なぜ「稲荷ずし」と呼ぶのか、おそなえものの油揚げも昔は○○○揚げだった?(ちょっとグロ話あり)

♪~♪~

何やってるのカエデ?

ん、これはお出汁の匂い!

きつねそばを作るんだが、食べるか?

今はそれ用の、揚げを仕込んでいるところだがな。

食べる食べる! きつねそばは、やっぱり油揚げ命だよね。

ボクはどん兵衛のお揚げが甘くて大好き!

どん兵衛じゃなく、自家製で申し訳ないがな。

それなりに美味いものは作れるつもりだぞ。

あまったら、稲荷ずしにも使えるしな。

良いね!

……そういやなんで「稲荷」ずしなんだろうね。稲荷って、神社とかにまつられているおキツネ様のことなのはわかるけどさ。

昔話でも、キツネってなんでか油揚げが大好物みたいな書かれ方をされてるじゃん。

それには、ある由来が関係しているぞ。

私の知っていることで良かったら話そうか?

んじゃ、今回はカエデがメインパーソナリティーだね。

教えて教えて!

おキツネ様の好物として扱われたから

brown fox on green grass during daytime
Photo by Charles Jackson on Unsplash

古来から稲荷神の眷属として扱われたキツネの好物として、人々は油揚げをお供えしていた。




その油揚げを使用しているから「稲荷ずし」の名が付いた。




なお稲荷ずしの発祥元は諸説あるが、江戸や名古屋のほか、豊川稲荷の門前町も発祥地のひとつだという説もあり。

かつては○○○の油揚げだった

幾つかの説の1つだが、稲荷神の使いとして扱われたキツネには、大豆で作った油揚げではなく、ネズミの油揚げをそなえていたという話が残っているんだ。

一説では、昔から作物を荒らす害獣のネズミを食べるキツネを人々が有難がって、そなえ始めたのが元だという説もあるぞ。

現にその油揚げに関しての言い伝えが多く残っているからな。

まんまじゃなくて、わざわざ揚げるんだね……。

その手間ヒマもちょっと謎だけど。

もともとキツネは肉好きの雑食動物だ。

かつての自然豊かな環境であれば獲物の数は少なくないはずだし、小動物を狩ることも多かっただろう。

そして私なりの考えだが、人々がキツネがネズミを捕らえる様子を見て、それを好物なんだと思い、感謝のしるしとして与えはじめたのではないかとな。

すでにキツネを神仏の使いに見立てていたなら、風習として伝わるのはなおのこと、自然な形だと思うぞ。

油揚げが変遷してきた背景

ボクは「一応」ネコだけど、ネズミは食べたくないなあ。人間と一緒の食べ物が良いや。

ネコとしては失格かもしれないけどね。

ところで、なんでネズミ揚げが大豆の油揚げになったの?(そんな肝心なこと忘れていたよ)

後々、仏教の教えで殺生が禁じられてからは、動物ではなく大豆で作られた油揚げをそなえるようになったんだ。

それに大豆は穀物だ。

五穀豊穣をつかさどる※豊穣神つまり稲荷神に穀物を供えることでのご利益と、キツネへの感謝の風習がちょうど結びついたと見える。

それから稲荷神の使いとされたキツネの好物も、油揚げだと解釈されるようになったと考え方もありだと思うぞ。

※豊穣神は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)と呼ばれ、稲がよく実るようあやかって「稲荷神」の名がついたともいわれている。

なんかその話だと、キツネにはついでにお供えするようになったって感じだよね。

お稲荷さんには大豆の油揚げで、おキツネ様には昔通りチューチューの油揚げを供えるって感じで、分ければ良かったんじゃないの?

昔話などでキツネに油揚げをあたえる話もあるように、稲荷神とキツネの存在が同一化されたか、もしくはあやふやになったという見方もある(あくまでキツネは稲荷神の使いとして扱われているのだがな)。

だが実際のキツネは大豆の油揚げなどは別に好物ではないのだ。

まあ雑食性だから、食べることは食べるかも知れないが。

それでさっきいってた通り、キツネの好物=油揚げとして油揚げでお米をくるんだものを稲荷ずしって呼ぶ話に結び付くってことか。

結末は結構シンプルなんだね。

さきの豊穣神や、稲荷神信仰の始まりについてもう少し触れたいところだが、今回はキツネと油揚げの関係についてざっくりした話程度にしておこうと思うぞ。

ちなみに油揚げとは「豆腐」を揚げて出来たものなのは知っているな?

このサイトの筆者どの(管理人)は、子供のころどころか、大人になってからもそのことをしばし知らなかったらしい。

へ? 一体何から出来ていると思ってたの?

煮た大豆をすりつぶして、形をととのえたのを揚げて出来たものと思っていたようだぞ。

それにしては食感がおかしいと思い、ある日、調べてみて答え分かったんだとか。

惜しいっちゃ惜しいね。

でも良かったよ、壊滅的な思い込みじゃなくてさ(もっと関係ないものから出来てるって思ってたりとか)。

まとめ

①稲荷ずしは、稲荷神の使い(おキツネ様)の好物とされた油揚げを使うことから名付けられた

②実際のキツネは肉メインの雑食性であり、油揚げは別に好物ではない

③作物を荒らすネズミを食べてくれるキツネへの感謝の表れとして、ネズミの油揚げをおそなえしていたが、仏教による殺生禁止の考えが伝わると、かわりに大豆の油揚げをそなえるようになった

ちなみに私が作ったのは、市販の油揚げに甘じょっぱく味付けしているものだ。

出汁を使うことで一応、自分流の味付けにしているが。

豆腐屋ではないのだから、流石に一から作るわけにはいかないからな。

いい匂い! 美味しそう! 

きつねそばとは言わず、もうお揚げだけでも良いんじゃないかなって気もするよ。

ついでだから、今回の読み物にあやかって稲荷ずしも作ろうか?

ネズミ揚げを添えて……。

え……。

本気? やめてよ!

フフッ! じょうだんだ!

まあネズミの揚げも味はそう悪くないんだが。

……えっ?(まさかコイツ、食った?)

了。

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