立身して17歳の若さで一国の将軍に抜擢されるまでとなるが、そんな凄まじい経歴よりも彼女の独特な鎧デザインにやはり目がいってしまう。




なぜああして下半身だけ露出過多な作りなのかはゲーム中でも一切触れられることはないが、ジル世界での女戦士はあれがスタンダードなのかもしれない(カフィンも似たようなものだし)。




余談としてジルオールの4コマ漫画(しかも3巻まである)では、カルラが同僚(モブ)に「下履き忘れてるよ!」とツッこまれて「いけなーい!(てへっ)」みたいなのもあった。




あの格好はしっかりネタにされているよう。




ここでジルオールとは関係ない話だが、近年、日本のサブカル作品では二ーハイの女性キャラがかなり増えてもはや一般化。何かしらの作品でもほぼ1人は居るといってもいい。




絶対領域と呼ばれているやつで、デザイン的には肌色とソックスとのコントラストが「映える」からだろうか。現実面では締めつけで足が細く見える効果もあるらしいので人気が出るのもうなづける。




とりわけこのゲームだとニーハイキャラは、ルルアンタ・ユーリスあたり。ブーツ・ヨロイ状でもカウント有なら女主とカルラもふくまれる。中世ファンタジーなジル世界でもニーハイの流行りは例外ではなかったということだ。




とかいいつつ以前に描いたもので当サイトのおしゃべりキャラもニーハイ着。筆者もその至極一般的な概念に乗っかっていたワケで。

ん? わりと前の私の画像だな。

急にどうした。

いいえ、なんでも。

サウンド・音楽 ★★★‐

初代から作曲の人が変わったため、少なからずBGMも差し替えられているようでした、




いってもテイストが大きく変わったわけではなく、いずれの曲も幻想的で悪くないんですが……。

あの曲だけでも欲しかった

序文で書いた、初代の方が良いと思えた要素で唯一無二。




それは神曲「激闘」が今作でも聞けなかったこと。




終始クライマックスのようなカッコよさと、激しめの曲調に合わせたピアノの速弾き(のような)メロディが耳を惹き付け、数あるジルオール曲の中、まちがいなく一番アガるのに今作では曲名が同じだけで別BGMとなっている。




今作のも別に悪くもないが、初代ジル激闘が神曲すぎたためどうしても聴きおとってしまう。




一方、ウルカーンで流れる曲はとても素敵なものとなっており、民族的なメロディはファンタジー世界を旅する感覚にひたれる。




この曲の存在もあって、激闘なしが理由での星2つを付けずに済んだ。




ジルオーラーな自分としてはホッとしている。

システム・内容 ★★★+

作業感が一部要素にあり、中だるみが凄まじい。




その原因ともなるのが街や村でうけられるギルド依頼。




これらには豊富な種類もなく、慣れると簡単なものばかりでクリア方法もパターン化しがち。




育成および金稼ぎというロープレの根本要素にもかかわるため、どうしてもある程度の数はこなしていく必要があるのですが、単調ゆえ後にプレイヤー自身が発するあくびとの戦いとなります。




メインとなる要素の1つでありながら、けっこう早い段階で飽きが出てきてしまう少し残念な面でした。




もう1つ単調さを感じた原因はダンジョンの仕掛けがそれほど複雑でもなく、どこも似たような造りになっているせいで探索がそれほど楽しめないところです。




しかも依頼によっては同じダンジョンを何度も行き来することになるので、美麗な風景もやがては見飽き、視覚的ものも手伝って作業感は増します。




しかしシナリオが良質であることや魅力的なキャラも多いため、それらと天秤にかけてもまだ我慢できる範囲なのが救いとなっています。




こうすればもっと良かったというような代替案も筆者には思いつかないので、冒険の一環として受け入れてしまうのが良いでしょう(おぎなってあまりある楽しさがこのゲームにはあります)。




一方でキャラ育成に関わるソウルシステムについては無印からもほぼ改変がありません。




初回プレイではソウル付け替えでキャラをどう成長させるか色々模索して楽しめます。




しかもプラスでは便利要素も増えてたいへん遊びやすくなりました。ただしいくつかいまだに大味な部分も。




単調かつ慣れると簡単なギルド依頼の存在がまた一役買うことになるのですが、依頼を延々とこなすだけで一気にゲーム難度が下がります。




さらに2周目からはソウルポイントや錬剛石などが引継げるため、難度低下に拍車がかかることに。




もともと周回を前提としたゲームなはずなので、ある意味それで正解といえばそれまでですが。




もう一つ重要点を。




戦闘中はモーションスキップ出来るのでまだマシですが、ゲーム全体のロード時間は長めです。イベントが入るシーンに差し掛かると、それまでの画面暗転状態がより長くなり一瞬フリーズしたかの様な錯覚を覚えます。




もっともほかのゲームではロード時間がもっとヤバいやつもあるので、許容範囲でしたがこれからプレイする方は多少目をつぶった方が良いでしょう。




それがあっても名作だと思っています。




それでも気になる方は総評にてくわしく記述しますが、パッケージ版では無くDL版でのプレイをおススメします。

リメイク前からずっとのことだけど、キャラを移動させる時はダッシュしてもけっこう遅く感じるんだよね。

場所によっては奥行もあるからな。

そういう場所を移動すると視覚的にムリもないが。

ただ現実的な速度で考えたらあんなものだろう。

街中でも画面切り替えポイントまで行くのに、けっこう時間かかったりすんだよね。

せめて倍速機能くらいあれば良かったのにな。

やり方を知っていると簡単ゲーに

こちらが低レベルでも不釣り合いな強敵に遭遇する最序盤がもっとも苦労しやすい時期。




かくいう筆者もゲーム性がよく分からなかった頃「とりあえずはじっこまで行ったろ」と思い、いきなりエルズまで。そして神殿道中のドラゴンマイムにヌッコロされたのは良き思い出。




本来はこちらのレベルに応じて、うろつくモンスターも強いランクへと段階的に上がっていく。




が、それは街道や航路での話。




ダンジョンは例外であり、ドラゴンマイムのごとくやたら強いモンスターを初期配置している危険区域も少なくない。




たとえば竜王の島や街中にしれっと建っているにも関わらず、後にラストダンジョンとなる廃城などがそれにあたる。




そんな危険な場所にソッコー行けてしまうが自由度が高いゲームゆえの特徴。




そしてこのゲームはその自由度を逆手に、難易度を一気に下げるプレイ法がある(2周目から行うことを推奨したい)。




ジルオーラーにとってすでにメジャーだが、本来後半で使用するような最強クラスの武器を序盤で入手可能な方法などもその1つである。



事前準備としてソウル・グレモリィのディテクターおよび、ルナシャドウのクイックアーツ取得が最低条件。




依頼と戦闘を繰り返して頑張って取得したら、ダンジョン内の武器宝箱の元まで辿り着く(武器が入っている宝箱の場所を知っていることも重要)。




後はダンジョン内でもセーブ&ロード可能な仕様を活かし、宝箱のトラップを解除成功するまで繰り返すだけ。




この方法で序盤からでも※竜破(りゅうは)などをゲット可能。

※ゼグナ鉱山の宝箱から入手、無属性で使い勝手も良く鍛冶強化も可能な最強クラスの大剣。





もちろん最後まで装備品のみでごり押しできるほど低い難度ではないにしろ、序盤の戦闘は段違いで楽になる。




クイックアーツ取得の手間が少々かかることが難点だが、さっさと仲間を4人揃えて配達などの簡単クエや手ごろな敵とのバトルを辛抱して繰り返す。




そう遠くないうちにルナシャドウを宿すことも、またクイックアーツ取得に必要なスキルポイントも達成できる。




首尾よく武器ゲット後はもうストーリーを普通に進めていっても構わない。




もしくは護衛や探索(どこどこの○○取って来てくれ系)の依頼などをひたすら繰り返すだけでも、実入りが多い(ここが飽きがくる最大の難所でもあるが)。




依頼をどれだけこなそうが、キーイベントさえ起こさなければメインシナリオが勝手に進むこともない。

※どの程度かは未確認だがメインシナリオを長期間止めていると(年単位?)中盤から怒涛の勢いでシナリオが進んでしまい、期限イベ消化が間に合わなくなる可能性があるので止めすぎもほどほどに。




裏を返せば最初の頃にキャラをどれだけ強く出来るかで難易度を大きく上下させるともいえる。




ただしこれらの攻略法はバトルの楽しさを損なう可能性があるので、用法用量を守って正しく行うべきことも付けくわえる(やはり2周目からおススメしたい)。




ちょっと話を変えるが筆者はプレイ毎にデルガドを序盤からパーティー加入させ、上記の方法らを行うことが多い。するとある時に「そろそろシナリオを進める頃合いだな」と思える現象が発生する。




それは敵へ物理攻撃を加えた際、デルガドが素で4桁ダメを叩き出した時。




ほかのメンバーはまだ数百といった中であきらかに際立つ。




そもそも彼は初期から脳筋ソウル・マイティブロウを宿しており、固有武器も闇属性なので苦手とする敵も多い。




そのためいち早く高ダメを叩き出せる仲間の1人として数えられる。




開始時からドワーフ王国の酒場で吞んだくれていて、加入条件も選択肢のみとユルいためか初回プレイ時では特にお世話になりやすく、いわば初心者救済キャラといっても良い御仁(早々にシャイニングレオに切り替えて育てると、オールアタックによってザコ戦では当分無双)。




特に根拠はないがそんなデルガドが高ダメージを出すのを目安に、ネメア即位後あたりまで一気にシナリオを進めることにしている。そしてそのあたりではほかキャラもかなり強くなっている。




もしスペルに特化しているキャラも居るならアガスティアを付けてユナイトスペルまで修得してしまうと、序中盤の敵程度では相手にもならない。




本来負けても進行するラドラスでのシャリ戦も楽勝だ(それでもロストールのザハク戦は、対策していないと少しキツい)。




あげく今作では竜破のようなユニーク武器+仲間の固有装備品が鍛冶強化できるようになったため、活用すると敵との強さは余計開く。




ついにラスト付近ではほかメンバーが強くなりすぎて、あのネメアがアイテム係になるという状態が度々起こった。




この頃になると筆者のデータではこれだけ持ち上げたデルガドがとっくにお役御免というオチ。




総じて上記のように初段階でキャラを鍛えすぎたり、強武器を取ったりするとダメージのインフレが起きて大抵の敵がザコに。




簡単になり過ぎるのも楽しくないワケで、何事もほどほどにというのも付け加えたい。




もっともこのゲームは一度クリアしてからが本番で、未達EDやイベント回収が以降の楽しみ方となる。




むしろ2周目からはこうした手段をためらいなく使うべきで、1周目はチュートリアルと割り切り思うままにフリーシナリオを楽しむのがベター。

金も困らん

ゲームの世界でなら誰でも成金になれる。




金なんざエンシャントギルドの宝箱ミニゲームでなんぼでも増やせる。




しかもチャレンジ料金は失敗しようが毎回100ギアのみの損失。




ゲージの動きもストップ位置もある程度単調で、身体でタイミングを覚えてしまえば再序盤であろうが数十万ものギアを手に入れることが可能(5・6の難易度でも慣れると容易、動体視力が並程度の筆者でも7割は成功する)。




これが仕様というのが恐ろしい。初心者救済だとしても大丈夫かと心配になるレベル。




コツさえつかめば鍛冶の費用やアイテム購入に困ることは今後ない。




稼いだらアキュリュースで全員にHP50%回復の「恵の雨」を買い込めば、バトル中の回復にもそれほど困らない(99個買っても44,550ギアしかかからない)。

バトル関連蛇足

ここからは覚え書きのようなもので、多少攻略に役立つことを書いておく。

属性よもやま

スペルやスキルの威力について。四大属性はINT、聖闇はMINステにそれぞれ依存する。




四大属性は火→水→土→風→火…というように矢印の方向の属性に対して有利(それぞれの頭文字「ひみつか」で覚えれば良いと教えてくれる住民も居る)。




闇は四大属性に強く、聖よりも弱い。そして聖はどの属性よりも強い(未確認だが、四大属性に対しては聖より闇の方が強いらしい)。




もちろん不利な属性に対してや、同属性同士は効果が下がる。なお後半ボスは闇属性持ちが多いため、これらには聖属性の武器やホーリーで対応するべし。




ただし注意するべきは本ゲーム最強の存在である竜王で、同モンスターは聖属性持ち。




流石と言うべきで、ほかに聖属性を持つ敵はエルファスくらい。




つまり聖はおろか他属性の武器を持つ物理メインのキャラは、竜王とのバトル時一気に戦力外となる。




そんな中で唯一、属性の影響を受けないのが無属性。




よってレベル50を突破し、竜王と戦う条件を満たす場合。事前に武器を無属性のものに変えておくと、無駄に長いじゃれ合いタイムがだいぶ短縮される(竜王のHPはゲーム中最大で、余裕で万を超える膨大さにつき)。




最強の敵は無属性で殴ったほうが良いという結論。たとえば物理ステが充分育ち、強化された伝説のフライパンを持つフェルムが居れば一気にエースアタッカーへと昇格する。




なお前述はあくまで物理での話であってユニオンスペル・ユナイトスペルでの攻撃魔法は普通にダメージソースとなるため、魔法に特化したキャラも参戦させたいところ(最終メンバーとして強制加入するオルファウスが、何気にアタッカーとして大活躍しやすい)。

AGIとDEXも上げとく

この両ステは脳筋プレイには必要で、命中率に関わる重要さを持っている。




万一上昇を怠るといかほどの高さの攻撃力でも、そもそも敵に当たらないというとんでもない事態が待ち受ける。




たとえば初見でマイティブロウとかを宿したまま「アヒャヒャヒャ! 脳筋つえー!」をやっていると後から泣きを見ることに。




昔この状態に陥ったのが筆者で。命中が低すぎるあまり後半の敵への攻撃が当たらず、あやうく詰むところだったワケで。




よって2・3レベルアップごとにソウル・ルナシャドウ(AGI・DEXともに高い成長率)などに付け替えて育てるのがおススメ(攻撃力の成長もそこそこな優ソウルなので、しばらく加入させないような物理攻撃系の仲間に着けて放置しても損はしない)。




それぞれの数値が100強あれば、最強の敵である竜王にも攻撃が当たるハズ。

役立つスキルとかスペルとか

ソウルを付けるまでしなくともソル、ルナカウンター・ハイグライド・ロングショット・ゲイルラッシュ・シャドウノックは物理で育てたいヤツにこれらを手あたり次第取得させても何かと役にたつ。




ほかシャイニングレオは取得するまで少々手間だが、スキルのオールアタックはザコ戦で、バーニンレイヴはボス戦で多いに活躍する。




と、言うよりもオールアタックの使い勝手が良過ぎる(MP消費0なのに全体攻撃)ので、戦士系で育てると割り切った場合、アムドゥシアスをあきらめてもまったく構わない。




オートスキル中100ポイントで取れるものは主人公あたりが全部取ってしまうと良い。




また回復手段はあればあるほど困らないのでヒーラースペルは全員が取っても良い。




敵の全体攻撃魔法が常々脅威となるため、ニルヴァーナのスペルブロックもあれば吉となる。




スペルブロックは攻撃魔法を1回無効化してくれる上、ターンが終わっても敵に魔法を使われない限り効果が継続する。




強敵とのバトルでは素早さが高いキャラにとっぱじめに使ってもらうことで、安全性が一気に高まるので覚えておきたい。

選びがちソウル

2周目からだとよりやりやすいが、成長用ソウルに悩んだら強バランスソウル・ネガヴァニティアを付けて育てると幸せになれる。




kind8以下が条件の1つなのでソウル・アムドゥシアスは捨てるハメになるが、ネガヴァニティアが万能すぎるのであまり困らない(アムドゥシアスはスキルがほぼ役に立たないので成長用ソウルと割り切って使う方が良い)。




デメリットは長く宿したままレベルを上げるとMIN以外のステが平凡になること(それでも高めの水準になるが)。それと固有スキル・スペルが闇属性なため、後半あまり役に立たなくなるくらい(前述したが闇属性を持つボスが後半に多いためダメージは期待出来ない)。




よってネガヴァニティアを宿してある程度育てたキャラについては、器用貧乏を避けるため、その後物理系にするか魔法系にするかをあらかじめ決めておくと良いかも。




物理ならアークソード・シャイニングレオ、魔法ならアガスティア・ブラックバイパーといったソウルが候補に挙がる。




話が変わるがエステルとザギヴの両名は後半の固有イベント消化後INT・MINがブーストするため、魔法系で育てているとこの2つのステがカンストしやすい特殊キャラ(ザギヴは20アップだが、エステルはなんと60…)。




カンストオーバー分は切り捨てとなるのでブースト分がもったいないのであれば、イベント消化時までは以後戦士か術士どちらにも振れるよう、それこそネガヴァニティアを宿しておくと万能戦士になって面白いかもしれない。




エステルに関してはブースト量がザギヴの3倍のため。彼女の育て方次第では個別ソウルで優遇された主人公よりも各ステータスが上という超人となる。




地の巫女恐るべし。

やべー敵

個人的な厄介ボス・ナンバー1、闇の巨人。




ステータスが勝っている敵はほかにも居るが、進め方次第ではこちらが弱い時期にイベントで遭遇することがあり、後半で戦うことの多い魔人らとちがって初見キラーになりやすい。




なによりも特殊技の闇の霧はこちら側を状態異常のオンパレードにする。




よって異常回復の魔法クリアスはコイツと対峙する時に必須といって良い。




なお名のとおり闇属性持ちなため、光以外の属性が役立たずになることも、やたら強く感じる理由の1つ。

覚醒エステルについて

本来はグラの項で書くべきでも、ついでということで。




巫女として覚醒したエステルの顔グラを見ると、まるですべてを悟った「※ブッダ」の様になる。

※お釈迦さまのこと。仏教の開祖で、元はインドの王子「ゴーダマ・シッダールタ」。




またラドラスで再会した時は非常に意味深なセリフと共に再加入する(巫女エステルを再加入させるための条件はけっこうシビア)。セリフを聞くに未来を見通すエアと同領域まで辿り着いたのだろう。さらにグラも巫女衣装に変わっている




このブッダ化・エステルには体の線が分かりやすい巫女衣装に変わったのもあいまって、どこか高潔なエロさを感じる。




ほかの巫女は元からその衣装だが、エステルの場合は元のキャラクターと、肌の露出がほぼ無いダボついた服だったためギャップ効果かも知れない。




まだイベ消化していないプレイヤーには苦労してでも彼女の大変化を見てもらいたいところ(個別EDでは元の衣装に戻るが)。

二周目以降限定

神アイテム・通信機。




プラスの追加アイテムでかつ2周目のオルファウスから入手できる。




これはすでに加入した仲間を呼び寄せて、直でパーティー入れ替えを可能にするアイテム。もはやネッコ屋敷に仲間の入れ替えにわざわざ行かずとも良い。




ネモ「あいつら、こねーな……(寂しい……)」




オルファウス「平和ですねえ……」




おかげでマップ移動の手間を大幅に減らせ、ゲーム内日数もかなり短縮可能、旧作からやっている身からしても、これはとてつもなくありがたい要素




おかげで期限付きイベントも消化しやすくなり、要するにほぼいつでも利用できるルイーダの酒場状態。

仲間ごとのソウルの付け替えも容易で、低成長ソウルのまま放置せずに済む。






そのほかの恩恵としてキャラごとにバリエーションがある相談セリフも都度、確認可能に。




PS2時代からあれば良かったと思うのは今さらだが、この神アイテムのおかげか良い意味でリメイク前のジルをいまさらプレイする必要もなく。




通信機以外の要素では2周目以降のEDに際して、条件を満たすキャラを選択可能になったのが超絶にありがたい。




これで旧作のようにクリアの度「○○エンド来い○○エンド来い……」と念じなくても済むように。

初回クリア時のこと(最強のフラグブレイカー・エア)

余談だが筆者の場合。PS2とプラスにおいて、初回クリア時はどちらもエアEDとなった。




あのロリババア巫女様、まさかED優先度が超高いのかと思い、攻略サイトを見てみた。肝心のED条件は男主人公である・エアが生存している・かつ友好度が「友情」以上とのこと。





なお友好度は該当キャラと日をまたいで何度か会話するだけで、友情くらいにはすぐ到達してしまうシステム(当然ながら関連イベを消化するとさらに上がる)。もっともこれはエアにかぎらずの話。




が、ほかにもクリア条件を満たしたはずのキャラを押しのけてまで彼女EDとなるのは、風の巫女の感受性が誰よりも高いからだろう(単にED優先順位がすこぶる高い仕様らしい)。




初回プレイではEDの選択が出来ないため、このトラップにおちいるプレイヤーは少なくないと推察。よってこれからプレイする方は、エアと必要以上に関わらないほうが良いだろうか。




彼女狙いでさえなければ。




エルズの宿屋も利用しない方が賢明。これは彼女がらみのイベントが発生して、好感度が爆上がりするのを阻止するため。




また、心が痛んでもかまわないなら意図的にエアを死なす方法もある。これならED条件を満たしていようが、ゲームから強制退場させられる(おそらく一番容易な、ラドラス浮上をほったらかす方法だと、ほかの巫女も死んでしまう点には注意)。あくまで心が痛まなければだが。




ともあれ苦労して他キャラとのED条件を達成したのに、エアが割り込んでくるのを体験したジルオーラーは筆者だけではないはず。




システム的にはある意味で、竜王を超えた存在かもしれない。




エア「優先順位? さあ、何のことだかわからぬなーー」

総評 ★★★★

国家戦争や闇の勢力の暗躍など、騒乱渦巻くバイアシオン大陸で主人公がどのように活躍するのか。




すべてはプレイヤーの選択に委ねられます。




メインシナリオを進めるうち、大陸で起こった事件や出来事が歴史ダイジェストのごとくテキスト上で流れることもあり、かのファンタジー小説「ロードス島戦記」が好きな人にはグッとくると思います(何となく近しいものが感じられます)。




なお本作は携帯機でのプレイのため、臨場感やグラフィックはモニターサイズの関係もあって、PS2インフィニットが上だと思います。反面、内容・ボリューム・プレイのし易さはプラス側に軍配。




プレイヤーによりどちらをとるかですが、よほどのこだわりがなければ追加要素があり、システム面でも快適なPSP版をおススメします(BGM以外はPSP版の方が良いことずくめなので)。

※重要※

パッケージ版はローディングがやたら長く、処理落ちも発生するらしいです(ベスト版との違いは不明)。

しかしDL版だとローディングはかなり短いようで、筆者はそのDL版でのプレイのためか、ことローディングに関しては「少し長いかな?」くらいでストレスはそれほどありませんでした。

実際に処理落ちがあったかもあまり覚えていませんが、多少あっても記憶に残らない程度のものだったと思います。

よってこれから購入する方はDL版が無難です……が。

2021年7月2日よりPSPでのストア購入が出来なくなったため、同機種でのDL版購入は不可能になりましたが、PSVitaのストアでは引き続き購入可能との情報がありました(2021年11月4日調べ)。

ですのでPSPのみでVitaを持っていない方はこの際、長めのローディングには目をつぶってパッケージ版購入も仕方なしと思ってください。

本題に戻り、ほかにもちょっとしたことを。




アスティアなど一部キャラについて、スタート時の旅立ち先がそもそものED条件になっているという特殊条件に気付かないまま進めると、お目当てキャラのEDが一向に見られないことにもなりかねません。




1周するだけでもそれなりに長いゲームにつき、せめて2周目からでもED条件位は攻略本や攻略サイトなどを確認する方が無難と思いました。




幸い次周からはソウル・スキルPの引継ぎも出来、前述の通信機やED選択が出来るようになったおかげでだいぶ楽になります。




しかし全員の個別EDはおろか、未来への扉(脅威の大団円ED・難易度激ムズ)までを含めたEDのコンプリートを目指すのは相当な苦行になるでしょう。




やがては移動やバトルも単調に感じ、周回に際して作業感が出てきます。こういう感覚はほかのゲームでも一度は味わうかもしれません。




ジルオールのような周回を余儀なくされるゲームの場合。1回クリアして少し間をおいてから、再びクリアを目指すプレイが向いているかと思います。




筆者にとってジルオールは「しばらく経てばまたやりたくなる」タイプのゲームなので、余計にそうした方が良いかもと思いました。




色々と書きましたが内容そのものはどストレートな洋風ファンタジー。




そういう世界観を嫌わない人にはこの際うってつけのロープレと言い切ります。




この時代、ゲームも進歩に次ぐ進歩によりシステムが細かく作られたものも少なくありません。




そういう入り組んだゲームをプレイするのに疲れた方にもおススメです。




百聞は一見に如かず。




初見の方は1度プレイしてみてください。




どストレートで重厚なファンタジー世界にどっぷりつかれることでしょう。






これで最後!




PSP版からの追加要素である主人公誕生日イベントについてですが、筆者はほとんど見ていません。




それはスタート時に設定した誕生日をついつい忘れて、日数経過させてしまうから。




たまたま泊まった宿屋で発生した時は、急に仲間から祝われて嬉しい反面、突然だったので一体なんのイベントかとビビりました。




プラスあるあるかもしれません。

了。

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