ネタバレはイヤだけど……
ネタバレはイヤだけどゲームには興味ありって人は、ここからこの先ネタバレ注意!までを読んで参考にしてね!
初プレイの楽しみを大事にしたい人は、そこまでなら安心して読める内容にしてあるよ!
それ以降の内容は、ネタバレが問題ない人向けだぞ!
ゲームをすでにプレイ済みの人は思い出を楽しみ、未プレイの人には雰囲気だけでもつかんで、実際にやってみたいと思ってもらえたなら嬉しいな!
情報もろもろ
発売日 | 2009年1月22日 |
発売元 | コーエー(現コーエーテクモゲームス) |
ジャンル | RPG |
プレイ環境 | PSP(UMD版・DL版) |
おススメする人
以下のような要素が好きな方におススメ
- 正統派コマンドRPG
- フリーシナリオ
- シリアスな中世ファンタジー
- 登場種族が多彩(エルフ・ドワーフなどお馴染み種族のほか、魔人やリルビーといった固有種族も登場)
- マルチエンディング(ED数は53)
- しゃべらない主人公(主人公=プレイヤーの構図)
- キャラ育成の自由度が高い
- 探索自由度も高い(序盤からでも大陸のほとんどの場所に行ける)
- 無印・インフィニット経験者(ある程度勝手が分かるだけで、未プレイでも問題なし)
目安プレイ時間・特徴など
クリアまでの目安プレイ時間は20~30時間くらいだよっ。
ちなみに筆者の初クリアが39時間37分だから、かなりゆっくりな方だね。
速い人だと十数時間くらいだと思うけど、イベントやED数がすごく多いから、やり込み前提だとトータルの時間は相当なものになるね。
でもリメイクにつぐリメイクな今作には、とっても便利な周回機能があるんだ。
2周目からは、一部アイテムや成長要素なんかも引き継げて楽になるし、この際「1周目はチュートリアル」って考えて、思うままプレイすると良いよ!
このゲームは中世西洋的な世界で数多く展開する重厚な物語を楽しめるんだ(フリーシナリオというやつだな)。
いわゆる剣と魔法の世界というやつだが、プレイヤーはこの世界で「一人の冒険者」として生き、自らの選択次第では国同士の争いに傭兵や兵士として介入することすらできるんだ。
またその逆も然りで、そういったことに首をツッコまず、ただの冒険者として傍観することも自由だ。
進めるほどに重みを増す物語は少々大人向けといったところだが、中身は小難しいことが一切ない正統派のRPGだから、人を問わず受け入れやすいものになっている。
登場人物も皆個性的で、それぞれ独自の信念や目的をしっかり持っているためか、物語に地味さを感じさせないのも良点だな!
イベントのよってキャラの意外な面が見られたり、それまでの印象がガラッと変わっちゃうような展開もあったりするんだよね。
はじめはとっつきづらかったキャラでも、話を進めると「アレ、意外といいヤツかも」ってなるようなことも多いし(ボクの体感だと、ツンデレなキャラが多い気がするんだよな)。
20種類を超えるソウル(魂のようなものだな)を宿すことで、多様な育成、技や呪文までを習得できるほか、序盤から大陸中のほとんどの場所に行けるなど探索の自由度も高いぞ。
シナリオだけじゃなく、システム面でも自由さを味わえるって感じだね!
とにかく一度クリアしたくらいでは味わいきれないほど展開が豊富で、選択次第で人物の命運も大きく変わるから、プレイヤーにより物語は千差万別といったところか。
それと開始時には、自らの分身となる主人公を作成する際に性別や、旅立ち先なども選べるんだが(旅立ち先は男女それぞれで限定のものもあるな)これが序盤の展開だけに留まらず、一部イベントの有無やエンディングの可否にまで影響するんだ。
特定の旅立ち先じゃないと登場しないキャラまで居るから、こだわりがなければ性別と合わせて、周回ごとに変えて遊ぶのもおススメだぞ。
この先ネタバレ注意!
序文
自由な旅を――
この一言こそが『ジルオール』という、秀逸ファンタジーRPGを象徴するセリフだと思っています。
今作はそのジルオールのリメイクで、PSP向けに発売された『ジルオール インフィニット プラス』。
初代PS版『ジルオール』(1999年)、PS2版『ジルオール インフィニット』(2005年)を経て、さらなるイベント・仲間・周回要素が追加された、いわば“完全版ジルオール”ともいえる作品です。
正式タイトルはZill O'll Infinite Plusですが、長い表記をさけるため本文では初代PS版 →「無印」・PS2版 →「インフィニット」・PSP版(今作) →「プラス」または「今作」と表記を簡略化しています。
良いのかな?
勝手に“完全版”とかいっちゃって。
リメイクに次ぐリメイクで、2025年5月時点の調べでも最新作であることを思えば、あながちまちがいでもないはずだろう。
今のところさらなる情報も出ていないという話だからな。
2度もリメイクされているし、今作が最新のものと扱って構わないのでは?
それはそうだけど……。
でもさ、リメイクは難しそうでもリマスターならあり得そうじゃない?
今の技術でグラフィックやサウンドを刷新したリマスター版が出るんだとしたら、今度こそボイス付きになりそう。
今作まではなかったしね。
無印から今作までの10年間に3度のリリース、2度のリメイクと、これだけ手が加えられてきた理由は、単にユーザーからの反響か開発陣の愛着なのか、もしくはその両方なのか。
少なくとも筆者は渋めこってりめな世界観、フリーシナリオのゲーム性が存分に濃縮されたこのRPGにハマった1人でした(無印・インフィニットともにプレイ済)。
また周回を前提としたゲーム性が特徴で、プレイ毎に発見があるといっても過言ではありません。
確かに通常のRPGなら、2〜3周すれば十分。しかしジルオールはちがいます。
進め方や仲間の組み合わせ、選択によってもイベントやセリフが大きく変化し、2~3度の周回程度ではシナリオを味わいきれません(そうした豊富な展開があるからこそ、周回のけだるさも若干やわらぎます)。
さらにエンディングは新規・既存を合わせ、その数、実に53種。全EDのコンプリートを目指すのが、このゲームの最終目標ともいえます。
なお筆者の初回クリアタイムは約39時間。周回ごとのプレイ時間は20時間ほど、リメイク前から通算すると20周はやったでしょうか(今作のみだと7~8周くらい)。
平均プレイタイムこそそれほど短くありませんが、これは筆者が余分に行った寄り道や育成の影響。周回要素のある今作では10数時間程度でクリアしたこともありました。
攻略情報も豊富な昨今なら、実際はさらに短時間で楽しむことも可能なボリューム。
初見プレイヤーはもちろん、無印やインフィニットをプレイ済みの方にとっても新鮮な気持ちで遊べることはまちがいないはずです。
短編の戦記ものとしてみても面白いな。
展開が進むほど状況が張り詰め、国家情勢の変化に応じて、町人のセリフが変わるというのも芸の細かい話だ。
信長の野望とかで、歴史シミュレーションのジャンルをメジャーにした光栄(今は合併してコーエーテクモゲームスだけど)のゲームからね。
そこらへんの「らしさ」みたいなのは、随所に光ってると思うよ。
ほかにも外伝的な作品が出ているのだな。
それこそPS3のトリニティジルオールゼロだね!
ストーリーは本編の過去の話みたいだけど、若い頃のネメアとかゼネテスが出てるね。
でもあれって無双シリーズみたいなアクションRPGになってて、ボイス付で主人公もオリジナルの人だから、世界観だけ共通の完全な別物と思った方が良いのかも(筆者も未プレイみたいだし)。
でもジルオールの世界観を奥深く知りたいなら、こっちのプレイもいつか必要になるかもね。
評価スタイル
ここからはストーリーや総評まで各要素を分けて☆☆☆☆☆って感じの、お星さま評価をさせてもらってるよ!
☆5つなら満足、☆1つなら不満って感じでね。
ちょっぴりありきたりな評価の仕方だけどね。
☆☆☆+や☆☆☆☆-のように評価させてもらうこともあるぞ。
これは次の☆数まであと少しで達する、達したが少々物足りないといった微妙さ加減を表していると思って欲しいな。
ストーリー ★★★★+
渋めのキャラデザインからも伝わるとおり、メインシナリオはかなり重厚でシリアス寄りです。
……とはいえ、微笑ましい場面やコメディタッチのシーンも各所に散りばめられていて、そうしたイベントの数々が渋めの世界観や雰囲気をほどよく中和してくれています。
たとえば序盤で出会う「ゴブゴブ団」や、自分を選ばれし勇者だと本気で思い込んでいるガルドランなど、ギャグ寄りのキャラたちがコミカルエッセンスをプラス。
副題が「インフィニット・プラス」なだけになっ!
出だしからやめてよ。
そういううすら寒いジョーク。
何から何まで気負わせず絶妙なサジ加減で、渋めなイメージを良い意味で裏切る意外性も、今作の魅力の一つといったところ。
しかし。
中盤からはロストールとディンガルによる二大国家の戦争が勃発し、各地の自治国家や街を巻き込んだ騒乱へと発展していきます。
また騒乱にともなって魔人たちや闇の勢力の活動も活発化するため、物語はシリアス方面へとグーッと傾いていくことに。
この辺りからプレイヤーも本格的に歴史への介入ができ、各国側のそれぞれの仲間に加担して、戦争へと参加することも、また傍観することも可能なところがフリーシナリオの真骨頂といえます。
なお後でもふれていますが、物語の進め方やプレイヤーの選択によってあっさり死亡してしまうキャラが居るなど、急展開が続くこともあり、その落差にプレイヤー側の耐性があるかどうかも評価の分かれ目になるかもしれません。
しかしこの明暗の落差もまた、今作の醍醐味でもあります。
また一部に過激な表現やシーンも存在し、そういう意味でも大人向けなシナリオといえます。
そのためか、CEROレーティングはB指定で12歳以上対象。
一方でセリフによるキャラの心理描写は素晴らしいの一言(そういう意味では※CDドラマ化されても充分楽しめるような気がします)。
※調べによると、今作の発売よりも以前「ジルオール インフィニット オリジナル・サウンドトラック&ドラマ」なるものが、2005年10月26日、公式により発売されていたようです(ちょっとしたジルオーラーを自負していたのに知らなかったというのも、やや恥ずかしいですが)。
CDドラマはあくまでサウンドトラックのオマケコンテンツなようで、内容は主人公が旅立つ前のネメアやカルラのエピソード的なもののようでしたが、Amazonのレビューをざっと見るかぎり、声付きのドラマ化には賛否両論ある感じでした。
それよりも、本文のサウンドの項で挙げている名曲「PS版 激闘」がエキストラトラック内に収録されているようで、こちらの方が素敵要素な感じがしています(結構お高かったので、それのためにわざわざ購入まではしないですが)。
おおげさながら、人生感や物事の見方についても何かと考えさせられることもありました。
たとえば。
ソロでパッケージを飾る尻出し娘カルラの「転がされた」発言が飛び出す、主人公との会話イベントは、数あるシーンの中でも、インパクトや悲壮感が強く印象に残りました(これについては後々ふれています)。
必見イベ。
なおこれら任意イベントをあえてスルーし、最低限のキャラ強化やレベル上げだけ行い、メインイベントのみを進めるという強引なプレイスタイルもあり。
そういう意味でも自由度高です。
ただし、それを行うにしても、どこでどういうイベントが起こるか把握している必要があるのと、何よりフリーシナリオの良さを台無しにしてしまうため、初見では攻略情報などを見ないで思うままに進める方が無難だと考えています。
トラブル体質な主人公
主人公はこの世界で冒険者として生きることになるほか、特異な運命を背負っていることもあり、行く先々で色んな事件(イベント)に巻き込まれる。
あげく、ほとんどのキャラに気に入られる&一目置かれる才能を持っているあたり、さすがに世界を変えるほどの可能性を持つ※無限のソウルの持ち主と言うべき。
※世界に大きな影響を与えるほどの可能性を持つ人が宿すソウルのこと。これを宿した主人公はゆく先々で「無限のソウルの持ち主」などと呼ばれることもあり、主人公属性を特に高めている要素の一つでもある。なお今作でこれを宿した人物は、主人公、ノエル、追加キャラ・ジリオンの三名のみ。
なおソウルとは、ジル世界のすべての生命に宿っている魂のようなもので、本編では人々がソウルを抜かれて、町から姿を消してしまうイベントも本編に存在する。
さらに物語後半では、国家情勢が泥沼化する中、闇の勢力が混乱に乗じて本格的に動き出す。そんな中、主人公は当然のように、この危機へと立ち向かうことになる。
まさにロープレ主人公の宿命。
「自由な旅を!」と言われるものの、結果的にクライマックス付近からクリアまでは一直線。そこからは強制イベ&バトルの嵐で、あげくどこへも行けなくなってしまう主人公。
ここいらはラスダン→ラスボスまで一気に駆け足になる数多のRPGの特徴でもあるが、今作のフリーシナリオたる所以は、ラスボスおよびラスダンで立ちふさがるボスでさえ「これまでの進め方やキャラとの関わり方」によって変化すること。
場合によっては、かつての仲間とも陰惨な戦いを繰り広げることになる。
主人公のそれまで巻き込まれた面倒ごとに対しての行動の結果が、最終局面の敵にまで影響を及ぼすあたり「無限のソウル」の持ち主はやはり一味ちがう。
モテモテ主人公
仲間やその他の友好キャラのほとんどが主人公と関わることで、いつの間にか彼もしくは彼女に心を開くように。
さらにクリア時には一定まで高めた親密度、関連イベントの達成により条件を満たしたキャラとのエンディングを迎える。
主人公の性別が選べるシステムにより、男主なら女性キャラと、女主なら男性キャラと、はたまた同性同士でもほとんどのキャラとただならぬ関係になり、恋愛か友情テイストな結末が用意されている(しかも性別・旅立ち先によって最初からエンド可・不可のキャラも居るなどの限定パターンもあり)。
これら各キャラとのEDをコンプリートすることが、ジルオールを味わいつくすための一つの目標となる。
肝心の親密度を上げる方法だが、NPCなら毎日会話しに行ったり、仲間なら関連イベント消化のほか、パーティーに入れ、連れまわして主人公のレベルアップを計ったりすれば上昇する。
主人公の協力者・賢者オルファウスとともに猫屋敷に住むジルオール界のマスコット(?)ネコのネモから、各キャラの親密度を聞ける(数値ではなく、彼らしいセリフ表現で大まかな状態を教えてくれる)。
この役割は彼のみが担っており、システム的な意味でも特にお世話になるキャラ。
また一旦上がった親密度は通常下がることはなく、上昇していくのみ(ただし選択肢やシナリオの進め方で下がることはある)
どこぞの恋愛シミュレーションのようにキャラをしばらくほったらかして、爆弾ドーンで不貞腐れられるようなリアリティーもないため、少し安心できるところ。
なお、お目当てキャラとEDを迎えるためには、時期限定イベントをこなすなどシビアなものもあり、中には親密度が高すぎるせいで、そのキャラと関連する別のキャラのEDが見られないという面倒な稀なことも起こる。
もっとも条件さえ満たせば複数キャラにEDフラグが立つため、進め方によりそこらじゅうで主人公好き好きキャラが続出することはいなめない。
ただしEDを見られるのは、一部のEDを除いて毎周たった一人(1周目のEDは強制的に優先順位がもっとも高いキャラのものになる)。
筆者さ、大事なこと書き忘れてるんだよね。
今作の追加要素で2周目以降はエンディング選択が出来るようになったってこともふれとかないと!
これマジでデケーことなんだよ。
リメイク前ではムリだったのだな。
うん。
細かくいうと、2周目クリア時にED条件を満たしたキャラを選べるようになったんだよね。
1周目クリア時は旧作までと同じで、優先順位が一番高いキャラとの強制EDになるよ。
つまり初周は、お望みの人物との結末を迎えるのは期待しない方が良いと。
そういうことか?
そういうこと。
このゲームってさ、ED優先順位って厄介なものがあってね(その現象のことはココも見てくれると参考になるかも)。
でも今作の2周目からのクリア時には「前と同じヤツ(ED)じゃん!」なんてことにならないから大助かりだよ(PS2版インフィニットの時にもあれば良かったのにね)。
しかも初周さえクリアしたら、今後はタイトルメニューから、達成したキャラのEDシーンが何度でも見られる、いわばEDコレクションのオマケ付きさ!
おお、それは思い出を振り返るという意味でも有難いことだな。
なんにせよ攻略情報を穴があくほど見てプレイしたのに、目当てのキャラ以外のEDになってしまうというのは労力が報われないからな。
かゆいところにようやく手が届いたというところか。
実はそれだけじゃないんだよねー。
コレクションの話に戻るけど、コレって「クリア時に条件達成してるキャラのED全部が追加」されるんだ。
どういうことかっていうと、たとえばその周で見られるエンドが3つあったとするよね?
そのうちの1つを選択してゲームを終わるとするよ。
その後、タイトルからクリアデータをロードしてED集を確認すると、選んだEDと選ばなかった2つのEDも一緒に入ってるってことさ!
ということは、次周からの攻略は、ED集に入っているキャラ以外に集中できると。
そういうことか?
そそ。
その周の条件達成キャラが多ければ多いほど良い(EDがいっぺんに回収出来る)ってことね。
今作は本当に楽になったものだな……。
なんせ全部で53個のEDがあるからね!
この仕様でもないと、53周しなきゃないワケだから、当然の配慮ってやつかもよ(リメイク前までなかったって考えるとゾッとするね)。
クリアデータには条件達成したキャラのEDデータが入っているため、削除した場合はED集からそれらのキャラのものは当然消えてしまいます。クリアデータは通常のセーブデータと別に作成可能なため、うっかり未クリアの別データをクリアデータに上書きしてしまうと取り返しがつきません。したがって新規データは極力作らず、周回時は必ずクリアデータで行うことを強くおススメします(引継ぎ要素があるため、意識せずとも自然にそうなるとは思いますが……)。
追加仲間所感
プラスではキャラ追加にともないEDが増えた。
中でもラスボスの一角、エルファスの加入&ED追加は予想出来ず。
かつてのインフィニットでは、イベントで主人公と心を通じ合わせる描写やEDがあっても、立場上こちらサイドに来ることはまずないだろうと。
ゆえに敵役以外のポジションはあり得ないと思っていた。
かの救世主も、ついに人の愛に目覚めたようだ。
しかし彼は根っから悪者ではなく、幼少からの凄惨な環境や出来事の被害者ともいえるので、今回明確な救いのルートがあって良かったと思っている。
仲間にしたルートで、ラスボスがエルファスであるにも関わらず、パーティにも彼がいるままという謎現象(バグ)が発生することがあるらしいが、筆者は未確認(エルファスが2人居ることになるのは、絵面的に面白いが……)。
純粋悪と呼べるのはシャリと思ったが、よくよく考えれば彼も「人の願い」から生まれた存在なので、完全な悪とするには立ち位置が微妙。
今後さらなるリメイクの際には、彼にも救いのルートがあれば良いかもしれない(一応EDこそあるが、あまりハッピーな感じではない。しかし彼のセリフが厨二病の末期症状をかもしているので、一見の価値はある)。
火の巫女・フレアについて。
今作でようやく仲間入りを果たした彼女の加入条件はそれなりに難しく、イベントも継続して起こす必要があり、攻略のシビアさは増した。
しかし一連のイベントでは、だんだんと人らしい感情が芽生え、なかなか心が温まるものになっているため一見の価値は充分あり。
なおEDでの彼女のそこはかとないヤンデレ感は相変わらず。
かつての無印ではどうあがいても救われない存在だったことを考えれば、エルファス同様リメイクで報われて良かったというほかない。
そしてロストール酒場の看板娘・フェルムの加入。
……スタッフ愛?
インフィニットからのしがない脇役(酒場の店員)から、バイプレーヤーまでのし上がった如く。
しかも彼女、物理ソウルのアークソードなどを付けてじっくり育てると、固有イベントで入手可な伝説フライパンの性能も相まり、竜王でも沈めるリーサルウェポンと化す(もう一度書くが元は酒場の店員)。
なお彼女のED条件となるイベントは非常に切羽詰まった重大事件の最中に起こり、消化する場合は、主人公のまったく空気が読めていない選択肢が見られる。
「フェルムは渡さない」←いやいや、元々何しに行く途中だったよ。
ザハク「……来ないな……これも徒労か」
最後に今作にて初お見えの、ジリオン(主人公と同じ無限のソウル持ち)&イーシャコンビ。
ジリオンこそ加入の手間がかかるものの、イーシャはゼグナ鉱山ですぐ仲間に出来る割に、最初からソウル・トリックスター(盗賊系の中級ソウル)を宿しているほか、固有武器も良性能という優秀キャラ(旅立ち先が「闇に閉ざされた塔」なら、強制で初期メンとなる)。
後からもふれているが、初心者救済キャラのデルガドと並び、序盤で仲間にすべき強キャラの候補に入る。
またそれぞれ個別エンドも用意されているが、両名が登場するエンドも用意されているあたり既存キャラの濃い面々に比べ、いまいち印象が薄く、後付け感がハンパないお二人さんのわりに、なかなかの待遇である。
フリーシナリオの無情さ
自由度がすこぶる高いフリーシナリオ。
これはすなわち、登場人物の生死にも少なからず影響をおよぼす要素でもある。
プレイヤーの選択や行動により主要キャラが亡くなってしまうシビアさは、無印から継続しているもよう(絶対に死なないキャラがほとんどだが)。
死なせてしまった場合、該当キャラについてネモにたずねると「そいつ死んじまったぜ……」的な無常なメッセージを返してくる。
死亡のきっかけとなるイベントは戦争や闇の勢力に関わるものがほとんどだが、ネメア即位以降にこれらは続々と発生していく。
そして、これらのシナリオに関わるエステルやゼネテスたちがとりわけ被害に遭いやすい。
プレイヤーが意図的に関与しない場合、該当キャラの死亡は普通に起きえることで、最悪なのはネモに親密度を聞いた時に、そのキャラがいつの間にか死んでいたことが発覚するケース。
前フリにもなる歴史イベントをほったらかしにして進めると、該当キャラの死が確定してしまう。救いたい場合はそれらのキャラに関わる行動や選択を慎重にするべき(積極的に関わろうとすれば悲劇は避けやすい)。
ごめんよ、アンギルダン。
悪役が光っている
闇の勢力の連中には、特に濃い面々が出そろっているように感じる。
シャリやクセモノぞろいの闇の円卓騎士連中もさながら、中盤以降に登場するジュサプブロスというキャラは厨二という存在を具現化したような要素が詰まっている。
まず肩書が※システィーナの伝道師の1人、黒の祈りのジュサプブロス。
※破壊神ウルグが愛した女性の名を冠した、ウルグ復活をもくろむ秘密結社。秘密結社といいつつ所属メンバーは救世主・エルファス(前述したが今回でパーティーイン可能)東方の博士または虚無の子・シャリ、妖術宰相・ゾフォル、この黒の祈りのジュサプブロスの四名という少数精鋭。各自で担当があるらしく、たとえばシャリはロストールでの暗躍や、ラドラスイベでの巫女誘拐、ゾフォルはエンシャントのソウルリープ、ザギヴそそのかしなどを行っている。
システィーナは本編で人々が宿す全てのソウル(魂のようなもの)の産みの親という位置づけにもなっている。
シャリの異名・東方の博士について。キリスト教の伝承で、東方から3人の占星術の学者(東方の三博士)がベツヘレムの星(分かりやすくはクリスマスツリーに飾るお星さま)の元に産まれたというキリストを、贈り物を持って訪ねたという話がある。異名はこの三博士をモチーフにしたと思われる。
こうした集まりというだけでも厨二っぽいのに、あげくコードネームが黒の祈り(なぜ黒の祈りという異名なのかは不明)。
外見は世界観に不釣り合いな丸グラサン(に見える)をかけた生粋の青年ダークエルフであり、言動は冷めていつつも、どこか穏やか。
しかしその目的は死と絶望を世界に広めるという物騒極まりないもので、さらに※5歳までの子供は命を取らず見逃すという何とも独特な主義観を持っている。
※彼とのイベント次第で、その理由を知ることが可能だが、彼の惨い過去を知った後で行いに納得出来るかどうかもプレイヤー次第。
なおジル世界では、怒りや恨みといった強いマイナス感情に支配されたエルフが、褐色のダークエルフへと変化する現象がある(冒険者に妹をこ〇され、ダークエルフ化したオイフェが例)。さらにダークエルフは存在自体が、同属のエルフどころか人間からも疎まれており、迫害の対象となっている。またジュサプブロスは生まれながらのダークエルフなので、稀有な存在といえる。
実力も高く、なにより彼が持つ特殊能力は空間を歪め操るといったもので、大陸最強レベルの強さを誇っているもよう(ネメアと戦った時には、自分を圧倒する彼を称賛しつつ「この大陸で自分に勝てる奴はそうそう居ないのに」と語っている)。
実際、その時の顛末ではネメアに能力を使い、彼を異界へと飛ばしている(主人公もしくはノエルをかばった際のもらい事故だが)。
とどのつまり、さまざまな悪役要素が詰まったキャラである。
黒の祈りのジュサプブロス。
ンフッ……(名前だけでも厨二臭いため、つい笑ってしまう)。
残念ながら、そんな彼の出番は中・後半の一時期のみだが、全キャラ中でもまちがいなくトップクラスの存在感をかもしている。
しかしその最後はあっけなく、リメイクのリメイクである今作においても報われず、今際のきわに発したセリフもどこか切ない。
相当な数の命を奪っていると思われるので、因果応報といえばそれまでだが、ジルオール屈指の印象深いキャラの1人となったのはいうまでもなく。
一方、こちらもシスティーナの伝道師のメンバー、妖術宰相・ゾフォル(の言動)を筆者は割と気に入っている。
彼はやや序盤で出会えるキャラの1人だが、設定はかつて世界を危機に陥れた魔王の元側近というこれまた厨二臭が濃いヤベー御仁。
……にもかかわらず、エンシャントスラムでおじいちゃん狩り兵士に絡まれているという何とも世知辛い登場シーンがこれまた印象的。
彼を助ける選択をとると、主人公を気に入ったのか、すぐそばにある自分の住処へとまねいてくれるように。
以降は本人の言うとおり、お茶も菓子も出さず、代わりに哲学的メッセージを、3パターンだけ聞かせてくれる状態になる。
会話パターンは少ないが、内容はまさにゾフォル語録。
当初は意味があまり分からなかったが、ある程度年月を重ねた今だと、なんとなく腑に落ちる内容ばかりで、個人的には彼の言葉のパターンがもっと欲しかったところ。
そんな妖術宰相は、残念ながら仲間になることなく、あくまで敵としてのポジションしか用意されていない。
せめて今作ではストーリーから退場する際に、ゾフォルを助けた時限定で、主人公への彼なりの別れセリフでも追加されていたら、さらに良かったと思っている。
エンシャントのソウルリープ時は初めて対峙する悪役がごとく。
しょっちゅうお家に行ってた仲だったじゃん(確かに助けた時は「いつかお前とコ〇シあう」とか不吉なことをいってた気がするけどさ)。
筆者どのにとってかなり印象的なセリフをしゃべるようだな。
そのゾフォルという者は。
彼のセリフの中で、一番心に残ったっていうのを次に抜粋させてもらったよ。
人はきれいに生きようとする。
©コーエーテクモゲームス Zill O’ll~infinite plus~より 妖術宰相ゾフォルの台詞テキストより抜粋
悲しいほどにきれいにな。
そうすると人を許せなくなる。
滑稽なほどに。
無責任なほどにな。
確かになんとなく深いことを言っている気はするが。
ゲームとは無関係に、現実にも当てはまるような内容だな。
まちがった解釈かもしれないけど、真面目で頭の良い人の中には、そうじゃない人には冷たかったり、自分の考えこそが正しいって思ったりする人も居るじゃない?
不思議なことに必死に努力してきた人ほどね(成功体験が多い人だと、自負心プラスでなおさらね)能力があるからって人格まで優れているとは限らないってことだね。
人が良くても全然ダメダメっていう逆パターンだってあるけどさ(ドラ〇もんの〇太くんみたいなね)。
そういう者は今も昔も少なくないからな。
でも能力があっても人を卑下せず、理解しようとする。
そんな人が本当の意味で優秀な人じゃないかってボクは思ってるよ。
って、人生論語っちゃったよ……なんにせよゲームのセリフで、筆者が感銘を受けるとは思わなかったみたいだね。
セリフに元ネタがあるのかな。
円卓騎士・最強の男その名は……
12人居る闇の円卓騎士の1人で、リーダー格のヴァシュタールというキャラが居る。
闇の勢力の筆頭という設定のみでも厨二感ある存在なのだが、コイツの各セリフこそがゾフォル顔負けの哲学感満載のもので、ただの悪役ではない印象をこちらに強く植え付けたキャラ。
印象付けの1つとなった出来事は、仲間キャラ・アイリーン加入イベントでのこと。
以下、ざっくりとした顛末。
女性騎士を目指して戦争に参加したものの、結果的にいわゆる戦争ブルーになってしまった彼女へと、ヴァシュタールが数々の哲学台詞をぶちかまし、その後はなぜか彼女を主人公にけしかけてバトルが発生。
少し攻略的な話にもなるが、このバトルでは逃げるを選択するのが正解で、その後アイリーンは良い意味で吹っ切れて正式に仲間加入するのが一連の流れとなる。
ここでヴァシュタールが「開け放つもの」という別名を持つことに注目(各円卓騎士には「告げるもの」・「打ち砕くもの」など、これまた厨二感がただよう名前が付けられている)。
そもそものイベントの起こりは、戦争ブルーのアイリーンが開け放つものという異名を持つ魔人が存在するのを知り、自分の心情を聞いてもらおうと彼を探すところから始まった。
要するに人生相談を得体の知れない魔人に持ち込もうとしていたのだが、ようやく出会った後は哲学感満載の説教と実地訓練(主人公とのバトル)により、なんだかんだでアイリーンの精神が救われる結果となる。
魔人ヴァシュタールはその異名に恥じることなく、見事アイリーンの心を開け放ったというワケだ(最後はまたもや意味深な言葉と共に去っていく)。
ちなみにヴァシュタール自身は、長年続いている光と闇の争いごとに疲れ果てていて、本来の目的である破壊神の復活などほぼどうでも良くなっている、要するに「昔はブイブイいわせた隠居老人」的な存在に近い。
一方でかつての同僚・ネモいわく「親身にはなってくれない」というセリフ通り、まったくの善人でもないものの……。
結果的にはアイリーンが救われるきっかけ作りをした「結構いいヤツ」と言わざるを得ない(筆者はイベ※失敗パターンを見ておらず、そちらを知れば印象が変わったかも知れない
※調べによると先のアイリーン戦で主人公が勝った場合、彼女は死亡してしまうようです……こういう展開にもなり得ることをヴァシュタールが予測していた場合、ネモの言葉通り「親身にはなってくれない」という彼の性質を表しているのかもしれません。
あと一つ思うのは、やる気が皆無なヴァシュタールはもちろん、本編中ほとんどの円卓騎士が主の破壊神ではなく自分のために活動しているという始末。
聖杯を取り返したいものの、結局ずっと友好ネコなネモ。
モンスターを使って破壊活動をしたいだけのアーギルシャイア。
世の中のすべてが徒労ということを、みんなに伝えたがっている新興宗教の教祖さながらのザハク。
結局何がしたいのかわからなかった終始緊縛プレイのサムスンなどなど…。
唯一主にちゃんと仕えていそうな円卓騎士はバルザー(あるイベントを見るとそれも少し微妙に感じられる)か、設定のみで出番ナシのイシュベノブあたり。
元からカリスマ性が不足しているのか、破壊神涙目。
これまた破壊神復活とは関係ないところで、ヴァシュタールが同僚なはずのアーギルシャイアを個人的に制裁していたイベを見るに、現在でもほかの魔人を圧倒する程の力は残っているもよう。
その際、うろ覚えだが「教えておくれ、アーギルシャイア、女とは裏切るものなのか?」という風な性別の根幹にふれるセリフを投げかけるところも、また彼らしい。
色んな意味で円卓騎士最強である。
ちなみにヴァシュタールとは直接戦えるルート(始まりの地スタート限定)もあり、実際それなりに強いが、バトル後の彼もまた「意外と話の分かるやつ」っぽく退場する。
こうしたあまり表舞台に出てこないが、実際に戦うと強いヤツ設定のキャラについついカッコよさを感じてしまう(オマケにプラスでは美青年な顔グラを当てられた)。
魅力的な悪役が多いジルオールの中で、コイツも印象に深く残るキャラとしてあげておきたい。
華麗なる尻出し娘・カルラ
こちらもかなりのネタバレとなるが(ネタバレレビューなので今更)彼女の生い立ちは色々と凄まじく、12歳の時に出身の村を襲ったロセン兵たちに親兄弟・友人・恋人すべてをこ〇されたあげく、それを目の当たりにした本人も納屋で※転がされたという陰惨な経験を持つ(要するにレ〇プされた)。
※この話が聞けるイベントは、序盤のロセンでカルラとの初対面&協力イベント終了後、ディンガルの墓場にてランダム発生する(連続イベなので、日ごとに墓場を訪問&遭遇する必要あり)。
イベント後もネメア即位までは何度でも会えるので、彼女とEDを迎えたい場合、日ごとに会って親密度を激愛(10回くらい会えば達成可)まであげておくと後々楽。
なおこの時点の墓場ではドルドラムやザギヴとも遭遇することがあるので、特にザギヴEDも視野に入れている場合は、カルラと同時進行で親密度を上げられる。
その出来事がきっかけとなり、ディンガル兵士となった彼女のポリシーも「いつも笑っていたい、そのために誰よりも強くなりたい」といったものへ変わっていったよう。
そこまでなら単に、大変な苦労から這い上がった超絶タフガールのようにも思えるが……。
ともあれその後の活躍の甲斐もあり、のちに皇帝に即位したネメアに見出され、16歳の若さでディンガル青龍将軍に抜擢される。
現代でいうと、ついこないだまで普通に暮らしていた女子高生が一国の軍のトップ(陸軍将や海軍将)を任じられるという、創作ならではのメチャクチャな昇進具合である。
しかしその後の彼女は活躍っぷりよりも、かつて自分の村を襲撃したペウダ、それに関与したエリス王妃やリベルダムの豪商に対しての復讐心がむき出しになったことからか、モロに私情をはさんだ破壊活動や暴虐さ(ペウダ一族を子供に至るまで処刑するなど)の方が目立ってくる。
あげく制圧後のロセン広場には自分の彫像まで配置する始末。
当初、主人公と共にロセンに侵入して、少女を救出するところまでは良かったものの、軍の長となって力をモノにしたせいか、タガも同時に外れてしまったようである。
その後も着々と侵略活動を進める暴走ポニーテールと化した彼女に対しての考え方は、経緯を考えれば仕方なしとするも、ちょっとやりすぎと思うのもプレイヤー次第といったところか(たとえ苛烈でも戦争を早く終わらせてしまうことで、人命をムダに失わせないという考えは持っていたようだが……)。
ただ、そんな彼女も後の歴史イベント、ジラークの乱で、問答の末、ジラークにその本心を突かれることとなり、彼女が良い意味で吹っ切れる結末を迎える。
上記イベントでジラークがカルラへと投げかけた言葉があってこそ感じ始めたことだが、彼女の顔絵は口元こそ笑っているものの、目がまったく笑っていない(ように見えてきた)。もしそうだとして、ジラークとのイベ後に、マジ笑顔の別パターン絵にでも差し代わっていたなら、なお良かったかもしれない。
それはそうとして。
これら凄まじいエピソードや経歴が気にならなくなるほど目をひくのは、彼女独自のいでたち。
俗にいうハイレグアーマーもしくビキニアーマーな的なものだと思うが、下半身の布地面積がやたらに少ない。
インフィニットや今作のパッケージを見ても分かる通り、彼女のこの肌の露出は他キャラと比べても頭一つ抜けている(露出面積で並ぶのはカフィン・オイフェ・ケリュネイアくらいだろうか)
一見か弱そうな体躯に似合わない大鎌を所持しているあたりは「青い死神」という異名がピッタリくるものの、そんなことより着ている物の方がやはりツッコミたくなる。
通常時のグラフィックではもちろん、彼女が居る時のバトルやイベントシーンでは、そのヒップをおがむ機会は当然多いワケで。年頃の男性キャラ(チャカとかナッジとか)が一緒な場合、気が散ってたまったもんではないはず。
そして彼女のそんな様相について本編中、ツッコむ者はなぜか居ない。
場の空気を読まないフェテイやユーリスあたりに「露出狂」とか言われても良さそうなものだが(筆者は未確認だが、そういうセリフが本当にあるかもしれない)。
余談として、ジルオールの※4コマ漫画では、カルラが同僚(モブ)に「下履き忘れてるよ!」とツッこまれて「いけなーい!(てへっ)」的な風に描かれていた。
※ひっそり発売していた上に3巻まである。筆者は全巻所持していたがすでに中古ショップに売却済み。ややレア本と化した今を考えればもったいないことをしたと反省。
4コマ漫画の世界だからこそだが、あの格好はさすがにネタにされたようである。
いくつかのイベントの所感
プレイメモというほどでもないですが、いくつかのイベントでの所感を。
ただし現在ロストール勢の内容のみです。
1・男主人公でのアリアリ(ヴィアリアリ)・イライラ(ヴァイライラ)姉妹の加入イベでは、裏で起こったツェラシェルに関する真相(女主人公側でプレイしないと見られない)を知らなければ、前フリなく「お兄ちゃん!&お兄様!」と呼ばれるため、なかなか怖い。
その直前までは普通にプレイヤー名で呼ばれていたのもあり、唐突感が半端ではなく、ジルでは珍しいホラーテイストなシーン(と思っている)。
なお闇落ち確定のティアナ・アトレイア訪問時のセリフ、イベントフラグが折れたフレア訪問時のセリフなど、うわごとのように暗いセリフを繰り返す様もなかなかホラーな感じ。
2・ティアナ生存時(闇落ち回避)のリューガの変後、これまでかなり影の薄かった傀儡の王・セルモノーとの会話イベントでのこと。
妻ではなく政治の道具としてしか見ていなかったエリス王妃(すでに先立っている)に会いに行くといい、彼はティアナと世界のことを主人公に託して死んでいく。
一国の王としての潔さらしきものが最後に垣間見られたような気がする。
なおアトレイア生存時でも発生確認、円卓騎士サムスンとのバトルもついでに発生(ティアナの時もそうだったかは失念)。
勝利後、同様にエリスへの贖罪を吐露し、ティアナに対しても「娘」として向き合って来なかったことへの後悔、そして同じく主人公へティアナのことを託すが、このルートでは彼女が闇落ちしているため、もの悲しさはアトレイア生存時の方が増した。
……彼女ルートだと最初から最後まで報われない王で終わってしまう、合掌。
3・リューガの変後には、タルテュバに関してのサブイベントも発生。
ひん死の状態を介抱されたものの結局助からずなタルテュバだが、このイベントでは陰湿で非道なだけなはずの彼が、改心して果てるという※レアシーンが見られる。
※ティアナ・アトレイアそれぞれのルートで確認済み。イベントの顛末を見るためには生命のかけらが一個必要だが、何気にストラスエッジ入手のキーイベントにもなっているため、やりきって損はない。
ここをわざわざ攻略のために見る人は居ない気もするが、生命のかけらについては乙女の湖や城塞跡などで入手できるものの恐らく数量限定なため、当イベントまでは必ず一個はストックする必要があることを付け加えたい。
このイベントを知らずのままだったら、彼を少しでも哀れと思うことは恐らくなかったし、プレイヤーによっては彼の評価が一気にくつがえるかもしれないほど貴重なものに感じた。
なおティアナ・アトレイア双方とも内容はそれほどちがいはないが、アトレイア側で見ると彼女を邪険にしたことへの罪の意識も感じ取れたあたり、こちらもセルモノー同様、ティアナパターンよりグッときた。
タルテュバよ、更なるリメイクがあったら、その時こそ救いのルートがあることを。
……そうなったら、パーティーイン&ED追加があっても面白いような気がするが。
グラフィック ★★★
一昔前のタイトルなので粗さを感じるのは仕方ありません(それも近年の美麗なグラフィックと比べての話ですが)。
良くいうなら今でも充分キレイに見える。悪くいえばこれという奇抜さや特徴がない平凡グラフィック(いちプレイヤーとしての感想につき、暴言のつもりではありませんので悪しからずお願いします)。
ただこのゲームの魅力はグラフィックではないので、これでまったく問題なし。
もっとも水の都・アキュリュースや、魔法使いだけが住むウルカーン。
リベルダムの時計台などの大陸の各名所を見るに、中世的な雰囲気は充分に感じられ、遠景に映る空や海、山並みや木々までもが、時に実写と見まがうほど美しく描かれています。
モンスターのグラも、単に色ちがいで数を水増ししたようなものではなく、たいへんバリエーションに富んでいます。
ファンタジーの花形的なドラゴン・ミノタウロス・コカトリスといった敵も登場し、外見も「そうそう、こういうものだよね」とちゃんと認識できるくらいに特徴もしっかり押さえられています。
ただしゴブリンのような小型の敵になると、表情など細部のディテールはほぼ見えず。モンスターをいろんな角度やどアップで見られる図鑑機能でもあれば良かったかもしれません。
残念ポイントは、洞窟や山岳の岩肌とほぼ同系色の宝箱が見えづらいこと。
これでスルーしてしまった宝箱も少なからずですが。注視さえすれば見えないこともないので、こちらはまだ許せる範囲かなと(そもそも点在する宝箱の総数がそう多くありません)。
随所で流れるムービーシーンも数こそ多くないものの、無双シリーズのコーエーが発売元なためか、こちらはさすがに今見ても美麗です。
迫力ある演出もさること、ムービーに登場するキャラは同メーカーの無双シリーズのごとく皆、美男美女。
あのクオリティなら多分、ガルドランでもイケメンに見えてくることうけあいです(残念?ながら登場ムービーはありませんが)。
特筆はキャラデザ
洋ゲーっぽいタッチでも、日本人が好みそうなギリギリを攻めている顔つきが絶妙です。
それも男女ともに数十ものキャラが居るにも関わらず、しっかり表情が描き分けられるって一体(プロはすごいなと改めて思います)。
男性陣ではロイとセラが双極的な美男子コンビ、エストやナッジ、エルファス、オルファウスは美形優男。ベルゼ閣下も顔だけはキリっとしている(革新的なヘアースタイルさえ気にしなければ上位の美形に感じる)。
また好みにもよると思うが、ダルケニス化したレムオンは本編中最高レベルの美男子だと思う(別ゲー、悪魔城ドラキュラ・月下の夜想曲のアルカードに見えなくもない。何なら同じ吸血一族だし)。
……なんか、ほかの男性陣が物申したいみたいだよ。
文句が前提になりそうなことはいうまでもないな。
アンギルダン「自分では少々男前と思っとるがダメか?一応、美人の娘もおるし」
イオンズ「父親に似んかっただけだな、ソレは。まあワシも選ばれんかったが」
デルガド「基準は一体どうなっとる(ワシもドワーフの中では美男だと思っとるが)」
ゼネテス「とっつぁんたちはともかく。オレなんぞ某漫画のホ〇キャラに似てるとか言われてるんだぜ……」
ネメア(ベルゼーヴァが美形か……)
レーグ「……戦わずして負けというのは気に入らん」
ヴァン「へへっ、ナッジに負けて、心をなっじられた感じだぜ」
ガルドラン「ぬわんと!この不平等かつ身勝手な扱い、さては貴様、魔王の手さ……」
……すみません、他意はなく筆者の目線だけで書いております。
さて、女性キャラならエステル・ティアナ・アトレイア・ルルアンタ・フェルム・ノエル。
それとヒルダリア・ユーリス・カルラ・イライラ・アリアリ姉妹、巫女3人あたりもそれぞれ特徴ありつつ、カワイイ&キレイに描かれている(というかほとんどそうなりますが、挙げればキリがなく、面倒なので男連中に比べおざなりな書き方になってしまいました。というかなぜキャラを片っ端から列挙しようとしたのか自分でもわかりません)。
女性連中も物申したいようだぞ。
男子陣より毒気がありそうだね!
フェティ「なぜアタクシを挙げないの!キーッ!!」
アイリーン「私も呼ばれて無いわよ!」
ザギヴ「私のことも忘れているようね」
オイフェ「キリキリ……⦅弓を引いている⦆」
カフィン「私みたいなのはなんかちがうんだってさ……ぶん殴っちゃおうかしら」
ケリュネイア・イーシャ・クリュセイスほか「私たちは忘れられてるだけだと思いたいわ……」
エリス「ふふっ、実に短絡的な選出をするものだ……」
フゴー夫人「そうですわねー」
――以上。ちょっとした寸劇をはさんだところで。
なお、これら魅力的なキャラクターを描いている方は末弥純氏、ファミコンやスーファミ版のウィザードリィのモンスターデザインなども手掛けていらっしゃるイラストレーターとか。
ウィザードリィのいくつかのシリーズは筆者も遊んだことがあり、いわれてみれば絵には馴染みがある。
またアクションロープレ・ブランディッシュのパッケージイラストもそうだったという。
存じ上げなかっただけで、自分も遊んだ多くの他作品も手掛けていらっしゃったんだなという発見。
脱・呪い人形
どこかで見た話だが、ルルアンタの勝利後ポーズがようやく自然でスムーズな感じに。
かつてのインフィニットでのこと、バトル終了時にアップ演出を飾る彼女が、じつに薄気味悪いモーションでカクカクしていたため、まるで西洋の呪い人形。
それが改善されたことで、ようやくリルビーという種族の可愛らしさが伝わってきた気が。
もっとも全キャラの立ちグラフィックは、リメイクのリメイクな今作でも、若干の薄気味悪さを持ち続けている。
みんなリアル等身で無表情なため、控えめにいっても「マネキン」のような感じ。
ある意味、不気味の谷現象。
しかし、ここまで要素を盛り込んだゲーム性を考えると、キャラの表情まで作り込むつもりもなかったのだろう(視点によってはそこまで見えないし)。
サウンド・音楽 ★★★‐
無印からインフィニットへのリメイクに際し、作曲の人が変わったらしく、今作でもインフィニット曲が引き継がれている様です。
無印からもテイストが大きく変わったわけではなく、いずれの曲も幻想的で素敵ではあるのですが……。
あの曲……あの曲だけでも復活して欲しかった
無印ジルオールの大ボス戦曲「激闘」が、今作でも聴けなかったことが非常に惜しい(かつてはラドラスのシャリ戦などでかかった曲)。
終始クライマックス感ある曲調。
そこにミックスされたピアノフレーズが耳を滅多打ちする、数あるジルオール楽曲の中でも間違いなく、最もテンションが上がる一曲だが、インフィニットおよび今作では曲名が同じだけの別BGMになってしまった。
その「激闘」もそこまで悪くないものの、なにぶん無印の激闘が良過ぎたせいか、どうしても聴きおとってしまう。
一方、ウルカーンで流れる曲は、インフィニットからの方が素敵。
民族的でもの悲しさを感じるメロディは、まさしくファンタジー世界を旅しているような感覚にひたれる。
この曲の存在があったため、これ以上サウンド評価を下げずに済んだワケでして。
もしウルカーンの曲が無ければ、お星さま評価は心苦しくも2つにさせてもらっていたと思うので、ジルオーラーな自分としては、ある意味ホッとしている(BGMがウリのタイトルでもないことも付け加えたい)。
システム・内容 ★★★+
フリーシナリオが要のタイトルなだけあり、開始時に選択可能な旅立ち先(スタート地点)や性別ですら、イベントや一部キャラとの関係性、EDの可・不可に至るまで影響します。
最序盤から、すでにここまで分岐の選択肢があるタイトルはジルオール以外に思い付きません。
たとえば男主人公で「王城のある大都市」を旅立ち先に選んだ場合は、アイリーンどのとは幼馴染の関係になるようだな。
そこ以外の旅立ち先だと、完全に初対面な感じになるんだよねっ。
周回前提なゲームだから、その都度、旅立ち先や性別を変えるのが、新鮮味があっておススメかな(何なら2周目から解禁される旅立ち先もあるしね)。
ほかにも初期の能力値を決める簡単な心理テストが何問かあったり、髪の色まで数パターン用意されたりしてるけど、こっちはプレイにほとんど影響しないから、プレイヤーの好みで選んで問題なしだね!
個別の冒頭イベントを終わらせたあとは、一部を除くほとんどの地域へとっぱじめから自由な行き来が可能に。
つまり、そこからが本当の冒険スタート。
ここからイベントが立て続けに起こるため、最初は何をしてどこに行って良いか困惑してしまうことなんてのも、ジルオールあるあるです。
ちなみに大陸MAP上で行ける場所すべてがポイントとして点在しており、主人公(チェスのコマみたいになっている)をポイントに移動させ、ボタンを押すことで町や洞窟などに入ることが出来る。
また基本はポイント間の移動により時間(日にち)が経過し、特定のポイント間で発生するキーイベントで歴史が進むこともある。
その説明なんか分かりやすくないなあ。
単純にロマサガみたいな移動システムっていえばいいのに。
システムのことを分かりやすく言語化するのは難しいことだな。
(たいがい公式サイトなどで分かることだから、わざわざレビューでふれるというのも過分な気もするが)
もし出だしから「なんか求めてたのとちげーな……」という風に、とっつきづらさを感じた人は最初の段階で投げてしまう可能性もあるいはあるかもしれません(ゲームスピードも快適とはいえないため、むしろ筆者がそうなりかけました)。
自由性が高いぶん、迷いやある種の置いてけぼり感も発生するのは仕方ないことです。
しかし重厚でこってりとしたストーリーと世界観を持つ今作を、最序盤でぶん投げるのは大変もったいない話ですし、せっかくリアルマネ―を出して購入したのなら、その元くらいは取りたいもの。
何なら初回はスゲー適当でも良いので、最初に加入する仲間や(これも旅立ち先で異なる)や、どの旅立ち先でも訪れることになるネコ屋敷でアドバイスされたとおりに行動してみるのが「いきなり積みゲー」を回避する第一歩。
いわれるがまま冒険者ギルドで登録を行い、手紙配達などの簡単仕事から請け負って、各地で仲間を加えたり、キャラと交流を深めたりする内に、おおまかな雰囲気は把握できます。
2~3時間くらいやっている内に慣れるってなもんです。
何なら、この最序盤が冒険感を強く味わえる一番楽しい頃。
ゲーム性が分からない時期だからこその楽しみ方もあるわけで、やればやるほどストーリーやキャラの魅力も掘り下げられて奥深くなる、ジルオールとはそういうゲームだと思っています(そういう意味ではスルメゲーでもあります)。
RPGの基本要素(バトル・探索・町での買い物etc……)をおさえつつ、キャラ育成に大きく影響するソウルシステムといったオリジナル要素も搭載し、一見抜かりないものに思える今作。
本来、絶賛して終わらせたいところですが、いくらかの不満点はどうしてもあるもので。
その一つ、RPG特有の作業感(慣れ)による「中だるみ」が、ジルオールでは頻繁に感じられます。
たとえば街や村でうけられるギルド依頼。
様々な仕事がてらに各地を行き来し、最初こそ新鮮味が感じられるものの……。
実はこの依頼システムが作業感の要因といってよく、慣れると簡単かつクリア方法もパターン化します。
かなり攻略的な話ですが、敵の動きを一定時間止めるストップ、姿を消すことでエンカウント回避できるインビジブル、ダンジョン入り口まで瞬時に戻れるエスケープのスペルさえ覚えれば、探索・配達・護衛・※救出の4種は一気に作業と化します(今更ながらこのゲームはシンボルエンカウント)。
※依頼をこなして冒険者としてそこそこ有名になると、ギルドから頼まれます(拒否も可能)。
裏を返せば、これらのスペルを覚えて、報酬多めの探索を繰り返すだけでレベリング・ソウルポイント稼ぎ・金策の難度は崩壊します(といいつつ、上記スペルの使用には一定の属性レベルを満たす必要があるため、これを稼ぐために、ある程度のバトル回数を積むことが必須となります)。
育成も兼ねて、どうしてもある程度の数はこなしていく必要があるのですが、積み重なると後にプレイヤー自身が発するあくびとの戦いとなります。
さらに依頼によっては、同じダンジョンや地区を何度も行き来するハメに。
最初は「ファンタジー感あるなー」なんて思っていた、景観もやがては見飽き、視覚的なものもあって作業感はさらに増します。
もっとも、良質シナリオと豊富なイベントのおかげで、耐えられる範囲なのが救い。
こうすればもっと良いというような代替案も今のところ思いつかないので「まーのんびりいきやしょうや」といった感じで、冒険の一環として受け入れてしまうのが今作を楽しく遊ぶ秘訣かもしれません。
良質な独自要素も周回すれば飽きる
キャラ育成の要・ソウルシステムも無印からほぼ改変なく、初回プレイではソウルの付け替えで、キャラをどう成長させるべきか、ついつい模索しがち。
ソウルもさ、戦士系や魔法使い系とか色々用意されてるけど、身もフタもないこといっちゃうとFFのジョブみたいなもんだよね。
相変わらずくさすようなことをいう。
もっとも主人公だけが付けられるソウルもあるのだから、それを解禁するといった攻略の楽しみもあるな。
なおソウルを基本に育成方針は多種多様に広がるものの、物理特化キャラを育てるにあたっては、いささか注意が必要(ここでふれています)。
しかし今作では引継ぎ要素のおかげで、周回後のソウル付け替えが実質自由になるため、ポイント稼ぎに奔走する必要はない。
さらに錬剛石の引継ぎもされるため、鍛冶もすこぶる楽になる。
ともなって周回すればするほどプレイヤー側には「攻略の最適解」が分かってくるため「いつも同じソウル・武器・仲間」という風なマンネリもやはり避けられない。
普段とちがう進め方や今まで使用しなかった武器種、仲間の運用などで多少は埋められるだろうが、いつかはそれも限界を迎える。
シナリオ補完やED埋めのために、どこまで許容できるかもプレイヤーの資質によると思われる。
もっとも飽きっぽい筆者ですら今作を7、8周しているので、ジルオールが好きで根気強いプレイヤーであれば、ここらへんはマイナス要素にすらならないだろう……多分。
テンポがあまり良くない(特にバトル)
各キャラの性格を反映させたような勝利後ポーズはスキップ不可で、見終わるまでに数秒ほどかかり、バトルが積み重なると地味に苦痛(一回見たからもう良いよって心で毎回ツッコミを入れています)。
せめてオートバトル機能でもあれば。
そのほかイベント発生時には、通常の画面切り替え時に発生する暗転がより長くなり、一瞬フリーズしたかの様な錯覚さえ覚える。
一方でバトル突入時の画面切り替わりはほぼ一瞬で、演出も決定ボタン押しでスキップ可なところはかろうじて良点(これさえなければ、ちょっと……という感じでしたが)。
なおプレイ環境によりちがいがあり、それについては総評の方でもう少しくわしく書いているので、読んでほしいところだが、結論だけいえばパッケージ版では無く、DL版でのプレイがおススメ。
当方ではパッケ版を購入していないため比較できないが、諸情報によるとDL版の方がローディングが短いらしい(この項の話もDL版の環境に準拠しています)。
さらにメモリースティックの容量に余裕があれば、タイトルからデータインストール(行うことでロード短縮が可能・空き283MB必要)も合わせて行っておくのが吉(しかし……↓)
このレビューを書いた大分後になってから容量確認のため、PSPを立ち上げたところ、初回プレイからずっとインストールを行っていない状態でプレイしていたことに気づきました(間抜けな話ですが色々調べた結果、これが幸いだったようです、そのことについては下記から)。
すかさずインストールを済ませ(正味10分ほどかかった)どのくらいロード短縮するかを検証するため、まだ残っていたラスト付近のデータで設定メニューを開き、オンにしてテストプレイ。
するとラスダン(廃城)内のジュサプブロスとの遭遇シーンに切り替わったところで会話テキストが出ないまま、10秒以上硬直しました(硬直が解けたあとは普通に進みましたが、マジでフリーズしたかと思いました)。
あっけにとられながらも、データロードしなおしてオフでも試したところ、なぜかオフの方がやや早めにテキストが出現し、何なら手前の画面切り替え時のロードもオン時より数秒は短かったです。
ついでにバトルはどうなのかと思い、すぐそばにいた敵(リッチ二体)に接触したところ、オンでは3~4秒ほどかかったのに、オフではものの一瞬でバトル画面に突入しました。
局地的な場面での検証につき、ほかの状況でどうなるかは分かりませんが、もしこの挙動が全編に渡るなら、DL版ではデータインストールはやらない方が良い……という結論に達しました。
この辺りの機能の働きにはくわしくない筆者ですが、本来読み込みを快適にするためのものが、かえって遅さをまねくなんて、一体どういうことなんだろうと……(データインストールした方が遅くなるタイトルがほかにもあったような気がしていますが、失念しました)。
なおこのテストプレイは型番3000のPSPで行った時の話ですので、1000・2000番台でどうなるかは不明です。
あとさ、リメイク前からあったことだけど、移動時はダッシュしてもけっこう遅く感じるんだよね。
基本はクォータービュー(斜め見降ろし)な視点なんだけどね。
場所によっては視点がガラッと変わるし、大分奥行があるところも存在するからな。
ウルカーンの崖の道とか(火の神殿にいくとこだな)。
そういうところを移動すると視覚的に余計ムリもないが。
ただ現実的な速度で考えたらあんなものだろう。
街中でも画面切り替えポイントまで行くのに、けっこう時間かかったりすんだよね。
移動の倍速機能があったらすごく良かったんだけどね。
コツを知っているとさらに簡単ゲー
こちらが低レベルでも、不釣り合いな強敵に遭遇する最序盤がもっとも苦労しやすい時期。
かくいう筆者もゲーム性がよく分からなかった頃「とりあえずはじっこまで行ったろ」と思い、いきなりエルズまでおもむき。神殿道中のドラゴンマイムにヌッコロされたのは良き思い出。
本来はこちらのレベルに応じて、うろつくモンスターも強いランクへと段階的に上がっていくもの。
が、それは街道や航路での話。
ダンジョンは例外であり、ドラゴンマイムのごとく、やたら強いモンスターを初期配置している危険区域も少なくない。
たとえば竜王の島や街中にしれっと建っているにも関わらず、後にラストダンジョンとなる廃城などがそれにあたる。
そんな危険な場所にソッコー行けてしまうのは自由度が高いゲームゆえ。
そしてこのゲームはその自由度を逆手に、難易度を一気に下げるプレイ法もある(2周目から行うことを推奨したい)。
ジルオーラーにとってすでにメジャーだが、最強クラスの武器を序盤で入手可能な方法もその1つ。
事前準備はソウル・グレモリィ&スキル・ディテクターと、ソウル・ルナシャドウ&スキル・クイックアーツの取得のみ。
適当な依頼と戦闘を繰り返してこれらを取得したら、速攻でダンジョン内の武器宝箱の元まで辿り着く(武器が入っている宝箱の場所を知っていることも重要)。
後はダンジョン内でもセーブ&ロード可能な仕様を活かし、宝箱トラップを解除成功するまで繰り返すだけ。
これで序盤からでも※竜破(りゅうは)などをゲット可能。
※ゼグナ鉱山の宝箱から入手可能。無属性で使い勝手も良く、鍛冶強化も可能な最強クラスの大剣。
装備品のみでごり押しできるほど低い難度ではないにしろ、序盤の戦闘はこれら強武器を入手してしまうことで相当楽になる。
ルナシャドウとクイックアーツ取得までが少々手間だが、さっさと仲間を4人揃えて、配達などの簡単クエや、手ごろなダンジョンでバトルを辛抱して繰り返すと割と早く達成可能(ソウルだけなら、2週目の引継ぎポイントでただちに取得出来る)。
首尾よくゲットした後は普通に進めていっても大丈夫だが、ある程度キャラも育成したい&序盤のイベントを一通り終わらせたいのであれば、あえてキーイベントを起こさず、メインシナリオ(歴史進行)をストップさせる方法も存在する。
あまりに長期間歴史ストップしていると、中盤から怒涛の勢いでシナリオが進んでしまい、期限イベ消化が間に合わなくなる可能性ありという情報が存在しているため、止めすぎはほどほどに……(確かに一部の戦争イベが異様に早く終わることが体感上あったので、恐らくそのことなのかと思っています)。
どのくらいストップしたら影響を及ぼすかの目安は不明ですが、よそ様の攻略サイトによると1年くらいならセーフという話です(パッケ版かDL版かによってもちがうのかもしれませんが、これも不確かです)。
なお進行キーイベントは歴史区分⦅チャプター⦆ごとに存在し、数も多いので確認したい場合は、専門の攻略サイトをご参照願います。
裏を返せば、歴史を止めた序盤でキャラをどれだけ強化出来るかで、今後の難易度は大きく上下する。
ただしやりすぎるとバトルの楽しさも大きく損なう可能性があるので、用法用量を守って正しく行うべきことも付けくわえたい(やはり2周目からおススメ)。
話を変えるが、筆者はプレイ毎にデルガドを序盤からパーティー加入させ、上記の方法らを行うことが多い。するとある時に「そろそろシナリオを進める頃合いかな」と思える現象が発生する。
それは敵へ物理攻撃を加えた際、デルガドが素で4桁ダメを叩き出した時。
ほかのメンバーはまだ数百といった中であきらかに際立つ。
そもそも彼は初期から脳筋ソウル・マイティブロウを宿しており、固有武器の斧も高レベルの闇属性なので苦手とする敵も多い。
そのため、いち早く高ダメを叩き出せる御仁でもある。
開始時からドワーフ王国の酒場で吞んだくれていて、加入条件も選択肢のみとユルいためか、最序盤では特にお世話になる初心者救済キャラといっても良い(早々にシャイニングレオに切り替えて育てると、オールアタックによってザコ戦では当分無双)。
特に根拠はないが、そんなデルガドが高ダメージを出すのを目安に、ネメア即位後あたりまで一気にシナリオを進めることにしている。そしてそのあたりではほかキャラもそれなりに強くなっている。
もしスペルに特化しているキャラも居るなら、アガスティアを付けてユナイトスペルまで修得してしまうと、序中盤の敵程度では相手にもならない。
本来負けても進行するラドラスでのシャリ戦も楽勝(それでもリューガの変時のザハク、ソウルリープ時のゾフォル&ザギヴなどは対策ナシだとややキツい)。
あげく今作では先ほどの竜破のようなユニーク武器+仲間の固有装備品が鍛冶可能になったため、活用すると敵との強さは余計に開く。
ラスト付近ではほかメンバーが強くなりすぎて、あのネメアがアイテム係になるという現象が起こる始末(単にネメア所持の破滅の槍が闇属性なため、ラスト付近の同属性のボスに利きが悪いというのもある)。
この頃になると、筆者データではこれだけ持ち上げたデルガドが、とっくにお役御免というオチが毎回待ち受けている。
クドイようだが、総じて上記のように初段階でキャラを鍛えすぎたり、早々と最強クラスの武器を取ったりするなどはほどほどに。
もっともジルオールは一度クリアしてからが本番のようなもの。
むしろ2周目からはこうした手段をためらいなく使うべきで、1周目はチュートリアルと割り切り、思うままにフリーシナリオを楽しむのがベターかと思われる。
金も困らん
ゲームの世界でなら誰でも成金になれる。
金なんざ、エンシャントギルドの魔法の宝箱(開錠ミニゲーム)でなんぼでも増やせる。
連続成功のたびに100→200→400とダブルアップしていき、最後まで成功すれば102400ギアもの大金をものの1~2分で手に出来る(そして何事もなく再チャレンジ可能)。
しかも、いくら失敗しようと、毎回100ギアの損失で済む。
なお、当ミニゲームは通常宝箱の仕様まま(ただしアンチハードルは使えない)なため、ゲージの動きもストップ位置も単調。よって連続挑戦できることを利用して、タイミングを覚えてしまえば良い。
5・6の難易度でも慣れることはそれほど難しくなく、動体視力が並程度の筆者でも7割は成功する。
そうはいいつつ、DEXの高さにより通常宝箱と同じく難易度が低下する仕様なため、序盤の能力値では流石にキツい。よって、ある程度レベリングしてDEX⦅体感30前後あると充分かも⦆を上げてからの方が効率は遥かに良い。
ヒキが良ければ、ルーレットでの難易度もほとんど1~3ばかりということもあり得る。
コツさえつかめばギアが続く限り何度でも出来るため、鍛冶費用やアイテム購入に困ることは今後一切なくなるというワケだ。
どうやらこの魔法の宝箱、500ギアの掛け金のものも存在するようだな。
依頼をとにかくこなして、ある程度有名になってから追加されるやつだね(20回くらいこなすと良いみたいだけど)。
恐ろしいのは500ギアになっても、難易度は100ギアのと同じってことか。
MAXで出てくる金額も512000まで膨れ上がるんだ。
……筆者はこれで、まだ歴史区分1(メインシナリオのまだ最初)なのに、ものの数分で数百万以上稼いでウハウハだったようだね。
荒稼ぎしたら、アキュリュースで全員にHP50%回復の「恵の雨」などを買い込めば、体力回復にもそれほど困らない(99個買っても44,550ギアしかかからない)。
錬剛石も引き継がれる2周目以降なら、いくつもの武器の鍛冶強化をマックスまで行うことすら序盤のうちに可能だ。
……周回前提のゲーム性とはいっても、こんな宝箱が序盤でおとずれる町に通常配置されているあたり、初心者救済だとしても大丈夫かと心配になるレベル。
……ところで。
いざ挑戦してみて「ぜんぜん簡単じゃねーし、すぐ金なくなっちまうし、どうしてくれんだよ」などという方。
落ち着いて、ロード機能というものを思い出して欲しい。
瞬く間に直前のセーブ時点に戻れるアレだ。
何が言いたいか、もう分かるはず。
称号は大体竜殺しに落ち着く
依頼をそれなりにこなし、旅にも慣れたあたりで、町の人々から活躍を賞賛されることがあるな。
しかも宿屋の店主などからは、やたらカッコ良い異名で呼ばれるし。
烈火の賢者やら静かなる戦士やら。
称号ね!
そう呼ばれるには、依頼をこなしていく内にマスクデータ(表示されない内部データ)の数値が溜まって、一定以上になった時だと思うけどね。
必要な依頼達成数は20くらいって話だよ。
それにキミがいった称号はその中のごく一部で、属性値や能力値によっても相当な数があるんだよ。それこそプレイヤーごとに色んな呼ばれ方をされるんだね。
ほかにも特定イベントを終わらせると呼ばれる「ノーブル伯」や「竜字将軍」なんてのもあるね。
そういう字(あざな)で呼ばれるというのは、冒険者としても有名になったということか。
なんだか嬉しくもあるな。
要はそういうことなんだけど、コレってさ……普通にやってたら主人公が強くなってきた中盤あたりかな。
※七竜のなかの一体でも倒すと、それ以降は「竜殺し」って異名で呼ばれる様になるんだよね。
※世界に七体存在する伝説の竜。邪竜4体(エルアザル・イシュバアル・シャンマ・アズラゴーザ)と、さらに別格の強さを誇る翔王・海王・竜王(竜王はレベル50突破するとラスボスになる)の3体が居る。邪竜のみでもその辺のボスとは比較にならないほど強い。
竜殺しなんて、カッコいいじゃないか!
まるで花形勇者のような呼ばれ方だな。
呼ばれる自体は良いんだけど……。
実はさ、これって一旦そう呼ばれると、もう称号が変わらなくなるんだよね。
つまり今後何をしようが一生、竜殺しって呼ばれ続けるワケ。
あ、何となく意味が分かった。
ほかに数多の称号があろうが、こう呼ばれてはもう変更がきかないと。
どの称号よりも優先度が高いということだな。
メタ的にいうとそういうことです。豊富な称号のパターンを見られるのは、ノーブル伯みたいに、達成したら固定称号が付くイベントの前か、竜とあまり絡む事のない序盤~中盤までってことだね。
筆者の場合だけど、※死竜の洞窟の奥に居るエルアザルって邪竜を「なりゆき」で倒しちゃってから、意図せず竜殺しになったんだ。
それ以降、ずっと人々から「よっ竜殺し!」的に呼ばれ続けて「ファンタジー世界では特に名誉っぽい称号」でも、ずっとそう呼ばれるならありがたみも薄れるよな……って、そう思ったみたい。
※エルアザルは七竜の中では比較的体力が低い(HP2982)ので、育ったパーティーなら中盤あたりに何となーく挑んでも倒せてしまう。つまり早々に竜殺しと呼ばれたいのであれば、こいつを倒すのが比較的楽。しかしシナリオのラスト付近では邪竜と強制バトルに突入するため「竜殺し」となるのは結局不可避。
竜殺しやノーブル伯のような固定称号以外に豊富な称号パターンがあるものの、いずれか一つに定まった場合、今後はそれ以外の呼ばれ方にはならない。よって全称号を実プレイにて見る場合は途方もない苦行(やり込み)。
攻略関連メモ
ここからは筆者自身への覚え書きだが、ほかのプレイヤーにも多少攻略に役立つ(であろう)ことを書いておく。
属性よもやま
スペルやスキルの威力について。四大属性はINT、聖闇はMINステにそれぞれ依存する。
四大属性は火→水→土→風→火…というように矢印の方向の属性に対して有利(それぞれの頭文字「ひみつか」で覚えれば良いと教えてくれる住民も居る)。
闇は四大属性に強く、聖よりも弱い。そして聖はどの属性よりも強い(四大属性に対しては聖より闇の方が強い)。
もちろん不利な属性に対してや、同属性同士は効果が下がる。なお後半ボスは闇属性持ちが多いため、これらには聖属性の武器やホーリーで対応するべし。
ただし注意するべきは、本ゲーム最強の敵・竜王で、同モンスターは聖属性持ち。
世界のバランス調整を担う存在は流石というべきで、ほかに聖属性の敵はエルファスくらい。
つまり聖はおろか、他属性の武器を持つ物理メインのキャラは、竜王とのバトル時一気に戦力外となる。
そんな中で唯一、属性の影響を受けないのが無属性。
よってレベル50を突破し、竜王と戦う条件を満たす場合。事前に武器を無属性のものに変えておくと、無駄に長いじゃれ合いタイムがだいぶ短縮される(竜王のHPは敵中で最大の16285)。
最強の敵は無属性で殴ったほうが良いという結論。たとえば物理ステが充分育ち、限界まで鍛冶強化された伝説のフライパンを持つフェルムでも居れば、一気にエースアタッカーへと昇格する。
なお前述はあくまで物理での話であって、ユニオンスペル・ユナイトスペルでの攻撃魔法は普通にダメージソースとなるため、魔法に特化したキャラも1人は参戦させたいところ(最終メンバーとして加入するオルファウスも強アタッカーとして大いに活躍する)。
AGIとDEXも上げとけ
この両ステは脳筋プレイにこそ必要で、攻撃命中に関わる重要さを持っている。
万一上昇を怠ると、いかほどの脳筋でも、そもそも敵に当てらないというとんでもない事態が中盤以降当たり前のように待ち受ける。
たとえば初見でマイティブロウとかを宿したまま「アヒャヒャヒャ! 脳筋つえー!」をずっとやっていると、後から泣きを見ることに。
かつて、この状態に陥ったのが筆者で。命中が低すぎるあまり後半の敵への通常攻撃がほぼ当たらず、あやうく詰むところだったワケで。
よって時たまソウル・ルナシャドウ(AGI・DEXともに高い成長率)などに付け替えて育てるのもアリ(攻撃力の成長もそこそこな優ソウルなので、しばらく加入させないような物理系の仲間に着けて放置しても損はない)。
それぞれの数値が100強あれば、最強の敵である竜王にも攻撃が当たるハズ。
スキル・スペルのよもやま
ソウルを付けるまでしなくとも、とりあえず各種カウンター・ハイグライド・ロングショット・ゲイルラッシュ・シャドウノックを物理で育てたいキャラに取得させておけば、どの状況でも対応できる。
攻撃系のソウルの一押しはシャイニングレオ。
ソウル自体もSTR・VIT特化でAGI成長値も中堅、レベルアップ時ランダムで他のステに割り振られる値も2と、大変優良だが、何よりも固有スキルのオールアタックはザコ戦、バーニンレイヴはボス戦で多いに活躍する。
むしろオールアタックの使い勝手が良過ぎる(消費0で全体攻撃)ため、物理キャラであれば全員取得を目指したい。
バトルで速攻勝利(FastBreak)すると経験値・スキル・属性レベル(精霊力)にボーナスが付く、1ターンで勝利すると、それぞれに5倍もの倍率ボーナスがかかるため、どのバトルも速攻で片を付けるのが定石。そういう意味でもコスパも性能もバツグンなオールアタックが猛威をふるう。
シャイニングレオかブラックバイパーを先に取得しまうと、wild値の関係でアムドゥシアスが取得不可となる(条件Wild8以下)。欲しい場合、同ソウルは先に取得しておくこと。後述するネガヴァニティアも欲しい場合は、ネガヴァニティア⇒アムドゥシアスの取得順さえ守れば、後からでもシャイニングレオ・ブラックバイパーほか全てのソウルが取得できる。
オートスキル中、スキルポイントが100で取れるものはとりあえず主人公が全て取得してしまうと良い(ポイントに余裕があれば全て取得を目指すのが良いが、欲をいえば不意打ち100パー回避のハインドサイト⦅500P必要⦆があると、敵先制→全体攻撃→全滅の事故は防げる)。
回復手段はあればあるほど困らないので、ヒーラースペルは全員で取るべし。
敵の全体攻撃やスペルが常々脅威となるため、ニルヴァーナのスペルブロックもあれば吉となる。これは攻撃魔法を1回無効化してくれる上、ターンが終わっても敵に魔法を使われない限り、効果が継続する有能なスキル。
強敵とのバトルでは素早さが高いキャラにとっぱじめに使ってもらうことで、安全性が一気に高まるので覚えておきたい。
魔法使い系でなくても効果は一緒なため、いっそ素早いキャラ全員への取得させるのもあり。何ならスペルブロック要員として、素早さとMPに特化して育てたキャラが1人居ても良い。
選びがちソウル
ソウルポイントも引き継げる2周目からだとよりやりやすいが、ソウルに悩んだらネガヴァニティアを付けて育てると幸せになれる。
やや※特殊な取得条件になっているものの、ステータス成長は強バランス型で、MINが伸びやすく、ほかの能力も平均以上に育てることが出来る。
※kind8以下にしないと取得不可なため、kind値が9以上必要なクロムハート・ファニーフェイス・アムドゥシアスは後に取ること。うっかりkindを9に上げると取得不可。
むしろ全ソウル取得を目指す場合、ネガヴァニティア⇒アムドゥシアスの順で取れば、ほかのソウルは後からでも全て取得出来る。
デメリットは宿したまま、レベルを上げすぎるとMIN以外のステが平凡になることくらい(それでも高めの水準になるが……)。それと固有スキル・スペルが闇属性なため、後半あまり役に立たない(闇属性を持つボスが後半に多いためダメージが期待出来ない)。
よってネガヴァニティアを宿し、ある程度育てたキャラについては、器用貧乏を避けるため、その後物理系にするか魔法系にするかをあらかじめ決めておくと良いかも。
物理ならアークソード・シャイニングレオ、魔法ならアガスティア・ブラックバイパーが候補。
能力ボーナスが付く特殊キャラ
エステル・ザギヴは、後半の固有イベントを消化することでINT・MINがブーストする特殊キャラとなっている。
調べによるとザギヴはそれぞれ20アップ、エステルはなんと30づつアップするのだとか(エステルはさらなるイベントでさらに上乗せがかかる)。
ステータスが上昇することまでは、実プレイにて分かっていたものの、正確な上昇数値が分からず、この度攻略情報を閲覧し、はじめて数値が判明した。
よって彼女たちを魔法使い系で育てていると、この2つのステがカンストすることもあり得る。
システム上、数値のカンストオーバー分は切り捨てとのこと。したがって余剰が発生して、もったいないというところまで考えるなら、彼女たちが加入した時点で強バランス型のネガヴァニティアを宿しておけば万能タイプも目指せる(無論上記イベントを起こすことが前提)。
覚醒エステルについて
固有イベントを終わらせた彼女のINT・MINブースト値は、ザギヴとは比較にならない上昇値なので、その後の育て方次第では、インフィニティア・ウルグの個別ソウルで優遇された主人公を凌駕する狂キャラになり得る(筆者データではほとんどのステータスが主人公を上回る超人となった)。
地の巫女恐るべしといったところだが、本来グラの項で書くべきことをここで。
覚醒したエステルの顔絵を見て感じたことだが、やや無表情ががったソレは、かつてのボーイッシュなボクっ娘イメージが消え去ったものになっている。
巫女衣装に変わったせいか、大分大人びて見えるよね。
あと、ちょっぴりエ〇い感じするし。
あの衣装って身体の線が分かりやすいし、スリットも深いしね。
一応、設定上でも儀礼的な衣装のはずだから、そういう見方は感心できないな。
大体、ほかの巫女だって同じ衣装だろうに(色はそれぞれちがうが)。
そう感じちゃったってだけだよー。
彼女の場合、元々肌の露出がほとんど無いダボついた服着てたから、ギャップ効果ってやつだね。
いずれにしろ「どちら様でしょうか?」である。
さらに、やや薄目がかっているせいか、表情はまるで仏像さながら。
巫女として覚醒したことから、悟りの域まで達したのだろうか?
匂わせるフシとして、ラドラスで再会した時には非常に意味深なセリフと共に再加入するため、もしかすると未来を見通すエアと同じ領域までたどり着いたのかもしれない。
なお覚醒&巫女装束エステル再加入イベントは、期間限定・禁呪開放・親密度など複数要素がからみ、屈指の難度(攻略情報を見ることを推奨)を誇るが、その分達成感も大きい上、最強候補キャラを仲間に出来ることから見返りも充分。
まだイベ消化していないプレイヤーには、苦労してでも彼女の大変化を見てもらいたいところである。
何気に苦戦するやつ
個人的厄介ボス、闇の巨人。
攻撃面で強い敵はほかにいくらでも居るが、コイツの放つ闇の霧はこちら側を状態異常のオンパレードにする恐怖の技。
搦め手の使い手として考えるなら、本編中一番厄介な相手である。
状態異常対策をまったくしていない場合、体制を立て直せないままジワジワ削り取られることもザラとなる。しかも闇の巨人×1→闇の巨人×1と連戦で戦う羽目になるので、1戦目で消耗、2戦目でやられるなんてことも普通に起きえる。
さらに名のとおり闇属性持ちなため、聖以外の属性が通りづらいことも厄介な理由の1つ。
逆に言えばスペルのホーリーや、封魔の槍など聖属性を持つ武器はとことん有効なので、これらの攻撃方法をあらかじめ用意することで一気に幸せになれる(使用キャラの能力次第では瞬殺も可能)。
カウンターは時として邪魔になる
大変優良なスキルだが、取得しない方が良い時もあるんだな。
あれだね、イベントによっちゃ負けないとダメなやつ。
うかつにソル・ルナカウンターとっちゃうと、主人公の強さによっちゃ勝手に発動して相手倒しちゃうんもんね。
たとえばアトレイアのイベントで発生する心の闇戦とか。
カウンターは役立つから、片っ端から取得してしまいがちになるだろうし。
それこそ、わざと負ける必要がある戦いでは邪魔以外の何物でもないが……。
対策としてはわざとMPを切らすことくらいか(意外と気付きづらいが、MPが0になると気絶するのだな)。
それもMPを丁度使い切るスペルを使わないと出来ないしね。
しかもさ、何気にスペル全部が偶数消費だから、主人公のMPも偶数じゃないとやりづらいんだよね。
敵からMP吸収できるアブソープを使えば、調節出来る時もあるけど……。
そういう面倒なことにならないよう、もし狙ったキャラのイベントで負け必須バトルがあるなら、それ見越して、あえてカウンタースキルをとらない手もあるってことだね。
2周目からの神アイテム
重要アイテム・通信機。
今作での追加アイテム、かつ2周目でオルファウス(2回話しかけること)から手に入る一品。
古代の魔法アイテムという設定で、ネモが隠し持っていたのをオルファウスが没収したもよう(なぜ2周目からなのかは、メタ的な事情がひそんでいそうなのでツッコまない)。
そしてその恐るべき機能は直に仲間の入れ替えが可能になるというもの。たとえるならどこでも利用可能なルイーダの酒場である(ただし特定の場所では流石に使用できない)。
したがって以降は、入れ替えのためにネコ屋敷までわざわざ行かずとも済むように。
付け加えるなら、MAP移動の手間を大幅に減少出来る→日数短縮できる→期限付きイベントにも間に合いやすくなるワケで、イベントやED回収を狙うプレイヤーからすればこれはとてつもなくありがたいことである。
ネモ「……あいつら、来なくなったな」
オルファウス「ですねえ」
ネモ「オレからぶんどった通信機をやっちまったからだろうな、お前が」
オルファウス「誰だって便利な方が良いですからね。むしろあんな物があるなら1周目からさっさと出しなさいな」
ネモ「うるせえな、そこは多分アレなワケ(メタ事情)があるんだよ……ま、オレは親密度とか聞かれるから、完全にお役御免ってことはないけどな」
オルファウス「私は関連イベントとクライマックスでのパーティー加入以外では、ほぼ出番がなくなっちゃいましたね」
ネモ「元々お前が入れ替え担当だったからな……墓穴掘ったんじゃないか?」
オルファウス「……いえいえ、あれでプレイヤーが快適になれれば本望ですよ(一応、通信機ごしに会話できますしね)」
ネモ(ちょっと失敗したと思ってるな、コイツ)
――閑話休題、副次的な恩恵としては、いつでも装備品の交換やソウル付け替えが可能になったことで、仲間のソウルを「低成長型のまま」放置せずに済むように。
オマケにキャラごとの「意見を聞く」も閲覧が容易になった。
「意見を聞く」はしばらくプレイに間が空いて、次に何をしていいか分からない状態となった時にも助けとなる。
なお同じトピックでもそれぞれのキャラの性格を反映した言い回しになっているため、読むだけでも面白い。特にフェティのぶん投げ感や、ユーリスの打算的なセリフなどは必見。
ED選択と同じで、インフィニット時代からあれば何ほど良かったか……。
最強のフラグブレイカー・エア
初回クリア時に、あまり接点がなかったはずのエアEDになるのは一種のワナかと思われる(はじめから彼女EDを狙うつもりなんてサラサラ無かった)。
思い起こせば、エルズで2~3回話しただけだし……あー、あと宿に泊まった時に1回だけイベントが起きたっけ。
でもそんくらいで?
攻略サイトを確認。
集めた情報によると、エアのED条件は男主人公・エアが生存している・親密度が友情以上とのこと。
あーそういや女主でクリアした時にはでなかったもんな。
ってか、え……それよりも友情なんてすぐなんだけど……。
今更ながらだが、このゲームの親密度は該当キャラと日をまたいで何度か会話するだけで、友情程度にはすぐ到達してしまう仕様になっている(当然ながら関連イベを消化するとさらに上がる)。
もっともこれはエアにかぎらずの話で、当時の筆者データ上では友情どころか激愛までいったキャラがほかに何人も居たはずなのだ。
にもかかわらず、彼女EDになるということは要するに……。
あのロリババア風の巫女様は、ほかのキャラよりもED難度がすこぶる低いキャラだったというオチ。
が、ほかにもクリア条件を満たしたはずのキャラを押しのけてまで彼女EDとなるのは、風の巫女の感受性が誰よりも高いからか(これも調べて分かったことだが、単にED優先度が他のキャラをたまたま上回っていたから)。
ちょっと過保護な親御さん(翔王)の存在もあるだろうけど。
少し話しただけでその気になるなんて、エアってちょろ……。
いうな。
あの神殿で長く1人過ごしてきたわけだからな。
しかもエアどのを訪ねてくるのは、その予知の力を当てにしての者ばかりだろう。
さぞかし孤独であっただろうし、少しばかり人と話すだけでも救われるのは、もっともだと思うが。
なお初周ではED選択不可なのもあり、このエアトラップ(勝手に命名)におちいるプレイヤーは少なくないと推察。よってこれからプレイする方はエアと必要以上に関わらないほうが良い。
彼女狙いでさえなければ。
エルズの宿屋も利用しない方が賢明。これは彼女のイベントが発生することでの好感度の上昇を阻止するため。
また、心が痛んでもかまわないなら意図的にエアを死なす方法もある。これならED条件を満たしていようが、ゲームから強制退場させられる(おそらく一番容易な、ラドラス浮上をほったらかす方法だと、ほかの巫女も死んでしまう点には注意)。あくまで心が痛まなければだが。
ともあれ苦労して他キャラとのED条件を達成した(と思っていた)のに、エアが結末に割り込んでくるのを体験したジルオーラーは筆者だけではないはず。
システム的にはある意味で、竜王を超えた存在かもしれない。
ここまで彼女をいじるのもアレなので(システム上とはいえ)フォロー的な意味で書くが、彼女のEDはコミカルかつ微笑ましいものとなっているため、一度見ておいて損は無い。
連綿と続く風の巫女の宿命から解き放たれ、一人の女性として生きることが叶ったワケである。
エア「優先順位? さあ、何のことだかわからぬなーー」
総評 ★★★★
このレビューを見てくれている方が、自由度高めでシナリオ重視の中世ファンタジーという局地的なRPGを求めているのであれば、ぜひおススメしたいタイトルです。
全体のゲームテンポ(ロードタイム・バトルの快適性)がやや遅めであること、昨今のリアル&高画質ではない(良い意味でレトロ)グラフィック等に、いくらか目をつぶれさえすれば、今でも充分楽しめるRPGです。
なお近年の何かしらのゲームでは当たり前になっている声優さんのボイスなどは、一切入っていないため、そういうのが欲しい場合はプレイヤースキルの一つ、想像力で補いましょう。
ストーリーの重厚さもさることながら、キャラのちょっとした台詞一つとっても、思わず考えさせられます。
やや高尚ぶるなら「哲学性」「ポリシー」「人生」などのテーマが、各キャラの性格や行動に埋め込まれている気がしています。
筆者の場合は妖術宰相・ゾフォルの言葉などが印象深いものになりました。
国家戦争や闇の勢力の暗躍、騒乱渦巻くバイアシオン大陸でプレイヤーが選ぶ道、人々との関わり、歴史への介入。
すべてはプレイヤーの選択に委ねられます。
カッコつけたような言い方をしてるけど、要するに「自由に冒険してね!」ってことだよ。
何周もやってる人(筆者もそうだけど)でも、周ごとに性別や旅立ち先、選択肢の選び方なんかを少し変えるだけで「このキャラってこんなこというんだ」ってな感じで、毎回発見があるくらいのボリュームがジルオールにはあるんだからね。
シナリオの節目では、大陸での出来事が歴史ダイジェスト的にテキスト上で流れることもあり、小説を読ませるような演出がスパイスにもなっています。
かのファンタジー小説「ロードス島戦記」が好きな人にはグッとくるかもしれません(舞台が大陸であることなど、どことなく近しいものが)。
なお今作はPSPという携帯機でのプレイのため、モニターサイズの関係から、臨場感はPS2・インフィニットが上なように思われます(発売年数は3年半強の差ですが、それくらいであればまだ据え置きゲーム機の方がグラ面では優れているはず)。
反面、内容・ボリューム・プレイのし易さはやはり今作側に軍配。
グラフィックによほどのこだわりがなければ、追加要素があり、システム面もより快適な今作をおススメします。
パッケージ版はロード時間が長い上、処理落ちも発生するようです(ベスト版も通常版も同じかは不明)。一方でDL版のローディングはかなり短いとのことなので、購入の選択肢はDL版の方が良いでしょう。筆者はそのDL版プレイのためか、支障をきたすほどのことは確かに起きませんでした。周回時のオープニングムービーで数回フリーズしたほか(なぜか誕生日を別な日に変えて、ムービースキップしたら進めた)。歴史区分1でエンシャントスラムから右の切り替えポイントに行った時にもフリーズしました(こちらは一度だけ)。原因は一切不明です、頻繁に起きることではなさそうなので、こまめにセーブすることで一応対処可能です。
ただしDL版でも、バトルやイベント時など流石に数秒以上のロードタイムがかかる箇所もあります。しかしこの数秒すら我慢できなければ酷ですが、別なゲームをやった方が良いかもしれません(むしろその方が貴重なリアル時間をムダにしないで済むという考え方もあります)。
追記→2021年7月2日よりPSPでのストア販売が終了したため、同機種でのDL版は入手不可能となりましたが、PSVitaでのストアでは引き続き今作の購入が可能です(2021年11月4日調べ)。
PSVitaを所持しているなら、DL版は現在1,529円+税で購入可能なので割とお手頃なのと、前述したローディング事情を考えると、こちらでのプレイがやはりおススメです(PSV・DL版の方が快適との話もあり)。
もしPSPのみでVitaを持っていない方(購入を考えていない)であれば、パッケージ版でのプレイも仕方なしと思ってください(長めのローディングには、この際目をつぶりましょう)。
本題に戻ります。
アスティアなど一部キャラについて、スタート時の旅立ち先がそもそものED条件になっているという特殊条件に気付かないまま進めると、お目当てキャラのEDが一向に見られないことにもなりかねません。
1周するだけでもそれなりに長いゲームにつき、せめて2周目からでもED条件位は攻略本や攻略サイトなどを確認する方が良いです。
幸い次周からはソウル・スキルP・錬剛石の引継ぎもでき、前述の通信機やED選択もあって、だいぶ楽な周回プレイが可能です(エンシャントの魔法の宝箱もありますし)。
しかし全員の個別EDはおろか、未来への扉(脅威の大団円ED・達成難易度はいうまでもなく最難関)までを含めたEDのコンプリートを目指すと、相当なプレイ時間になると思われます。
やがて移動やバトルも単調に感じ、周回に際して作業感も出てきます。この感覚はやはりほかのゲームでも一度は味わうもの。
ただ、1、2周程度のプレイでは消化しきれないイベントのパターン(同じイベントでも選択肢次第でがらっと内容が変わりますし)や、ついつい思案させられるセリフも豊富なため、飽きにめげずにプレイすることで、きっとプレイヤー自身のものの考え方の変化や発見にもつながると思っています。
筆者自身がそうでしたし。
万一、飽きに耐えられなかったら、とりあえず一旦クリアし、少しリアル日数をはさんで再プレイスタイルでも良いかもしれません。
そうすることで新鮮味もいくらか戻ってきますし。
筆者にとってもジルオールは「しばらく経てばまたやりたくなる」タイプのロープレなので、このタイプに当てはまるほかの人も、そうする方が良いかもと思いました。
色々とつまらないことを書きましたが、内容そのものはどストレートな洋風ファンタジー。
そういう世界観を嫌わない人にはこの際うってつけのロープレと言い切ります。
この時代、ゲームも進歩に次ぐ進歩により、システムが「凝り過ぎ・詰め込み過ぎ」で、プレイヤーが気疲れするほどのものも少なくありません。
良い意味でシンプルなコマンドRPGなところも、入り組んだゲームプレイに疲れた方におススメです(レトロゲーの良さとはそういうことでもあるのかも)。
百聞は一見に如かず。
初見の方は1度手に取って、たとえ最初は「テンポおっせ、つまんね」と思っても、2~3時間程度はガマンして世界をうろついてみてください。
古き良きファンタジー世界に、いつのまにか浸っていることでしょう(そう願っています)。
これで最後!
今作の追加要素の一つ、主人公誕生日イベントについてですが、筆者はほとんど見れていません。
それはスタート時に設定した誕生日を忘れて、ついつい日数を経過させてしまうから(しかも宿屋に泊まらないと見られないという)。
たまたま発生した時は、急に仲間から祝われて嬉しい反面、突然だったので一体なんのイベントかとビビりました。
今作あるあるかもしれませんが。
すげー文字数で、ダラダラ書いたあげく、締め方がコレ?
まあまあ。
ともあれ初見の人や、久しぶりにやった人。
今まさに攻略中の人でも、ジルオールにふれたプレイヤーには、あの言葉を贈るに限るんだろう?
分かってるよ。
せーの……。
自由な旅を!
自由な旅を!
了。
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