ジルオール・インフィニットプラスレビュー(ネタバレ注意)

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ネタバレがイヤな方は……

ここは筆者がプレイしたゲームのネタバレ多めのレビューだよ!

ネタバレはイヤだけどゲームには興味ありって人は、ここからこの先ネタバレ注意!までを読んで参考にしてね!

初プレイの楽しみを大事にしたい人は、そこまでなら安心して読めるよ!

それ以降の内容は、ネタバレが問題ない人向けだぞ!

ゲームをすでにプレイ済みの人は思い出を楽しみ、未プレイの人には雰囲気だけでもつかんで、実際にやってみたいと思ってもらえたなら嬉しいな!

情報もろもろ

発売日2009年1月22日
発売元コーエー(現コーエーテクモゲームス)
ジャンルRPG
プレイ環境PSP(UMD版・DL版)

おススメする人

以下のような要素が好きな方におススメ

  • 正統派コマンドRPG
  • フリーシナリオ
  • 中世ファンタジー
  • 登場種族が多彩(エルフ・ドワーフなどお馴染み種族のほか、魔人やリルビーといった固有種族も登場)
  • マルチエンディング(ED数は53)
  • しゃべらない主人公(主人公=プレイヤーの構図)
  • キャラの育成自由度が高い
  • 探索自由度も高い(序盤からでも大陸のほとんどの場所に行ける)

目安プレイ時間・特徴など

クリアまでの目安プレイ時間は30時間くらいだよっ。

ちなみに筆者の初クリアタイムが39時間37分だから、けっこうゆったりやった方かな。

ただ早くても数時間でクリアするのは難しいし、イベントとED数もすごく多いから、やり込み前提だと、総プレイ時間は相当なものになるね。

でも2周目以降はお金・一部のアイテム・成長要素も引き継げて超楽になるから、この際1周目はチュートリアルって考えて、思うままプレイするのがおススメだよっ!

このゲームは中世西洋的な世界で、数多く展開する物語を楽しめるんだ(フリーシナリオというやつだな)。

いわゆる剣と魔法の世界でもあるが、プレイヤーはこの世界で「一人の冒険者」として生き、自らの選択次第では国同士の争いに傭兵や兵士として介入することもできる。

進めるほどに重みを増す物語は、少々大人向けといったところだが、中身は正統派のコマンドRPGだから、人を問わず受け入れやすいはずだ。

また登場人物が皆個性的で、独自の信念や目的を持っているためか、物語に地味さを感じさせないのも良点だな!

イベント次第でキャラの意外な面が見られたり、印象がガラッと変わっちゃうようなのもあったりするんだよね。

一見とっつきづらかったキャラでも、話を進めると「アレ、意外といいヤツかも」ってなるような演出も多いし(ボクの体感だと、ツンデレなキャラが多い気がするんだよな)。

20種類を超えるソウル(魂のようなものだな)を宿すことで、多様な育成、技や呪文までを習得できるほか、序盤から大陸中のほとんどの場所に行けるなど探索の自由度も高いぞ。

シナリオだけじゃなく、システム面でも自由さを味わえるって感じだね!

とにかく一度クリアしたくらいでは味わいきれないほど展開が豊富で、選択次第で人物の命運も大きく変わるから、プレイヤーにより物語は千差万別といったところか。

それと開始時には、自らの分身となる主人公を作成する際に性別や、旅立ち先なども選べるんだが(男女それぞれで限定のものもあるな)これが序盤の展開だけに留まらず、一部イベントの有無やエンディングの可否にまで影響するんだ。

特定の旅立ち先じゃないと登場しないキャラまで居るから、こだわりがなければ性別と合わせて、周ごとに変えて遊ぶのもおススメだぞ。

この先ネタバレ注意!














序文

自由な旅を――




この一言こそが『ジルオール』という、秀逸ファンタジーRPGを象徴するセリフだと思っています。




今作はそのジルオールのリメイクで、PSP向けに発売された『ジルオール インフィニット プラス』。




初代PS版『ジルオール』(1999年)、PS2版『ジルオール インフィニット』(2005年)を経て、さらなるイベント・仲間・周回要素が追加された、いわば“完全版ジルオール”とも言える作品です。

正式タイトルはZill O'll Infinite Plusですが、長い表記をさけるため本文では初代PS版 →「無印」・PS2版 →「インフィニット」・PSP版(今作) →「プラス」または「今作」と表記を簡略化しています。

良いのかな?

勝手に“完全版”とかいっちゃって。

だが、リメイクに次ぐリメイクで、2025年5月時点の調べでも最新作であることを思えば、あながちまちがいでもないはずだろう。

今のところさらなるリメイクの情報も出ていないという話だからな。

2度リメイクされているし、今作が最新のものゆえ構わないのでは?

それはそうだけど……。

でもさ、リメイクは難しそうでも、リマスターならあり得そうじゃない?

今の技術でグラフィックやサウンドを刷新したリマスター版が出るんだとしたら、今度こそボイス付きになりそうだね。

今作でもそれがないから、充分あり得そうだよね。

無印から今作までの10年間に3度のリリース、2度のリメイクと、これだけ手が加えられてきた理由は、単にユーザーからの反響か開発陣の愛着なのか、もしくはその両方なのか。




少なくとも筆者は渋めこってりめな世界観、フリーシナリオのゲーム性が存分に活かされたこのRPGにハマった1人でした。




また周回を前提としたゲーム性が特徴で、プレイ毎に発見があるといっても過言ではありません。




確かに通常のRPGなら、2〜3周すれば十分。しかしジルオールはちがいます。




進め方や仲間の組み合わせ、選択によってもイベントやセリフが大きく変化し、2~3度の周回程度ではシナリオを味わいきれません(そうした展開の豊富さがあるからこそ、周回のけだるさもわらぎます)。




さらにエンディングは新規・既存を合わせ、その数、実に53種。全EDのコンプリートを目指すのが、このゲームの最終目標ともいえます。




なお筆者の初回クリアタイムは約39時間。周回ごとのプレイ時間は20時間ほど、リメイク前から通算すると20周はプレイしたと記憶しています。

平均プレイタイムこそそれほど短くありませんが、これは筆者が余分に行った寄り道や育成の影響。周回要素のある今作では10数時間程度でクリアしたこともあったと思います。

攻略情報も豊富な今なら、実際はさらに短時間で楽しむことも可能なボリュームになっています。




初見はもちろん、無印やインフィニットをプレイ済みの方にも、新鮮な気持ちで遊べるものとなっています。

短編の戦記ものとしてみても面白いな。

展開が進むほど状況が張り詰め、情勢の変化に応じて、町人のセリフが変わるというのも芸の細かい話だ。

信長の野望とかで、歴史シミュレーションのジャンルをメジャーにした光栄(今は合併してコーエーテクモゲームスだけど)のゲームからね。

そこらへんの「らしさ」みたいなのは、随所に光ってると思うよ。

ほかにも外伝的な作品が出ているのだな。

それこそPS3のトリニティジルオールゼロだね!

ストーリーは本編の過去の話みたいだけど、若い頃のネメアとかゼネテスが出てるね。

無双シリーズみたいなアクションRPGになってて、ボイス付で主人公もオリジナルの人だから、これはこれで別物と思った方が良いのかな(筆者も未プレイみたいだし)。

でもジルオールの世界観を奥深く知りたいなら、こっちのプレイもいつか必要になるかもね。

評価スタイル

ここからはストーリーや総評まで各要素を分けて☆☆☆☆☆って感じの、お星さま評価をさせてもらってるよ!

☆5つなら満足、☆1つなら不満って感じでね。

ちょっぴりありきたりな評価の仕方だけどね。

☆☆☆+や☆☆☆☆-のように評価させてもらうこともあるぞ。

これは次の☆数まであと少しで達する、達したが少々物足りないといった微妙さ加減を表していると思って欲しいな。

ストーリー ★★★★+

渋めのキャラデザインからも伝わるとおり、メインシナリオはかなり重厚でシリアス寄りです。




……とはいえ、微笑ましい場面やコメディタッチのシーンも各所に散りばめられていて、そうしたイベントの数々が渋めの世界観や雰囲気をほどよく中和してくれています。




たとえば序盤で出会う「ゴブゴブ団」や、自分を選ばれし勇者だと本気で思い込んでいるガルドランなど、ギャグ寄りのキャラたちがコミカルなエッセンスをプラス。

副題が「インフィニット・プラス」なだけになっ!

出だしからやめてよ。

そういううすら寒いジョーク。

何から何まで気負わず絶妙な匙加減で、渋めなイメージを良い意味で裏切ってくれる意外性も、今作の魅力の一つといったところ。




しかし。




中盤からはロストールとディンガルによる国家戦争が勃発し、裏では闇の勢力の活動も活発化するため、物語も様相を変え、シリアス方面へとグッと傾いていくことに。




この辺りからプレイヤーも歴史介入ができ、各国家についたそれぞれの仲間に加担して、戦争へ参加することも、また傍観することも可能になるあたりが、フリーシナリオの真骨頂でもあります。




後でもふれていますが、物語の進め方によっては死亡してしまうキャラが居るなど、急展開が続くこともあり、その落差にプレイヤー側の耐性があるかどうかで評価が変わるかも知れません。




このシナリオ明暗の落差もまた、今作の醍醐味。




また一部に過激な表現やシーンも存在し、トータルで大人向けなシナリオでもあります。




そのためか、CEROレーティングはB指定で12歳以上対象。




一方でセリフによるキャラの心理描写は素晴らしいの一言。




おおげさながら、人生感や物事の見方についても何かと考えさせられることもありました。




たとえば。




ソロでパッケージを飾る尻出し娘カルラの「転がされた」発言が飛び出す、主人公との会話イベントは、数あるシーンの中でも、インパクトや悲壮感が強く印象に残りました(これについては後々ふれています)。




必見イベ。




なおこれら任意イベントをあえてスルーし、最低限のキャラ強化やレベル上げだけ行い、メインイベントのみを進めるという強引なプレイスタイルもあり。




そういう意味でも自由度は本当に高いです。




ただし、それを行うにしても、どこでどういうイベントが起こるか把握している必要があるのと、何よりフリーシナリオの良さを台無しにしてしまうため、初見では攻略情報などを見ないで思うままに進める方が無難だと考えています。

トラブル体質な主人公

主人公はこの世界で冒険者として生きることになるほか、特異な運命を背負っていることもあり、行く先々で色んな事件(イベント)に巻き込まれる。




あげく、ほとんどのキャラに気に入られる&一目置かれる才能を持っているあたり、さすがに世界を変えるほどの可能性を持つ※無限のソウルの持ち主と言うべき。

※世界に大きな影響を与えるほどの可能性を持つ人が宿すソウルのこと。これを宿した主人公はゆく先々で「無限のソウルの持ち主」などと呼ばれることもあり、主人公属性を特に高めている要素の一つでもある。なお今作でこれを宿した人物は、主人公、ノエル、追加キャラ・ジリオンの三名のみ。

なおソウルとは、ジル世界のすべての生命に宿っている魂のようなもので、本編では人々がソウルを抜かれて、町から姿を消してしまうイベントも存在する。

さらに物語後半では、国家情勢が泥沼化する中、闇の勢力が混乱に乗じて本格的に動き出す。そんな中、主人公は当然のように、この危機へと立ち向かうことになる。




まさにロープレ主人公の宿命。




「自由な旅を!」と言われるものの、結果的にクライマックス付近からクリアまでは一直線。そこからは強制イベ&バトルの嵐で、あげくどこへも行けなくなってしまう主人公。




ここいらはラスダン→ラスボスまで一気に駆け足になる数多のRPGの特徴でもあるが、今作のフリーシナリオたる所以は、ラスボスおよびラスダンで立ちふさがるボスでさえ「これまでの進め方やキャラとの関わり方」によって変化すること。




場合によっては、かつての仲間とも陰惨な戦いを繰り広げることになる。




主人公のそれまで巻き込まれた面倒ごとに対しての行動の結果が、最終局面の敵にまで影響を及ぼすあたり「無限のソウル」の持ち主はやはり一味ちがう。

モテモテ主人公

仲間やその他の友好キャラのほとんどが主人公と関わることで、いつの間にか彼もしくは彼女に心を開くように。




さらにクリア時には一定まで高めた親密度、関連イベントの達成により条件を満たしたキャラとのエンディングを迎える。




主人公の性別が選べるシステムにより、男主なら女性キャラと、女主なら男性キャラと、はたまた同性同士でもほとんどのキャラとただならぬ関係になり、恋愛か友情テイストな結末が用意されている(しかも性別・旅立ち先によって最初からエンド可・不可のキャラも居るなどの限定パターンもあり)。




これら各キャラとのEDをコンプリートすることが、ジルオールを味わいつくすための一つの目標となる。




肝心の親密度を上げる方法だが、NPCなら毎日会話しに行ったり、仲間なら関連イベント消化のほか、パーティーに入れ、連れまわして主人公のレベルアップを計ったりすれば上昇する。

主人公の良き協力者となる賢者オルファウスとともに猫屋敷に住むジルオールのマスコット(?)ネコのネモから、各キャラの大まかな親密度を聞ける。この役割は彼のみが担っており、ゲーム中、特にお世話になるキャラの一人。

なお一旦上がった親密度は下がることはなく、上昇していくのみとなる(選択肢の選び方で下がることはある)




どこぞの恋愛シミュレーションのようにキャラをしばらくほったらかして、不貞腐れられるようなリアリティーはないため、ここは安心できるところ。




なお、お目当てキャラとEDを迎えるためには、時期限定イベントをこなすなどシビアなものもあり、中には親密度が高すぎるせいでそのキャラと関連するほかのキャラのEDが見られないという面倒な稀なことも起こる。




もっとも条件さえ満たせば複数キャラにEDフラグが立つため、進め方によりそこらじゅうで主人公好き好きキャラが続出することはいなめない。




ただしEDを見られるのは、一部のEDを除いて毎周たった一人(1周目のEDは強制的に優先順位がもっとも高いキャラのものになる)。

筆者さ、大事なこと書き忘れてるんだよね。

今作の追加要素で2周目以降はエンディング選択が出来るようになったってこともふれとかないと!

これマジでデケーことなんだよ。

リメイク前ではムリだったのだな。

うん。

細かくいうと、2周目クリア時にED条件を満たしたキャラを選べるようになったんだよね。

1周目クリア時は旧作までと同じで、優先順位が一番高いキャラとの強制EDになるよ。

つまり初周は、お望みの人物との結末を迎えるのは期待しない方が良いと。

そういうことか?

そういうこと。

このゲームってさ、ED優先順位って厄介なものがあってね(その現象のことはココも見てくれると参考になるかも)。

でも今作の2周目からのクリア時には「前と同じヤツ(ED)じゃん!」なんてことにならないから大助かりだよ(PS2版インフィニットの時にもあれば良かったのにね)。

しかも初周さえクリアしたら、今後はタイトルメニューから、達成したキャラのEDシーンが何度でも見られる、いわばEDコレクションのオマケ付きさ!

おお、それは思い出を振り返るという意味でも有難いことだな。

なんにせよ攻略情報を穴があくほど見てプレイしたのに、目当てのキャラ以外のEDになってしまうというのは労力が報われないからな。

かゆいところにようやく手が届いたというところか。

実はそれだけじゃないんだよねー。

コレクションの話に戻るけど、コレって「クリア時に条件達成してるキャラのED全部が追加」されるんだ。

どういうことかっていうと、たとえばその周で見られるエンドが3つあったとするよね?

そのうちの1つを選択してゲームを終わるとするよ。

その後、タイトルからクリアデータをロードしてED集を確認すると、選んだEDと選ばなかった2つのEDも一緒に入ってるってことさ!

ということは、次周からの攻略は、ED集に入っているキャラ以外に集中できると。

そういうことか?

そそ。

その周の条件達成キャラが多ければ多いほど良い(EDがいっぺんに回収出来る)ってことね。

今作は本当に楽になったものだな……。

なんせ全部で53個のEDがあるからね!

この仕様でもないと、53周しなきゃないワケだから、当然の配慮ってやつかもよ(リメイク前までなかったって考えるとゾッとするね)。

クリアデータには条件達成したキャラのEDデータが入っているため、削除した場合はED集からそれらのキャラのものは当然消えてしまいます。クリアデータは通常のセーブデータと別に作成可能なため、うっかり未クリアの別データをクリアデータに上書きしてしまうと取り返しがつきません。したがって新規データは極力作らず、周回時は必ずクリアデータで行うことを強くおススメします(引継ぎ要素があるため、意識せずとも自然にそうなるとは思いますが……)。

追加仲間所感

プラスではキャラ追加にともないEDが増えた。




中でもラスボスの一角、エルファスの加入&ED追加は予想出来ず。




かつてのインフィニットでは、イベントで主人公と心を通じ合わせる描写やEDがあっても、立場上こちらサイドに来ることはまずないだろうと。




ゆえに敵役以外のポジションはあり得ないと思っていた。




かの救世主も、ついに人の愛に目覚めたようだ。




しかし彼は根っから悪者ではなく、幼少からの凄惨な環境や出来事の被害者ともいえるので、今回明確な救いのルートがあって良かったと思っている。

仲間にしたルートで、ラスボスがエルファスであるにも関わらず、パーティにも彼がいるままという謎現象(バグ)が発生することがあるらしいが、筆者は未確認(エルファスが2人居ることになるのは、絵面的に面白いが……)。

純粋悪と呼べるのはシャリと思ったが、よくよく考えれば彼も「人の願い」から生まれた存在なので、完全な悪とするには立ち位置が微妙。




今後さらなるリメイクの際には、彼にも救いのルートがあれば良いかもしれない(一応EDこそあるが、あまりハッピーな感じではない。しかし彼のセリフが厨二病の末期症状をかもしているので、一見の価値はある)。




火の巫女・フレアについて。




今作でようやく仲間入りを果たした彼女の加入条件はそれなりに難しく、イベントも継続して起こす必要があり、攻略のシビアさは増した。




しかし一連のイベントでは、だんだんと人らしい感情が芽生え、なかなか心が温まるものになっているため一見の価値は充分あり。




なおEDでの彼女のそこはかとないヤンデレ感は相変わらず。




かつての無印ではどうあがいても救われない存在だったことを考えれば、エルファス同様リメイクで報われて良かったというほかない。




そしてロストール酒場の看板娘・フェルムの加入。




……スタッフ愛?




インフィニットからのしがない脇役(酒場の店員)から、バイプレーヤーまでのし上がった如く。




しかも彼女、物理ソウルのアークソードなどを付けてじっくり育てると、固有イベントで入手可な伝説フライパンの性能も相まり、竜王でも沈めるリーサルウェポンと化す(もう一度書くが元は酒場の店員)。




なお彼女のED条件となるイベントは非常に切羽詰まった重大事件の最中に起こり、消化する場合は、主人公のまったく空気が読めていない選択肢が見られる。




「フェルムは渡さない」←いやいや、元々何しに行く途中だったよ。




ザハク「……来ないな……これも徒労か」




最後に今作にて初お見えの、ジリオン(主人公と同じ無限のソウル持ち)&イーシャコンビ。




ジリオンこそ加入の手間がかかるものの、イーシャはゼグナ鉱山ですぐ仲間に出来る割に、最初からソウル・トリックスター(盗賊系の中級ソウル)を宿しているほか、固有武器も良性能という優秀キャラ(旅立ち先が「闇に閉ざされた塔」なら、強制で初期メンとなる)。




後からもふれているが、初心者救済キャラのデルガドと並び、序盤で仲間にすべき強キャラの候補に入る。




またそれぞれ個別エンドも用意されているが、両名が登場するエンドも用意されているあたり既存キャラの濃い面々に比べ、いまいち印象が薄く、後付け感がハンパないお二人さんのわりに、なかなかの待遇である。

フリーシナリオの無情さ

自由度がすこぶる高いフリーシナリオ。




これはすなわち、登場人物の生死にも少なからず影響をおよぼす要素でもある。




プレイヤーの選択や行動により主要キャラが亡くなってしまうシビアさは、無印から継続しているもよう(絶対に死なないキャラがほとんどだが)。




死なせてしまった場合、該当キャラについてネモにたずねると「そいつ死んじまったぜ……」的な無常なメッセージを返してくる。




死亡のきっかけとなるイベントは戦争や闇の勢力に関わるものがほとんどだが、ネメア即位以降にこれらは続々と発生していく。




そして、これらのシナリオに関わるエステルやゼネテスたちがとりわけ被害に遭いやすい。




プレイヤーが意図的に関与しない場合、該当キャラの死亡は普通に起きえることで、最悪なのはネモに親密度を聞いた時に、そのキャラがいつの間にか死んでいたことが発覚するケース。

前フリにもなる歴史イベントをほったらかしにして進めると、該当キャラの死が確定してしまう。救いたい場合はそれらのキャラに関わる行動や選択を慎重にするべき(積極的に関わろうとすれば悲劇は避けやすい)。

ごめんよ、アンギルダン。

悪役が光っている

闇の勢力の連中には、特に濃い面々が出そろっているように感じる。




シャリやクセモノぞろいの闇の円卓騎士連中もさながら、中盤以降に登場するジュサプブロスというキャラは厨二という存在を具現化したような要素が詰まっている。




まず肩書が※システィーナの伝道師の1人、黒の祈りのジュサプブロス。

※破壊神ウルグが愛した女性の名を冠した、ウルグ復活をもくろむ秘密結社。秘密結社といいつつ所属メンバーは救世主・エルファス(前述したが今回でパーティーイン可能)東方の博士または虚無の子・シャリ、妖術宰相・ゾフォル、この黒の祈りのジュサプブロスの四名という少数精鋭。各自で担当があるらしく、たとえばシャリはロストールでの暗躍や、ラドラスイベでの巫女誘拐、ゾフォルはエンシャントのソウルリープ、ザギヴそそのかしなどを行っている。

システィーナは本編で人々が宿す全てのソウル(魂のようなもの)の産みの親という位置づけにもなっている。

シャリの異名・東方の博士について。キリスト教の伝承で、東方から3人の占星術の学者(東方の三博士)がベツヘレムの星(分かりやすくはクリスマスツリーに飾るお星さま)の元に産まれたというキリストを、贈り物を持って訪ねたという話がある。異名はこの三博士をモチーフにしたと思われる。

こうした集まりというだけでも厨二っぽいのに、あげくコードネームが黒の祈り(なぜ黒の祈りという異名なのかは不明)。




外見は世界観に不釣り合いな丸グラサン(に見える)をかけた生粋の青年ダークエルフであり、言動は冷めていつつも、どこか穏やか。




しかしその目的は死と絶望を世界に広めるという物騒極まりないもので、さらに※5歳までの子供は命を取らず見逃すという何とも独特な主義観を持っている。

※彼とのイベント次第で、その理由を知ることが可能だが、彼の惨い過去を知った後で行いに納得出来るかどうかもプレイヤー次第。

なおジル世界では、怒りや恨みなどの強いマイナス感情に支配されたエルフが、褐色のダークエルフへ変化する現象がある(冒険者に妹をこ〇され、ダークエルフ化したオイフェが例)。さらにダークエルフはその存在自体が同属のエルフをはじめ、人々に疎まれる不幸な存在でもある。ジュサプブロスは生まれながらのダークエルフなので稀有な存在ともいえる。

実力も高く、なにより彼が持つ特殊能力は空間を歪め操るといったもので、大陸最強レベルの強さを誇っているもよう(ネメアと戦った時には、自分を圧倒する彼を称賛しつつ「この大陸で自分に勝てる奴はそうそう居ないのに」と語っている)。




実際、その時の顛末ではネメアに能力を使い、彼を異界へと飛ばしている(主人公もしくはノエルをかばった際のもらい事故だが)。




とどのつまり、さまざまな悪役要素が詰まったキャラである。




黒の祈りのジュサプブロス。




ンフッ……(名前だけでも厨二臭いため、つい笑ってしまう)。




残念ながら、そんな彼の出番は中・後半の一時期のみだが、全キャラ中でもまちがいなくトップクラスの存在感をかもしている。




しかしその最後はあっけなく、リメイクのリメイクである今作においても報われず、今際のきわに発したセリフもどこか切ない。




相当な数の命を奪っていると思われるので、因果応報といえばそれまでだが、ジルオール屈指の印象深いキャラの1人となったのはいうまでもなく。




一方、こちらもシスティーナの伝道師のメンバー、妖術宰相・ゾフォル(の言動)を筆者は割と気に入っている。




彼はやや序盤で出会えるキャラの1人だが、設定はかつて世界を危機に陥れた魔王の元側近というこれまた厨二臭が濃いヤベー御仁。




……にもかかわらず、エンシャントスラムでおじいちゃん狩り兵士に絡まれているという何とも世知辛い登場シーンがこれまた印象的。




彼を助ける選択をとると、主人公を気に入ったのか、すぐそばにある自分の住処へとまねいてくれるように。




以降は本人の言うとおり、お茶も菓子も出さず、代わりに哲学的メッセージを、3パターンだけ聞かせてくれる状態になる。




会話パターンは少ないが、内容はまさにゾフォル語録。




当初は意味があまり分からなかったが、ある程度年月を重ねた今だと、なんとなく腑に落ちる内容ばかりで、個人的には彼の言葉のパターンがもっと欲しかったところ。




そんな妖術宰相は、残念ながら仲間になることなく、あくまで敵としてのポジションしか用意されていない。




せめて今作ではストーリーから退場する際に、ゾフォルを助けた時限定で、主人公への彼なりの別れセリフでも追加されていたら、さらに良かったと思っている。




エンシャントのソウルリープ時は初めて対峙する悪役がごとく。




しょっちゅうお家に行ってた仲だったじゃん(確かに助けた時は「いつかお前とコ〇シあう」とか不吉なことをいってた気がするけどさ)。

筆者どのにとってかなり印象的なセリフをしゃべるようだな。

そのゾフォルという者は。

彼のセリフの中で、一番心に残ったっていうのを次に抜粋させてもらったよ。

人はきれいに生きようとする。

悲しいほどにきれいにな。

そうすると人を許せなくなる。

滑稽なほどに。

無責任なほどにな。

©コーエーテクモゲームス Zill O’ll~infinite plus~より 妖術宰相ゾフォルの台詞テキストより抜粋 

確かになんとなく深いことを言っている気はするが。

ゲームとは無関係に、現実にも当てはまるような内容だな。

まちがった解釈かもしれないけど、真面目で頭の良い人の中には、そうじゃない人には冷たかったり、自分の考えこそが正しいって思ったりする人も居るじゃない?

不思議なことに必死に努力してきた人ほどね(成功体験が多い人だと、自負心プラスでなおさらね)能力があるからって人格まで優れているとは限らないってことだね。

人が良くても全然ダメダメっていう逆パターンだってあるけどさ(ドラ〇もんの〇太くんみたいなね)。

そういう者は今も昔も少なくないからな。

でも能力があっても人を卑下せず、理解しようとする。

そんな人が本当の意味で優秀な人じゃないかってボクは思ってるよ。

って、人生論語っちゃったよ……なんにせよゲームのセリフで、筆者が感銘を受けるとは思わなかったみたいだね。

セリフに元ネタがあるのかな。

円卓騎士・最強の男その名は……

12人居る闇の円卓騎士の1人で、リーダー格のヴァシュタールというキャラが居る。




闇の勢力の筆頭という設定のみでも厨二感ある存在なのだが、コイツの各セリフこそがゾフォル顔負けの哲学感満載のもので、ただの悪役ではない印象をこちらに強く植え付けたキャラ。




印象付けの1つとなった出来事は、仲間キャラ・アイリーン加入イベントでのこと。




以下、ざっくりとした顛末。




女性騎士を目指して戦争に参加したものの、結果的にいわゆる戦争ブルーになってしまった彼女へと、ヴァシュタールが数々の哲学台詞をぶちかまし、その後はなぜか彼女を主人公にけしかけてバトルが発生




少し攻略的な話にもなるが、このバトルでは逃げるを選択するのが正解で、その後アイリーンは良い意味で吹っ切れて正式に仲間加入するのが一連の流れとなる。




ここでヴァシュタールが「開け放つもの」という別名を持つことに注目(各円卓騎士には「告げるもの」・「打ち砕くもの」など、これまた厨二感がただよう名前が付けられている)。




そもそものイベントの起こりは、戦争ブルーのアイリーンが開け放つものという異名を持つ魔人が存在するのを知り、自分の心情を聞いてもらおうと彼を探すところから始まった。




要するに人生相談を得体の知れない魔人に持ち込もうとしていたのだが、ようやく出会った後は哲学感満載の説教と実地訓練(主人公とのバトル)により、なんだかんだでアイリーンの精神が救われる結果となる。




魔人ヴァシュタールはその異名に恥じることなく、見事アイリーンの心を開け放ったというワケだ(最後はまたもや意味深な言葉と共に去っていく)。




ちなみにヴァシュタール自身は、長年続いている光と闇の争いごとに疲れ果てていて、本来の目的である破壊神の復活などほぼどうでも良くなっている、要するに「昔はブイブイいわせた隠居老人」的な存在に近い。




一方でかつての同僚・ネモいわく「親身にはなってくれない」というセリフ通り、まったくの善人でもないものの……。




結果的にはアイリーンが救われるきっかけ作りをした「結構いいヤツ」と言わざるを得ない(筆者はイベ※失敗パターンを見ておらず、そちらを知れば印象が変わったかも知れない

※調べによると先のアイリーン戦で主人公が勝った場合、彼女は死亡してしまうようです……こういう展開にもなり得ることをヴァシュタールが予測していた場合、ネモの言葉通り「親身にはなってくれない」という彼の性質を表しているのかもしれません。

あと一つ思うのは、やる気が皆無なヴァシュタールはもちろん、本編中ほとんどの円卓騎士が主の破壊神ではなく自分のために活動しているという始末。




聖杯を取り返したいものの、結局ずっと友好ネコなネモ。




モンスターを使って破壊活動をしたいだけのアーギルシャイア。




世の中のすべてが徒労ということを、みんなに伝えたがっている新興宗教の教祖さながらのザハク。




結局何がしたいのかわからなかった終始緊縛プレイのサムスンなどなど…。





唯一主にちゃんと仕えていそうな円卓騎士はバルザー(あるイベントを見るとそれも少し微妙に感じられる)か、設定のみで出番ナシのイシュベノブあたり。




元からカリスマ性が不足しているのか、破壊神涙目。




これまた破壊神復活とは関係ないところで、ヴァシュタールが同僚なはずのアーギルシャイアを個人的に制裁していたイベを見るに、現在でもほかの魔人を圧倒する程の力は残っているもよう。




その際、うろ覚えだが「教えておくれ、アーギルシャイア、女とは裏切るものなのか?」という風な性別の根幹にふれるセリフを投げかけるところも、また彼らしい。




色んな意味で円卓騎士最強である。




ちなみにヴァシュタールとは直接戦えるルート(始まりの地スタート限定)もあり、実際それなりに強いが、バトル後の彼もまた「意外と話の分かるやつ」っぽく退場する。




こうしたあまり表舞台に出てこないが、実際に戦うと強いヤツ設定のキャラについついカッコよさを感じてしまう(オマケにプラスでは美青年な顔グラを当てられた)。




魅力的な悪役が多いジルオールの中で、コイツも印象に深く残るキャラとしてあげておきたい。

華麗なる尻出し娘・カルラ

こちらもかなりのネタバレとなるが(ネタバレレビューなので今更)彼女の生い立ちは色々と凄まじく、12歳の頃に出身の村を襲った兵士たちに親兄弟・友人・恋人すべてをこ〇されたあげく、目の当たりにした本人も納屋で※転がされたという陰惨な経験を持つ(要するにレ〇プされた)。

※この話が聞けるイベントは、序盤のロセンでのカルラとの初対面&侵入イベント終了後、ディンガルの墓場にてランダムで発生(連続で起こす必要あり)。

ディンガル兵士となったのも、その陰惨な出来事がきっかけとなり、彼女のポリシーも「いつも笑っていたい、そのために誰よりも強くなりたい」というものへと変わっていったようだ。




そこまでなら単に、大変な苦労から這い上がった超絶タフな女性のようにも思えるが……。




ともあれその後の活躍や思いの甲斐あってか、のちに皇帝に即位したネメアに見出され、17歳の若さでディンガル青龍将軍に抜擢される。




しかしその後の彼女は活躍っぷりよりも、かつて自分の村を襲撃したペウダ、それに関与したエリス王妃やリベルダムの豪商に対しての復讐心がむき出しになったことからか、モロに私情をはさんだ破壊活動や暴虐さ(ペウダ一族を子供に至るまで処刑するなど)の方が目立ってくる。




あげく制圧後のロセン広場には自分の彫像まで作らせる始末。




当初、主人公と共にロセンに侵入して、少女を救出するところまでは良かったものの、軍の長となって権力をモノにしたせいか、タガも外れてしまったようである。




その後も着々と侵略を進める暴走ポニーテールと化した彼女に対しての考え方は、経緯を考えれば仕方なしとするも、ちょっとやりすぎと思うのもプレイヤー次第といったところ(筆者は後者寄り、像を作ったあたりの気持ちがよく分からない)。




ただ、そんな彼女も後の歴史イベント、ジラークの乱で、問答の末、ジラークにその本心を突かれることとなり、彼女が良い意味で吹っ切れる結末を迎える。

上記イベントでジラークがカルラへと投げかけた言葉があってこそ感じ始めたことだが、彼女の顔絵は口元こそ笑っているものの、目がまったく笑っていない(ように見えてきた)。もしそうだとして、ジラークとのイベ後に、マジ笑顔の別パターン絵にでも差し代わっていたなら、なお良かったかもしれない。

それはそうとして。




これら凄まじいエピソードや経歴が気にならなくなるほど目をひくのは、彼女独自のいでたち。




俗にいうハイレグアーマーもしくビキニアーマーな的なものだと思うが、下半身の布地面積がやたらに少ない。




インフィニットや今作のパッケージを見ても分かる通り、彼女のこの肌の露出は他のキャラと比べても頭一つ抜けている(唯一、露出面積で勝っているのはカフィンくらい)




一見か弱そうな体躯に似合わない大鎌を所持しているあたりは「青い死神」という異名がピッタリくるものの、そんなことより着ている物の方がやはりツッコミたくなる。




また通常時のグラフィックではもちろん、彼女が居る時のバトルやイベントシーンでは、そのヒップをおがむ機会が多い。年頃の男性キャラ(チャカとかナッジとか)が一緒な場合、気が散ってたまったもんではないはず。




下手なことをいうと斬られる恐れがありそうなのか、彼女のそんな様相について本編中、ツッコむ者はほぼ居ない。




お構いなしに空気を読まなさそうなフェテイやユーリスあたりに「露出狂」とか言われても良さそうなものだが(筆者は未確認だが、そういうセリフが本当にあるかもしれない)。




余談、ジルオールの4コマ漫画(ひっそり発売されていた上に3巻まである)では、カルラが同僚(モブ)に「下履き忘れてるよ!」とツッこまれて「いけなーい!(てへっ)」的な風に描かれていた。




本編からはずれたマンガの世界とはいえ、あの格好はさすがにネタにされたようである。

いくつかのイベントについて

プレイメモというほどでもないですが、いくつかのイベントでの所感を、ぎっちり字詰めで。

なお現在ロストール勢の内容のみです。

1・男主人公でのアリアリ(ヴィアリアリ)・イライラ(ヴァイライラ)姉妹の加入イベ中に、裏で起こったツェラシェルに関する真相を知らなければ、突然「お兄ちゃん!&お兄様!」と呼ばれ、なかなか怖い(直前までプレイヤー名で呼ばれていたのに)。ジルでは珍しいホラーテイストっぽさがある(闇落ち確定のティアナ・アトレイア訪問時、イベントフラグが折れたフレア訪問時の会話など、何度話しかけてもうわごとのように暗いセリフを繰り返す様も怖い)。

2・ティアナ生存時(闇落ち回避)リューガの変後にて、それまでかなり影の薄かったセルモノー王との会話イベントでのこと。妻としてではなく政治の道具としか見ていなかったエリス王妃(すでに先立っている)に会いに行くといい、ティアナと世界のことを主人公に託して死んでいく。一国の王としての潔さらしきものが最後に垣間見れた気がする。なお、アトレイア生存時でも発生確認。ティアナの時は失念したが、円卓騎士サムスンとのバトルも発生。勝利後、同様にエリスへの贖罪の言葉を吐露し、ティアナに対しても「娘」として向き合って来なかったことへの後悔、そして同じく主人公へティアナの事を託すが、このルートでは彼女が闇落ちしているため、もの悲しさはアトレイア生存時の方が増した。最初から最後まで報われない王である。

3・これもリューガの変後のオマケイベントのようなもので(ティアナ生存時に発生するのを確認)陰湿で非道なあのタルテュバが、改心して果てるというレアシーンが見られた。なお生命のかけらが必要。このイベントを知らずのままだったら、彼を少しでも哀れと思うことは一生なかっただろう。プレイヤーによっては彼の評価が一気にくつがえるかもしれないほど貴重な場面。上記と同じく、アトレイア生存時でも確認。内容はそれほど差異ないが、関連イベントで彼女を邪険にしたことへの罪の意識も感じ取れたあたり、こちらの方もティアナパターンよりグッときた。タルテュバよ、更なるリメイクがあったら、その時こそ救いのルートがあることを。

グラフィック ★★★

一昔前のタイトルのため、粗さを感じるのは仕方ありません(それも近年の美麗なオープンワールドゲームなどと比べての話ですが)。




良くいうなら今でも充分キレイに見える。悪くいえばこれという奇抜さや特徴がない平凡グラフィック。




ただこのゲームの魅力はグラフィックではないので、これでまったく問題なしです。




もっとも水の都・アキュリュースや、魔法使いだけが住むウルカーン、リベルダムの時計台といった大陸の各名所を見ても、中世的な雰囲気が損なわれておらず、遠景に映る空や海、山並みや木々までもが、時に実写と見まがうほど美しく描かれています。




モンスターも、単に色ちがいで数を水増ししたようなものではなく、バリエーションに富んでいます。




ファンタジーの花形的なドラゴン・ミノタウロス・コカトリスといった敵も登場し、デザインも「こういうものだよね」と納得できるもので、見ても一発でそれと認識できるくらいに特徴がしっかり押さえられています。




ただしゴブリンのような小型の敵になると、表情など細部のディテールはほぼ見えず。モンスターをいろんな角度やどアップで見られる図鑑機能でもあれば、良かったかもしれません。




グラフィック面での残念ポイントは、洞窟や山岳の岩肌とほぼ同系色の宝箱が見えづらいこと。




これでスルーしてしまった宝箱も少なからずですが。注視さえすれば見えないこともないので、こちらはまだ許せる範囲です。




そもそも点在する宝箱の総数もそう多くありませんし。




ところどころで挿入されるムービーシーンも数こそ多くないものの、無双シリーズのコーエーが発売元なためか、こちらはさすがに今見ても美麗。




迫力がある演出もさること、ムービーに登場するキャラは同メーカーの無双シリーズのごとく皆、美男美女に描かれています。

特筆はキャラデザ

洋ゲーっぽいタッチながら、日本人が好みそうなギリギリを攻めている顔つきが絶妙。




それも男女ともに数十ものキャラが居るにも関わらず、しっかり表情が描き分けられるって一体(プロってすごいなと改めて思います)。




男性キャラでは、ロイとセラが双極的な美男子コンビ、エストやナッジ、エルファスにオルフェウスは美形優男、何気にベルゼ閣下もキリっとしている(革新的なヘアースタイルさえ気にしなければ)。また好みにもよるが、ダルケニス化したレムオンはゲーム中最高レベルの美男子に見える(別ゲー、悪魔城ドラキュラ・月下の夜想曲のアルカードに見えなくもない)。

アンギルダン「自分では少々男前と思っとるがダメか?」

イオンズ「それをいうならワシもだなあ」

デルガド「選び方の基準は一体どうなっとる」

ゼネテス「とっつぁんたちはともかく。オレなんぞ阿〇さんって某漫画のホ〇キャラに似てるとか言われてるんだぜ……」

ネメア(ベルゼーヴァが美形か……)

レーグ「……戦わずして負けというのは気に入らん」

ヴァン「へへっ、ナッジに負けて、心をなっじられた感じだぜ」

ガルドラン「ぬわんと!この不平等かつ身勝手な扱い、さては貴様、魔王の手さ……」






女性キャラならエステル・ティアナ・アトレイア・ルルアンタ・フェルム、それとヒルダリア・ユーリス・カルラ・イライラ・アリアリ姉妹、巫女3人あたりもそれぞれ特徴ありつつ、カワイイ&キレイに描かれている(というかほとんどそうなりますが、挙げればキリがなく、面倒なので男子陣に比べおざなりな書き方になってしまいました。というかなぜキャラを片っ端から列挙しようとしたのか、自分でもわかりません)。

フェティ「なぜタクシを挙げないの!キーッ!!」

アイリーン「私も呼ばれて無いわよ!」

ザギヴ「私のことも忘れているようね」

オイフェ「キリキリ……⦅弓を引いている⦆」

カフィン「私みたいなのはなんかちがうんだってさ……斬っちゃおうかしら」

ケリュネイア・イーシャ・クリュセイスほか「私たちは多分ホントに忘れられてる……」

エリス「ふふっ、実に短絡的な選出をするものだ……」

フゴー夫人「そうですわねー」


これら魅力的なキャラクターを描いている方は末弥純氏、ファミコンやスーファミ版のウィザードリィのモンスターデザインなども手掛けていらっしゃるイラストレーターとか。




ウィザードリィのいくつかのシリーズは筆者も遊んだことがあり、いわれてみれば絵には馴染みがある。




しかも別ゲーのアクションロープレ・ブランディッシュのパッケージイラストもそうだったという。




存じ上げなかっただけで、自分も遊んだ多くの他作品も手掛けていらっしゃったんだなという発見である。

脱・呪い人形

どこかで見た話だが、ルルアンタの勝利後ポーズがようやく自然でスムーズな感じに




かつてのインフィニットでのこと、バトル終了時にアップ演出を飾る彼女が、じつに薄気味悪いモーションでカクカクしていたため、まるで西洋の呪い人形のごたる。




それが改善されたことで、ようやくリルビーという種族の可愛らしさも伝わってきた気がする。




もっとも全キャラの立ちグラフィックは、リメイクのリメイクな今作でも、若干の薄気味悪さを持ち続けている。




みんなリアル等身で無表情なため、控えめにいっても「マネキン」のような感じなのだ(そして若干粗い)。




ある意味、不気味の谷。




しかし、ここまで他の要素を盛り込んだゲーム性を考えると、キャラの表情まで作り込むのは無理だったのかも知れない。

サウンド・音楽 ★★★‐

無印からインフィニットへのリメイクに際し、作曲の人が変わったらしく、今作でもインフィニット曲が引き継がれている様です。




無印からもテイストが大きく変わったわけではなく、いずれの曲も幻想的で素敵ではあるのですが……。

あの曲……あの曲だけでも復活して欲しかった

無印ジルオールの大ボス戦曲「激闘」が、今作でも聴けなかったことが非常に惜しい。




筆者が初めてこれを聴いたのは、ラドラスのシャリ戦。




終始クライマックス感のある曲調に合わせたピアノフレーズが耳を打つ、数あるジルオール楽曲の中でも間違いなく、最もテンションが上がる一曲だが、今作では曲名が同じだけの別BGM。




この「激闘」もそこまで悪くないものの、なにぶん無印の激闘が良過ぎたせいか、どうしても聴きおとってしまう。




一方、ウルカーンで流れる曲は、リメイク後の方が素敵。




民族的でどこかもの悲しさを感じるメロディは、まさしくファンタジー世界を旅するような感覚にひたれる。




この曲の存在があるからか、これ以上評価を下げる必要がなかったワケで。




もしウルカーンの曲が無ければ、お星さま評価は2つにさせてもらっていたと思うので、ジルオーラーな自分としては、ある意味ホッとしている(BGMがウリのタイトルでもないと思うが)。

システム・内容 ★★★+

開始時に選択可能な旅立ち先(スタート地点)により、導入部、イベント、一部キャラとの関係性までが変化するのが大きな特徴です。

たとえば男主人公で「王城のある大都市」を旅立ち先に選んだ場合は、アイリーンどのとは幼馴染の関係になるようだな。

そこ以外の旅立ち先だと、完全に初対面な感じになるんだよねっ。

周回前提なゲームだから、その都度、旅立ち先や性別を変えるのが、新鮮味があっておススメかな(何なら2周目から解禁される旅立ち先もあるしね)。

ほかにも初期の能力値を決める簡単な心理テストみたいなのが何問かあったり、髪の色まで数パターン用意されたりしてるけど、プレイにはほとんど影響しないから、こっちはプレイヤーの好みで選んで問題なしだね。

もっとも旅立ち先は、シナリオ深くにまで影響することはなく(一部イベントの発生、EDの可・不可の影響はあるものの)冒頭のチュートリアルイベントを終わらせたあとは、一部を除くほとんどの地域へ、とっぱじめから自由な行き来が可能に。




つまり、そこからが本当の冒険スタート。




ともなって序盤でさえイベントが立て続けに起こるため、最初は何をしてどこに行って良いか困惑してしまうことなんてのは、ジルオールあるあるです。




この出だしから「なんか求めてたのとちげーな……」という風に、とっつきづらさを感じた人は、下手すれば、この段階で投げてしまう可能性もあります(ゲームスピードも快適とはいえないため、むしろ筆者がそうなりかけました)。




しかし重厚でこってりとしたストーリーと世界観を持つ今作を、最序盤で投げるのは大変もったいないですし、せっかくリアルマネ―を出して購入したのなら、その元くらいは取りましょう




何なら初回はスゲー適当でも良いので、最初に加入する仲間や(これも旅立ち先で異なる)や、どの旅立ち先でも訪れることになるネコ屋敷でアドバイスされたとおりに行動してみるのが「いきなり積みゲー」を回避する第一歩。




いわれるがまま冒険者ギルドで登録を行い、手紙配達などの簡単仕事から請け負い、各地で仲間を加えたり、キャラと交流を深めたりする内に、おおまかな世界観も把握できます。




要は2~3時間くらいやっている内に慣れるってなもんです。




何なら、この最序盤が冒険感を強く味わえる一番楽しい頃です。




ゲーム性が分からない時期だからこその楽しみ方もあるわけで、やればやるほどストーリーやキャラの魅力も掘り下げられて奥深くなる、ジルオールとはそういうゲームだと思っています(そういう意味ではスルメゲーでもあります)。




と、絶賛して終わらせたいところですが、いくらかの不満点はどうしてもあるもので。




RPGの基本要素(バトル・探索・町での買い物etc……)を抑えつつ、キャラ育成に大きく影響するソウルシステムといったオリジナル要素も搭載して、ゲームとしては一見抜かりないものに思える今作。




それでもシステム面でのマイナス点は、残念ながらいくつか存在します。




その一つ、RPG特有の作業感(慣れ)による「中だるみ」が、このジルオールでは頻繁に感じられます。




たとえば街や村でうけられるギルド依頼。




最初こそ新鮮で、様々な仕事がてらに各地を行き来し、NPCとのイベントも見るためにも必要なことではあるのですが……。




実はこのギルド依頼。種類はそれほど豊富でもなく、慣れると簡単かつクリア方法もパターン化しがちです。

かなり攻略的な話ですが、敵の動きを一定時間止めるストップ、姿を消すことでエンカウント回避できるインビジブル、ダンジョン入り口まで瞬時に戻れるエスケープのスペルさえ覚えれば、探索・配達・護衛・※救出の4種は一気に作業と化します(今更ながらこのゲームはシンボルエンカウント)。

※依頼をこなして冒険者としてそこそこ有名になると、ギルドから頼まれます(拒否も可能)。

裏を返せば、これらのスペルを覚えて、報酬多めの探索を繰り返すだけでレベリング・ソウルポイント稼ぎ・金策の難度は崩壊します(といいつつ、上記スペルの使用には一定の属性レベルを満たす必要があるため、これを稼ぐために、ある程度のバトル回数を積むことが必須となります)。

キャラ育成も兼ねて、どうしてもある程度の数はこなしていく必要があるのですが、積み重なると後にプレイヤー自身が発するあくびとの戦いとなります。




さらに依頼によっては、同じダンジョンを何度も行き来するハメにも。




各所の風景もやがては見飽き、視覚的なものもあって作業感は増します。




もっとも、良質なシナリオと豊富なイベントのおかげか、それも耐えられる範囲なのが救い。




こうすればもっと良かったというような代替案も今のところ思いつかないので、冒険の一環として受け入れてしまうのが、今作を楽しく遊ぶための秘訣かもしれません。




またキャラ育成の要・ソウルシステムも無印からほぼ改変なく。

ソウルもさ、戦士系や魔法使い系とか色々用意されてるけど、身もフタもないこというと、FFのジョブみたいなもんだよね。

相変わらずくさすようなことをいう。

もっとも主人公だけが付けられるソウルもあるのだから、それを解禁するといった攻略の楽しみもあるな。

初回プレイではソウルの付け替えで、キャラをどう成長させるべきか、ついつい模索しがち。




主人公や仲間の育て方は、ソウルを基本に多種多様に広がりますが、物理特化のキャラを育てるにあたっては、いささか注意が必要かもしれません(ここでふれています)




今作では引継ぎ要素のおかげで周回も楽になりましたが、いくつかの要素はいまだに大味。




単調かつ慣れると簡単なギルド依頼の存在がまた一役買うことになるのですが、依頼を延々とこなすだけでもキャラはどんどん成長していきます。




それこそ周回時はソウルポイント&錬剛石の引継ぎも可能なため、難度低下に拍車もかかります。




周回すればするほどプレイヤーも「攻略の最適解」が分かってくるため「いつも同じソウル・武器・仲間」という風な、マンネリが避けられないところ。




普段とちがう進め方や今まで使用しなかった武器種、仲間の運用などで多少は埋められるかもしれませんが、いつかは限界が来ます。




意外とこれが致命的であり、飽きっぽければせいぜい2周目の途中あたりから、ゲームを投げる可能性があります。




こればかりはプレイヤーの性格やリアルでの都合など、さまざまなことが影響するため、これ以上はなんともいえません(どんなゲームにも共通することでしょうし)。




もう一つ重要点(これもマイナスポイント)を。




各キャラで特徴ありの勝利後ポーズ(最後にトドメをさすと見られるやつ)はスキップ不可で、見終わるまでに数秒ほどかかり、バトルが積み重なると地味に苦痛です(一回見たからもう良いよって毎回心でツッコミを入れています)。




またイベントが発生すると、通常の画面切り替え時に発生する暗転タイムがより長くなり、一瞬フリーズしたかの様な錯覚さえ覚えます。






一方、バトル突入時の画面切り替わりはほぼ一瞬で、バトル間の演出も決定ボタン押しでスキップ可なところは良点(これさえなければ、ちょっと……という感じでしたが)。




もっともほかのゲームでは、ロードがずっとヤバいやつもあるのでまだ許容範囲です。これからプレイする方がよほど気短でなければ多少目をつぶれるレベルかなと思います。




それがあっても名作だと思っています。




なおプレイ環境でのちがいが気になる方は、総評の方でもう少しくわしく書いているので、そちらも読んでほしいですが、簡単にいえばパッケージ版では無く、筆者も遊んだDL版でのプレイがおススメです。




比較していませんが、DL版はローディング時間がかなり改善されているとのことで、上記までの話もDL版の環境に準拠しています。




メモリースティックの容量に余裕があれば、タイトルからデータインストール(行うことでロード短縮が可能・空き283MB必要)も合わせて行っておくと良いでしょう(しかし……↓)

このレビューを書いた大分後になってから容量確認のため、何気にデータインストールの項目を確認したところ、初回プレイからずっとインストールを行っていない状態でプレイしていたことに気付きました(間抜けな話ですが、今になってみればこれが幸いだったようです)。

すかさずインストールを済ませ(正味10分くらいかかった)どの程度ロード短縮するかを検証するため、まだ残っていたラスト付近のデータで設定メニューを開き、オンにしてテストプレイ。

するとラスダン(廃城)内のジュサプブロスとのシーンに切り替わったところで会話テキストが出ないまま、10秒以上硬直してからシーンが進みました(ホントにフリーズしたかと思いました)。オフでも試したところ、同じシーンでもこちらの方がやや早めにテキストが出現し、何なら手前の画面切り替え時のロードもオン時より数秒は短かったです。


バトルではどうなのかと思い、すぐそばにいた敵(リッチ二体)に接触したところ、オンでは3~4秒ほどかかり、オフだと一瞬でバトル画面に突入しました。

局地的な場面での検証につき、ほかの状況ではどうなのか分かりませんが、この挙動が全編に渡るなら、データインストールは少なくともDL版ではやらない方が良いかも……という結論です。

この辺りの機能の働きはくわしくない筆者ですが、本来読み込みを早くするための機能が、かえって遅さをまねくとは、一体どういうことなんだろうと……(思い出してみればそういうタイトルはほかにもあったかもしれません)。

なおテストプレイの環境は型番3000のPSPでした。

あとさリメイク前からずっとのことだけど、キャラを移動させる時は、ダッシュしてもけっこう遅く感じるんだよね。

基本はクォータービュー(斜め見降ろし)な視点なんだけど。

場所によっては視点がガラッと変わるし、大分奥行があるところも存在するからな。

そういう場所を移動すると視覚的にムリもないが。

ただ現実的な速度で考えたらあんなものだろう。

街中でも画面切り替えポイントまで行くのに、けっこう時間かかったりすんだよね。

移動の倍速機能があったら、大分改善されたと思うけどね。

あとオートバトルも欲しいところだったかな。

コツを知っているとさらに簡単ゲー

こちらが低レベルでも、不釣り合いな強敵に遭遇する最序盤がもっとも苦労しやすい時期。




かくいう筆者もゲーム性がよく分からなかった頃「とりあえずはじっこまで行ったろ」と思い、いきなりエルズまでおもむき。神殿道中のドラゴンマイムにヌッコロされたのは良き思い出。




本来はこちらのレベルに応じて、うろつくモンスターも強いランクへと段階的に上がっていくもの。




が、それは街道や航路での話。




ダンジョンは例外であり、ドラゴンマイムのごとく、やたら強いモンスターを初期配置している危険区域も少なくない。




たとえば竜王の島や街中にしれっと建っているにも関わらず、後にラストダンジョンとなる廃城などがそれにあたる。




そんな危険な場所にソッコー行けてしまうのは自由度が高いゲームゆえ。




そしてこのゲームはその自由度を逆手に、難易度を一気に下げるプレイ法もある(2周目から行うことを推奨したい)。




ジルオーラーにとってすでにメジャーだが、最強クラスの武器を序盤で入手可能な方法もその1つ。




事前準備はソウル・グレモリィ&スキル・ディテクターと、ソウル・ルナシャドウ&スキル・クイックアーツの取得のみ。




適当な依頼と戦闘を繰り返してこれらを取得したら、速攻でダンジョン内の武器宝箱の元まで辿り着く(武器が入っている宝箱の場所を知っていることも重要)。




後はダンジョン内でもセーブ&ロード可能な仕様を活かし、宝箱トラップを解除成功するまで繰り返すだけ。




これで序盤からでも※竜破(りゅうは)などをゲット可能。

※ゼグナ鉱山の宝箱から入手可能。無属性で使い勝手も良く、鍛冶強化も可能な最強クラスの大剣。

装備品のみでごり押しできるほど低い難度ではないにしろ、序盤の戦闘はこれら強武器を入手してしまうことで相当楽になる。




ルナシャドウとクイックアーツ取得までが少々手間だが、さっさと仲間を4人揃えて、配達などの簡単クエや、手ごろなダンジョンでバトルを辛抱して繰り返すと割と早く達成可能(ソウルだけなら、2週目の引継ぎポイントでただちに取得出来る)。




首尾よくゲットした後は普通に進めていっても大丈夫だが、ある程度キャラも育成したい&序盤のイベントを一通り終わらせたいのであれば、あえてキーイベントを起こさず、メインシナリオ(歴史進行)をストップさせる方法も存在する。

あまりに長期間歴史をストップしていると、中盤から怒涛の勢いでシナリオが進んでしまい、期限イベの消化が間に合わなくなる可能性があるので、止めすぎもほどほどに……(筆者の場合あまり体感していませんが、一部の戦争イベが異様に早く終わるということはあったと思うので、恐らくそのことなのかと思っています。なお進行キーイベントは歴史区分⦅チャプター⦆ごとに存在し、数も多いので確認したい場合は、専門の攻略サイトをご参照お願いします)。

なおどのくらいストップしたら影響を及ぼすかの目安は不明ですが、よそ様の攻略サイトによると1年くらいならセーフという話です(パッケ版かDL版かによってもちがうのかもしれませんが、これも不確かです)。

裏を返せば、歴史を止めた序盤でキャラをどれだけ強化出来るかで、今後の難易度は大きく上下する。




ただしこれら攻略法はバトルの楽しさも大きく損なう可能性があるので、用法用量を守って正しく行うべきことも付けくわえる(やはり2周目からおススメしたい)。




話を変えるが、筆者はプレイ毎にデルガドを序盤からパーティー加入させ、上記の方法らを行うことが多い。するとある時に「そろそろシナリオを進める頃合いかな」と思える現象が発生する。




それは敵へ物理攻撃を加えた際、デルガドが素で4桁ダメを叩き出した時。




ほかのメンバーはまだ数百といった中であきらかに際立つ。




そもそも彼は初期から脳筋ソウル・マイティブロウを宿しており、固有武器の斧も高レベルの闇属性なので苦手とする敵も多い。




そのため、いち早く高ダメを叩き出せる御仁でもある。




開始時からドワーフ王国の酒場で吞んだくれていて、加入条件も選択肢のみとユルいためか、最序盤では特にお世話になる初心者救済キャラといっても良い(早々にシャイニングレオに切り替えて育てると、オールアタックによってザコ戦では当分無双)。




特に根拠はないが、そんなデルガドが高ダメージを出すのを目安に、ネメア即位後あたりまで一気にシナリオを進めることにしている。そしてそのあたりではほかキャラもそれなりに強くなっている。




もしスペルに特化しているキャラも居るなら、アガスティアを付けてユナイトスペルまで修得してしまうと、序中盤の敵程度では相手にもならない。




本来負けても進行するラドラスでのシャリ戦も楽勝(それでもリューガの変時のザハク、ソウルリープ時のゾフォル&ザギヴなどは対策ナシだとややキツい)。




あげく今作では先ほどの竜破のようなユニーク武器+仲間の固有装備品が鍛冶可能になったため、活用すると敵との強さは余計に開く。




ラスト付近ではほかメンバーが強くなりすぎて、あのネメアがアイテム係になるという現象が起こる始末(単にネメア所持の破滅の槍が闇属性なため、ラスト付近の同属性のボスに利きが悪いというのもある)。




この頃になると、筆者データではこれだけ持ち上げたデルガドが、とっくにお役御免というオチが毎回待ち受けている。




総じて上記のように初段階でキャラを鍛えすぎたり、早々と最強クラスの武器を取ったりするなどは、ほどほどにというのも付け加えたい。




もっともジルオールは一度クリアしてからが本番のようなもの。




むしろ2周目からはこうした手段をためらいなく使うべきで、1周目はチュートリアルと割り切り、思うままにフリーシナリオを楽しむのがベターかと思われる。

金も困らん

ゲームの世界でなら誰でも成金になれる。




金なんざ、エンシャントギルドの魔法の宝箱(開錠ミニゲーム)でなんぼでも増やせる。




連続成功のたびに100→200→400とダブルアップしていき、最後まで成功すれば102400ギアもの大金をものの1~2分で手に出来る(そして何事もなく再チャレンジ可能)。




しかも、いくら失敗しようと、毎回100ギアの損失で済む




なお、当ミニゲームは通常宝箱の仕様まま(ただしアンチハードルは使えない)なため、ゲージの動きもストップ位置も単調。よって連続挑戦できることを利用して、タイミングを覚えてしまえば良い。




5・6の難易度でも慣れることはそれほど難しくなく、動体視力が並程度の筆者でも7割は成功する。

そうはいいつつ、DEXの高さにより通常宝箱と同じく難易度が低下する仕様なため、序盤の能力値では流石にキツい。よって、ある程度レベリングしてDEX⦅体感30前後あると充分かも⦆を上げてからの方が効率は遥かに良い。

ヒキが良ければ、ルーレットでの難易度もほとんど1~3ばかりということもあり得る。




コツさえつかめばギアが続く限り何度でも出来るため、鍛冶費用やアイテム購入に困ることは今後一切なくなるというワケだ。

どうやらこの魔法の宝箱、500ギアの掛け金のものも存在するようだな。

依頼をとにかくこなして、ある程度有名になってから追加されるやつだね(20回くらいこなすと良いみたいだけど)。

恐ろしいのは500ギアになっても、難易度は100ギアのと同じってことか。

MAXで出てくる金額も512000まで膨れ上がるんだ。

……筆者はこれで、まだ歴史区分1(メインシナリオの最初の段階)なのに、ものの数分で数百万以上稼いでウハウハだったようだね。

荒稼ぎしたら、アキュリュースで全員にHP50%回復の「恵の雨」などを買い込めば、バトル中の体力回復にもそれほど困らない(99個買っても44,550ギアしかかからない)。




特に錬剛石が引き継ぎできる2周目以降なら、いくつもの武器の鍛冶強化をマックスまで行うことすら序盤のうちに可能。




ともあれ周回前提のゲーム性とはいっても、こんな宝箱が序盤でおとずれる町に通常配置されているあたり、初心者救済だとしても大丈夫かと心配になるレベル。




……ところで。




いざ挑戦してみて「ぜんぜん簡単じゃねーし、すぐ金なくなっちまうし、どうしてくれんだよ」などという方。




落ち着いて、ロード機能というものを思い出して欲しい。




瞬く間に直前のセーブ時点に戻れるアレだ。




何が言いたいか、もう分かるはず。

称号は大体竜殺しに落ち着く

依頼をそれなりにこなし、旅にも慣れたあたりで、町の人々から活躍を賞賛されることがあるな。

しかも宿屋の店主などからは、やたらカッコ良い異名で呼ばれるし。

烈火の賢者やら静かなる戦士やら。

称号ね!

そう呼ばれるには、依頼をこなしていく内にマスクデータ(表示されない内部データ)の数値が溜まって、一定以上になった時だと思うけどね。

必要な依頼達成数は20くらいって話だよ。

それにキミがいった称号はその中のごく一部で、属性値や能力値によっても相当な数があるんだよ。それこそプレイヤーごとに色んな呼ばれ方をされるんだね。

ほかにも特定イベントを終わらせると呼ばれる「ノーブル伯」や「竜字将軍」なんてのもあるね。

そういう字(あざな)で呼ばれるというのは、冒険者としても有名になったということか。

なんだか嬉しくもあるな。

要はそういうことなんだけど、コレってさ……普通にやってたら主人公が強くなってきた中盤あたりかな。

※七竜のなかの一体でも倒すと、それ以降は「竜殺し」って異名で呼ばれる様になるんだよね。

※世界に七体存在する伝説の竜。邪竜4体(エルアザル・イシュバアル・シャンマ・アズラゴーザ)と、さらに別格の強さを誇る翔王・海王・竜王(竜王はレベル50突破するとラスボスになる)の3体が居る。邪竜のみでもその辺のボスとは比較にならないほど強い。

竜殺しなんて、カッコいいじゃないか!

まるで花形勇者のような呼ばれ方だな。

呼ばれる自体は良いんだけど……。

実はさ、これって一旦そう呼ばれると、もう称号が変わらなくなるんだよね。

つまり今後何をしようが一生、竜殺しって呼ばれ続けるワケ。

あ、何となく意味が分かった。

ほかに数多の称号があろうが、こう呼ばれてはもう変更がきかないと。

どの称号よりも優先度が高いということだな。

メタ的にいうとそういうことです。豊富な称号のパターンを見られるのは、ノーブル伯みたいに、達成したら固定称号が付くイベントの前か、竜とあまり絡む事のない序盤~中盤までってことだね。

筆者の場合だけど、※死竜の洞窟の奥に居るエルアザルって邪竜を「なりゆき」で倒しちゃってから、意図せず竜殺しになったんだ。

それ以降、ずっと人々から「よっ竜殺し!」的に呼ばれ続けて「ファンタジー世界では特に名誉っぽい称号」でも、ずっとそう呼ばれるならありがたみも薄れるよな……って、そう思ったみたい。

※エルアザルは七竜の中では比較的体力が低い(HP2982)ので、育ったパーティーなら中盤あたりに何となーく挑んでも倒せてしまう。つまり早々に竜殺しと呼ばれたいのであれば、こいつを倒すのが比較的楽。しかしシナリオのラスト付近では邪竜と強制バトルに突入するため「竜殺し」となるのは結局不可避。

竜殺しやノーブル伯のような固定称号以外に豊富な称号パターンがあるものの、いずれか一つに定まった場合、今後はそれ以外の呼ばれ方にはならない。よって全称号を実プレイにて見る場合は途方もない苦行(やり込み)。

攻略関連メモ

ここからは筆者自身への覚え書きだが、ほかのプレイヤーにも多少攻略に役立つ(であろう)ことを書いておく。

属性よもやま

スペルやスキルの威力について。四大属性はINT、聖闇はMINステにそれぞれ依存する。




四大属性は火→水→土→風→火…というように矢印の方向の属性に対して有利(それぞれの頭文字「ひみつか」で覚えれば良いと教えてくれる住民も居る)。




闇は四大属性に強く、聖よりも弱い。そして聖はどの属性よりも強い(四大属性に対しては聖より闇の方が強い)。




もちろん不利な属性に対してや、同属性同士は効果が下がる。なお後半ボスは闇属性持ちが多いため、これらには聖属性の武器やホーリーで対応するべし。




ただし注意するべきは、本ゲーム最強の敵・竜王で、同モンスターは聖属性持ち。




世界のバランス調整を担う存在は流石というべきで、ほかに聖属性の敵はエルファスくらい。




つまり聖はおろか、他属性の武器を持つ物理メインのキャラは、竜王とのバトル時一気に戦力外となる。




そんな中で唯一、属性の影響を受けないのが無属性。




よってレベル50を突破し、竜王と戦う条件を満たす場合。事前に武器を無属性のものに変えておくと、無駄に長いじゃれ合いタイムがだいぶ短縮される(竜王のHPは敵中で最大の16285)。




最強の敵は無属性で殴ったほうが良いという結論。たとえば物理ステが充分育ち、限界まで鍛冶強化された伝説のフライパンを持つフェルムでも居れば、一気にエースアタッカーへと昇格する。




なお前述はあくまで物理での話であって、ユニオンスペル・ユナイトスペルでの攻撃魔法は普通にダメージソースとなるため、魔法に特化したキャラも1人は参戦させたいところ(最終メンバーとして加入するオルファウスも強アタッカーとして大いに活躍する)。

AGIとDEXも上げとけ

この両ステは脳筋プレイにこそ必要で、攻撃命中に関わる重要さを持っている。




万一上昇を怠ると、いかほどの脳筋でも、そもそも敵に当てらないというとんでもない事態が中盤以降当たり前のように待ち受ける。




たとえば初見でマイティブロウとかを宿したまま「アヒャヒャヒャ! 脳筋つえー!」をずっとやっていると、後から泣きを見ることに。




かつて、この状態に陥ったのが筆者で。命中が低すぎるあまり後半の敵への通常攻撃がほぼ当たらず、あやうく詰むところだったワケで。




よって時たまソウル・ルナシャドウ(AGI・DEXともに高い成長率)などに付け替えて育てるのもアリ(攻撃力の成長もそこそこな優ソウルなので、しばらく加入させないような物理系の仲間に着けて放置しても損はない)。




それぞれの数値が100強あれば、最強の敵である竜王にも攻撃が当たるハズ。

スキル・スペルのよもやま

ソウルを付けるまでしなくとも、とりあえず各種カウンター・ハイグライド・ロングショット・ゲイルラッシュ・シャドウノックを物理で育てたいキャラに取得させておけば、どの状況でも対応できる。




攻撃系のソウルの一押しはシャイニングレオ。




ソウル自体もSTR・VIT特化でAGI成長値も中堅、レベルアップ時ランダムで他のステに割り振られる値も2と、大変優良だが、何よりも固有スキルのオールアタックはザコ戦、バーニンレイヴはボス戦で多いに活躍する。




むしろオールアタックの使い勝手が良過ぎる(消費0で全体攻撃)ため、物理キャラであれば全員取得を目指したい。

バトルで速攻勝利(FastBreak)すると経験値・スキル・属性レベル(精霊力)にボーナスが付く、1ターンで勝利すると、それぞれに5倍もの倍率ボーナスがかかるため、どのバトルも速攻で片を付けるのが定石。そういう意味でもコスパも性能もバツグンなオールアタックが猛威をふるう。

シャイニングレオかブラックバイパーを先に取得しまうと、wild値の関係でアムドゥシアスが取得不可となる(条件Wild8以下)。欲しい場合、同ソウルは先に取得しておくこと。後述するネガヴァニティアも欲しい場合は、ネガヴァニティア⇒アムドゥシアスの取得順さえ守れば、後からでもシャイニングレオ・ブラックバイパーほか全てのソウルが取得できる。

オートスキル中、スキルポイントが100で取れるものはとりあえず主人公が全て取得してしまうと良い(ポイントに余裕があれば全て取得を目指すのが良いが、欲をいえば不意打ち100パー回避のハインドサイト⦅500P必要⦆があると、敵先制→全体攻撃→全滅の事故は防げる)。




回復手段はあればあるほど困らないので、ヒーラースペルは全員で取るべし。




敵の全体攻撃やスペルが常々脅威となるため、ニルヴァーナのスペルブロックもあれば吉となる。これは攻撃魔法を1回無効化してくれる上、ターンが終わっても敵に魔法を使われない限り、効果が継続する有能なスキル。




強敵とのバトルでは素早さが高いキャラにとっぱじめに使ってもらうことで、安全性が一気に高まるので覚えておきたい。

魔法使い系でなくても効果は一緒なため、いっそ素早いキャラ全員への取得させるのもあり。何ならスペルブロック要員として、素早さとMPに特化して育てたキャラが1人居ても良い。

選びがちソウル

ソウルポイントも引き継げる2周目からだとよりやりやすいが、ソウルに悩んだらネガヴァニティアを付けて育てると幸せになれる。




やや※特殊な取得条件になっているものの、ステータス成長は強バランス型で、MINが伸びやすく、ほかの能力も平均以上に育てることが出来る。

※kind8以下にしないと取得不可なため、kind値が9以上必要なクロムハート・ファニーフェイス・アムドゥシアスは後に取ること。うっかりkindを9に上げると取得不可。

むしろ全ソウル取得を目指す場合、ネガヴァニティア⇒アムドゥシアスの順で取れば、ほかのソウルは後からでも全て取得出来る

デメリットは宿したまま、レベルを上げすぎるとMIN以外のステが平凡になることくらい(それでも高めの水準になるが……)。それと固有スキル・スペルが闇属性なため、後半あまり役に立たない(闇属性を持つボスが後半に多いためダメージが期待出来ない)。




よってネガヴァニティアを宿し、ある程度育てたキャラについては、器用貧乏を避けるため、その後物理系にするか魔法系にするかをあらかじめ決めておくと良いかも。




物理ならアークソード・シャイニングレオ、魔法ならアガスティア・ブラックバイパーが候補。

能力ボーナスが付く特殊キャラ

エステル・ザギヴは、後半の固有イベントを消化することでINT・MINがブーストする特殊キャラとなっている。




調べによるとザギヴはそれぞれ20アップ、エステルはなんと30づつアップするのだとか(エステルはさらなるイベントでさらに上乗せがかかる)。

ステータスが上昇することまでは、実プレイにて分かっていたものの、正確な上昇数値が分からず、この度攻略情報を閲覧し、はじめて数値が判明した。

よって彼女たちを魔法使い系で育てていると、この2つのステがカンストすることもあり得る。




システム上、数値のカンストオーバー分は切り捨てとのこと。したがって余剰が発生して、もったいないというところまで考えるなら、彼女たちが加入した時点で強バランス型のネガヴァニティアを宿しておけば万能タイプも目指せる(無論上記イベントを起こすことが前提)。

覚醒エステルについて

固有イベントを終わらせた彼女のINT・MINブースト値は、ザギヴとは比較にならない上昇値なので、その後の育て方次第では、インフィニティア・ウルグの個別ソウルで優遇された主人公を凌駕する狂キャラになり得る(筆者データではほとんどのステータスが主人公を上回る超人となった)。




地の巫女恐るべしといったところだが、本来グラの項で書くべきことをここで。




覚醒したエステルの顔絵を見て感じたことだが、やや無表情ががったソレは、かつてのボーイッシュなボクっ娘イメージが消え去ったものになっている。

巫女衣装に変わったせいか大分大人びて見えるよね。

あと、ちょっぴりエ〇い感じするし。

あの衣装って身体の線が分かりやすいし、スリットも深いしね。

一応、設定上でも儀礼的な衣装のはずだから、そういう見方は感心できないな。

大体、ほかの巫女だって同じ衣装だろうに(色はそれぞれちがうが)。

そう感じちゃったってだけだよー。

彼女の場合、元々肌の露出がほとんど無いダボついた服着てたから、ギャップ効果ってやつだね。

いずれにしろ「どちら様でしょうか?」現象である。




さらに、やや薄目がかっているせいか、表情はまるで仏像さながら。




巫女として覚醒したことから、悟りの域まで達したのだろうか?




それを匂わせるフシとして、ラドラスで再会した時には非常に意味深なセリフと共に再加入するため、もしかすると未来を見通すエアと同じ領域までたどり着いたのかもしれない。




なお覚醒&巫女装束エステル再加入イベントは、期間限定・禁呪開放・親密度など複数要素がからみ、屈指の難度(攻略情報を見ることを推奨)を誇るが、その分達成感も大きい上、最強候補キャラを仲間に出来ることから見返りも充分。




まだイベ消化していないプレイヤーには、苦労してでも彼女の大変化を見てもらいたいところである。

何気に苦戦するやつ

個人的厄介ボス、闇の巨人。




攻撃面で強い敵はほかにいくらでも居るが、コイツの放つ闇の霧はこちら側を状態異常のオンパレードにする恐怖の技。




搦め手の使い手として考えるなら、本編中一番厄介な相手である。




状態異常対策をまったくしていない場合、体制を立て直せないままジワジワ削り取られることもザラとなる。しかも闇の巨人×1→闇の巨人×1と連戦で戦う羽目になるので、1戦目で消耗、2戦目でやられるなんてことも普通に起きえる。




さらに名のとおり闇属性持ちなため、聖以外の属性が通りづらいことも厄介な理由の1つ。




逆に言えばスペルのホーリーや、封魔の槍など聖属性を持つ武器はとことん有効なので、これらの攻撃方法をあらかじめ用意することで一気に幸せになれる(使用キャラの能力次第では瞬殺も可能)。

カウンターは時として邪魔になる

大変優良なスキルだが、取得しない方が良い時もあるんだな。

あれだね、イベントによっちゃ負けないとダメなやつ。

うかつにソル・ルナカウンターとっちゃうと、主人公の強さによっちゃ勝手に発動して相手倒しちゃうんもんね。

たとえばアトレイアのイベントで発生する心の闇戦とか。

そう、そういつやつな。

カウンターは役立つから、片っ端から取得してしまいがちになるだろうし。

その場合、わざと負けの必要がある戦いでは邪魔以外の何物でもないが……。

対策としてはわざとMPを切らして負けることくらいか(意外と気付きづらいが、MPが0になると気絶するのだな)。

それもMPを丁度使い切るスペルを使わないと出来ないしね。

しかもスペルの大半が偶数消費だから、主人公のMPも偶数じゃないとやりづらいんだよね。

敵からMP吸収できるアブソープなんかを使えば、調節出来る時もあるけど……。

そういう面倒なことにならないよう、もし狙ったキャラのイベントで負け必須バトルがあるなら、それ見越して、あえてカウンタースキルをとらないって手もあるってことだね(これも攻略情報見た方が良いね)。

2周目からの神アイテム

重要アイテム・通信機。




今作での追加アイテム、かつ2周目でオルファウス(2回話しかけること)から手に入る一品。




古代の魔法アイテムの一つで、ネモが隠し持っていたのをオルファウスが没収したらしい(なぜ2周目からなのかは、メタ的な事情がひそんでいそうなので、ツッコまない方が良いだろう)。




このアイテムの恐るべき機能は直に仲間の入れ替えが可能になること。たとえるなら、どこでも利用可能なルイーダの酒場のようなもの(ただし特定の場所では流石に使用できない)。




つまり以後、入れ替えのためにわざわざネコ屋敷まで行かずとも済む上、MAP移動の手間を大幅に減少出来る→日数短縮できる→期限付きイベントにも間に合いやすくなるなど、ストーリーを進める上でも非常に助かることとなる。




リメイク前からのプレイヤーからすれば、これはとてつもなくありがたいことなのである。




ネモ「……あいつら、来なくなったな」

オルファウス「ですねえ」

ネモ「まあ、オレからぶんどった通信機をやっちまったからだろうな」

オルファウス「便利な方が良いですからね。むしろあんな物があるなら1周目からさっさと出しなさいな」

ネモ「うるせえな、そこは多分アレなワケ(メタ事情)があるんだよ……ま、オレは親密度とか聞かれるから、完全にお役御免ってことはないけどな」

オルファウス「私は関連イベントとクライマックスでのパーティー加入以外では、ほぼ出番がなくなっちゃいましたね」

ネモ「元々お前が入れ替え担当だったからな……墓穴掘ったんじゃないか?」

オルファウス「……いえいえ、あれでプレイヤーが快適になれば本望ですよ(一応、通信機ごしに会話できますしね)」

ネモ(ちょっと失敗したと思ってるな、コイツ)






――閑話休題、さらに副次的な恩恵としては、装備品の交換やソウル付け替えも容易になり、仲間のソウルを「低成長型のまま」放置せずに済む。




さらにキャラごとの「意見を聞く」も容易に確認可能となった。

「意見を聞く」はしばらくプレイに間が空いて、次に何をしていいか分からない状態となった時にも助けとなる。

なお同じトピックでもそれぞれのキャラの性格を反映した言い回しになっているため、読むだけでも面白い。特にフェティのぶん投げ感や、ユーリスの打算的なセリフなどは必見。

ED選択と同じで、インフィニット時代からあれば何ほど良かったか……。

最強のフラグブレイカー・エア

ちょっとした余談だが、筆者はインフィニットと今作プラスにおいて、初回クリア時にどちらもエアEDとなった(なお性別は男性を選択、彼女を攻略するつもりもサラサラ無かった)。




エルズで2~3回話しただけだし……あと宿に泊まった時に一回だけイベントが起きたっけ。




でもそんくらいで?




二度も彼女EDになるのは、さすがに何かあると思い、後々攻略サイトを見てみた。




ED条件は、男主人公であること・エアが生存していること・かつ友好度が友情以上の3つ。




え……友情なんてすぐだけど……。




このゲームの友好度は、該当キャラと日をまたいで何度か会話するだけで、友情くらいにはすぐ到達してしまうシステム(当然ながら関連イベを消化するとさらに上がる)。もっともこれはエアにかぎらずの話。




要するに、あのロリババア巫女様は、ほかのキャラよりもED難度がすこぶる低いキャラだったというオチ。




が、ほかにもクリア条件を満たしたはずのキャラを押しのけてまで彼女EDとなるのは、風の巫女の感受性が誰よりも高いからか(単にほかのED優先度を上回ったためだが)。

ちょっと過保護な親御さん(翔王)の存在もあるだろうけど。

少し話しただけでその気になるなんて、エアってちょろ……。

いうな。

あの神殿で長く1人過ごしてきたわけだからな。

しかもエアどのを訪ねてくるのは、その予知の力を当てにしての者ばかりだろう。

さぞかし孤独であっただろうし、少しばかり人と話すだけでも救われるのは、もっともだと思うが。

なお初周ではED選択不可なのもあり、このエアトラップ(勝手に命名)におちいるプレイヤーは少なくないと推察。よってこれからプレイする方は、エアと必要以上に関わらないほうが良い。




彼女狙いでさえなければ。




エルズの宿屋も利用しない方が賢明。これは彼女のイベントが発生することでの好感度の上昇を阻止するため。




また、心が痛んでもかまわないなら意図的にエアを死なす方法もある。これならED条件を満たしていようが、ゲームから強制退場させられる(おそらく一番容易な、ラドラス浮上をほったらかす方法だと、ほかの巫女も死んでしまう点には注意)。あくまで心が痛まなければだが。




ともあれ苦労して他キャラとのED条件を達成した(と思っていた)のに、エアが結末に割り込んでくるのを体験したジルオーラーは筆者だけではないはず(くどいが、そのキャラよりもED優先順位が上だっただけである)。




システム的にはある意味で、竜王を超えた存在かもしれない。




ここまで彼女をいじるのもアレなので(システム上とはいえ)フォロー的な意味で書くが、彼女のEDはコミカルかつ微笑ましいものとなっているため、一度見ておいて損は無い。




連綿と続く風の巫女の宿命から解き放たれ、一人の女性として生きることが叶ったワケである。




エア「優先順位? さあ、何のことだかわからぬなーー」

総評 ★★★★

このレビューを見てくれている方が、自由度高めでシナリオ重視の中世ファンタジーという局地的なRPGを求めているのであれば、ぜひおススメしたいタイトルです。




全体のゲームテンポ(ロードタイム・バトルの快適性)がやや遅めであること、昨今のリアル&高画質ではない(良い意味でレトロ)グラフィック等に、いくらか目をつぶれさえすれば、今でも充分楽しめるRPGです。




なお近年の何かしらのゲームでは当たり前になっている声優さんのボイスなどは、一切入っていないため、そういうのが欲しい場合はプレイヤースキルの一つ、想像力で補いましょう。




ストーリーの重厚さもさることながら、キャラのちょっとした台詞一つとっても、思わず考えさせられます。




やや高尚ぶるなら「哲学性」「ポリシー」「人生」などのテーマが、各キャラの性格や行動に埋め込まれている気がしています。




筆者の場合は妖術宰相・ゾフォルの言葉などが印象深いものになりました。




国家戦争や闇の勢力の暗躍、騒乱渦巻くバイアシオン大陸でプレイヤーが選ぶ道、人々との関わり、歴史への介入。




すべてはプレイヤーの選択に委ねられます。

カッコつけたような言い方をしてるけど、要するに「自由に冒険してね!」ってことだよ。

何周もやってる人(筆者もそうだけど)でも、周ごとに性別や旅立ち先、選択肢の選び方なんかを少し変えるだけで「このキャラってこんなこというんだ」ってな感じで、毎回発見があるくらいのボリュームがジルオールにはあるんだからね。

シナリオの節目では、大陸での出来事が歴史ダイジェスト的にテキスト上で流れることもあり、小説を読ませるような演出がスパイスにもなっています。




かのファンタジー小説「ロードス島戦記」が好きな人にはグッとくるかもしれません(舞台が大陸であることなど、どことなく近しいものが)。




なお今作はPSPという携帯機でのプレイのため、モニターサイズの関係から、臨場感はPS2・インフィニットが上なように思われます(発売年数は3年半強の差ですが、それくらいであればまだ据え置きゲーム機の方がグラ面では優れているはず)。




反面、内容・ボリューム・プレイのし易さはやはり今作側に軍配。




グラフィックによほどのこだわりがなければ、追加要素があり、システム面もより快適な今作をおススメします。

パッケージ版はロード時間が長い上、処理落ちも発生するようです(ベスト版も通常版も同じかは不明)。一方でDL版のローディングはかなり短いとのことなので、購入の選択肢はDL版の方が良いでしょう。

筆者はそのDL版プレイのためか、支障をきたすほどのことは確かに起きませんでした。周回時のオープニングムービーで数回フリーズしたほか(なぜか誕生日を別な日に変えて、ムービースキップしたら進めた)。歴史区分1でエンシャントスラムから右の切り替えポイントに行った時にもフリーズしました(こちらは一度だけ)。原因は一切不明です、頻繁に起きることではなさそうなので、こまめにセーブすることで一応対処可能です。

ただしDL版でも、バトルやイベント時など流石に数秒以上のロードタイムがかかる箇所もあります。しかしこの数秒すら我慢できなければ酷ですが、別なゲームをやった方が良いかもしれません(むしろその方が貴重なリアル時間をムダにしないで済むという考え方もあります)。

追記→2021年7月2日よりPSPでのストア販売が終了したため、同機種でのDL版は入手不可能となりましたが、PSVitaでのストアでは引き続き今作の購入が可能です(2021年11月4日調べ)。

PSVitaを所持しているなら、DL版は現在1,529円+税で購入可能なので割とお手頃なのと、前述したローディング事情を考えると、こちらでのプレイがやはりおススメです(PSV・DL版の方が快適との話もあり)。

もしPSPのみでVitaを持っていない方(購入を考えていない)であれば、パッケージ版でのプレイも仕方なしと思ってください(長めのローディングには、この際目をつぶりましょう)。

本題に戻ります。




アスティアなど一部キャラについて、スタート時の旅立ち先がそもそものED条件になっているという特殊条件に気付かないまま進めると、お目当てキャラのEDが一向に見られないことにもなりかねません。




1周するだけでもそれなりに長いゲームにつき、せめて2周目からでもED条件位は攻略本や攻略サイトなどを確認する方が良いです。






幸い次周からはソウル・スキルP・錬剛石の引継ぎもでき、前述の通信機やED選択もあって、だいぶ楽な周回プレイが可能です(エンシャントの魔法の宝箱もありますし)。




しかし全員の個別EDはおろか、未来への扉(脅威の大団円ED・達成難易度はいうまでもなく最難関)までを含めたEDのコンプリートを目指すと、相当なプレイ時間になると思われます。




やがて移動やバトルも単調に感じ、周回に際して作業感も出てきます。この感覚はやはりほかのゲームでも一度は味わうもの。




ただ、1、2周程度のプレイでは消化しきれないイベントのパターン(同じイベントでも選択肢次第でがらっと内容が変わりますし)や、ついつい思案させられるセリフも豊富なため、飽きにめげずにプレイすることで、きっとプレイヤー自身のものの考え方の変化や発見にもつながると思っています。




筆者自身がそうでしたし。




万一、飽きに耐えられなかったら、とりあえず一旦クリアし、少しリアル日数をはさんで再プレイスタイルでも良いかもしれません。




そうすることで新鮮味もいくらか戻ってきますし。




筆者にとってもジルオールは「しばらく経てばまたやりたくなる」タイプのロープレなので、このタイプに当てはまるほかの人も、そうする方が良いかもと思いました。




色々とつまらないことを書きましたが、内容そのものはどストレートな洋風ファンタジー。




そういう世界観を嫌わない人にはこの際うってつけのロープレと言い切ります。




この時代、ゲームも進歩に次ぐ進歩により、システムが「凝り過ぎ・詰め込み過ぎ」で、プレイヤーが気疲れするほどのものも少なくありません。




良い意味でシンプルなコマンドRPGなところも、入り組んだゲームプレイに疲れた方におススメです(レトロゲーの良さとはそういうことでもあるのかも)。




百聞は一見に如かず。




初見の方は1度手に取って、たとえ最初は「テンポおっせ、つまんね」と思っても、2~3時間程度はガマンして世界をうろついてみてください。




古き良きファンタジー世界に、いつのまにか浸っていることでしょう(そう願っています)。




これで最後!




今作の追加要素の一つ、主人公誕生日イベントについてですが、筆者はほとんど見れていません。




それはスタート時に設定した誕生日を忘れて、ついつい日数を経過させてしまうから(しかも宿屋に泊まらないと見られないという)。




たまたま発生した時は、急に仲間から祝われて嬉しい反面、突然だったので一体なんのイベントかとビビりました。




今作あるあるかもしれませんが。

すげー文字数で、ダラダラ書いたあげく、締め方がコレ?

まあまあ。

ともあれ初見の人や、久しぶりにやった人。

今まさに攻略中の人でも、ジルオールにふれたプレイヤーには、あの言葉を贈るに限るんだろう?

分かってるよ。

せーの……。

自由な旅を!

自由な旅を!

了。

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