前回、エレベーターボタンのアルファベット表記についての読み物を書いた。
その情報をWebで調べている時、今まで知らなかった意外に多種な黒鉛筆の芯についての話も見受けられたので、ついで書きの文として作成した。
もっともこの話は、美術系の人や鉛筆で絵を描く人にとって、至極日常的で当たり前の話だと思われる。
が、筆者もふくめ、知らない人からすれば意外にトリビアなこと。
下手の横好きにしろ、一応は筆者も絵を描く時があるワケで、たとえ今はデジタルメインだろうと、こういうことも知っておいた方が良いと思った。
FはHとHBの中間
Fとは「ファーム」といい「しっかりした」という意味。
これはよく使われるH・HBの中間の濃さ・硬さを持った黒鉛筆の芯のこと。
濃さや堅さって何の事?
黒鉛筆のアルファベット表記は、芯の堅さと色の濃さを段階的に表したもの、とりわけその種類には、色が濃い物や薄い物がさまざま。
また芯の固さも、それぞれでちがっている。
そして現在、使用されている黒鉛筆の種類と段階は10H~H→F→HB→B~10Bとなっている(10Hがもっとも堅くて薄い、10Bがもっとも柔らかくて濃い)
なお10HからH、10BからBまでは9段階の濃さと堅さの数字が、アルファベットの前に付く。
これだけ黒鉛筆の種類があるというのも驚きだが、これを一つ一つ使い分けている人が現実には居るのもすごいことのように思う。
あ、忘れる所だった。
Hはハード。
Bはブラックだよ。それぞれの英語のイニシャルってことだね。
頭文字の本来の言葉も覚えておくと、より頭に残るな!
鉛筆が使われるようになったのはいつ?
日本では明治維新後、1873(明治6)年頃に鉛筆の製造を学んだ伝習生が帰国した。その後、小池卯八郎という人物がその製造工程を元にし、黒鉛筆を国内で最初に造ったという説がある。
年月が少し進み、今度は眞崎仁六という人物が1878(明治11)年に、パリ博覧会で出展されていた鉛筆を見て製造方法を研究した(マンガのるろ剣で剣心と薫が出会ったのが、確か明治11年の設定だと記憶している。余計だが急に思いついて書きたくなった)。
さらに彼は1887(明治20)年に眞崎鉛筆製造所を設立。これが、かの大手メーカー「三菱鉛筆」の前身になったとされている。
「ザンギリ頭を叩いてみれば文明開化の音がする」という有名な言葉にもあるように、明治維新後には海外から様々な文化が一気に取り入れられた。
鉛筆も例外では無かったということ、ちょっとした歴史の豆知識として書いておいた。
まとめ
- 鉛筆のアルファベットは色の濃さと芯の堅さを意味している。
- Hが堅くて薄い、Bが柔らかくて濃い。
- 黒鉛筆の種類は10H~10Bまであり、H(1H)とB(1B)の間はH→F→HB→B……となっている。
- アルファベットに付いた数が高いほど度合いが高くなる。
現在でも一部資格試験やセンター試験の時は、黒鉛筆使用のみに限定されていることも多い(マークシート式だと、シャープで書いても採点時に認識されないとか、都市伝説じみた話もあるが、これは定かではない)。
デジタル化がいくら進もうが、鉛筆には一定の需要があるだろう。まして、鉛筆で絵を描く人なら各種類あることが大前提であるともいえる。
黒鉛筆は大人子供関係なく、一度は使ったことあるはずだからね。
一時的にシャープやほかのペンを使うことがあっても、誰しも少しは鉛筆を使った経験があるはずなんだ。
それこそ美術の授業ではデッサンでかならず使うワケだし。
ちなみに大工さんとかが寸法を取るとき、目印に使うのはおもに黒鉛筆だね。
濃淡がたくみに表現出来るのは、確かに鉛筆ならではかもな、芯も丈夫だし。
反面、シャープペンというのは研ぐ手間がない利点もあるが、力加減をまちがうと芯が折れやすいからな。
それこそ、用途によって使い分けるというのが一番だろう。
私はほぼ毛筆しか使ったことがないが。
筆で書くの上手い方が、スゴイと思うけどな!
文字や絵の線の太さも、一本の筆でコントロールしなきゃないしさ(毛筆にも種類や使い分けはあるけど)。
ちょっとした加減で太さと濃淡がすごく変わるし、手先の精密さを問われるのは毛筆が一番レベル高そうな気がするよ。
了。
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